Googleアナリティクスの導入から、運用、活用まで、正式なサポートがない初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。
Googleアナリティクスとは/衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座データ迷子にならないために! レポート構造とアクセス解析の王道ステップを知っておこう[第33回]
この連載ではここまで、Googleアナリティクスのアカウントやプロファイルの準備、基本用語の説明、レポート画面を使うための基本機能や基礎知識について解説してきた。
本格的にGoogleアナリティクスのレポートを見るための準備が整ったので、ここからは1つひとつのレポート画面の見方を詳しく解説していく。ただ、個々のレポート画面の説明に入る前に、全体を効率よく見ていくために、まずレポートの全体構成と分析のステップを俯瞰しておこう。
そうすれば、目的のデータを探すために片っ端からレポートを開いて時間を無駄にしたり、ドリルダウンしすぎて何のレポートを見ているのかわからなくなったりという「データ迷子」な事態に陥らずに済むだろう。
Google アナリティクスのレポートの全体俯瞰
Googleアナリティクスにログインして、「アカウント ホーム」画面から見たいレポートの「プロファイル」を選択すると、まず、そのプロファイルの[ユーザー]>[サマリー]のレポート画面へ移動する。
レポート画面に入った最初の画面の左上部分が図1だが、現在地は標準レポート(図1赤枠部分)の[ユーザー]>[サマリー](図1青枠部分)にいる。画面左側(図1緑枠部分)が各レポートのメニュー一覧表示部だ。
メニュー群の大分類は、上から順に、
- ユーザー
- 広告
- トラフィック
- コンテンツ
- コンバージョン
に分かれている(図1黒枠部分)。それぞれどんな情報を確認できるか、整理しておこう
「ユーザー」は、ユーザーの利用環境が中心になっている(図1ではレポート・メニューの中分類が展開されて見えている)。
「広告」と「トラフィック」には、キャンペーンや参照元、検索エンジンでのキーワードといった、サイトへ入ってくるきっかけがどういうものだったかを知るためのレポート群が収録されている。
「コンテンツ」は、どのページが入口になって、直帰の状況はどうで、各ページがどの程度見られているのか、閲覧経路や、サイト内検索の利用状況はどうかといった、Webサイトの各ページの利用状況に関する各種レポートが収録されている。
「コンバージョン」は、設定した「目標」に対する成果はどうだったか、ECサイトであれば何が売れたのか、目標達成までの流入チャネルの変遷はどうだったのかといった目標達成に関する各種レポート群が収録されている。
この5つの大レポート群をわかりやすく整理したのが下の表だ。
レポート・メニュー | わかること | ユーザーの流れ |
---|---|---|
ユーザー | ユーザーの利用環境 | ―― |
広告 | Webサイトへの訪問理由・きっかけ | サイトへの流入 |
トラフィック | ||
コンテンツ | Webページ利用状況 | サイト内回遊 |
コンバージョン | 成果に結び付いたか | 目標到達 |
「ユーザー」以外のメニューは、ユーザーの利用行動の流れで言っても、「流入」→「回遊」→「目標到達」という流れに沿って並んでいる。このような位置づけになっているという整理の仕方をしておくと、迷わず利用できるのではないだろうか。
[ユーザー]>[サマリー]レポート画面を見れば全体把握は十分
ログインして最初に表示されるのが[ユーザー]>[サマリー]レポート画面だが、これが大変よくできている。極端に言えば、忙しい人なら、このレポートだけ見ればこの1か月の全体把握は十分と言っていいくらいのレポートだ。
このサイトに何人が、何回、何ページ見ているのかを表す主要な指標である「ユーザー数」「訪問数」「ページビュー数」が記載(図2青枠部分)され、この1か月の訪問数のトレンドが日別にグラフ表示してある(図2緑枠部分)。このグラフを見れば、平日と休日のアクセスの違いが一目瞭然だ。
さらに「サイトの平均滞在時間」「直帰率」「新規訪問の割合」といった、訪問者の質を表す重要な指標を3つ記載してある(図2黒枠部分)。それぞれの指標の意味については、すでに解説しているので、記憶が不確かならば確認してほしい。
筆者の『ユニバーサルアナリティクス版Googleアナリティクス完全マニュアル(PDF)』が発行されました。
筆者が講義を行うGoogle アナリティクス徹底講座も、定期的に開催しています。 → Google アナリティクス ゼミナール
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