「とにかくバズる施策を!」→「売上には結びつかず……」そんな悩みを解消する博報堂アイ・スタジオの統合デジタルマーケティング
デジタル施策の効果がなかなか見えてこないと、施策単体でとにかく「目立つこと」「話題になること」「PVをかせぐこと」を目標にしがちだ。しかし、それは本来目指すべきゴールではなく、ビジネス的な成果に結びつかずに終わることも多い。
そうした状況を打破するには、単発施策だけをやみくもにこなすのではなく、顧客像とカスタマージャーニーを理解し、複数施策を連携させた統合的(ホリスティック)なアプローチが必要となる。
それを「統合デジタルマーケティング」として体系化し、デジタル施策を企画から運用までワンストップで提供する博報堂アイ・スタジオに、企業が抱える課題と解決策を聞いた。
「デジタル施策の費用対効果が見えない」という悩み、ありませんか?
取引している代理店が良いデジタル施策の提案を持ってこない
施策が単発で、本当に効果が出ているかわからない
顧客データを活かして、より精緻なターゲティングをしたい
こんな悩みを感じるWeb担当者は多いのではないだろうか。
Web広告やプロモーションなどのデジタル施策は、商品やサービスの購入、問い合わせや相談予約の獲得など、「何らかのビジネスゴール」を達成するために行われる。
しかし実際には、とにかく目立つ施策、PVを稼げる施策に意識が向きやすいということはないだろうか。その原因は、ビジネスゴール、すなわちコンバージョン(CV)に対して、施策に投じた予算がどの程度効果があったのか、「費用対効果」が見えないことにある。
多面的な広告を取り扱う代理店側も、デジタルの領域においては、「とにかくバズる施策」「CTRを上げるバナー」「ひたすらA/Bテスト」というような“施策ありき”の提案を、行っているのが実情ではないだろうか。そもそもの「何をコンバージョンとするか」「施策を評価する評価指標(KPI)は何か」をクライアントときちんと共有できていないままに。
それが冒頭に挙げた悩みにつながっている。
こうした現状を打破し、限られた予算を有効に活用するため、「ビジネスゴールありき」でマルチタッチポイントのデジタル施策を企画から運用までワンストップで提供しようとするのが、博報堂アイ・スタジオが2015年10月に新設した「統合デジタルマーケティングセンター」だ。
「博報堂DYグループが保有するデータとお客さまの保有するデータを組み合わせることで、お客さまに新しい価値を提供できる」と語る同センター長の山田 智久氏に、センター設立の経緯や「統合デジタルマーケティング」について話を聞いた。
「ビジネスゴールにコミットすること」が「統合デジタルマーケティング」の最大のポイント
「統合デジタルマーケティングセンター」は、博報堂DYグループが持つ多様なデータを活用し、オウンドメディアを中核としたタッチポイント施策やインターネット広告の出稿プランの立案などのデジタル施策を「ビジネスゴールから逆算して」プロデュースしていく組織だ。
同センター設立の経緯について山田氏は以下のように語る。
「博報堂アイ・スタジオは、博報堂DYグループでデジタル領域を担う企業です。Web制作会社を中心に、データドリブンなマーケティング戦略から制作・運用、パッケージサービス、先端技術を活用したオフラインでのデジタルコミュニケーション、クラウドサーバー運営、セキュリティコンサルティングまでワンストップでご提供しています。
コンテンツ制作を主業務とするものの、社内には博報堂へ出向経験の中で、デジタル領域にとどまらない視点を持ち、オウンドメディアを起点にあらゆるチャネルでのコミュニケーション設計を統合的にできるスタッフが数多くいました。
2014年から、そうしたスタッフが集まって知見を共有する社内プロジェクトがあり、そこで集まった事例をもとに、『先進的な取り組み』ができるスタッフを組織化しました。これが『統合デジタルマーケティングセンター』です
」(山田氏)
では、山田氏が語る「先進的な取り組み」とはどういうものか。
「コンテンツ制作だけでなく、CV数やPOSデータなどの定量データ、およびソーシャルメディア上のつぶやきなどの定性データの分析から、マーケティングコミュニケーションのチャネルや経路をプランニングし、自らクライアントに提案し、制作していくことです。
これは、デジタルマーケティングの支援企業にとっては当たり前のことかもしれません。しかし、当社の強みは、デジタルマーケティング、メディアプランニング、クリエイティブプラン立案などの上流工程から、各施策のコンテンツ制作や運用までをワンストップで提供できる点です
」(山田氏)
いわば、デジタル制作の視点、広告メディアの視点、マーケティング視点という三位一体となったプランニングで、顧客に新しい価値を提供しようというのが「統合デジタルマーケティングセンター」のねらいだ。
では、「統合デジタルマーケティング」についてもう少し深掘りしてみよう。
「当社における統合デジタルマーケティングとは、デジタルマーケティングを手段として『ビジネスゴールにコミットする』ということです。
たとえば、サービスに対する問い合わせ件数増や、ECにおける売上増といったゴール(CV)に対し、以下のアプローチを組み合わせ、施策をプロデュースしていきます
」(山田氏)
アプローチ手段
- ホリスティックな(顧客体験全体を可視化する)カスタマージャーニー
