スマートフォンレポート

iPhoneゲームアプリの売上1位はパズドラ、ダウンロード数1位はLINE ポコパン、売上とダウンロード数の比較から見える傾向は?

調査報告2「iPhoneユーザー調査 ゲームアプリの実際の利用数と、売上及びダウンロード数との比較から見える傾向は?」を届ける

この記事は、ドコモ・ドットコムが発行するモバイルビジネス・マーケティング情報誌「スマートフォンレポート」の一部を、Web担当者Forum向けに特別公開したものです。

スマートフォンレポート

今回は2014年1月に発表された「スマートフォンレポート vol.10」から、調査報告2「iPhoneユーザー調査 ゲームアプリの実際の利用数と、売上及びダウンロード数との比較から見える傾向は?」の調査レポートをお届けする。

iPhoneアプリのゲーム利用数をランキング

現在アプリ市場においては、ゲームの利用が圧倒的に多く、加えて日々様々なタイトルがリリースされており、その中からは「パズル&ドラゴンズ」のようなビッグヒットタイトルも出現している。

課金モデルとしては、ダウンロード無料+追加個別課金といったフリーミアムモデルが主流となっており、またこれとは別に、広告収益や会員の囲い込みを目的とした完全無料アプリも広く展開されている。

一方で初回に課金するモデルは、パチスロアプリなど一部を除くと利用は少ない傾向にある。

当社では、調査モニターの方に許諾を得た上で携帯端末利用ログを集計し、どのようなアプリをどの程度利用したのかを把握した調査データを活用している。今回は2013年10月におけるiPhoneゲームアプリに注目し、当社独自集計にて利用数を計測した上でランキング化してみた(図1)。

図1 2013年10月 ゲームカテゴリ 利用数ランキング
図1 2013年10月 ゲームカテゴリ 利用数ランキング

iPhoneアプリ売上とダウンロード数ランキングを比較

「パズル&ドラゴンズ」や複数のLINE関連ゲームアプリなどが上位に位置しており、実際に多くのユーザーに利用されていることがうかがえる。またそのほとんどがフリーミアムモデルになっていることから、課金モデルにおいてはフリーミアムモデルが現在の主流になっていることが明白となっている。

一方、以前本レポートに寄稿していただいたApp Annie社が保有するデータより、前述と同時期にあたる2013年10月のiPhoneアプリ売上及びダウンロードランキングを抽出したのが(図2)である。前述の図1=実際のユーザー利用と、図2=売上・ダウンロード数を比較すると、どういったことが浮かび上がるのか、以下記載してみたい。

図2 2013年10月 App Store ゲームカテゴリ 売上ランキング(国内)/ダウンロード数ランキング(国内)
図2 2013年10月 App Store ゲームカテゴリ 売上ランキング(国内)/ダウンロード数ランキング(国内)

まず、「パズル&ドラゴンズ」やLINE関連アプリ、「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」といったビッグタイトルは、利用頻度も高く、故に売上もダウンロード数も高いことがわかる。

リリースから時間がかなり経過している「パズル&ドラゴンズ」などはダウンロード数がやや落ちているものの、それでも今なお多くのユーザーが新たにダウンロードし、その利用者を増やし続けている模様である。

また、実際のユーザー利用数ランキングで上位に位置しているタイトルにおいては、リリースから時間が経過しているものが多い。そのような場合、売上的には大きいものの、単月のダウンロード数的には上位に入っていないケースも存在する。

このようなケースからは、かつてダウンロードしたのち、プレイ後にハマってしまい、ずっとやり続けている、といったユーザーが多く存在している傾向が感じられる。リリース後すぐに大きな売上をあげるというよりも、徐々にユーザー数を増やしつつ売上も高まっていくといった、長期的な成功モデルケースも多い模様だ。

