小手先SEOの終わりと新たなSEOの始まり。Web担当者は検索エンジンの先にいるお客さまを見ろ
いまだにSEOを「検索エンジンをだます小手先のテクニック」だと思い込んでいるWeb担当者に喝!
SEO=検索エンジン最適化とは、お客さまのニーズに最適化することだと理解すべし。
10月20日に筆者の生田氏が開催する『生田昌弘の「Web担当者に喝!」』ライブセミナーの情報を記事末に記載している。今回の記事のテーマに納得された方は、セミナーも役立つはずだ。
検索エンジンをだますことを「SEO」と呼んでいた時代は、終わった
SEOのために、ふつうのサイトでふつうのWeb担当者が使える効果的なテクニックは、ほぼなくなった。
そんな言葉を耳にするようになったが、本当だろうか?
私は、もともとSEOという言葉が好きではないので、そうなれば、まことに結構なことなのだが……。
しかし実際には、相変わらず次のように聞かれることが、まだある。
とにかく検索結果の上位に表示させるようにしてほしい!Web担当者A
どうやったら、簡単に上位表示されますか?Web担当者B
あいかわらず検索エンジンからのトラフィックを増やすSEOのニーズはあるじゃないか。
さらに悪いことに、10年くらい前のSEOテクニックが「都市伝説」のようにまことしやかに語り継がれているじゃないか!
いまだに、文章中にキーワードが大量に埋め込まれていたり、サイドバーやフッターにリンクがぎっしり設置されていたりするような、よくわからないページに出合うのだ。
もう今は役に立たない、検索エンジンをだますような行為をSEOだと思っている人は、まだまだいるようだ。
すべてのWeb制作会社やSEOのサービスを提供する会社にお願いしたい。
SEOの相談に来たすべてのクライアントに、このように話してあげてほしい。
それに必要なのは、検索ユーザーのニーズに応え、良い体験を提供することです。
それこそが、本来の「Webサイトを構築する」ということそのものです。
現状でも、SEOに細かいテクニックやノウハウがあることは認める。正しくクロール・インデックスしてもらうことや、検索エンジンにコンテンツのテーマを伝えるためのリンクの構造、新しいAMPなどの技術などなど、SEOとして意識すべきことはさまざまある。
特に大規模なサイトでは、そうした面を軽視すると、痛い目にあう。
でも、本質は「本来Webサイト構築でするべきこと=今のSEOに求められること」である。
SEOは、本来のあるべき姿になってきている
検索エンジンのたび重なるアップデートにより、SEOそのものが劇的に変化してきたことは、周知の事実だ。
そして、この変化に右往左往している多くの企業や担当者がいることも事実である。
でもよく考えてみてほしい。
検索エンジンのアップデートは、検索エンジンにとってのお客さま(検索ユーザー)のニーズに最適化することを目指しているということを。
これにあらがうのではなく、御社のWebサイトのそもそものあり方を、今一度検討するよいタイミングととらえてみてはどうだろうか?
そもそもWebサイトで何をやらなければならなかったのか?
いつの間にか、施策の目的が「お客さまのニーズに最適化すること」ではなく、「検索結果での上位表示」になってしまっていなかったか?
