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効果測定主となる目的を明確にし、Facebookをツールとすることが重要

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効果測定
主となる目的を明確にし、Facebookをツールとすることが重要

今回のキャンペーンの面白い取り組みの1つは、イベントでも使われている「元気をプラスボタン」が付いた箱を10個作り、6月12日に北海道札幌から出発させ、人づてに手渡しで沖縄まで運ぶ「日本縦断!元気のリレー」というキャンペーンだ。元気を聖火リレーのように人から人へ伝えていって、8月末に沖縄の美々ビーチいとまん(糸満漁港ふれあい公園)へと届けるこのキャンペーンを小川氏は次のように説明する。

ユーザーのつながりを信じて、GPSもつけず、Facebookへの投稿やメールでの報告だけで所在を確認する史上最大のユーザー依存のキャンペーンだと思います。8月末に届くか届かないかはわかりませんが、我々は現地に赴いて元気をプラスボタンの到着を待ちたいと思います。もしかしたら1つもゴールせず、どこかになくなってしまうかもしれません。普通の企業ではやらないキャンペーンに挑戦していると思いますね(小川氏)。

北海道から沖縄まで、10個の「元気をプラスボタン」を運ぶ「日本横断!元気のリレー」。ボタンが届くかどうか、進捗状況も含め、すべてがユーザーの手に委ねられている。
リレーの状況は公式Facebookページでも伝えられている。

また、浅野氏は次のようにも話す。

こういったリアルなキャンペーンを追跡していくのには、Facebookのタイムラインが最適だと感じました。今、3号機(ボタン)がどこにあるだとか、自分が回したボタンがどこまで届いているかなどを確認できるのも楽しみの1つになります。Facebookありきでキャンペーンをやるのではなく、リアルなキャンペーンがあって、Facebookをうまく活用してサポートしていることが、我々としては1つのチャレンジです(浅野氏)。

Facebookがマーケティングに有効だと言われているなかで、ソーシャルメディアありきでキャンペーンを行う企業は多い。小川氏もFacebookの使い方について、次のように提言している。

今回のキャンペーンは、“人のつながり”というのが主となるテーマで、それを実現するツールとしてFacebookを使っているということが重要なのです。企業キャンペーンとして、この主従の関係をしっかり考えている点が新たな試みだと感じています(小川氏)。

また、リアルなイベントのエピソードとして浅野氏は「写真などで自分の顔を出したくない、という反応があることも予想していましたが、リアルなイベントでもほとんどそのような声は聞かれず、ぜひ撮ってくださいと言われたのは意外でした」と話す。

これについて小川氏は「実名登録のFacebookを利用する人が増えて、ユーザーの意識も変わってきたと感じます。ネットに名前や顔が出ることが必ずしも怖いことではないと考えられるようになったのではないでしょうか」と分析している。

まだキャンペーン期間の半ばではあるが、キャンペーンサイトやリアルなイベントとFacebookを絡めることによって、キリンホールディングスは確実な効果を得ているようだ。

5月と11月の半年ごとにキリン プラス-アイの認知度調査を行っていますが、昨年11月の認知度は15%でした。しかし、今年5月に約1200人の調査を行うと20%まで認知度が上がってきています。これをさらに伸ばして、歌のリリース後の11月には25%まで持っていきたいですね(浅野氏)。

キャンペーンを実施するからには、何かしらの効果測定指標が必要だが、今回の企画では、Google アナリティクスによるキャンペーンサイトのアクセス解析や、Facebookインサイトによるエンゲージメントの測定に加えて、全体のゴールとして「認知率25%」を目標にアンケート調査を行っている。キャンペーンサイト内でのエンゲージメントをKPIとしているため、外部ソーシャルメディアの声はあえて拾っていないという。

キャンペーン開始後の状況について、小川氏は「費用対効果を考えると、リスティング広告やバナー広告よりもFacebook内のリンクからのトラフィックのほうが効果が高いように感じます」と、Facebook上のエンゲージメントの高さからソーシャルメディアの効果を感じている。また、KPIについてもしっかりとした目標を立てることができたと話す。

ソーシャルメディアを使ったキャンペーンは、KPIが曖昧になりがちだと言われます。しかし、今回のキャンペーンは、ソーシャルメディアがブランディングに役立てられたことを数値化できていると思います。100万の元気を集めて1つの曲を作り上げ、それによってキリン プラス-アイの認知度が目標の25%を超えるという目標はぜひクリアしたいと思います(小川氏)。

100万人のうたの先にあるもの、1億2000万人に拡散できるかがゴール

参加アーティストは、投稿されたひと言のすべてに目を通しており、今後はアーティストのコメントなどもFacebookに投稿してより充実したいと考えている小川氏。7月13日には楽曲の一部が公開され、8月にはみんなで歌うイベントや「元気をプラスボタン」の沖縄でのゴールというイベントも予定されており、キャンペーン開始前の告知はもちろん、楽曲完成まで盛り上がりが継続するように計画されている。

9月や10月にもイベントを行うことで盛り上がりを継続して高めていきたいですね。完成後はライブなども企画し、曲作りに参加できなかった人も一緒に歌うことで参加できるようにしたいと思います。100万人で歌を作ることがゴールではなく、作った後にいかに1億2000万人に拡散して届けるかが重要です(浅野氏)。

と浅野氏は今後の期待を話す。

また、小川氏も

これまでは、プロジェクトの認知拡大や参加推進が目的だったので、Facebookの投稿に対するエンゲージメントを重要視してきました。今後は、できあがった曲をみんなでシェアしていくという局面になるので、推移を見ながら、ユーザーがTwitterやYouTubeなど他のソーシャルメディアに投稿したものに対して、ポジネガの連動性なども見ていこうと思います。キリン プラス-アイの認知度も含めて世の中でどのように捉えられているかを解析していく必要がありますね(小川氏)。

と今後の展開を話してくれた。

さらに、浅野氏は今回のキャンペーンでの経験をグループ各社のWebやソーシャルメディアへの取り組みへとつなげていきたいと考えている。

今後は、コーポレイトレベルと個別ブランドレベルの両面から、Webやソーシャルメディアの取り組みを拡げていかなければなりません。今回のキャンペーンでは、マスに頼らないWeb中心のキャンペーンで多くの生活者に参加していただいています。社内でも注目してもらっているので、グループの資産としてこの経験を役立てられればと思いますね(浅野氏)。

最後に浅野氏は、次のように話す。

もっとキリン プラス-アイが日常の生活の中に入っていって、気軽に親しんでもらえるようなブランドにしていきたいと思います。今回のキャンペーンも含めて、成分などの難しいことや専門的なことにかたよらずに、多くの人に手軽に楽しんでもらえるようになりたいですね(浅野氏)。

10月に元気のうたが完成し、マスメディアのニュースになったり、ネットで拡散されることでどのような盛り上がりが生まれるのかに期待したい。

まとめ

  • 目標はブランド認知率アンケート25%以上
  • ソーシャルメディアの使い分けとタッチポイントの設計が鍵
  • 広告主、代理店、コンサル会社が連携してキャンペーンを運営
  • リアルのキャンペーンと相性が良いFacebookのタイムライン

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