長期間のプレイは大きな課金収益獲得の鍵

一方、ダウンロード数ランキングに注目すると、比較的最近リリースされたものが多いことに気付く。このことから、話題性の高い新規タイトルについては、とりあえずダウンロードしてみる、といったユーザーの動きがうかがえる。

フリーミアムモデルや無料アプリであればこのような流れが抵抗なく行えるため、ユーザー側も安心してお試し的にダウンロードしてみるのだろう。その上でプレイし、面白いと思ったものはその後長期間に渡って遊び、課金する、といった流れが想定される。

このことから、まずはダウンロードさせる促進活動を行った上で、長期に渡って利用してもらえるようなある種の中毒性を如何にゲームに持たせるかが、長期間のプレイ及び大きな課金収益獲得の鍵と考えられる。

またダウンロード数ランキングには、無料アプリが複数ランクインしている。これらは広告収益や、ユーザーを囲い込み、自社の姉妹課金アプリへ流し込むことを目的として展開されているケースなどと想定されるが、課金型メジャータイトルと同等のダウンロード数を記録している点は注目である。

コンテンツビジネスを展開する際は、ついつい課金収益を如何にしてあげるか、という点に着目しがちであるが、完全無料アプリを上手く活用し、自社ビジネスに如何に寄与させられるか、といった点もコンテンツビジネスの重要な鍵と感じられる。

今回はそれぞれ上位15位までとかなり限った形での表記とさせていただいたが、もう少し幅広いレンジで見ると、より様々な傾向が浮かび上がってくる。掲載している各ランキングの詳細にご興味のある方は、是非お問い合わせいただきたい。

※接触率:指定期間内の有効サンプル(=期間中の全利用者)において、当該ドメイン/サブドメインへ接触した人の割合
※利用数:アプリへの接触を10分単位で計測し、10分間に1度でも視聴があれば1カウントと記録。
※利用数ランキングにおいては、調査モニターの属性傾向が反映されている点をご了承下さい。

■利用者数ランキング
取得データiPhoneユーザーのインターネット経由でのサイト・アプリ接触状況データ
※3G(UQ含む)/Wi-Fi経由とも取得
調査対象関東地区在住のiPhoneユーザー
計815名 男性 445サンプル/女性 370サンプル
集計対象期間2013年10月1日(火)~10月31日(木)
調査実施機関ビデオリサーチインタラクティブ
■2013年10月 App Store ゲームカテゴリ
  • 売上ランキング/ダウンロード数ランキング(国内)
  • 出典:App Annie
App Annieについて

App Annieはアプリストアの分析と世界のアプリ市場に関するマーケットデータの分野におけるリーディングカンパニーです。iOSパブリッシャー上位100社のうちの90%以上がApp Annieのサービスを利用しています。App Annieは、サンフランシスコ、北京、東京、ロンドン、ソウル、香港に拠点があります。35万を超えるアプリで利用されているアプリ解析ツール「App Annie アナリティクス」と、390万以上のアプリに関するランキング推移などの情報データベースである「App Annie ストアスタッツ」を無償で提供しているほか、アプリマーケットに関する最も精度の高いデータ「App Annie インテリジェンス」において、ダウンロード数や売上データの推計値を有償で提供しています。

お問い合わせ:jp.contact@appannie.com

この記事は、ドコモ・ドットコムが発行するモバイルビジネス・マーケティング情報誌「スマートフォンレポート」の一部を、Web担当者Forum向けに特別公開したものです。

スマートフォンレポート

スマートフォンレポート

「スマートフォンレポート」は、独自調査の分析レポートや、NTTドコモへのインタビュー、またモバイルビジネスを展開する上で鍵となるメールマーケティングや広告展開等についての記事を掲載する隔月発行のモバイルビジネス・マーケティング情報誌です。

※6/26をもってサービスの提供を終了致します。
長らくご愛読いただきましてありがとうございました。

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

セッション
アクセス解析において、セッションとはWebサイトにアクセスして行う一連の行動を示 ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]