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経験や勘から、その裏付けデータ、そして機会発見のきっかけに

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経験や勘から、その裏付けデータ、そして機会発見のきっかけに

予測分析の重要性を語るうえでベイツ氏は「経験や勘からの脱却」を強調していた。

しかし実際には、単純に経験や勘を否定するのではなく、その裏付けとしてデータを扱うことも多いだろう。たとえば、アルゴリズムによって算出された収益予測や広告予算などの配分変更・追加投下を行うにあたり、それが担当者の従来の「経験や勘」に近しいものであれば自身の判断を裏付けるデータとして積極的に活用するといった具合だ。

問題は、示されたデータが担当者の経験や勘からかけ離れていた場合だ。そうしたときに、判断材料としてデータをどの程度採用していくかは、企業によって変わってくるだろう。

そのような意味からも、「予測分析」のデジタルマーケティング領域への適用の初期段階は、特異値の自動検出結果を基にした「課題や機会発見のきっかけ」としての活用やクラスター分析などの記述的データマイニングの利用を中心に進むのではないかと思われる。

いわゆるアクセス解析ツールは、これまでにも大きく進化してきている。その進化のポイントを整理してみると、大きく次の2点に集約できる。

  1. 測定可能な対象データの増加
  2. クロス集計やセグメンテーションなどのクエリー条件の多様化

特に1つ目については、ある意味で大きなシフトが発生している。アクセス解析の初期に対象としていたデータは、あくまでも「サーバー管理の観点からログファイルに記録していた」項目だった。たとえば次のようなものだ。

  • IPアドレス
  • URLごとの表示回数
  • アクセス時刻
  • 流入元
  • OSやブラウザ
  • など

しかし、その後アクセス解析は「マーケティングの観点から必要な情報を取得する」方向に進化し、次のようなデータを扱うようになっている。

  • 新規か再訪か(cookieの有無から判別)
  • どんな商品を購入したのか
  • 客単価
  • 購入点数
  • 受注実績に対する広告施策の貢献度
  • 会員登録時や購入完了などの特定アクション時におけるラベリングによるクラスタリング
  • など

下図は、レポーティング→分析→現状モニタリング→予測分析というように、対象データの時間という概念を踏まえた4種類の取り扱い方を図示したものになるが、測定データの増加やクエリー条件の多様化により大きく前進してきているとはいえ、現状はまだまだ下図でいうところのレポーティングの段階にあるのが大半だと思われる。

IDWIの「Predictive Analytics - Extending the Value of Your Data Warehousing Investment」(2007年2月)をもとにしたアドビ資料を編集部で日本語化

Web行動データに関する記述データマイニングや予測データマイニングの時代はこれからだといってよく、SiteCatalystやDiscover、Test&Targetなど同社の各製品での機能実装はこのような動きを牽引する上でも大きなターニングポイントになるといえるだろう。

ツールの予測分析を過信するな 人の介在は必須、なくなることはない

マーケティング目的の予測分析はまだまだ発展途上であり、しばらくは、ツールでは限定的なデータしか測定できないケースは多々あるだろう。そのため、ツールで測定できる範囲のデータを基にすべてを判断できるとは思わないほうがいいだろう。

とはいうものの、「測定のためのデータ取得」から「アクションのためのデータ取得」へ移行していくうえで、予測分析へのシフトは必須だといっていいだろう。そして、予測分析は今後マーケティングの重要な要素になり、ツール側の対応は今後さらに進んでいくだろう。

それでも大切なのは「人」であることに変わりはない。

アクセス解析では「データ測定の設計」というフェーズがあるが、そこがまだしっかりと成されていない例が多い。「企画意図があいまいなままデータ測定が設計される」「データ測定が企画段階に含まれていないため後付けとなる」「タグを貼っておけばよいという程度の認識でしかない」などのケースも、実はまだまだ多いのだ。

そもそも、どんなデータをどう測定するのか、測定したデータをどのように見るのかは、企画する側の「人」がしっかりと主導して考える必要がある。

制作の段階で目的が明確になっておらず、そのため目的に対する効果を把握するにはどのようなデータをどのように取得すべきかを検討するフェーズが抜け落ちたままサイトを公開し、その後、蓄積されたデータから何らかの洞察を分析担当が導出してくれる(だろう)という状況は、まだまだ散見されるのではないだろうか。

また、うまく設計して取得したデータを分析チームがどれだけ調べたところで、アクションを実行に移す部隊はまた別のはずだ。

つまり、どのような機能を備えたツールを導入するのかだけでなく、各担当の連携、つまり「チーム連携」も極めて重要なファクターなのである。

企画・制作・データ測定のワークフローが明確に定められていなかったり、それぞれが分断されていたりする組織もあるだろう。そうした状況を改善しないかぎりは、ツールを導入したとしても、データを踏まえたPDCAサイクルの実現は難しいだろう。

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