企業がTwitterを運営する意義は、新規顧客との接点にあり
企業がTwitterを運営する意義は、新規顧客との接点にあり
Twitterを運営してきたなかで、当初は想定していなかったことなどはあったのだろうか。
「大阪のTwitterアカウント(@KNT_kansai)は、タイムセールの告知を目的に始めたんですが、当初はタイムセールで売れなかったために、トーンダウンしてしまったと聞いています。Twitterの運営は、モノを売ろうとして始めてしまうとなかなか難しいと思います。企業がTwitterを運営する意義は、今までのウェブサイトやメールという手段ではお付き合いできなかったお客様との接点にあると思います。@KNT_jpでいえば、店舗への誘導など簡単なアドバイスをすることで間接的にお客様の役に立つ、ということでしょうか。
ただ、こういう活動は数値化できないですから、社内で売上への貢献度を突っ込まれても困るので、大きな会議では言わないようにしています(笑)。Twitterの効果はどうなんだと言われても、『やらないよりはやったほうがいい』としか言えないんですよね。売上だけでいえば、月に数十万程度ですから販促ツールとしてはパワー不足であることは否めないので、やめてもいいのではと言われてしまうでしょう。ですが、私は数値化できない効果もあると思っているので、現在も続けています
」
KNTではその他にも多数のTwitterアカウントを開設しているが、それぞれに担当者がいるのだろうか。
「私が今も継続的に管理しているのは、@KNT_jpと@Tour_Plannerの2つですが、その他に先ほどお話した大阪のアカウント(@KNT_kansai)や採用担当のアカウント(@knt_saiyo)などもあります。採用担当のアカウントは入社3年目の社員が自ら実施したいと手を挙げたことで、運営を始めたと聞いています。現在の採用活動としては効果的なんでしょうね。その他にもTwitterアカウントはいくつかあるのですが、現在は更新を停止しているアカウントも多々あります。弊社の場合は、上長の承認があれば企業の公式Twitterを開設することは可能なので、比較的簡単にアカウントを開設できる一方、やめやすいというのもあるのかもしれません
」
Twitter運営について、課題として感じていることはないのだろうか。
「Twitterが盛り上がる時間帯と企業の就業時間の間に時間差があるのは辛いところです。Twitterは22時ごろが一番盛り上がるようですが、その会話に私たちが入るとなると深夜残業になってしまいます。やる気のある社員は帰宅後も自宅のPCやスマホでやっているようですけど、会社の仕事を持ち帰らせるのはかわいそうなので、こちらからお願いすることはしていません。会社としてもTwitter運営のために残業代を出せるわけではないので、別件で残業したときに少し会話に参加する、といった無理のない範囲で取り組むことが多いですから、時間的な問題はあると思います
」
さらに月岡氏は、ツイートの予約投稿は時間的な問題を解決する手段にはならないと話す。
「Twitterが一番盛り上がる時間帯にツイートを投稿することはツールを使えば簡単にできますが、仕込みでやってしまうと面白みがないと思うんです。レスポンスが来たときに、素早く返信が来ないとユーザーの方もしらけてしまうでしょう。Twitterの対応時間をプロフィールに書いたり、本日の業務は終了しましたとツイートしたりしてもいいのですが、それもまた変な話じゃないですか。業務時間を過ぎてしまうとユーザーの質問に回答できなくなるのは悩ましいところですね
」
Twitterのタイムセール告知による売上向上が期待していたほどの結果にはならず、ユーザーとのコミュニケーションも就業時間の問題で深めることもできない。リアルタイムマーケティングならではの悩みに直面しつつも、Twitter運営を続ける理由はリツイートから生まれる新規顧客との接点にあるという。また、@KNT_jpのツイートには、リツイートをされやすいように月岡氏の長年にわたる経験が盛り込まれているという。次からは、ツイートする際のコツについて詳しく伺った。
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