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Facebookの「Lexicon」はキーワード調査に使えるかも

Facebookが4月15日に簡単なキーワード調査ツールとも呼べそうな機能の提供を開始していた。「簡単な」と書きながら、この「Facebook Lexicon」っていう新機能は、すでに世に出ている有料ツールの一部に比べると、よっぽど高度なものなんじゃないかと思えてきちゃったわ。このツールは、Facebookのサイト全体から「公開および限定公開の」のコーナーに書き込まれたキーワードを、書きこんだ人に関する個人情報を除いて集計するもので、検索できるのは1語のキーワードまたは2語からなるフレーズよ。そのキーワード/フレーズが実際に何回書き込まれたかという実数はわからないんだけど、「Google Trends」同じように、人気の変動やトレンドを示してくれるの。でも、統計データの正確さをかなり信用できるという点で、他の多くのキーワード調査ツールとは違っているわね。

用語集google,yahoo
※Web担編注 Facebook LexiconへのアクセスにはFacebookへのログインが必要。Facebook日本語版では「Lexicon」の訳が「Facebookレキシコン」や「用語集」と一定せず、おかしな訳になっている部分もある。また、現時点でキーワードとして使用できるのは半角英数字のみで、日本語キーワードの検索はできない。

ちなみに、積極的にデータを公開しているTwitterでは、こうしたツールがすでに多数出ている。一方でFacebookはというと、どう考えてもTwitterより込み入った内容のやりとりが投稿されているし、これまでは常にコンテンツをガッチリと保護してきた。ロバート・スコーブル氏をはじめとする人々が、手作業でもできそうな処理をスクリプトを使って自動的に行ったというだけで、「Facebookが保有」するデータを勝手に利用したとして、ひと悶着になったこともある。

利用規約のことはさておき、サードパーティがFacebook用のこうしたツールを作成しようとしても、非常に難しいことだったわ。だって、直接の交流がない人々のプロフィールにアクセスするのは簡単じゃないんだもの。実際のところ、本当に役に立つこの種のツールは、Facebook自身が開発するしかなかったのよね。

Facebookが使用する「公開および限定公開」の情報には、ユーザーのプロフィールページや、グループ、イベントに書き込まれたコメントも含まれるの。度が過ぎるほどプライバシーに配慮しているFacebookが、プロフィールページのコメントから得たデータを使用していることに、実のところ私は驚いているわ。Facebookでは、もしユーザーがそうしたければ、自分のプロフィールを完全に非公開にして、友人しかアクセスできないようにすることだってできちゃうのよ。Lexiconのヘルプにはコメントの匿名性について明確に述べているとはいえ、Facebookがこういうツールのためにプロフィールに手を付け始めるだろうとは思ってもみなかったわ。広告収入が目的? それならそれでもいいわ。でも、FacebookはLexiconを無料で提供しているのよ。

今のところLexiconは、それほど有用なツールだとはいえないわ。いつかはそうなるという可能性は否定できないけどね。説明を読むと、あるキーワードがLexiconのデータに登録されるためには、書き込まれた回数が「基準値」を超えなくてはならないらしいわ。私の見るところ、現時点でこの基準値はかなり高いみたい。かなり一般的なキーワード/フレーズで検索しないと結果が表示されないのよ。基準値がもっと低ければ、このツールを利用して、話題性を中心としたキーワード調査ができるんじゃないかしら。

Lexiconの精度に関しては、正確だと思ってよさそう。それを疑う根拠は見つからないわ。今年インターネット上で話題になったキーワード/フレーズをいくつか調べて見たけど、納得できる結果だったの。

用語集rick rolled, rick roll

「rick roll」と「rick rolled」は、4月1日とその後の数日だけLexiconのレーダーに引っ掛かっているわ。

用語集sxsw

「SXSW」(イベント名)というキーワードの人気が上昇すると……

用語集sxsw, twitter

……それに続いて「Twitter」というキーワードの書き込みがぐんぐん増える(イベントの様子がTwitterでどんどんやりとりされるから)。

他にも興味深いグラフがいろいろあるわ。たとえば、共和党の次期大統領候補だったロン・ポール氏に関する書き込みが激減したことを示すグラフとか、Diggの人気はとても高いのに、RedditはLexiconに登場していないという事実を示すグラフ、それから、今年のスーパーボウルの放送中には、いつもよりはるかに高い割合でコマーシャルが話題に上っていたことを表すグラフとかね。同義語や類義語を比較して、Facebookユーザーがある事柄をどういう言葉を使って表現しているのか調べてみるのもおもしろいわね(スーパーボウルの放送中にコマーシャルに関する話題が増えたのに気づいたのは、実は「ads」と「commercials」を比較してたときだったの)。この比較データは、トレンドを追跡できる機能と同じぐらい興味深いわ。

もっとも、Lexiconでは、あるキーワードやフレーズがどのくらい使用されたのか、グラフからは実数が全然わからないということもはっきりしたわ。「twitter」だけで検索すると、急にすごく人気の高いキーワードになったように思えてしまうけど、本当に人気の高い別のキーワードと比較してみると、グラフは全然違うものに見えるでしょ。

私が思うに、Lexiconは、Facebookのユーザー層というものをもう少しはっきりと把握するのにも役に立つかもしれないわね。Facebookが大学生専用のコミュニティだった頃は、典型的なFacebookユーザーを構成しているのはどんな人たちか、把握するのが今より簡単だったわ。だけど、このサイトの間口が広がるにつれ、どんな人たちが新たな「平均的ユーザー」を構成しているのかが議論の的になってきたの。SWSXとTwitterに関するデータを見れば、少なくとも、テクノロジに詳しい人たちの割合が依然として比較的高いということがわかるわね……キーワードが統計に現れるための基準値が比較的高いということを考えると、SWSXもTwitterも、すごくたくさん使用されているに違いないもの。Facebookの統計データに、MySpaceやBeboの同じようなデータを重ね合わせてみると、ずっと興味深いものになるかも。

Lexiconから目を離さずにいましょう。Facebookは、いったん公開した機能の改良や修正を行わないというわけじゃないんだから、このツールが進化してくれるだろうと思って待つしかないわね。

最後に1つアドバイスを。サインインしてないとLexiconを利用できないようなので、Facebookのアカウントを持っていないマーケターは、この機会にアカウントを取得した方がいいわよ!

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