誰もが実践できるSEO。でも意外と間違った認識を持っている人も多いのでは?
そこでみなさんが抱えているSEOの不安や疑問をプロが解消します。
画像のalt属性にキーワードを詰め込みすぎるとスパムと認識されてしまう?
画像のalt属性に大量のキーワードを入れるだけではスパムと認識されませんが、検索結果を不正操作することを目的としたalt属性へのキーワード詰め込みは、スパムと認識される可能性があります。
ウェブコンテンツのアクセシビリティ規格である、ウェブコンテンツJIS(JIS X 8341-3)では、画像に対してalt属性を付ける例として、「画像内容の詳細が理解できるようにすること」を推奨しています。たとえば、川を含む風景写真に対して、「川」というalt属性ではなく、情報として必要な場合は、次のように写真が含む情報のすべてをalt属性に記述することも推奨しています。
「利根川の下流域の風景。手前には大きな鉄橋が架かり車が往来している。空は夕焼けで赤く染まり、河川敷では子供がサッカーで遊んでいる」
このことは日本のJIS規格だけだけではなく、国際団体W3Cのアクセシビリティに関連する内部組織、WAI(Web Accessibility Initiative)も同様の内容を推奨しています。
JIS規格やWAIの定めた仕様で、多くのサイトがアクセシビリティのために行っていることに対して、検索エンジンがスパムと判断するとは考えが難いでしょう。そのため、alt属性に大量のキーワードを入れるだけでは検索結果で不利とはならないでしょう。
ただし、alt属性に特定のキーワードを入れたことだけを原因として、順位にペナルティが科せられた事例も確認しています。また、alt属性に1単語だけしか入っていなくとも、その単語が画像と関係のないものだったために、Googleのサイト全体のインデックス削除が行われた例もあります。
alt属性に関係するスパムの認識は、キーワードの量ではなく内容の問題です。大量の文言を記述するだけでは問題はありませんが、それが画像情報と一致しない不自然なキーワードを含んでいると、スパムと認識される可能性があります(図1)。
逆に、画像などの非テキスト情報の内容を正確にテキストに起こすのならば、検索エンジンが認識できない情報を認識できる形にすることになり、検索エンジンが推奨する望ましいSEOになります。
画像だけではなく、Flashコンテンツや動画、音声ファイルでも同じことがいえます。その場合、alt属性では文字数に制限があるため、CSSによる置換などを使用して(ユーザーの利益を考えた利用に留めること)、論理構造を持ったテキストコンテンツとするとなお良いでしょう。
alt属性などの代替要素にキーワードを詰め込んでリスクを負うのは、それから得られる成果から考えると割に合わない行為だといえるでしょう。アクセシビリティの観点で、非テキスト情報をテキスト化するに留めることをお勧めします。
※記事の内容は、執筆時点のものです。検索エンジンの仕様は頻繁に変わるため、将来においてもこの内容がそのまま該当することは保証できません。
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コメント
論理構造を持ったテキスト
> CSSによる置換などを使用して(ユーザーの利益を考えた利用に留めること)、論理構造を持ったテキストコンテンツとするとなお良いでしょう。
の部分なのですが、論理構造を持ったテキストコンテンツをCSSで代入するということでしょうか・・・?これは、SEO対策にもならないばかりか、アクセシビリティ上もよろしくないかと思います。CSSで代入できるのは基本的にプレーンなテキストなはずです。
テキストをCSSで置換する場合ですね
コメントありがとうございます。
編集部の池田です。
ご質問の件ですが、この記事では、alt属性の文字数があまりに多くなる場合に、CSSでテキストを置換することを指しています。さらに、論理構造を持ったテキストであればなお良し、ということですので、CSSで代入しましょうというわけではありません。
ただ、ユーザーの環境によっては画像もテキストも表示されないといった場合もあるようなので注意が必要なようです。
コメントいただいて気づきましたが、
「テキストをCSSによる置換などを使用して置換しつつ……」
のようにした方がわかりやすかったですね。
CSS置換
編集部の安田です。
池田からコメントが付いていますが、私自身少しわかりづらいと思ったので補足します。「CSS置換」が指しているのは、「画像をテキストに置換する」ではなく、「テキストを画像にする」ほうの置換です。
HTML上にはテキストを記述しておいて、CSSでテキストは見えなくして画像が表示されるようにするという意味ですね。
画像のalt属性のテキストとスパムは関連性が...
WEB制作会社です。
少し気になったのでコメントを記入します。
「大量の文言を記述するだけでは問題はありませんが、それが画像情報と一致しない不自然なキーワードを含んでいると、スパムと認識される可能性があります」
と上記記事には書いてあります。
ここですごく疑問に思う点があります。
それは、alt属性の記入した文言と画像情報が一致しないと判断するのは
誰でしょうか?
