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2016年、ポッドキャストのSEOが重要なスキルに② ―― iTunesにおける順位決定要因

iTunesにおけるポッドキャストの順位決定要因を6種類、さまざまな切り口から解説する
この記事は、4回に分けてお届けしている。2回目となる今回は、前回に引き続いて第1部の後半に当たる「順位決定要因となりうるものは?」について見ていこう。
まず第1回を読んでおく

I iTunesにおける順位(続き)

I-2 iTunesでポッドキャストの順位決定要因となりうるものは?

ここでは、順位決定要因となりうるさまざまな要素を取り上げ、僕自身の経験や直感による考えに加え、他の人々の意見も紹介する。

繰り返しになるが、ここで紹介するのは、iTunes で順位が決定される仕組みについての1つの見解であり、仮説にすぎない。反対意見や議論があれば歓迎する。

直前週の新規購読者数

この記事を書いている途中で、僕はPodcast Answer Manのエピソード421を偶然見つけた。おおいに戸惑ったというのが正直なところだ。ロブ・ワルシュ氏が、iTunesのリストの順位決定アルゴリズムを正確に理解していると主張しているのだ。これはジョークじゃないよ。

ワルシュ氏の主張はこうだ。

トップ200リストは、直前の24時間、48時間、および72時間の加重平均を利用して算出した、直近7日間の新規購読者の数だ。

実際のアルゴリズムは、(1日目×4 + 2日目×3 + 3日目×2 + 4日目 + 5日目 + 6日目 + 7日目) ÷ 13だ

このアルゴリズムの動作に関するクリフ・レーベンクロフト氏の補足説明を聴きたい方は、問題のエピソードを参照してほしい。

ただし、これは(ビジネス、アート、教育など)各カテゴリのトップ200の話だ。これがそのまま検索順位に適用できるとは思えない

  • リストの順位か検索結果の順位か ―― これはリストの順位に影響を与える可能性はあるが、検索には影響しないだろう。

  • 順位決定要因なのか ―― その可能性はあると思うが、裏付けとなるデータの例をいくつか見てみたいところだ。

  • 自分で操作できるか ―― 間接的には可能だ。購読者を増やすためにできることはたくさんある。

  • 入手できるデータはあるか ―― FeedBurnerなら、たぶんありそうだ。ただし、僕が自分のアカウントで何らかのデータを得られたことはまだない。

  • アドバイス ―― 何はともあれ、購読者を増やす取り組みはしたほうがいい。これは当然重要なことなのだから。

作品フィードに含めるキーワード

これは4つの部分からなる。

  • 作品名
  • アーティスト名
  • エピソードのタイトル
  • エピソードの説明

ところで、パット・フリン氏のポッドキャスティングチュートリアルには、ポッドキャストのキーワードを含めるべき場所に関するヒントがたくさん載っている。ただし、これはきわめて基本的なことだ。スパムと見なされないように気をつけながら、こういった場所にキーワードを含めよう。

  • リストの順位か検索結果の順位か ―― これは検索順位に影響を与える(リストには影響しない)。

  • 順位決定要因なのか ―― 僕はイエスだと思う。iTunesはどう見ても、僕の作品の順位を僕が使った言葉に基づいて決めていた。

  • 自分で操作できるか ―― できる。このテキストは自分で管理し、いつでも編集して更新できる。iTunesに更新が反映されるまでには、だいたい12~24時間かかる。

  • 入手できるデータはあるか ―― ある。ポッドキャストのフィードのテキストはすべて、だれでも見ることができる。したがって、調査するのは簡単だ。

  • アドバイス ―― 従来のSEOと同じく、キーワードを用いて確実に最適化を行おう。具体的なアドバイスについては、フリン氏のチュートリアルを参照してほしい。

再生やダウンロードの合計回数

順位に影響する要素として多くのポッドキャスターが取り上げるに違いない、非常に一般的なものだ。

ただし、「ダウンロード」という言葉は誤解を招く可能性がある。(僕が利用している)Libsynなどのポッドキャストホスティングサービスでは、エピソードがストリーミング再生されたことも実際にダウンロードされたことも「ダウンロード」と表現される。

Nieman Journalism LabのHot Podシリーズの記事には、次のような記述がある

われわれはおよそ1年半の間、こうしたポッドキャストの復興についてあれこれ話をしているが、どのような話であれ、「ダウンロード」が必ずしもダウンロードを意味する必要はなく、「インプレッション」が必ずしもインプレッションを意味する必要はない。

僕が理解する限り、ダウンロード数をカウントするときにエンゲージメントの長さが考慮されることはまったくない。だれかがあるエピソードを最初の10秒間聴けば、それは「ダウンロード」として記録される(これはテスト済みだ)。

  • 順位決定要因なのか ―― そうではない。Appleは、Libsynの合計ダウンロード数のデータにはアクセスしていない。

  • 自分で操作できるか ―― 間接的には可能だ(Fiverrなどのクラウドソーシングサービスなどを使っていない限り)。

  • 入手できるデータはあるか ―― 個人的なつてがある場合のみ入手できるが、ポッドキャスターがダウンロード数を自ら公開している場合もある。

  • アドバイス ―― 聴取者やダウンロード数を増やしたいのは当然だ。だが、この数値は、よくて代替的な指標か、相対的な指標だと考えてほしい。そして、順位を高められるからというだけでダウンロード数を増やそうなどとは、決してしないように。

