失敗しないためのCMS導入事例

ケータイサイト管理にCMS導入で人件費効率が2〜3倍に/アサップネットワーク+ZEKE CMS

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失敗しないためのCMS導入事例

アサップネットワーク+ZEKE CMS(ユビキタスエンターテインメント)

文:加藤さこ 写真:編集部

iモードが普及し始めて間もないころから、着うた、電子書籍、動画など、モバイルに特化して公式サイトを数多く運営しているアサップネットワーク。

同社が数多くのケータイサイトを効率よく管理するために導入したのは、ユビキタスエンターテインメントのZEKE CMS(ジーク・シーエムエス)だった。導入の経緯やその特徴を代表取締役社長の西山 圭氏に聞いた。

ウェブサイトの基本的な情報や利用CMSに関する情報はページの末尾に記載

CMS導入の目的

  • 複数の人間がサイトマップを視覚的に把握し、大量のコンテンツの全体像を把握できるようにしたい(引き継ぎ時に正体不明のコンテンツがないように)
  • サイト構成やページの位置を変更してもリンク切れが発生しないようにしたい
  • 頻繁にサイトを更新できるようにしたい
  • 1サイト6人対応という状況から生産性を上げたい

HTMLを覚えてサイトを作り
アップロードはFTPで手作業だった

西山 圭氏
アサップネットワーク株式会社
代表取締役社長
西山 圭氏

アサップネットワークがPCではなくモバイルに特化した理由は、収益の良さからだった。同社の現在の社員数は17人。規模を拡大するよりも、コンテンツをより効率良く世に出していくことを目標に掲げてきた。

同社は、事業としてはコンテンツの企画・制作、運営・運用までを手掛けている。しかし、そのためのシステムを作るエンジニアは社内には置かず、外部の開発会社へ委託している。

公式サイトを“運営するための”システム作りというのは、意外におもしろくないものなんです。事業として社内にもつべきリソースとそうでないものを考えると、システム作りのためだけに人を雇うよりも開発会社へ委託した方が効率が良いんです」(代表取締役社長の西山 圭氏)

創業から3年目の2003年までは、モバイルサイト制作といっても、HTMLを手作りしてFTPでアップロードするという体制で十分だった。しかし、2003年の末ごろになると、モバイルユーザーが急増し始めた。ユーザーの要求は、以前よりも当然、高くなってくる。それでも2003年〜2004年ごろまでは、たとえば占いサイトでもコンテンツが10種類あれば満足という程度だった。しかし2005年以降になると、ユーザーひとりひとりのリクエストが増え始め、ニーズに応えてコンテンツを増やしていく必要性が生じてきた。

当然のことながら、更新頻度も激増してFTPでアップロードしていては追い付かなくなってきました。データの管理についても、うっかりと画像がNOT FOUNDになってしまうなどのエラーが発生するようなことも起こり始めました。

1つのコンテンツだけやっていて1000ページくらいなら、これまでのやり方でも対応できました。しかし、最近では7〜8サイト運営していて、1コンテンツあたりのページ数も増えているため全体では数万ページどころではなく、さすがに手書きHTMLをFTPアップロードというやり方では対応しきれなくなっています

また、業務の引き継ぎという問題もある。サイト全体の構造や、どのディレクトリに何のファイルが置かれているかを完全に把握できなくなり、担当社員が1人退職すると、細かいことがわからず、コンテンツを更新できなくなってしまうのだ。どこから参照されているのか把握していない、半分孤島のようなページが散在していたり、サイト内に見たこともないテンプレートを見つけたりということもあったという。

今の体制のままではだめだという気持ちが高まり、これからどうするかを考え始めたとき、西山氏はモバイル用CMSという解に出会った。

2006年の半ばに、ある人に『おもしろい会社がある』と紹介されました。話を聞いてみると、PCのブラウザ上でコンテンツや画像の配置まで編集でき、ページ一覧もツリー構造で管理して、インデックスページやリンクも自動生成するという、モバイルサイトの管理システムを開発している会社でした

その『おもしろい会社』が、現在、アサップネットワークが導入しているZEKE CMS(ジークCMS)を提供しているユビキタスエンターテインメントだ。特に西山氏の目を引いたのは、リンク切れをなくせるリンクの自動生成。最大の問題点となっていたリンク切れが解消されるのは、アサップネットワークにとって画期的なことだった。

モバイルのプロからみた
モバイル特化型CMSの利点と弱点

モバイルCMSを導入すれば問題点は解決するが、CMSのライセンス料は気軽に買える価格ではない。費用対効果を検討したうえで導入を決めていかなければならない。

ZEKE CMSは当時では先進的な技術を使っており、機能的には問題はなかった。しかしライセンス料金250万円に必要な機能を組み込むと、かかる費用は大体400〜500万円。費用対効果を考えると、はたしてこれだけのコストをかけるべきなのかという迷いが西山氏にはあった。

