超カンタン! GoogleアナリティクスでPDCAサイクルを回す4ステップ
Googleアナリティクスは設置しているけど、実は全然データを見ていないし、改善に活かせていない。そんな人のために今回は、超シンプルにアクセス解析を行って、PDCAサイクルを回す方法を解説します。
Googleアナリティクスは設置しているけど、全然活用できてない
突然ですが、皆さんアクセス解析のデータを定期的に見て、ホームページの改善に役立てていますか? 実は、Googleアナリティクスは設置しているけど、最近ほとんど見てない……なんて方も、結構多いのではないでしょうか。
Googleアナリティクスは設置しているけど、全然活用できていないんだよね……
と先日、害虫駆除サービスを経営する社長と雑談していると、Googleアナリティクスの話題が上りました。
データ量が多すぎて何を見たらいいかわからなかったり、何をどうすれば改善できるのかわからなかったり、代理店やコンサルに依頼するとお金もかかるし……といった具合で、いつのまにかGoogleアナリティクスの画面を見なくなってしまうことはよくありますよね。
そこで今回は、アクセス解析を今まで全然活用できてない方のために、超シンプルな活用方法の4ステップを解説していきます。
Googleアナリティクスを超シンプルに活用する4ステップ
Googleアナリティクスを全然活用できていないという人は、解析ツールを開く前に、まず次の4つを自社の場合だったら……と考えてみてください。
アクセス解析ツールを活用する4ステップ
①ゴール ホームページを作った目的、リニューアルした目的を考える(思い出す)。
②仮説 その目的を達成するために、どんなシナリオがいいか考える。
③導線設計 ②で考えたシナリオをホームページで試してみる。
④解析 ③②①のそれぞれを検証するデータは何か、データを見てみる。
この4ステップの具体例として、この記事を執筆するきっかけにもなった、害虫駆除サービスの場合で①~④を回答していきましょう。
活用例:害虫駆除サービスの場合
①ゴール ホームページを作った目的
スズメバチの駆除をしたい人をホームページに集めて問い合わせをしてもらう。
②仮説 その目的を達成するためのシナリオ
スズメバチに関する情報をたくさん掲載したブログを更新し、ホームページへ誘導する。
③導線設計 ホームページで試したこと
- ブログからホームページへの誘導を強化するために、ブログ記事に関連するサービスページへのリンクを張る
- サービスページ内で、電話番号が目立つように文字を大きくし、フォームへの誘導が目立つようにボタンらしくし、ページ全体の色中でコントラストを高めた(メニューと同色の青系から赤系へ変更した)
④解析 それぞれを検証するデータ
- ランディングページから電話での問い合わせはどのくらい来ているか?
- 問い合わせボタンからフォームへどのくらい誘導できたか?
- ブログのPV数はどのくらいか?
- ブログからどのくらいランディングページへ誘導できたか?
- スズメバチを駆除したい人をどのくらい集客できたか?
④解析を行う場合は、①~③で挙げた項目がわかるデータをアクセス解析ツールで見ればいいわけです。この「解析」と「施策」そしてその「検証」と「繰り返し」つまりPDCAサイクルが成果につながる王道なのです。また、データを見るのは、1週間に1回程度でOKです。毎日見る必要はありません。
こんなにシンプルなPDCAでも、次にどんなことを行えば、もっと改善するのだろうと考える糸口を見つけられるはずです。今回、導線設計で立てた施策を行っただけで各ブログページからの流入率が3~30% → 7~40%に改善し、問い合わせ数も微増しました。
ここで興味深いことは、流入率の上限値の上昇(30%が40%へ 133%改善)より下限値の上昇率(3%が7%へ 233%改善)が高かったことです。これはもともと流入する可能性の高い人の取りこぼしを、この施策で改善できたためだと推測できます。PDCAサイクルを回しはじめの段階などでよくある傾向の1つといえるでしょう。
PDCAサイクルをとにかく回すと改善施策が見えてくる!
今回実施したのは、
- ホームページの目的を明らかにして、仮説や導線設計を考える
- その仮説や導線設計に応じて見るべき指標を絞り込む
- サイトの運用(サイトの更新やブログの更新)
- その数字を毎週チェックする
こんなシンプルな解析を行うだけで、次のような改善施策が見えてきます。
- どんなブログコンテンツだと流入を増やせるのか?
- どんなブログコンテンツだとフォームまで到達されるのか?
見るべき指標を明確にしたことによって、仮説に対する効果がわかりやすく可視化されたのです。
社長と会話をしていて、「Googleアナリティクスの確認は、最初は1週間に1回程度でいいですよ」といっていたものの、後日話を聞いたら、毎日見ていると言われました。
自分の行動が数字上の変化として可視化されることが、それがモチベーションにつながったようです。そして、1か月半後、初めてフォームからの見積もり依頼がやってきたそうです。
仮説を立てるコツ 超簡単フレームワーク
上記で解説した②仮説や③導線設計を考えるときに役立つ、さまざまなフレームワーク(古典的なAIDMAから始まりマインドフローやパーチェスファネルなど)がありますが、ここでは、Googleアナリティクスならではの仮説を立てるコツを1つ紹介します。
ここで「!」となった方は、鋭いですね。Googleアナリティクスの画面は、頻繁に更新されているので、この画面がいつまでこのままかわかりませんが、現在(2015年12月)のGoogleアナリティクスの画面では、あらかじめストーリーが用意されているのです。
このリアルタイムからの下の項目を見ると、次のようになっています。
- ユーザー
- 集客
- 行動
- コンバージョン
これらを言い換えると、次のように解釈できます。
- ユーザー: どんな人がターゲットで
- 集客: その人たちにどのように認知あるいは興味をもってもらってサイトに訪れてもらい
- 行動: どんな理想的な行動をとって
- コンバージョン: 成果につながる行動をしてもらうか
Googleアナリティクスには、こういったストーリー「フレームワーク」が用意されているのです。
仮説を作るときの簡単なやり方として、この4つの項目を埋めるようなストーリー「フレームワーク」を埋めるように作ってみると、Googleアナリティクスの解析指標との親和性が高くなり、解析が簡単にできます。
しっかりした仮説や導線設計をしようとすると、事業分析や検索エンジン対策などさまざまな観点からの推察や場合によっては加重分析が必要になりますし、場合によっては、Googleアナリティクスでは取れないデータ※もあります。
企業内のWeb担当者が1人で独自に解析する場合やウェブ解析のプロでない場合などは、簡単でもシンプルでもいいから、ホームページの目的を理解して、PDCAサイクルをとにかく回してみることです。
今回の場合、後日、電話からの問い合わせを増やすという目的を追加し、電話からの問い合わせ数を把握するために、フリーダイヤルを使ったコールトラッキングサービスを導入しました。いくら良いサイトを最初に作ったとしても、PDCAサイクルを回せなければ成果にはつながりづらいはずです。簡単な所から徐々に精度を上げ、成果につなげていくことが成功への近道なのです。
※たとえば、特定キーフレーズの検索結果に対して1ページ目の画面占有率をKPIにするなど
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