注意:スポンサーを獲得する場面では、ダウンロード数が大切な数字となる。スポンサーの獲得については、ティム・フェリス氏の記事EOFireの優れたガイドを見てほしい。

「ダウンロード数」がどれほど混乱の元であるかということが、少しはおわかりいただけただろうか。

レビューの獲得状況

これは、ポッドキャストの順位決定要因として最も盛んに議論されている要素の1つだ。その考え方は、より多くのレビューをより早く獲得するほど「ニューリリースと注目作品」に表示される可能性が高まるというものだ。

  • 順位決定要因なのか ―― 僕の意見では、残念ながらイエスだ。ただし、これには強く反対する人もいる。そして僕は、このダニエル・J・ルイス氏の反対意見を尊重するものだが、それでも、レビューを順位決定要因と見なさないという意見には納得できない。おそらくトップリストには影響していないが、検索結果の順位には影響していると思う。

    • また、一部には正当な理由もなしにiTunesの順位を操作している状況もあり、僕はこれを相関関係と捉えるのは誤りだと思っている。後で詳しく取り上げよう。
  • 自分で操作できるか ―― 残念ながら、イエスだ。後で取り上げるように、偽のレビューはたくさんある。

  • 入手できるデータはあるか ―― ある。すべてのエピソードについて、レビューがどれくらいあるのか、そのレビューはいつ書かれたのか、いくつの星(満点は5個)が付けられたのかをいつでも確認できる。

    また、純粋なレビュー数に加えて、次の要素が副次的な順位決定要因となっている可能性がある。

    • レビューの質
    • レビューの即時性
    • レビューの執筆者(Yelpエリートユーザーのレビューはより重視されるなど)
  • アドバイス ―― 僕は、「レビューはオーガニックに獲得すべき」と考える立場の人間だ。この記事の執筆時点で、僕は10のレビューしか獲得していないが、同じ頃に登場した作品の中には50以上獲得しているものもある。僕はレビューをだれにも依頼していないが、これは僕が自ら選んだやり方だ。

アートワーク

多くのポッドキャスターが、アートワークの質が順位に与える影響について語っている。彼らによれば、アートワークの質が高いほうが、iTunesの編集者が「ニューリリースと注目作品」に選んでくれる可能性が高くなるという。

  • 順位決定要因なのか ―― 僕の意見は、ノーだ。反対する人は多いだろうが、デザインの質の評価はある意味で主観的なものだ。また、アートワークが「ひどい」と思える多くの作品が高い順位を獲得している例を見てきている。

    iTunesがホームページに載せるポッドキャストを手作業で選んでいるとしたら、デザインが役に立つ可能性はある。それでも、これは測定可能な順位決定要因ではない。

  • 自分で操作できるか ―― できる。なので、腕のいいデザイナーを雇おう ^_^

  • 入手できるデータはあるか ―― 主観の問題だ。

  • アドバイス ―― いずれにせよ、優れたアートワークを目指すべきだ(もちろん、僕のアートワークがギリギリ合格程度だってことはわかってるよ。これは自分で作ったのだ。僕たちの活動予算は非常に限られていることをわかってほしい ^^;)

一度に2~3話以上のエピソードを公開する

この手法は、ポッドキャスターの間でよく話題になるようだ。たとえばティム・フェリス氏は、ポッドキャストを作った自らの経験に関する優れた記事で、このやり方を取り上げている(素晴らしい記事なので、ぜひ読んでほしい)。

だが、僕はこの意見に賛成しがたい。

  • 順位決定要因なのか ―― 多くのポッドキャスターたちに異を唱えることになるが、この手法は非常に疑わしいと主張したい。

    この手法の根底にあるのは、順位を上げるチャンスは公開後のわずかな時間しかなく、何もしなければそのチャンスを「逃してしまう」という考えだと思う。

    だが、その証拠を確認できたことはない。僕の作品は、1週目にはさほどの順位は得られなかったが、3~4話を公開して7~10日後に順位が上がり始めた。だが、僕はエピソードを1度に1話ずつしか公開していない。

  • 自分で操作できるか ―― できる。エピソードのアップロードは、いつでも好きなときに好きな数だけできる。

  • 入手できるデータはあるか ―― それなりには、入手できる。新しく公開されたポッドキャストに注目し、一度に1話だけ公開されたものと3~4話一気に公開されたものを比べ、順位の違いを確認できるからだ。

    ただし、その結果が相関関係なのか因果関係なのかを言うのは難しい。

    この件に関して多くの人が論拠にしているのは相関関係によるものではないかと思う。たとえば、おそらくエピソードの数が多ければ、それだけレビューの数も増え、その結果順位が上がるだろう。その場合には、「もっと多くのレビューを獲得せよ」とアドバイスすべきなのだ。たとえ、エピソードは1つであっても。

  • アドバイス ―― 3話以上のエピソードを公開することを検討してもよいだろう。そうすれば、初めてその作品を見つけた人に、購読したい気持ちをより強く起こさせることができる。

第1部「iTunesにおける順位」は今回で終わりだ。次回は第2部の「プロモーション戦略」をご紹介する。→第3回を読む
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