もっと安価にできる方法として、オリジナルのシステム構築を開発会社に依頼することも検討してみた。しかし、他の開発会社を利用した場合、作れば終わりというところに問題がある。あとのフォローアップを得られることは期待できないだろう。その点、ユビキタスエンターテインメントでは、言われたとおりに作るのではなく「こうすればもっと良くなりますよ」と提案をしてくれる。理解しようという意欲も強く、ユーザビリティを大切にするユビキタスエンターテインメントの社風に、西山氏は惹かれた。

スペックや資料にない良さがZEKE CMSにはあるんです。これは開発チームが仕事に対して意欲的に取り組み、好きでやっていることの現れだと思いました

コストさえ抑えられれば、ZEKE CMSの導入で進めたいと西山氏は考えていた。そこへ、ユビキタスエンターテインメントから思いがけない提案が挙がった。定価よりも安価に導入できるというのだ。

本来の価格よりも安くなった理由は、我々がZEKE CMSを使うことで問題点を洗い出して、機能的に製品をレベルアップさせるという役割を担ったからのようです。言ってみれば、デバッグ作業込みの値段というところです(笑)

これは2006年ごろの話ですが、ユビキタスエンターテインメントでは、ZEKE CMSで初めてモバイルに特化した商品を打ち出したという状況でした。そのため、管理機能として当然必要なものに関して用意されてはいるのですが、実用的にみて不満足な部分もありました。モバイルを片手間にやっているような企業ならそれでこと足りるのかもしれませんが、モバイルのプロとしては満足できなかったんですね

すでにCMSを導入する方向は決まっていたアサップネットワークでは、製品の検討に要した時間は2か月ほど。ZEKE CMSで行くことに決定したのが2006年9月末だった。そして、10月から早速、ZEKE CMSを使ったサイト構築に着手することになった。

最初に導入を行ったのは、2006年12月の公開が予定されていたバレエ情報のサイト「バレエ・モバイル」。日本各地で行われるバレエコンクールの情報を掲載し、コンクールが開催されれば会場に取材にいって結果をすぐに更新していくというサイトだ。バレエ教室のデータベースも2000件ほどあり、これらを管理するためにもCMSの導入は必須だった。

CMS導入には、専任ではないが全体をプロデュースする担当者を1名立て、スタッフ1〜2名の体制で行った。主な作業はページのビジュアル作りとデータの流し込み。ZEKE CMSの使い方に関しては、ユビキタスエンターテインメントが半日コースの操作講習会とマニュアルを用意したが、それもほとんど必要ないくらいわかりやすく使いやすいインターフェイスだったという。

ブラウザ上ですべて操作できますから、バイトの人にも更新を任せられるようになりました。インターフェイスが理解できてすぐに使えるという利点は、そういった面でもポイントが高いですね

ZEKE CMS管理画面
ZEKE CMSの管理画面

1サイト6名だったチームが
CMSの導入で1~2名に

アサップネットワークでは、ZEKE CMSを導入してからは、占い、ニュース、書籍など、タイプの違うサイトでも、統一したインターフェイスで作業できるようになり、作業の効率が大きく向上したという。更新頻度も上がり、イベントなどの情報もリアルタイムで更新できるようになった。また、ZEKE CMSは公式サイトの構築に対応しているので、有料登録したユーザーだけにページを見せるということもできる。

現在、CMSで動かしているコンテンツ数は10種類。キャリア別のサイトは合計21サイトある(一部のキャリアにのみ対応しているコンテンツもあるため)。総ページ数は数万ページに及び、週に約300ページの更新をしなればならない。これはCMSを導入していなければできない量だと西山氏はいう。

以前は1サイトにつき6名のスタッフでチームを組んでいましたが、現在は1サイトの管理は1〜2名で行っています。CMSを導入してからは、どこかのサイト専属の担当という形ではなく、1チーム3名で4サイトを管理するというやり方に切り替えました。これによって生産性は2〜3倍は上がったと思います。

教育面でも、かなり変わりました。これまでは新入社員が入社すると、まずFTPやHTMLを覚えなければいけないため、仕事ができるようになるまで1か月はかかっていました。それがCMSでは2日目から作業できてしまうんですよ。これは画期的な改善といえるでしょう

CMSの導入により、スタッフの作業効率が劇的に上がったため、サイト数は倍増したが社員数は2名増えただけという状況だという。運営・運用に時間をかけずに済むおかげで、これまで着手できなかった企画の立案も積極的に行われるようになってきた。

とはいえ、すべてが順風満帆だったわけではない。導入当初は、当然できると思っていた3キャリア自動振り分けもできず、キャリアごとの絵文字自動変換や画像のリサイズなども、クォリティに満足できなかったという。また、ある携帯電話端末で表示されても、新しく発売されたモデルの端末ではうまく動作しないという事態も発生したという。

