有名サイト、かってに解析!

今回のまとめ

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今回のまとめ

さて最後に、アクセス解析的にはどういうところに着目して数字を見たらよいかについて述べる。前半の分も含め、全体を通して見ていきたい。

  1. トップページまわり

    トップページが入口となるセッションのうち、新規ユーザーとリピーターのシェアをまず把握しておきたい。残念ながら新規ユーザーのセッション割合はそれほど高くないのではないかという仮説でデータを見てみたい。

    そしてその新規ユーザーのトップページにおけるリンク別クリック率。新規ユーザーはいったいどこに関心を持って次のページへ移動しているのかという事実を確認したい。新規ISP会員になりそうなユーザーが来訪しているなら、左上のエリアをよく見ているあるいはクリックしているはずだが、もしそうでないなら、新規ユーザーつまり新規会員への誘導の役割は、最重要位置の左上のままでよいのかを再検討したい。

    続いてリピーターを「@nifty」のISP会員とそれ以外の2種類に分けて、トップページが入口となるセッションのうち、それぞれの次のページ遷移を見てみたい。ISP会員とそれ以外の2種類の分類は、接続元IPで区別すればよい。その単純なセグメント分けでデータを見る。ISP会員の次の閲覧ページはマイニフティなのかサポートコンテンツなのか、それともそもそもISP会員のスタートページはトップページでなくマイニフティなのかなどというデータ。これによってISP会員向けにトップページはどう構成したらよいのかを検討したい。そしてISP会員でない、一般会員や一般リピートユーザーの人気コンテンツもどのあたりにあるのかによって、コンテンツの配置場所や提示順序が現状でいいのかを検討したい。

    当然トランザクションを発生させたいコンテンツで、まだアクセスが少ないコンテンツなどをトップページ内でキャンペーン的に特別扱いするといったことは、データとは無関係に、判断としては大事だろう。他には長期トレンドでよいので、検索機能の利用状況、バナー広告のクリック率、人気コンテンツの傾向の変化などを定点観測として見ていくことは必須だろう。もちろん新規ユーザー/リピーターのシェア推移なども基本データとして定点観測の対象となる。短期間では気が付かないけど、大きな構造変化に対応ができるようにはしておきたい。

  2. 接続サービス関連

    図5のサービス提供エリアの確認機能の実行率。本文中にも書いたが、そもそもこの場所での利用率が少ないように思えるので、その仮説の検証。そしていきなりこの機能を使って、申し込みプロセスに入っていくことも少ないと想像できるので、この機能を使った後の申し込みプロセス開始率を見たい。おそらく低いのではないかという仮説だ。この2つが当たっていれば、本文にも書いたが、最初にこの機能を提示する案、しかしここから申し込みへいきなり誘導しないページ構成、この2つを検討したい。

    あとは接続サービス関連の中でどの種類のページが見られているのか、料金なのか、導入までのプロセスなのかといったこと、そして経路分析は難しいのだが、どのような順番で見ているのかといったデータから、光ファイバーであれば、図6のページ構成および関連ページ間のリンク構造がこれでベストなのかを再検討したい。

  3. ユーザーテストの実施

    料金体系もエリアによって違うしキャンペーンも多様と選択肢が多いので、ユーザーテストが非常に有効なように思える。アクセス解析のデータだけでは、あまりにも選択肢が多いので判断は難しい。実際に何パターンかのタスクを実際やってもらって、どこで行き詰まるのか、想定外の動きをしていないかということをテストし、改善案もまたテストするということで、改良をしていくのがよいのではないだろうか。

◇◇◇

さてこの連載では、

  • Webサイトのオーナーか管理者の方からの「かってに解析」してほしいリクエスト
  • 「かってに解析」されたサイト運営者・管理者の方からの異論や反論

などを随時募集していきたいと考えている。希望者は、(web-tan@impressrd.jp)までお寄せいただきたい。

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