エンジニア視点での“少ない労力で大きな効果をあげるSEO対策” (後編)
この記事は前後編の2回に分けてお届けしている。今回は、前編お伝えしたトップ5のリストに含まれなかったその他の回答を見てみよう。
前回お届けしたトップ5のリストには含まれなかったが、動的メタタグ、サイト内リンク、W3Cの仕様に準拠したHTML(XHTML)、URLの階層構造、不適切なナビゲーションの修正なども注目する価値がある。
とくに注目したい回答
開発者たちから受け取った回答の中で、とくに取り上げたいと思ったものがいくつかある。正鵠を射ているもの、多少「ピンボケ」なもの、まったく突拍子もないものなどさまざまだが、これらの回答は評価に値するものだと私は思う。
ケン・ジョーンズ氏 - 間違いなく、これが私のいちばんのお気に入り。まったくそのとおり!
シーザー・サーナ氏 - サーナ氏はSEO業界の有名人だ。だから、事情通である同氏からIMで送られたコメントをここで紹介したら、業界通っていう印象を多少与えられるんじゃないかな(私ってなんて頭がいいんでしょ!!)(^^)。
開発者の視点から見て、URL正規化タグを実装することが、SEO効果をもたらす最も簡単なWebサイト更新だ。たった1行のコードだが、インデックス化すべきURLを検索エンジンのアルゴリズムで決めさせるのではなく、こちらが望むURLを検索エンジンに示してやることができる。
実際、URL正規化タグが本当に有効であることを明らかにできるのであれば、私はこの回答に100%同意する。私は、URL正規化タグが大規模な顧客サイトのいくつかで高い効果を上げているのを見てきたが、このタグに関してさまざまな問題に直面している人々の話も耳にしている。
ベン・ヘンドリクソン - SEOmozの開発スタッフであるベンについて紹介する必要はないだろう。私が言えるのは「そう……ベンはこう言っていた」ということだけ。
小説『アンナ・カレーニナ』は、「幸福な家庭は皆同じように似ているが、不幸な家庭はそれぞれにその不幸の様を異にしている」という一文から始まる。僕は、同じことがSEOにも言えると思う。サイトのSEOを混乱させるものは何でも修正すべきだ。しかし、ほとんどのサイトが何かしらの間違いを犯しているけれど、ほとんどのサイトが共通して犯している1つの過ちというものはまずない。
つまり、比較的共通して間違いやすいものはあるけれど、リストアップすると、お気づきのように、SEOのベストプラクティスのリストといささか似たようなことになる。
- URLの階層構造。URLの構造はそのコードやCMSの構造に由来することが多いが、これがユーザーや検索エンジン向けに最適であることにはならない。これを修正する場合、mod_rewriteのような別の抽象化レイヤを使って行うのが最適ということがある。
- URLとページが1対1で対応していない(たとえば、URL正規化の問題)。
- クロールできないAjaxコンテンツ。
- できのよくないサイトナビゲーションリンク。
- 各ページのコンテンツを反映していないtitle要素
……などなど、よく取り上げられる問題のリストはさらに続く。
わかった? これがここSEOmozにいる開発者の力。ブラボー!
メル・グレイ - メルもまた、「とびきり頭の切れる」SEOmozの開発者。
簡潔に言おう、「ポップアップ」だ。みんなポップアップが大好きなんだ。
それはさておき、真面目な話……僕が持ってる、ある特定のインターネットミームのためのサイトなんだけど、検索順位が2位だったんだ。このサイトの開発にはなんの労力も注いでない。やってることと言えば、ときどき画像をアップロードするぐらいだ。そうなんだけど、このサイトが2位に甘んじているのは気分が悪かった。title要素を変更し、そのミームに適したキーワード(スタッフィングじゃなく)を含んだ短いmeta discriptionタグを加えた。そして、検索結果ページにこの変更が反映され始めるやいなや、1位になったのさ。
ね、SEOmozの開発スタッフは2番手なんかじゃ満足しない!
ジェイソン・スウィハート氏 - 本当は、スウィハート氏の最初の回答は「良いコンテンツを開発すること」だったけど、私は、それが本当に開発者の役割かと、少し突っ込んで聞いてみた。その結果出てきたのが、次の最終回答だ。
ちなみに、ずっと昔、私が主にColdFusionの開発に携わっていたころ、スウィハート氏は私の上司だった。
YOUmozでの会話で多くの人々が指摘しているように、開発者とSEO業者が協力して仕事をすることが肝要だ。本当にね。私たちはお互いを必要としている。開発者は総じて学ぶことが大好きだから、知らないことや、理解していないことがあるなら、教えてあげよう。だけど、忘れないで。教えるといっても、正しい方向を指し示して、あとは開発者自身が答を出せるようにしてあげるだけでいいのかもしれない。こういう分析好きの人間たちをやる気にさせるには、挑戦させるのみ!
あなたは開発者とどんなふうに協力しているのだろう? 生産的な協働ができるよう、あなたが発見したテクニックとか方法論とかはある? このリストへの感想や、こういった変更が本当に最小の労力で最高の効果をもたらすと思うかどうかといった意見を、ぜひ聞かせてほしい。また、開発者の皆さんはどうだろう? ちゃんと自分たちのことが伝わったと感じられただろうか? 効率よく働くために、あなたはどんな手順を踏んでいるのだろうか?
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