Twitter活用ノウハウを疑え: 唯一絶対のやり方なんてない
近ごろは、回りを見渡せば常に誰かしらがTwitterアカウントをいかに管理すべきかについて語っている気がする。彼らが話題にするアカウントが、ビジネス、コミュニティ、さらには個人のものであっても、とにかく常に「何々をすべきだ」と言われているように思えてしまう。
残念ながら私は(私の母がよく知っているように)何かをしろと言われるのが性に合わず、特にソーシャルメディアに関してはそうだ。目的を達成する方法は本当に1つだけなのだろうか? 私はそうは思わない。
個人的には、Twitterに関するプレゼンをしたり記事を書いたりして、絶対的なものとして語るのは意味がないと思う。私にとって有効なことも、あなたにとっては全く役に立たないかもしれない。だからこそ知ってほしいのは、あなたのやり方がどこかの会社と違うからといって、自分のやり方が間違っているとは限らないということ。実のところ、あなたのやり方は正しいのかもしれないし、その場合、ここで言う「正しい」とは、あなたにとって正しいということなのだ。
3月下旬に開催されたSES New York 2011は、ソーシャルメディアに関するセッションがかなりあって、Twitterに特化した内容もあった。中には同意しがたいアドバイスも混じっていたが、素晴らしい情報もあった。私はイベント会場からライブでツイートして、気に入ったアドバイスをいくつかタイムラインに流した。
いかにエンゲージするか
私はTwitter上でエンゲージすることが大好きだし、SEOmozがTwitterでたくさんのフォロワーを獲得しているのはエンゲージメントによるものだと確信している。しかし、誰もがそれに同意するわけではない。SEOmozのアカウントの場合、たとえ単なる「やったね」とか「わお!」というようなレスになるとしても、私はいつも人に気持ちを伝えることにしている。SEOmozについて何か文句を言えばレスが付くことだろう(ないこともある。不快な言葉が入っているかどうかで変わってくるかも)。
しかし、これは私たちなりの流儀だ。忘れないでほしいのは、Twitterでフォロワーとエンゲージする方法は断じて1つではないということであり、唯一絶対の方法があるなんて誰にも言わせてはならない。
時には、ただツイートすべき内容をツイートすることがフォロワーとの「エンゲージメント」であることもある。Search Engine Landのアカウントを見てみよう。リプライやリツイートはまったくやっていない。質の高いコンテンツを掲載し、それについてツイートすることに注力している。フォロワー数は約4万なので、このようなアカウントに人々が価値を見いだしているのは明らかだ。エンゲージメントとは、どのツイートにもレスを返すことでは必ずしもない。見る人が求めているものを理解することだけでもエンゲージメントとなり得ることを覚えておこう。
Twitter上での「エンゲージメント」とは、このように意味の広い言葉であり、正直なところ使われすぎていると私は感じている(そのことについて語るだけで1つの記事になるかもしれない)。私がここで言いたいことは単純だ。テストして、試して、遊んで、当たり前から1歩踏み出すこと。そして、Twitterでレスを返すことが最良の対応とは限らないことを忘れないこと。
例を挙げよう。私はSES New Yorkに参加したとき、料金を支払ったのにヒルトン・ニューヨークのWi-Fiが繋がらない、とTwitterで不満をつぶやいた。すると次の日、客室部門のマネージャーから電子メールが届いた。一体何ごと?! ご想像の通り、ソーシャルメディアの担当者が私の不平を誰かに知らせ、私のアカウントを照会したところ、私が実はダイヤモンドメンバーであり、(1)Wi-Fi利用料を払う必要はなかったこと、(2)問題の一刻も早い解決を求めていることがわかったのだ。わあ、ホントすごい。これですっかり感激した私は、今では1日中ソーシャルメディアを活用している。
実は、近いうちに私も同じようなことをやってみるつもり(^^)。いわゆる「Twitterの箱」の外側で、ユーザーたちとエンゲージするにはどうすればいい?
何をツイートすべきか?
