Googleアナリティクスの導入から、運用、活用まで、正式なサポートがない初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。
Googleアナリティクスとは/衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座サイト状況を週に1回チェックする管理職向け「マイレポート」の作り方(第78回)
「マイレポート」はいわゆるダッシュボード機能だ。Googleアナリティクスの複数のレポートを1画面に表示して、一目で全体の状況を概観できるようにするレポートである。一見、便利そうな機能ではあるが、じつは筆者はマイレポートを使っていない。
以前の記事に書いたとおり、筆者が毎日、自分の関連サイトのデータを見るときに使うのは、[ユーザー]>[サマリー]レポートだけだ。
このように、基本的に定点観測はきわめてシンプルにしている。そのかわり、深掘り型の分析を行う場合は、個別のレポートをしっかり見る。ダッシュボード的な中途半端な「マイレポート」は活用しにくいのだ。
ただ、「マイレポート」が有効なケースというのも、もちろんある。
レポートとは、誰に向けて何を見せたいのかというのを意識して作成する。ダッシュボード的な見せ方が有効なのは、現場のアナリストではなく、細かいデータを見る時間も分析することもない管理職などの方になるのではないだろうか。週に一度や月に一度、コンパクトにまとまった1枚のPDFをメール添付し、簡単なコメントを付けるといった用途に最適だろう。
そこで今回は、週次の頻度で、管理職がサイトの状況を一瞬で判断できるダッシュボードを作成してみる。
ただし、今回の作成例は、私の情報発信型サイトの場合なので、皆さんが同じものを作ってもそのまま役に立つレポートになるとは限らない。当然、皆さんのサイトの場合は、サイト独自の事情に合わせて、見るべきデータも、視点も、セグメントも異なるので、1つのケースとして参考にしていただきたい。
新しいマイレポートの作り方
「マイレポート」は、ビュー(プロファイル)を新規作成した時点で、すでに1つ、デフォルトでセットされている。これは、[マイレポート一覧]>[非公開]>[マイレポート]レポート(図1赤枠部分)で、以下の手順で見ることができる。
- グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
- 画面の左側にあるメニューで、[マイレポート一覧]をクリックする
- メニューが開くので、[非公開]をクリックし、[マイレポート](図1赤枠部分)をクリックする
今回は、新しいマイレポートをゼロから作ってみよう。まず、「+新しいマイレポート」(図1青枠部分)をクリックすると、「マイレポートの作成」(図2)が表示される。
左側の「空白のキャンバス」(図2赤枠部分)がデフォルトで選択されている。そのまま、レポート名(図2青枠部分)を入力し、「マイレポートを作成」(図2緑枠部分)をクリックしよう。すると図3のような「ウィジェットの追加」が出てくる。
「ウィジェット」とは、「マイレポート」に表示する1つ1つの図表(グラフや一覧表データ、単独のデータなど)のことだ。「マイレポート」に表示したい要素は、ウィジェット単位で追加したり、削除したり、配置したりする。
図4はデフォルトの「マイレポート」の上部で、赤枠部分が1つずつのウィジェットだ。
ウィジェットは、1つの「マイレポート」内に、最大12個まで配置できる。
「新しいマイレポートを作る」作業とは、図3の「ウィジェットの追加」で、表示形式と指標を選び、ウィジェットを1つずつ追加していく作業である。
あとは、各自必要なウィジェットを追加していってもらえればいいのだが、たくさんあるウィジェットの中から、どれを選んで追加すべきなのか、最初はとまどってしまうだろう。
そこで、追加すべきウィジェットをどのように選んでいくべきなのか、かんたんに説明しておこう。
追加すべきウィジェットの選び方
基本的に、追加すべきウィジェットは、自分のサイトのKPI(サイトのパフォーマンスを表すおもな指標)を中心に、何がふさわしいかを独自に考えていけばよい。筆者の場合は、
- トレンド確認用
- 明細確認用
の2つを中心に構成すべきと考えた。
トレンドの確認用のウィジェットのタイプは折れ線グラフ形式の「タイムライン」(下に再掲した図3赤枠部分)で、明細確認用は表形式(図3青枠部分)になるだろう。
「棒グラフ」のウィジェットも情報量が多いので捨てがたい選択肢だが、コンパクトに表示するウィジェットとしては荷が重いと感じる。
トレンド確認用のウィジェット
トレント確認用には、どういう内容のレポートがふさわしいだろうか。
まず、期間について。中期トレンドは12か月データを見るのがわかりやすいのだが、マイレポートの場合は基本的に各ウィジェットで自由な集計期間を設定することはできない。よって、デフォルトの「過去31日間の集計データ」を前提として、筆者のサイトにふさわしいと思ってピックアップしたのが、以下のデータだ。
- 「ユーザー数」の推移
- 「新規訪問数」と「リピーター訪問数」の推移
- 「検索からの訪問数」と「参照元からの訪問数」と「ノーリファラーからの訪問数」の推移
- 「PCからの訪問数」と「それ以外からの訪問数」の推移
- 「コンバージョン数」と「コンバージョン率」の推移
全体のボリュームと主なユーザーセグメント、成果をトレンドで見る意図だ。
明細確認用のウィジェット
明細確認用にはデータの内訳を見る必要のあるディメンションが中心になるので、次の内容のレポートが相応しいだろう。
- 「参照元/メディア」の明細
- 「人気ページ」の明細
こちらはトラフィック、コンテンツ、成果の明細を見る内容になる。
筆者の『ユニバーサルアナリティクス版Googleアナリティクス完全マニュアル(PDF)』が発行されました。
筆者が講義を行うGoogle アナリティクス徹底講座も、定期的に開催しています。 → Google アナリティクス ゼミナール
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