個人のTwitter感覚でゆるくアクティブサポート、サポート経験を活かしフレンドリーに運営/タビオ
お返事をして喜んでいただけるお客様が感覚的にわかるんです
Twitterは個人と同じ感覚で、タビオになったつもりで使っています
このように話してくれたのは、靴下専門店、靴下屋など全国に267店舗展開するするタビオ株式会社で広報PRを担当する伊藤真由氏だ。同社では、企業の公式Twitterアカウントとして、@Tabio_JPを2009年12月から運営している。その運営方針はフレンドリーなもので、顧客サポートの業務経験がある伊藤氏がユーザーの声に耳を傾けながらコミュニケーションを取っている。
今回は@Tabio_JPの運営を一手に担う、広報PR室の伊藤真由氏にタビオのTwitter運営について伺った。
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企業アカウントの運営は、顧客サポートの業務経験もある広報が担当
まずは、@Tabio_JPのTwitter運営を開始した背景について伺った。
「Twitterの運営を開始したのは、2009年12月頃からだったと思います。オンラインストアのリニューアルなどあり、転換期でした。社内メンバーのなかから『Twitterが流行ってきているから、オンラインで販売をしているならやっていたほうがいいよね』という話が出たことをきっかけに、運営を始めました
」
広報である伊藤氏が運営を担当するのには、どういった理由があるのだろうか。
「私は、紙媒体の広告出稿やPR会社とのやりとりなど、広報に関する業務全般を担当していまして、アメブロのTabioオフィシャルブログも担当していますし、ハッピーコーディネートという人気読者モデルの最旬レッグファッションを集めたサイトの運営も担当しています。そこで、広報・PR室の業務の一環として私が担当することになりました
」
伊藤氏が担当するのには、ユーザーとのコミュニケーションを得意としていることも関係しているという。その源泉はなんだろうか。
「実は、3年ぐらい前までお客様相談室(カスタマーサポート)でメール対応を担当していたので、Twitter上で同じような質問が来た時には、簡単な質問であればすぐに答えることができます。また、社歴も長いのでタビオの会社の成り立ちに関する質問にも答えられますし、ネット上でのコミュニケーションのなかで、言っていいことと悪いことの判断もできます。社内広報の仕事もしているので、会長や社長の言葉を直接聞く機会も多く、タビオの最新情報をいち早くつぶやける立場にいるのも理由ですね
」
現在に至るまでの間、どのような思いでTwitterを運営しているのだろうか。
「広報全体としてとらえると、Twitterを特別に重要なメディアとしているわけではなく、毎日必ず何回かはチェックするように運営しています。Twitter上には、日頃からインターネットを使っているような、トレンドに敏感な男性ユーザーが多いと思っているのですが、そういった感度の高い方々のファンを増やしていきたい。ネガティブなツイートをしている方がいらっしゃれば、それをポジティブに変えていけるような働きかけができて、ファンになってくれる方を少しずつ増やしていきたい、という思いで運営しています
」
顧客サポート業務の経験を活かしたアクティブサポート術
現在のTwitter運営体制について伺った。
「現在は、私1人で運営していて、引き継ぎも『今日から私やるわ』と伝えたぐらいで、個人のアカウントとタビオのアカウントにもそんなに違いがないような位置づけで運営しています。当初の運営方針としては、会社からの情報発信と、タビオのことをツイートしてくださっている方へのお返事(アクティブサポート)を考えていたと思います
」
アクティブサポートを行うにあたって、炎上などのリスクは気にならなかったのだろうか。
「もともと、お客様相談室を担当していたので、お返事をして喜んでいただけるお客様が感覚的にわかるんです。お返事の書き方について、少しノウハウがあったからかもしれませんが、今のところ特に困ったこともなく順調にTwitterユーザーの方とコミュニケーションがとれていると思います。いくつかのキーワードで検索をかけていて、『これは!』と思う方にはどんどんお言葉をかけています。実際にツイートしてくださっている方は、1日に十数件程度で、そのなかでこちらから話しかけていくツイートは2~3個ぐらいです
」
@tabio_JPへのリプライやDMにはどのような質問が届くのだろうか。
「@tabio_JPに直接質問される方は、店舗に関する質問が多いですね。靴下屋は、店舗によって取り扱っている商品の構成が結構違うので、商品の品揃えに関する質問をよくいただきます。そうしたときには、たとえば『レディース商品ならこちらのお店が、幅広い品揃えならこちらのお店になります』といった回答をしています
」
実店舗のTwitterアカウントもあるようだが、管理などは行っているのだろうか。
「私たちが把握している実店舗のTwitterアカウントは、下関店と表参道ヒルズ店、静岡店の3つで、その他の店舗については特に管理はしていません。また、ブログは数十店舗で利用していますが、Twitterは店頭ではそれほど活用できていないと思います。つぶやきデスクのような複数のアカウントをスタッフ全員で使えるようなツールを使えればよいのでしょうけれど、店舗にはツールを用意していませんので、PCやスマートフォンによってログインし直さないといけないせいで、活用が進まないのかもしれませんね
」
実店舗のTwitterアカウントを管理していないということは、店舗ごとのアカウントを開設に許可などは必要ないのだろうか。
「そうですね、店舗さんでTwitterをやりたいという声があれば、自由にアカウントを開設できます。また、店頭から運営の相談があったときは、気をつけたほうがいいことなどをアドバイスするようにしています。たとえば、こまめにやったほうがいいよとか、直ぐに返事をしたほうがいいよとか、毎日何らかの情報を発信したほうがいいよとか。他にも、お店の商品紹介ばかりでは面白くないので、プライベートのことでもいいから幅広い内容のほうがいいよとアドバイスをするようにはしていますが、こうじゃないとダメといった規則はありません。それぞれの人が楽しくTwitterを使えるような状態が良いと思っています
」
@Tabio_JPは、伊藤氏の会社用個人アカウントのような位置づけで運営されているため、企業アカウントとしてはフランクな言葉遣いが目立つ。その理由について伊藤氏は、「Twitterという場に合わせてあえて友達感覚で話している
」と説明する。PRを担当しカスタマーサポートも経験してきた伊藤氏がこのような運営スタンスをとる背景には、Twitterという本来ユーザー同士がコミュニケーションをとる「場」のなかで企業がユーザーから受け入れてもらえるように、伊藤氏としてのこれまでの経験を活かした感覚的な判断があったのかもしれない。
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