失敗しないためのCMS導入事例

CMS導入は重要システム更新の稟議と一緒に/千葉テレビ放送+ウェブキャンバス

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失敗しないためのCMS導入事例

千葉テレビ放送株式会社+ウェブキャンバス(株式会社ノア)

取材・文:加藤さこ

更新頻度と効率を上げるために
基幹システム入れ替え時にCMSを導入

番組のことをより広く知ってもらうために番組情報を中心に構成されたチバテレビのウェブサイト。紙の書類で回ってくる更新依頼をたった1人でさばいていたが、それも限界がきてCMSを導入した。

ITに明るくない人でも簡単にコンテンツを更新できるようになった100万円以下のCMSとは? そして、理解を得にくいときにうまく企画を通して予算を獲得した手法とは?

ウェブサイトの基本的な情報や利用CMSに関する情報はこちらを参照。

CMS導入の目的・解決したかった問題点
  • 現場の人が自分でページの情報を更新できるようにしたい
  • Web担当者が1名のため、負担を減らしてボトルネックを解消したい
  • デザイン一新(新キャラ「チュバ」を使って見栄えの良いデザインにしたい)
  • 県内のイベント情報などの独自コンテンツを増やしたい

更新依頼書類が積まれていく日常

千葉県を放送対象地域にする独立UHF放送局として昭和46年5月に開局して以来、独自色の強い番組を打ち出してきたチバテレビ。10年前の1997年に立ち上げた公式ウェブサイトでは、ホームページ作成ソフトを利用して独自で番組紹介や会社情報を掲載してきた。サイト目的は、当時から変わらず「番組を広く知ってもらうため」と編成局編成部 参事の秋山 武保氏は言う。

千葉テレビ放送株式会社
編成局編成部 参事
秋山 武保氏

「10年前は、まだウェブに対しての認知がありませんでした。どれほどの効果をもたらすかがわからないため、当然、予算は出ませんでした。そこで、レンタルサーバー代とホームページ制作ソフト代のみを捻出して、私1人で作っていたんです」

当時のワークフローは、番組制作の現場担当者が更新内容を書類で提出し、秋山氏がホームページ制作ソフトで作業するというものだった。サイトを公開して4年経過した頃には、社内でのウェブの認知度も高まり、現場からの更新リクエストが急増してきた。

「レンタルサーバー+ホームページ作成ソフトでは作業に限界があると感じていたところへ、社内のネットワークを整備しようという話が上がりました。ここのタイミングに合わせて自社サーバーに切り替える予算を取れないかと企画を出しました。今もそうですが、私は情報システムの仕事も兼任していたんです」

社内でのウェブへの関心度はアップしていたが、それでもまだサイト構築のための予算がすんなり通るわけではなかったのだ。

「ウェブサイトに関する企画は、なんとなく理解してもらえても、企画を通すのは難しかった時代ですね。まずはレンタルサーバーから社内サーバーへの移行はこのときにうまくできました」

この経験から秋山氏は、ウェブサイトのために単独の予算を獲得するのは難しいと考え、他システムの入れ替えのタイミングに合わせてウェブサイトの企画を盛り込んでいくことを考えた。

基幹システムの入れ替え
タイミングでCMSの導入も

2001年ごろまでは、サイトのコンテンツは番組情報と会社紹介で、月の更新は20ページほど。この程度なら、秋山氏1人で更新するのは可能だった。しかし、2005年に入り、視聴者のために番組表を掲載することになって、一気に更新頻度が増えてきた。

サイトに公開する番組表は、2週間前に決定する。しかし、番組変更のために直前の差し替えが多く、更新依頼の書類が山積みになって作業が滞ってしまう状態だ。

「更新が月に100ページほどになったあたりから作業効率がどんどん低下してしまい、番組制作の現場の一部から、自分たちでページを更新したいという声が上がりました。

また、アクセス解析によってサイトの効果の認知度が高まったおかげで、番組表だけでなく、トップページや番組紹介ページの更新も頻繁に行われるようになりました。コンテンツを充実させていくことを求められているけれども収入が伴わず、予算は付けられず、自分ががんばるだけでは作業効率をこれ以上改善できない状態になっていました」

秋山氏は、社内の基幹システム改変のタイミングで古くなったウェブサーバーを入れ替え、その中に含めてCMS導入を提案できないかと考えた。番組制作の現場スタッフが更新できるようになれば、1人で担当していた更新が楽になり、作業効率が改善される。とはいえ、やはり専門知識を持たない上層部の理解を得るのはそう簡単ではない。

「基幹システム関連の稟議にCMS導入の件も一緒に提案として盛り込み、その重要性をアピールしながら、上層部が初めて触れる専門用語を解説しながら何度もプレゼンしているうちに、きっとすごいことができるんだろうと思ってくれればと(笑)。CMSを導入することで作業効率がアップし、コストダウンに繋がることさえ理解してもらえれば、承認されるという確信はありましたから」

こうして2007年度の予算のなかでCMS導入の重要性が認知されて承認が得られ、企画を実現していくことになった。

100万円以下で使いやすい
それがCMSの選定条件

CMS導入が決まり、2006年8月には製品の選定作業に入った。選定条件は、導入時の費用が100万円以下で、番組制作の現場の人でも扱えるわかりやすいインターフェイス。あとは自由度が高ければ尚よしというところ。秋山氏はまず各社のウェブサイトでCMSの情報を調べた。