検索エンジンのロボットは画像とテキストを比較できないので手動で判断するしかないと思います。
ですから、膨大な量を判断するのは不可能ではないでしょうか?
従って、上記記事の「画像情報と一致しない不自然なキーワードを含んでいると、スパムと認識される可能性があります」は信用できないと思います。
何を根拠にこのようなことを記入してるのかご返答をお願い致します。
技術 and/or 人
検索エンジンはすべてのスパム判定をテクノロジーで行っているわけではありません。人が目で見て判断する場合と、フィルタリング技術で自動的に検出する2つのアプローチがあります。前者で可能です。
これらのスパム除去作業プロセスについては米国のコンファレンスの講演にてGoogleが公式に認めています。
渡辺隆広
納得しました
コメントした制作会社です。
大変失礼なコメントを記入してしまいまして、すみませんでした。お詫び致します。
つまり、目視で判断したということですね。
それにしても、膨大な量のサイトを目視作業で判断するのは大変なことだと思います。
大変参考になりました。
ご多忙のところ、コメント大変ありがとうございました。
Re: 納得しました
編集部の安田です。
> 大変失礼なコメントを記入してしまいまして、すみませんでした。お詫び致します。
いえいえ。コメントでの疑問提示、ありがとうございます。
本当ならば、こういった「?」が出ることを編集部で事前に考えて記事内でフォローしておいたほうが良かったのに、そこまで気が回っていなかったな、と反省しております。
コメントしてくださった方、回答いただいた渡辺さん、みなさまありがとうございます!
検索エンジンは画像を認識できません
フリーのWEBデザイナーです。
上記記事についてコメントさせてください。
「alt属性の単語が画像と関係のないものだったために、Googleのサイト全体のインデックス削除が行われた例もあります。」
と書いてある点ですが、
検索エンジンは画像情報を認識できません。
従って、alt属性の単語と画像が等価であるかどうか判断はできません。
この場合、スパムと認識されたのは、alt属性の単語が画像と関係のないものだったためではなく、
alt属性の単語がページ内の情報と一致しなかったためスパムと認識されたのだと思います。
確証はありませんが、この可能性は高いと思います。
人手が加わっているとのことです
編集部の安田です。コメントありがとうございます。
コメント内容に関して、別の方からのコメントへの渡辺さんの返信が参考になるかと思いますので、そちらもごらんくださいませ。
基本的には「検索エンジンはすべて自動でやってるわけではなく、手動によるチェックもある」ということだと考えていただければと。
ただ、ご指摘いただいたような、alt属性の値とページ内容がテーマ的に大きく乖離している場合、おっしゃるようなスパム判定もあるかもしれませんね。
altの文字数制限について
>alt属性では文字数に制限があるため
これは、W3Cが提唱する仕様でしょうか?
また、具体的な文字数は何文字なのでしょうか?
SEO対策に関する書籍を読むと、「alt属性は、〇〇文字以内で」というのをよく目にしますが、
文字数が多すぎると実際に検索順位に影響するものなのでしょうか?
ご教授、よろしくお願い致します。
Re: altの文字数制限について
編集部の安田です。返信が遅れてしまい申し訳ありません。
> >alt属性では文字数に制限があるため
> これは、W3Cが提唱する仕様でしょうか?
この部分、少し表現がよくなかったかもしれません。編集部から回答させていただきます。
W3Cの仕様には文字数という明確な制限はありません。ただし、HTML 4.01の仕様でalt属性は「short description」である旨明示されていることと、併せて長い解説へのリンクを示すlongdesc属性が定義されていることから、alt属性は長い文章を入れるべき場所ではないと考えられます。
文字数制限という意味では、一部のテキストブラウザは長いalt属性を125バイトずつ区切って読み上げるものもあるといわれますし、また、一般のブラウザでも画像ファイルが見つからない場合に、指定されたimg要素のサイズをからはみだすalt文字列を省略したり、改行せずに横幅いっぱいにalt文字列を表示したりするものもあります。そういったことから、ある程度(「125バイト」や「1行の文字数」などに)文字数に制限を設けるのは悪くない考えだと思われます。
SEO的な観点からの文字数というのは、昔からいわれる「キーワード密度」的な観点による文字数の想定だと思われますが、基本的に、そういった視点でのalt属性文字数制限は考えずに、「画像代替テキスト」の役割として適切な文章量となっているかどうかで判断するのが良いと思われます。
……優等生的な回答ですいません。