ぜひ、思い返してみてほしい。
検索エンジンは、今後も成長していくだろう。
それは、お客さまの利便性のために。
だから、御社のWebサイトも同様に、お客さまの利便のために成長させてほしい。
成長した検索エンジンに最適化することを、旧来の小手先テクニックの印象がこびりついている「SEO」と呼ぶのは、違和感がある。でも、そんなことはどうでもよい。
検索エンジンがお客さまにとっての最適化を目指す限り、御社のWebサイトもお客さまにとっての最適化を目指すべきだ。
検索エンジンを御社のトップページと位置付ける、つまり(一部であっても)Webサイトの集客を検索エンジンにゆだねる限り、目指すゴールは同じだ。
検索エンジンのアルゴリズムを意識した古い小手先テクニックとしてのSEOは、必ず陳腐化して無駄な施策になる。
求められるのは、そうではなく、「検索エンジンが目指すユーザー体験」にマッチさせたWebサイト構築なのだ。
くれぐれも覚えておいてほしい。
これからのSEOは、検索エンジンをだます小手先のテクニックではない。
お客さまに最適化されたWebサイト構築のための指針であると。
Webサイト構築でもSEOでも絶対に必要な2つのこと
これからのSEOで行うべきことは、まさに本来あるべき「Webサイトを構築する」ということそのものだ。
だから、そのために必要なことも、同じく以下の2つである。
- お客さまのニーズに応え、良い体験を提供するコンテンツ
- 論理的な階層構造(お客さまにも検索エンジンにもわかりやすい)
まさに、これを実現することこそが「制作をする」ということだ。
雑誌であれば、お客さまがグッとくる特集企画を考えて、実際に取材をしてお客さまのニーズごとにルートの選択ができるようにコンテンツを制作する。
さらに、それを雑誌として読みやすくわかりやすい構造にする。
それが「雑誌制作」だ。
Webサイト構築にも、他の制作と同様の仕事が求められるようになるのだ。
Webサイト構築とは、お客さまのニーズに最適化されたコンテンツを考え、それを制作することなのだ。
ここでいう「ニーズ」とは、
- 欲求
- 願望
- 悩み
- 不安
- 不満
などに加え、
- 楽しみ
- 驚き
- 共感
なども意識すべきだろう。
そしてそのコンテンツを、ソリューション別に切り分けたリストでまとめたり、同じ種類でまとめたりすることで、サイトとして論理的な階層構造を持つことになる。
こうなると、お客さまにとって探しやすく、検索エンジンからいきなりコンテンツに飛び込んできてくれる。「探す必要のないWebサイト」が、高額なツールなしに実現できるのだ。
これからのSEOをふまえて構築されたWebサイトにとって、検索エンジンはレコメンドエンジンであり、One to Oneを実現してくれるマーケティングツールだといえる。
こう考えると、検索エンジンのアップデートは、Web担当者の悩みの種などではなく、むしろ粗悪なSEOを排除し、Webサイトがお客さまにとって有益か無益かをふるいにかける、淘汰の働きにも思えてくる(残念ながら、まだ検索エンジンは間違った情報など、本来検索ユーザーに提示すべきでないものを上位表示しているが)。
まっとうなSEO屋さんは、ぜひ「検索ユーザーのニーズを満たすコンテンツとWebサイトを構築するプロフェッショナル」を目指してほしい!
おそらく、みなさんのノウハウは、お客さまのニーズに最適化されたWebサイト構築のノウハウでもあるはずだ。
「Webサイト構築」という仕事の内容が、HTMLコーディングやグラフィック制作などの印刷的な位置づけから、コンテンツ制作という一般的な制作の位置づけに代わりつつあるのが、今なのだから。
本日のまとめ
Webサイト構築とは、お客さまのニーズに応えること。
検索エンジンのアップデートがお客さまのニーズに応えることを目的とするなら、WebサイトのSEOもまたお客さまのニーズに応えるもの。
SEOを小手先のテクニックととらえず、検索エンジンの先にいるお客さまの姿を常に意識すべし。
すべては、お客さまの問題解決のために!
【10月20日(木)開催】(参加締切 10/6 17:00)
リアル Web担当者に喝! Vol.1
~小手先だけのSEOに頼らない!Webサイト構築のポイント~
本セミナーは、キノトロープ 代表取締役 社長の生田昌弘氏によるWeb担当者Forumの連載「生田昌弘の『Web担当者に喝!』」のライブ版。Web業界の頑固オヤジこと生田氏が、連載のコンセプトそのままにライブで叱咤激励メッセージを届ける。
今回のメインテーマはSEO。「まっとうなWebサイトにはSEOなど不要! 検索エンジンよりもユーザーを思うべし」という生田氏の講演ほか、SEOソリューションを提供するFaber Company、CMSベンダーのジゾンがゲスト講演する。
また、パネルディスカッション「お悩み解決!本当のライブ喝!」では、生田氏とFaber Company 取締役 古澤氏が参加者から寄せられた質問に回答する。モデレーターはWeb担当者Forum編集長の安田が務める。
開催概要
- 日時: 10月20日(木)14:30~17:30(受付開始 14:00)
- 会場: ソラシティ カンファレンスセンター 2F Sola City Hall【WEST】(東京都千代田区神田駿河台4-6)
- 対象: Webサイト運営にかかわる企業担当者、責任者
- 定員: 150名
- 参加費: 無料(※抽選制)
- 応募締切: 2016年10月6日(木)17:00まで
- 主催: 株式会社キノトロープ
- 協力: Web担当者Forum編集部(株式会社インプレス)、株式会社Faber Company、株式会社ジゾン
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