はぁ。ここに書いたのは、Twitterでつぶやく内容のあり方について私が見たり読んだりしたアドバイスの一部だ。個人的な見解だけれど、これらのアドバイスに耳を傾けたりしたら、自分で自分を縛ることになるだけだ。Twitterがあれば自由になれるというのに! 何度も繰り返すけれども、こういったことは、突き詰めると、あなたのフォロワーと、フォロワーの好き嫌いの問題に過ぎない。
ソーシャルがマーケティング戦略全般にとって不可欠な構成要素となり、特にSEOで高い効果を示している現状において、ツイートについて考えることはもちろん大切だ。でも、自分を小さな箱に押し込めてはいけない。
SEOmozのアカウントを見ると、さまざまな要素が少しずつあることがわかるはず。馬鹿げたツイートも、インフォマーシャルのツイートもある。SEOmozブログやYOUmozの記事はすべてツイートして、コミュニティにとって有意義な投稿ならリツイートする。このやり方で私たちはうまくやっている。同じ記事について2度ツイートすることは多いが、その際は文章を変えてより効果的な表現を探るようにしている。「Promoted Tweets」にまで手を出して、どの程度効果があるのか確かめている。ご存じのように、SEOmozはテストが大好きなのだ!
フォロワーが求めるものがはっきりしない場合は……聞いてみよう! みんな喜んで意見を寄せてくれる。アンケートに答えてくれるように頼んでもいいし、自分のアカウントを使って、どんな内容がいいかを尋ねるだけでもかなり役に立つ。
何をやるにしても、自分を制限しないように。さまざまなタイプのツイートをテストして、どんな反応が得られるのかを確認しよう。ここで言いたいのは、可能な限りあらゆるタイプのツイートについて、自分の頭で考えるのが大切、ということだ。
ツイートにふさわしいタイミングは?
そう、私の考えでは、1日の中に人々が活動的になる時間帯やリツイートが多くなる時間帯がある。そういった時間帯を試してみたり、ダン・ザレラ氏の知見を読んでスタートのタイミングについて学んだりすることは間違いなく大切だ。でも、コミュニティはそれぞれ違うのだから、Twitter戦略を組み立てる際には他社(たとえばSEOmoz)で有効だからといってそれを鵜呑みにしてはいけない。自分に合ったタイミングを判断すべきだし、フォロワーやコミュニティに最も効果的なのはいつなのかを見極める必要がある。
SEOmozのフォロワーは世界各国にいるので、太平洋時間で生活している私が寝ている間もツイートを発信するよう設定している。ロンドンでは仕事が始まる時間だからだ。もちろん、そんな時間帯にレスやエンゲージメントはできないが、ブログ記事や開催が迫ったウェブセミナーのツイートは、この間もたくさんリツイートされている。朝食と昼食だけ出す地元のレストランなら、ツイートすべき時間帯はこれとは大きく異なるものになるだろう。
「ルールを破れ」。まじめな話、Twitterをこわがってはいけない。物事をぶち壊す可能性があるやり方は確かにあるが、誰かのブログに取り上げられずに終わる素晴らしいツイートが毎日大量につぶやかれていることを考えてみよう。何千? 何百万? とにかく沢山。(^_^)
お願い……
私はブロガーや講演者にお願いしたい。Twitterについて語る際、Twitterアカウントの運営方法は1つではない、ということをみんなに思い出させてほしい。
Twitterの活用方法が1つではないことは、これで分かってもらえたと思う。そこで、今度はみんなの運営方法や、ほかの人のやり方でよいと思ったものをぜひ教えてほしい。下のコメント欄に遠慮せずどんどん書き込んで(^_^)。あと、フォロワーやエンゲージメントの拡大につながったツールの活用方法について、実践的な話を聞かせてほしい。
コメント
勘を信じて無駄も楽しい
確かにやり方は無限にあるだろう。黄金律があるのも事実。しかし、我々の頭で考えることなど、とっくにどこかの誰かがやっている。大事なのは、自分の心で感じた違和感にしたがって疑ってみることではないか。お偉い方が言ったから、データがそうなっているから等のある種作られた情報から離れて、自分の勘を頼りにしてみることが大切だと思う。とてつもなく時間と無駄の多いことかも知れないが、これだけの人類がいるのだから、世界中の誰かが新しい真理を見つけてくれるだろう。そんな一人になれたら素晴らしい。
Re: 勘を信じて無駄も楽しい
草野さん
いい方向性だと思います。
だれかが新しい真理や道筋を見つけなければいけないのは確かなので、
試行錯誤や仮説検証は重要ですね。
感覚(勘)というものは、多くの場合は単なる当てずっぽうではなく、
経験で蓄積された判断基準が影響しているものですから、そこを信じるのも
筋が通っています。
あとは、自分の勘をもとにした仮説を何らかの形でうまく検証しながら
進められれば、新しい道が見つかるでしょう。
みなさんがそんな風に行動できるといいですよね。