iPhoneユーザーのアプリ利用率、地図/天気/乗換など日常の生活情報が上位に
この記事は、ドコモ・ドットコムが発行するモバイルビジネス・マーケティング情報誌「スマートフォンレポート」の一部を、Web担当者Forum向けに特別公開したものです。
今回は2012年11月に発表された「スマートフォンレポート vol.3」から、調査報告2「iPhoneユーザー利用動向」の調査レポートをお届けする。
利用率が高いアプリの多くは無料だが、
フリーミアムモデルのアプリも上位に
今回は、iPhoneユーザーのアプリ利用傾向(2012年8月)にフォーカスを当て、各ジャンルにおけるアプリ利用ユーザーの比率(アプリ利用率)や平均利用日数から、利用傾向の高い、人気のアプリを調査する(図1)。
まず、全体をアプリ利用率の観点で見てみると、「Google Map」(1位)、「天気」(4位)といったプリインストールアプリを除いた場合、最も利用率が高かったのは「YouTube」(2位)となった。次いで、PCでの利用が多いサービスや、日常生活に密着した情報提供サービスの利用が高い傾向を示しており、「乗換案内」(5位)、「ウェザーニュース タッチ」(7位)、「クックパッド」(9位)などが10位以内にランクインしている。PCやフィーチャーフォンではブラウザサービスとして利用していたものを、iPhone上ではアプリを用いるといった利用形態の変化を感じつつも、生活に必要な情報は高い頻度で取得しているという傾向がうかがえる。
また、「LINE」(3位)や「Skype」(10位)といった音声通話アプリや、「Twitter」(6位)、「mixi」(13位)といったソーシャル系アプリの人気も目立つ。上記4つのアプリに関しては、平均利用日数が高いのも特徴的で、すべて平均利用日数が11日を越えている。これらソーシャル系アプリは話題性も高く、注目を集めているが、実際データを見ると、いかに多くのユーザーに利用されているかが明白となっている。
更に、ショッピング系アプリも4つがランクインするなど、高い利用傾向を示している。ただしファッション系ECサービスが入っていないなど、ユーザー属性にやや偏重性が感じられることから、女性ユーザーのショッピングアプリ利用に関しては、まだそれほど活性化していないのでは、とも推測される。
次に、エンターテインメント系(音楽、動画、ゲーム等)と生活情報系(天気、ニュース、地図等)といった、ジャンル別に絞った形でランキングを見たい。まず、エンターテインメント系に関してだが、「ゲーム」ジャンルのアプリが上位16個中13個を占めるなど、ジャンル内における利用傾向は非常に高い。その内容はというと、無料でプレイさせた上で課金へ誘導するといった、ソーシャルゲームに代表される「フリーミアムモデル」のゲームが主流となっている。とはいえ個々のアプリ利用率は10%を下回るなどそれ程高くはなく、大多数のユーザーが遊んでいる、などといったゲームアプリは本調査では見られなかった。
これは、課金という要素がハードルになっていることや、数多くのゲームアプリがリリースされており、様々なゲームに利用が分散していることなどが要因として考えられる。「ゲーム」ジャンル以外のアプリに関してはすべて「動画」となっているが、これはスマートフォン画面の大きさを活かしつつ、高品質な動画が無料で楽しめるという部分が大きいのではと想定される(図2)。
一方、生活情報系のアプリについてだが、冒頭で述べた通り「天気」「乗換」ジャンルのアプリが上位20位内に複数ランクインしている他、「ニュース」ジャンルのアプリも2つランクインするなど、日々の生活に密着したアプリの高い利用傾向がうかがえる。更に、ヘルスケア関連の「ルナルナ Lite」、チラシ情報を扱う「シュフーチラシアプリ」といった、女性をターゲットとするアプリも目立った。また全体的に利用率が高いものの、平均利用日数が少ないアプリも多く、有事の際にちょっと使ってみる、といった傾向もうかがえる。「ウェザーニュース タッチ」の継続利用は高そうだが、それ以外はまだ定期的に利用するアプリを決めかねているのかもしれない(図3)。
今回はアプリに絞った形でiPhoneユーザーの利用動向を調査したが、前号のサービス利用動向と同様、アプリの利用率という観点で見ると、無料のコンテンツが上位を占める結果となった。ただし、「乗換案内」や「ウェザーニュース タッチ」「クックパッド」など有料サービスも展開しているアプリが上位に位置している点は注目である。
売上という観点では、ゲームアプリがApp Storeのトップセールスランキング上位を独占している状況だが、利用者の多い生活情報系サービスにおいて、広告以外にどのような収益モデルを形成できるのか、どのような収益モデルが出現するのかは注目である。一方で、電子書籍やデコメールといったジャンルが、今後どの程度利用が高まるのか、新たな人気ジャンルが出現するのかなどといった点も気になるところである。
取得データ | iPhoneユーザーのインターネット経由でのアプリ接触状況データ ※3G(UQ含む)/Wi-Fi経由とも取得 ※オフラインでのアプリ利用等については捕捉なし |
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調査対象 | 関東地区在住のiPhoneユーザー461サンプル |
集計対象期間 | 2012年8月1日(水)~8月31日(金) |
調査実施機関 | ビデオリサーチインタラクティブ調べ |
この記事は、ドコモ・ドットコムが発行するモバイルビジネス・マーケティング情報誌「スマートフォンレポート」の一部を、Web担当者Forum向けに特別公開したものです。
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