- データドリブンなマーケティング戦略
- 課題解決のためのクリエイティブ企画
具体的な施策の企画や、分析を行う前に、まずはビジネスゴールをきちんと押さえ、ビジネスゴールが明確でないならきちんと定義する。そのうえで、施策の目的とKPIを設定し、具体的な施策に落とし込んでいく。上記の各プロセスをフレキシブルに、PDCAサイクルを回していくのが特徴だ。
「当センターの強みとしては、HCD(人間中心設計)資格エキスパートなどの資格保有者が多数おり、顧客理解と分析をきちんとして、カスタマージャーニーマップを作成できます。
また、博報堂DYグループが独自に保有するデータマネジメントプラットフォーム(DMP)のデータを活用し、顧客の行動や意識情報などのセグメントも提案段階からきちんと分析することができます。
そして、クリエイティブでは、Webだけでなく、デバイス系のプログラマーやセンサー技術に詳しい技術者を擁しています。
単にWebサイトを作るだけでなく、Kinectのようなセンサー入力デバイスも活用するなど、オフラインとオンラインの両面でさまざまなデジタル体験を提案可能です
」(山田氏)
「データ活用」「組織の壁を越える」ことで独自の価値を提供
「統合デジタルマーケティングセンター」は、クライアントのビジネスゴールや目的に応じて、さまざまな施策(ソリューション)を効果的に組み合わせている。
同センター独自の取り組みは、1つ目は「データ活用」である。
「セグメントに対する最適なデザインアプローチと行動設計が特徴です。たとえば、サイト内のターゲットユーザーの属性データだけでなく、テレビの視聴スタイルなど、サイト外の意識データまで含めた行動分析が可能です。
また、サイト来訪者が求める情報が何か、まだ来訪していない層の意識データとして足りない要素は何か、こうしたところまで考えて記事コンテンツやリアルイベントなどの施策に落とし込んでいくことが可能です
」(山田氏)
こうした取り組みにより、ある自動車会社では、セグメントごとにバナーやキャンペーンページなどを最適化した結果、183%のCV率向上が見られたという。
2つ目は、「組織的な壁を超える」広告視点だ。同社は、オウンドメディアの企画、運用を行うことがあるが、CTRやCVなどのデータ分析に基づいた記事の切り口、コンテンツ内容のチューニングといった編集業務はもちろん、クライアント企業の独自資源の活用という部分でも積極的に役割を果たしている。
「特に、オウンドメディアの運営などで難しいのが、社内の人を登場させることです。企画意図を説明する趣意書作成や撮影のサポートなど、担当者の省力化や、組織間のコミュミケーションのアシストというのは、われわれが得意とするところですし、運用をお手伝いすることで価値を提供できる部分です
」(山田氏)
実際、セッション数ばかりを重視するクライアントの担当者に対し、対話を通じてコンバージョン1件あたりのセッション単価の重要性を説くこともあるという。
「たとえば、セッション数は稼げないがコンバージョン件数は上がるという施策があったときに、その施策のメリットを担当者の上司に理解してもらうための“上司説得用の資料”作りを手伝うこともあります
」(山田氏)
データを活用したマーケティングを行いたい、一部署だけでの施策実施に限界を感じているというWeb担当者は、組織横断的なプロジェクトの組み立て、リソースや予算の配分から効果測定までを安心して任せられるパートナーとして、こうしたマーケティング支援サービスを利用することも、大きな選択肢の1つといえるだろう。
なお、博報堂アイ・スタジオでは、より詳しい統合デジタルマーケティングによる課題解決事例をいくつかのテーマに分けて解説するセミナーを12月より開催する。
【12/2(水)開催】統合デジタルマーケティングセミナー
第1回「オウンドメディアをオフライン施策で最大化させる」
昨今のアドテクロジーの発達によって、デジタルマーケティングは一筋縄にはいかなくなりました。このような状況でビジネスゴールを達成するためには、デジタルマーケティングを手段として統合的な視点でデジタルマーケティング全般をプロデュースすることが必要です。
デジタルマーケティングにおいて、速攻性のある単体施策も重要ですが、より大切なことは、ビジネス課題が明確でそこに対しての打ち手になっているかどうかです。
本セミナーでは、「オウンドメディアをオフライン施策で最大化させる」をテーマに、博報堂アイ・スタジオによる企業の課題解決に繫がるデジタルマーケティングの戦略と戦術について解説します。
開催概要
- イベント名称: 統合デジタルマーケティングセミナー
第1回「オウンドメディアをオフライン施策で最大化させる」- 【第1部】アイ・スタジオの統合デジタルマーケティングとは?(30分)
- 【第2部】オフラインの体験にデジタルが加わる可能性。
- 日時: 2015年12月2日(水)
午前の回 10:00~12:00 (9:30 受付開始)
午後の回 18:30~20:30 (18:00 受付開始)
※開催時間は午前の回、午後の回、ご都合のよい時間をお選びください。 - 場所: 博報堂アイ・スタジオ 有楽町オフィス
東京都千代田区有楽町1-10-1 有楽町ビルヂング 5F - 定員: 40名(抽選)
- 参加費: 無料(事前登録制)
- 主催: 株式会社博報堂アイ・スタジオ
ソーシャルもやってます!