つまりモバイルのプロから見れば、ZEKE CMS 2.0はαバージョンだったんですよ(笑)。デバック込みでの値引きなんだなと思ったのはこのときでした。

とはいえ、問題が発生したあとに、きちんと対応してくれるのがユビキタスエンターテインメントの良いところ。問題点の解消だけでなく、あとから追加したい機能についても対応してもらえました。カスタム料はかかりますが、やってくれと頼めば、ちゃんとやってくれる会社です

ZEKE CMS 2.0
ZEKE CMS(2.0)の管理画面

CMSで働く環境を改善して
「当たるサイト」を作るパワーを発揮

アサップネットワークのCMS導入目的は、次の4つだった。

  1. サイト全体を把握しやすい状態に保つ。
  2. リンク切れが発生しないようにする。
  3. 頻繁な更新に対応させる。
  4. スタッフ1人あたりの生産性を上げる。

西山氏によると、目的は十分果たされているようだ。CMSを導入するのは、決して安い買い物ではない。しかし、モバイル業界も年々競争が激しくなり、マーケット的には利益率が下がってきている。以前は着メロで90%の利益を出せたが、現在では40%まで落ち込んでいる。電子書籍に至っては20%を切るという状況だ。

マンパワーを得るためには、社員数を増やすのではなく、ひとりひとりの力を発揮しやすい環境を整えること。これが大事なんです。CMSを上手く使って、今まで以上に売り上げを向上させていくことが今後の目標です

今後、ますます低コストで「当たるサイト」を作りだす目利きが必要となる。新しい企画を打ちたてていくには力が必要だ。管理に注がれてきた体力を、CMSを利用することで他に回せるようになったこと。これが今後のアサップネットワークに良い影響を与えることは確実だと西山氏は見ている。

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バレエ・モバイル
バレエ・モバイル サイト概要
URL 携帯3キャリアの公式サイト
目的 バレエの関連情報やコンテンツ、コンクール結果情報などの提供
オープン 2006年12月第3週
コンテンツ数 数千コンテンツ
更新頻度 定常コンテンツは随時、イベント時にはリアルタイムで更新

利用CMS情報
製品名 ZEKE CMS 2.0(ジークシーエムエス2.0)(現行の最新バージョンはZEKE CMS 3.0)
提供事業者 株式会社ユビキタスエンターテインメント
URL http://www.uei.co.jp/zekecms/
出力形態 動的コンテンツ生成
特徴 主要3キャリアに対応したコンテンツ管理システム。着うた、アプリ、Flash、コミックなどの素材配信、ニュースやブログなどの配信をワンストップで実現でき、月額制、ポイント制、従量制などの公式サイト課金方式に対応している。編集ユーザーの権限管理もでき、記事のプレビューや自動公開日時設定、公開承認などのワークフロー管理もできる。また、操作が簡単なことも特徴。本格的なモバイルサイトを運用するために必要な機能を最小限の手間で構築できることを目指して開発されており、編集中の記事の自動保存や更新履歴の管理といった機能も備えている。
ZEKE CMS 2.0
CMS導入概要
  • CMSを使って新規サイト立ち上げ
  • CMS初期費用+初期テンプレートなどの構築などで250万円程度
  • 2006年8月〜9月ごろから評価・検討(当時はZEKE CMS 2.0)
  • 2006年9月〜10月に導入決定
  • 2006年10月に開発開始
  • 通常の開発期間は1か月程度だが、最初のCMS導入だったので2か月ほど要した
  • CMSを含めたウェブ関連のサーバーをユビキタスエンターテインメントでハウジング
  • CMSのインストールとハードウェア準備をユビキタス側が準備(スペックは協議のうえ、ハードウェア費用はアサップネットワークが負担)
  • テンプレート数は30〜40種類程度
CMS選定のポイント
  • 公式サイトの構築に対応している(キャリアの課金情報に対応した課金ユーザーのみアクセスする機能)
  • 3キャリア自動振り分けや、絵文字の自動変換などの機能をもっている
  • Ajaxのインターフェイスで使いやすい(画像もFTPを使わずにブラウザ上でドラッグ&ドロップで配置できるなど)
  • カスタム開発とさほど変わらないコストに抑えられる
  • ユビキタスエンターテインメント自体がゲームなどのコンテンツをやっていたので、サイト訪問者に対するユーザビリティに対して社風として気を遣っている、モバイルコンテンツに対する取り組みの姿勢が良い(言われたものを作るだけのシステム屋ではない)

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※社名、所属部署、利用サービス、価格など、この記事内に記載の内容は、取材当時または記事初出当時のものです。

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