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本当にトラフィック、そしてコンバージョンをもたらしているのは?

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本当にトラフィック、そしてコンバージョンをもたらしているのは?

ところで、昨年の一連の議論でProblogger.netが「ソーシャルはSEOより有効だ」と主張したことの背景にあるのは何だったのだろうか?

少し話はずれるが、僕は2010年10月に個人ブログでコンテンツを公開し始めた。ドメイン名のオーソリティもリンクもなく、検索で上位を獲得できる見込みはほとんどない。しかし、ソーシャルメディア(特にTwitter、Facebook、Hacker News)がもたらした成果は十分に注目に値するものだった。

トラフィックのデータ
検索エンジンからのトラフィックは全体の0.36%(78件)しかなく、ほかはの2万件以上の訪問はすべて直接訪問または参照元あり。

検索エンジンからのトラフィック78件はすべて、TwitterとHacker Newsで人気になった記事から生まれたものだった。今のところ、ブログ自体は検索結果の上位に入っていない。にもかかわらず、ソーシャルメディアは9日間で約2万2000人のビジターを送り込んできた。ブロガーたちが、広告やスポンサー契約といったトラフィックに左右されるシステムで収入を得ている場合は特に、ソーシャルメディアのトラフィックに投資する傾向を見せるのも当然だ。

今回の話題を煽ったProblogger.netはブログのアクセス増と収益性向上を扱うサイトなのだから、「ソーシャルメディアはSEOより効果的であり得る」という見解が出るのは、あながちおかしなことではないのかもしれない。

それでも僕は、ソーシャルネットワーク、とりわけ最大手(Facebook)から送られてくる各種のトラフィックを全部合わせても、Googleが毎日もたらしてくれるビジターに比べるとほんのわずかでしかないと主張したい(ただし、Facebookユーザーのバイアスに訴えかけるのが仕事の場合は話が別だが)。だが、ソーシャルメディアは検索エンジンにつきもののバイアスを、確かにある程度取り除いてくれるし、リンクプロファイルを拡大できるか、検索ロボットにアクセスしてもらえるか、あるいは効果的なキーワードのターゲティングができるかに関係なく、ソーシャルメディアの利用者にアピールするコンテンツを盛り上げてくれる。

実データにみるオーガニック検索とソーシャルのコンバージョン力比較

さて今度は、これと対極にあるB2B製品のコンバージョンの例を見てみよう。SEOmozのPRO会員登録のコンバージョンを生み出しているトラフィックは何かだ。

SEOmozのPRO会員をよい投資だと思えるのは、SEOに積極的に関わるマーケターぐらいのものだろう。しかし、僕らのサイトが引き寄せているトラフィックは、検索エンジン経由のものもソーシャルメディア経由のものも、多分そういった意図を持つ人たち(SEOに関わりがあり、おそらくウェブマーケティングにも関係している)から来ているのだろうから、両者の比較は理にかなっていると思われる。

最初に下準備として、SEOmozのGoogle Analyticsアカウントに、「ソーシャルトラフィック」というアドバンスセグメントを作成した。ドメインの一部に「twitter」「facebook」「stumbleupon」「linkedin」「flickr」および「ycombinator」を含むすべてのリファラーがここに入り、SEOmozのサイトにトラフィックをもたらすソーシャルメディアの大多数を占めている。次に、このトラフィックと検索エンジン経由のトラフィックとを2週間、量的に比較した。

  • オーガニック検索からのトラフィック ―― 20のソースから10万2349のセッション
  • ソーシャルメディアからのトラフィック ―― 30のソースから2万6599のセッション

そして、PRO会員登録のランディングページ、あるいは申し込みページに到達した割合を比較した。

オーガニック検索からのトラフィック
オーガニック検索のトラフィック
ソーシャルメディアからのトラフィック
ソーシャルトラフィック

この調査から、次のようなことがわかった。

  • オーガニック検索からの訪問は4.5%が会員登録を検討した。

  • ソーシャルトラフィックでは1.3%が会員登録を検討した。

  • 実際の数字を明らかにすることはできないが、検索からのセッションは結構な数がコンバージョンに至ったのに対し、ソーシャルトラフィックではゼロだった。

それどころか、ソーシャルメディアからSEOmozへのトラフィックを1年分チェックしたところ、コンバージョンに到達した訪問は1つも見あたらなかった。つまり、ソーシャルメディアの活用は、トラフィックの獲得やブランドの構築、将来的な購入の促進に強力な方法かもしれないが、最後の直接的なコンバージョンでは検索の足元にも及ばないということだ。

公平を期すために言っておくと、この調査ではライフサイクル全体どころかファーストタッチ要因すら調べていない。したがって、この分析には「消費行動・コンバージョン行動」を調べるにあたって完璧ではなく、物足りないものがある。しかし、それでも考え方の方向性を示すものとして得るところはあるだろう。

検索とソーシャルメディアの違いや優劣を理解するための5つのポイント

この記事やリンク先のコンテンツで紹介されている調査およびデータから、マーケティングチャンネルとしての検索とソーシャルメディアについて、以下のことが言えると思う。

  1. SEOとソーシャルメディアを対立するものと考えるべきではない

    ウェブマーケターがお互いに(もっと正確に言うなら「自分自身と」だ。業界の調査データによれば、多くの人が両方に従事しているのだから)競い合う話ではない。双方のチャンネルともに価値があるのは明らかであり、そのことを否定するのは意味のない空論だし、悪くすると自滅を招く。

  2. 検索はコンバージョンに寄与する

    グーグルの検索広告に支払われる200億ドルを超えるお金が無駄に費やされているわけではない。明確な意図を持ち、コンバージョンにつながる訪問者をもたらしてくれる。ウェブ上にこのような存在はほかにない。

  3. ソーシャルメディアには価値がある

    ソーシャルキャンペーンに触れた人は、顧客や見込み客として価値が高い。そのことから、ソーシャルメディアはブランディングやトラフィックのチャンネルとしてだけでなく、コンバージョン率最適化のチャンスとしてとらえることもできる。

  4. SEOは初期段階が難しい

    被リンクが十分に得られていないと、コンテンツが素晴らしくても検索結果でそれほど上位には上がれないだろう。

  5. 検索とソーシャルメディアの使い分けが重要

    区別、分析、反復をしない人は、チャンスを逃し、価値を見誤ることになる。僕が特に心配するのは、反応がすぐに返ってくるのではるかに把握しやすく感情的にも魅力を感じる(「あの人がTwitterでフォローしてくれた!」「Facebookでファン200人だ!」という具合に)という理由から、SEOが台無しになるまでソーシャルメディアに入れ込むマーケターだ。投資利益率を高められる部分に対する適切な取り組みを忘れないように。それこそが、僕らの仕事なのだから。

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