1日当たり訪問回数を見ていくときの注意点
1日当たり訪問回数を見ていくときの注意点
次の図3は、図1に8月の週次データも加えて12週にトレンド・グラフを延ばしてみたものだが、祝祭日のない8月の利用回数のレベルが6・7月に比べて一段下がっているのが見て取れる。KPIとして推奨した1日当たりの訪問回数を調べてみると、平日が489件、休日が39件と、全体的に水準が下がっていることがわかった。
この理由は容易に推測がつくと思うが、会社も夏休みで代わるがわるお休みする感じで、アクティビティが全体的に落ちているようだとわかる。実際、日別の利用状況を見てみると、図4のようになっていることで、その裏づけとなった。
週次データの難点である、平日と休日の落差が大きいという点をカバーする「平日・休日別の1日当たりの訪問回数」という指標ではあるが、1年という長いサイクルで見た場合には、季節変動からは逃れられないのである。
移動平均の比較という選択肢もある
季節変動の影響を受けずにトレンドを見る方法としては、移動平均との比較という方法もある。最後に移動平均を比較できるツールのグラフを紹介しておこう。このツールでは過去4期間の平均値と比較するグラフが表示できる。具体的には、週次のレポートなら過去4週間の平均値と比べられる。過去4週間つまりほぼ過去1か月の移動平均と比べられるので、数字が上昇傾向なのか下落傾向なのかの目安がつくという点で、トレンドを見ていくには便利なので、興味のある方はこういった集計を試みてはどうだろうか。
まとめ
- 週次データは月次データのように日数依存しない
- ビジネス向けでは、平日と休日の落差が大きい
- そこで活躍するKPIは、平日・休日別の1日当たりの訪問回数という指標
- 週次データでも季節変動は顕在化する
- 過去4週間の移動平均と比較するのも有効
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この記事の筆者
衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)
1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社へ。調査部、インターネット視聴率センター長などを経て、2000年ネットレイティングスへ。視聴率サービスやアクセス解析サービスの立ち上げに尽力。2006年株式会社クロス・フュージョンを設立し代表取締役に。2023年活動停止。
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