飲食店を繁盛店にするには? 1か月でLINE@の友だち登録300人にした事例紹介
飲食店の運営を軌道に乗せるにはどうマーケティングすべきか。今回は、Webマーケティングを請け負う筆者が所属する会社が経営する店で、1か月でLINE@の友だち登録300人に増加した事例を紹介します。
オープンしたばかりの店を繁盛店にするには、どうすべき?
今回紹介する事例は、筆者の所属する会社が福岡市で経営する飲食店「VegeFru Kitchen(ベジフルキッチン)」です。毎日、青果市場から直送される新鮮な野菜や果実を使ったベジフルサラダとスムージーを提供するお店です。
実はこのお店は2017年8月21日にオープンしたばかりです。繁盛店として、お店を長く経営していくには、次の仕組みがうまく回らないと実現しません。
- 顧客に店舗を知ってもらう
- 顧客に店舗を思い出してもらう
- 顧客に店舗を選んでもらう
- 顧客に店舗へ繰り返し来てもらう
顧客に店舗を知ってもらうには?
まず、「店舗を知ってもらう」方法としては、次のようなものがあります。
- 検索エンジン(Google、Yahoo!など)のSEOとリスティング広告
- ソーシャルメディア(Facebook、Instagramなど)のアカウントと広告
- その他ウェブサイト(ポータルサイト、ディスプレイ広告など)
- オフライン(TV、雑誌、チラシなど)
Web担当者さんは、リスティング広告やソーシャル広告をまず思い浮かべるかもしれません。しかし、店舗周辺の人へオープンしたことを知ってもらうには、オンラインの集客方法であるネット広告で地域を限定して広告配信をするよりも実は、オフラインの集客方法であるチラシを配ることのほうが効果的な場合もあります。
実際にVegeFru Kitchenでは、店舗近隣に住む人や店舗周辺で働く人などに知ってもらい、来店してもらうために、看板商品であるグリーンスムージー(320円相当)を1杯無料にするという内容のチラシを店舗周辺に2万3000部を配布し、実際に178名に来店いただきました。
実店舗の集客では、オンラインとオフラインの集客方法をバランスよく実施していくといいでしょう。
一度来たもらったお客様に、繰り返し来てもらうには?
一度来てもらったお客様にリピーターになってもらえれば、お店は繁盛店へと成長していきます。リピーターになってもらうには、商品の味や店員の接客、お店の雰囲気などが重要であることは言うまでもありません。それらに加えて「顧客に店舗を思い出してもらい、同様の飲食店ではなくVegeFru Kitchenを選んでもらう」必要があります。
そこで、今回はその手段としてLINE@を選びました。
LINE@を選んだ理由としては、LINEの国内ユーザー数は約7,000万人、そのうちの約70%が1日1回以上利用し、国内の「生活インフラ」として定着してきている無料の通話・メールサービスだからです。
また、メッセージをお客様に配信した後のアクションについての調査で、メッセージを読んだ(約54%)、クーポンを利用した(約28%)という結果も出ており、メルマガよりもメッセージの開封率、反応率が高い傾向にあり、リピートでの集客効果が見込めると思ったからです。
さらに、お客様のLINEへ直接、お店の情報やクーポンをプッシュ型でメッセージ配信できるだけでなく、個々のお客様とトーク(1対1トーク)ができるため、気軽にコミュニケーションしたり、予約につながったりすると思ったこともLINE@を選んだ理由の1つです。
看板メニューを初回無料にすることでLINE@の友だちが1か月に300人以上増加
早速、LINE@をどう活用したのか紹介していきます。ポイントをまとめると次の通りです。
登録を促す方法は、LINE@登録特典として、看板メニューやドリンクメニューなど無料提供する
お客様にお知らせする方法は、店内ポスターやレジカウンターにPOPを設置し、会計時の声がけをする
友だちになった人には、週に1回以上メッセージを配信してコミュニケーションする(VegeFru Kitchenでは毎日配信を実施)
登録を促す方法・お客様にお知らせする方法
LINE@で友だち登録してもらわなければ、プッシュ通知もコミュニケーションもできません。
登録を促すために「友だち追加でグリーンスムージー(320円相当)1杯プレゼント」を登録特典にして、店内に下記画像のように、店内にポスターを貼ったり、レジカウンターにPOPを設置したりと実際に来店したお客様の目に付くように告知を行いました。
また、会計時にスタッフが必ず「LINE@には登録済みですか?」などと口頭で案内するようにしています。
メッセージの送り方
次に、友だちになってもらったお客様とコミュニケーションしていく必要があります。そこで、LINE@を通じてメッセージ配信をします。
VegeFru Kitchenでは毎日メッセージを送っていますが、最低でも週1回以上は配信するようにしましょう。毎日配信するとなると、「ネタ切れが心配」ということもあると思いますので、サンプルとしてVegeFru Kitchenで送っているメッセージを5つほど紹介します。
配信内容としては、簡潔にユーザーがさくっと情報確認できるように短めの内容にすることがコツです。
サンプル① 「本日のメニュー」の告知
サンプル② 「メニューが売り切れ」という告知
サンプル③ 「お試しメニュー」の紹介
サンプル④ 「新メニュー」の紹介
サンプル⑤ 「野菜と果物 その日の目玉商品」の紹介
※VegeFru Kitchenは市場の買参権を持っているため、市場直送の新鮮な野菜と果物を使った商品を提供しています。お客様から商品に使われる野菜を「買いたい」との要望があり、店舗内で販売を開始しました。その入荷情報をメッセージで送っています。
上記5つ以外にも、年末年始などの通常とは異なる営業時間になる場合は、「営業時間のお知らせ」をすることも可能です。お客様と情報を通じてコミュニケーションすることを心がけてください。
登録特典を設けて店舗での告知、店員による声がけなどを通じて、LINE@活用開始から1か月で300人以上、3か月で600人以上のお客様に友だちになっていただきました。メッセージの内容を見て2ケタ以上の人数のお客様が来店することもあります。店舗にとって欠かせないリピート来店促進方法となっています。
最後に、無料から使える「LINE@」
LINE@には無料プランと有料プランがありますが、できることが制限されるため有料のベーシックプラン(月額5,400円)を当初から利用しました。
LINE@を申し込みしてから利用開始するまでには、10営業日程度かかります。申し込み自体は無料なので、以下URLから必要事項を記載して、審査や確認を経て、アカウントが発行され、実際に利用できるようになります。
LINE@の詳しい申し込み方法や料金プランなどの説明はここでは割愛します。詳しくはLINE@公式サイトなどでご確認ください。
LINE@はあくまで、数ある集客ツールの中でリピート率アップに効果的な方法の一つです。
そのため、来店時の接客や味に魅力がなければLINE@を活用しても反応率(再来店の可能性)は低くなってしまいます。逆に、接客や味が魅力的であっても、きっかけがなくて来店していないというお客様もいらっしゃいます。
このようなお客様には、LINE@でメッセージを配信することで来店のきっかけになることが多く、LINE@の反応率(再来店の可能性)が高くなることが多いです。
つまり、リアルな接客や味が魅力的で、さらにデジタルのマーケティング施策が融合することで継続的に再来店するお客様が増えて繁盛店に成長していくのです。
ソーシャルもやってます!