サイトに必要なコンテンツを“メタデータ”と“マッピング”で洗い出す 第2回
コンテンツのマトリックスを作る方法
前回は、サイトの位置付けをコンセプトダイアグラムで整理する方法を紹介した。図解によって、自分の考えを整理できるだけでなく、同僚や上司、クライアントと図を描き、眺めながら見解の相違点を見つけて議論し、認識を合わせていくためのコミュニケーションツールにもなる。
今回は、見えてきたコンセプトやゴールを達成するためにサイト上でどのような機能やコンテンツが必要なのかを、メタデータとマトリックスで整理する方法について紹介したい。
今回の目的 サイトに必要な機能やコンテンツを整理する
今回の手法 メタデータとマッピングを使う
今回の想定真似コスト 0円、1~3時間
(1)コンテンツのリストを作る
まず、あるべき機能とコンテンツを思いつく限りリストアップする。既存のサイトの場合は、現状をベースにあるべきコンテンツを追加していくと楽だろう。後で必要に応じて細分化するので、メニューの単位になるような大きな粒度にとどめておく。
「検索」や「オンライン見積もり」のような動的な機能も忘れずに含めるようにする。それらは、静的な「コンテンツ」と実装方法やユーザーインターフェイスが異なるだけなので、合わせて検討した方が漏れがなくなる。
現状や重要度、実現の難易度などを考慮する必要はない。まずは理想像を描いてしまおう。
ここでは例として、「お知らせ」「ブログ記事」「実践メモ」「講演の記録」「執筆の記録」「サイト説明」の6項目のコンテンツをリストアップした。この後の作業で使うので、Excelなどの表計算ソフトを使うのがいいだろう。
コンテンツや機能の候補
(2)メタデータとマッピングする
次に、それぞれのコンテンツが持つ「メタデータ」(データについてのデータ=属性)を洗い出し、エクセルの表でコンテンツとマッピングしていく。メタデータというとわかりづらいが、「コンテンツのもつ性質、特性、特徴」といったイメージで考えるといいだろう。ここでは例として、「鮮度」「更新頻度」「独自性」「実践度」「文量」「PR度」「信頼性」の7項目の属性をリストアップした。
このときに、どのコンテンツがその属性を強く持つのか、パッと見で違いが分かるよう、濃淡のある記号を使って3~4段階で表していく。ここでは「●…強い」「○…普通」「△…弱い」「×…ない」とした。
各コンテンツの性質・特性
コンテンツや機能の候補
ここで挙げるコンテンツのメタデータは、次の3つに大別できる。
- 運用の都合
- コンテンツそのものが持つ特性
- ユーザーにとっての効果
それぞれのコンテンツは何が他と違うのか? どんな効果が期待できるのか? などと自問自答しながら、メタデータを1つずつ追加していこう。
ここでも、それぞれのメタデータ項目に関する妥当性や粒度を気にする必要はない。思いつく限り洗い出してみよう。
一気にメタデータの項目名だけを書き出すのではなく、表の横軸にメタデータを1つ書き込んだ後に、各コンテンツとの関連性を評価していくようにすると、メタデータとコンテンツの両方の理解が深まっていくため、より効率良く精度の高い洗い出しが可能になる。
(3)コンテンツの軸でメタデータを見直す
横軸にメタデータを入れ終わったら、今度は各コンテンツごとに横方向でメタデータとの関連性を見直していこう。
- 作業の途中で解釈はブレなかったか?
- 強弱の基準が偏り過ぎて「●」や「×」の数が多すぎないか?
- 内容によって評価が変わるなら、コンテンツを細分化できないか?
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