Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報

ローカル検索最適化の10箇条+α――マイク・ブルメンタル氏インタビュー(後編)

前編では、ローカル検索市場の現状について、ブルメンタル氏の見方を中心にお伝えした。まだ読んでいない方は、後編の内容をよりよく理解するためにも一読していただきた。後編となる今回は、ローカル検索の今後と、より具体的な動向に関する同氏の見解をお届けする。

あなたは、これからも検索エンジンがローカル検索市場を支配すると思いますか? それとも、YelpやCitysearchなど、他の垂直型サイトが汎用のウェブ検索エンジンからシェアを大きく奪うようなことがあり得るのでしょうか?

私の見たところ、シェア争いは2つのところで起こっています。デスクトップ環境とモバイル環境です。

デスクトップ環境では、グーグルがその市場シェアを活かして、グーグルマップの露出と成功を自ら左右できる状況を作り出しています。グーグルは、グーグルマップの市場シェアを思いのままに獲得できる能力をはっきりと見せつけてきました。

私が以下の図に書きこんだ矢印は、グーグルが何かしら具体的な行動を起こしたポイントです。「1」はヤフーやマップクエストの地図サービスへのリンクを削除したとき、「2」は検索結果の先頭に小さく地図で入るOneBoxを改善してリンクを増やしたとき、「3」はグーグルマップを多国展開したとき、といった具合です。

オンラインビジター数で見た米国における市場シェア
Hitwiseの許可を得て転載)

創造的でうまく機能しているニッチのローカル検索エンジンには、常に成長の余地がありますが、その規模はどんどん小さくなっています。部屋の中に巨体の象が入り込んできたら、残された空間は隅っこにしかなくなってしまうかもしれません。

また、モバイル環境では、どの検索エンジンが優位に立つことになるか、まだまだ明らかではありません。彼らは非常に資本化が進んだ活発な競争に直面しており、1つの会社が簡単に競争のルールを決めることはありません。

西部には、「天気予報をするのはバカと東部の人間だけ」という言葉があります……おそらく、ローカル検索市場の未来予想についても同じことがいえるでしょう。しかし、東部出身の人間だからということで私が臆することは決してありませんでした。これは見応えのある対戦になるでしょうから、私はリングサイドの席も予約していますよ。

ローカル市場で、最も刺激的だと思った技術面の飛躍は何ですか? この市場にもっと多くを期待するようになった、というような飛躍は?

私はかなり間近でこの市場を見てきましたが、その成長速度にはいつも驚かされてきました。

あまり取り上げられることがなく、その影響度の可能性の割には正当に評価されていないように思うものとしては、グーグルのマイマップCommunityWalkなどの個人による地図作成市場や、あとは、場所タグ(ジオタグ)を付けた写真分野におけるユーザー作成地図コンテンツが近いうちにもたらすであろう恩恵があります。

人はみな、サイバースペースに自分を投影するのが本当に好きなようです。そして写真にジオタグを付けるという風潮は、自己投影とスナップショットが好きという気持ちを満足させるでしょう。グーグルはこの分野と地図情報ベースの検索市場全般に積極的に進出しており、この技術がモバイルウェブにおいて、主要なインターフェイスとデータソースをもたらすのではないかと私は見ています。

グーグルマップとヤフーローカル検索を比べてみて、個人的にはどちらが好きですか? また、今のところどちらが優れていて、どんなところが大きな違いを生むポイントになっていると思いますか?

個人的にはグーグルを追いかけている方がおもしろいです。というのも、グーグルの技術の方が複雑なのに洗練されておらず、より刺激的な知的課題を突きつけてくれるからです。

しかし結局のところ、私がどちらを好み、どちらが優れた仕事をしているかなどということはあまり重要ではありません。技術よりも市場シェアの方が重要です。両社の大きな差は、グーグルが市場シェアを伸ばしていて、ヤフーのシェアが下がりつつある点です。

ではSEO担当者の人たちに、あなたが考えるグーグルマップおよびグーグルのローカル検索結果最適化のヒントとして、最も重要な点を上から5種類でも10種類でも良いのでアドバイスしてください。

街の中心部の住所を手に入れて会社名を検索されやすくて並び順の早い文字で始めるように変える以外に、という意味ですか?(笑)

昨年私が書いた記事「グーグルのローカル検索アルゴリズムにおいて見込みのある10種のランキング要素」が、今のところはまずまず妥当な問題の捉え方じゃないかと思います。

関連性
  1. 検索対象のエリア内に住所があること
  2. Googleローカルビジネスセンターか信頼されたグーグルのパートナーによって確認されていること
    Googleビジネスローカルセンター
  3. 検索キーワードに対応するビジネスカテゴリであること
    Googleビジネスローカルセンター
  4. ビジネス名が検索キーワードに関係すること
  5. オーソリティ性のあるサイトや参照サイトによって住所が確認されていること
  6. リンクのアンカーテキストの関連性
順位
  1. サイトのオーソリティ性スコア
  2. ユーザーレビューの数
  3. リンクの数
  4. リンクの質

ヤフーローカルサーチについてはどうでしょう?

街の中心部の住所を手に入れて会社名を検索されやすくて並び順の早い文字で始めるように変える以外に、ということで? :p

地域向けの広告は通常のウェブ広告とどのように違いますか? ローカル市場における広告枠調達について、何か具体的なアドバイスがあればお願いします。

私はPPC広告のエキスパートではないので、この質問の回答はもっと適切な人に譲りたいと思います。

ローカル検索と通常の検索に関して、あなたのお気に入りのサイト/フォーラム/ブログなどを教えてください。

ScreenwerkLocal Mobile SearchGoogle Earth Blogは毎日読んでいます。それから、クリス・シルバー・スミス氏ビル・スロウスキ氏の記事も、ローカル検索について重要な技術的洞察を与えてくれるので楽しんでいます。私にとって最良の情報は、時として読者や周囲の人々から受け取るメールとか電話によってもたらされます。ローカル分野に関係する多くの問題を一緒に追及してくれる彼らには、お礼の言葉もないくらい感謝しています。

用語集
PPC / SEO / アンカーテキスト / ユニバーサル検索 / リンク / ローカル検索 / 検索エンジン / 検索マーケティング
この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

インフィード広告
広告の種類。ネイティブ広告の 1 種。コンテンツが時系列に表示されるタイムライン ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]