そこで目に付いたノアのウェブキャンバスが、偶然、基幹システムの構築を依頼した会社でも扱ったことのある製品だった。導入事例をみると、千葉県内の市役所にも導入されている。堅いところを手がけているのだから信用度は高いだろうと考えた秋山氏は、さらにノアが公開しているウェブキャンバスの体験サイトで使い勝手や機能を試してみた。

「現場の人が直接更新できるかどうか、体験サイトで実際に使って試せたのは大きな決め手になりました。これなら使いやすいだろうと判断できましたから。デザインの自由度も高そうだったので、検討の結果『ウェブキャンバス』に決定しました」

結局、検討開始から3週間ほどでウェブキャンバスに決めた秋山氏は、その後5か月間ほど、ノアと打ち合わせを進めた。というのも、CMSの導入と一緒に、サイトをリニューアルする作業もノアに依頼したからだ。リニューアルのポイントはビジュアル的に見栄え良くすること、地域のイベント情報などのコンテンツを増やすこと、現場のスタッフがコンテンツを入力でき、さらに責任者の承認後に公開される仕組みを入れること、記事を入力したら新着情報の欄が自動的に更新されることなど。大規模なリニューアルだ。

チュバ
チバテレビのマスコットキャラクタ「チュバ」

「2006年に、チバテレビのマスコットが、『チュバ』という新しいキャラクタに変わりました。これを前面に打ち出したデザインでサイトを一新し、見栄え良くしていくことが必要になったんです。『チュバ』は、ハートがモチーフということもあり、サイト公開を2007年の2月14日のバレンタインデーとして、予定を立てていきました」

ごく一部のページは既存のHTMLページのまま残したが、ほぼ全体の70ページ弱をCMSに手作業で移行し、ほぼ予定どおりにスムーズに新しいサイトが公開された。

啓蒙と教育とトレーニングは
やる気のある人からマンツーマンで

ウェブキャンバスを導入してリニューアルが完了した後、秋山氏は、現場スタッフのなかで、ウェブサイトへの関心が高そうな人、更新作業のできそうな人に1人ずつ声をかけ、マンツーマンで使い方を教えていった。その努力の甲斐あり、まずは7名ほどがウェブキャンバスを利用して自分で更新するようになった。

CMSの使い方を覚えた番組制作の現場では、更新したい内容を自分でタイミング良くサイトに反映できるし、ブラウザさえ使えれば自宅からでも更新できるなど、おおむね便利になったという反応だった。現場が好きなときに更新内容を事前に入力しておき、指定した日付になれば自動的に公開される機能も好評だった。

「CMSの利用を広めるために、まず、やる気のある人に教えることから始めました。それでもCMSを使わずに紙の更新申請書類をまわしてくる人もいましたが、私も他の業務が忙しかったので処理できず更新が滞ってしまうじゃないですか。そうすると、次第に覚えようという気になってくれましたね。どちらかというと『仕方がないな』という感じですが(笑)現在は20名弱の現場スタッフがウェブキャンバスを使ってページを更新しています」

テレビ番組制作の現場はさほどITに詳しい人が多いわけではない。しかし、専門知識のない人でも更新できることを選定のポイントにしていただけのことはあり、ブラウザでの簡単な操作には、インターネットを利用したことのある人ならばすぐに馴染めたようだ。

ケータイサイトも
標準機能で3キャリア自動対応

チバテレビでは2002年ごろから高校野球の途中経過を中心にケータイサイトも開いていたが、対応はiモードだけだった。ところが、ウェブキャンバスには標準機能で3キャリア対応のケータイサイト機能があり、1つのURLで3キャリアへの振り分けができるようになった。

「実は導入を検討していたときには、このことには気付いていなかったんです。当初情報システム改変の中では希望をしていましたが、自動対応するハードが高価なもので諦めていました。使ってみて初めて気付いた利点です。ただ、高校野球の途中経過情報は、1回入力するとPCサイト、iモード、データ放送が自動的に更新される仕組みにしていたのですが、そのシステムも3キャリア対応に変えなきゃいけなくなっちゃいました(笑)」

秋山氏によると、それ以外にもRSSフィードやサイト内検索の機能がウェブキャンバスのおかげで何もしなくても実現できたという。

ウェブキャンバスでは、管理画面からアクセスすると、ページのなかで特定の部分に[編集]ボタンが付いており、それをクリックすることで内容を書き換えられる仕組みになっている。それ自体は便利なのだが、編集できる部分を指定するのが面倒だと秋山氏は言う。

「編集箇所を指定する特別なタグをHTMLテンプレートのHTMLに埋めなきゃいけないんです。ページ全体のデザインを変える場合にはHTML自体を書き換えて、さらにタグを埋めなきゃいけないし、いつもは変更しない部分を編集したくなっても現場の人ではそのタグを埋め込むことはできない。このあたりは将来的に楽になるとうれしい点ですね」

ウェブキャンバスの編集画面
ウェブキャンバスの編集画面では、編集できる場所に[編集]ボタンが付いている

重要システムの稟議に
含ませて予算獲得を

リニューアルしたサイトは、見やすくなった、利用しやすくなったとの評価が視聴者から寄せられている。現在は全体で100ページほどのサイトだが、これからは番組情報の更新も頻繁になることだろう。

「予定していた千葉県の地域情報も増やしていきますよ。テレビ放映する番組とは別に、独自に地域イベントや情報などを取材してネットだけに掲載しています。こういった地域密着型の情報提供も活発に行い、独自の展開をしていきたいですね」

CMS導入&サイトリニューアルから半年弱。導入前の要望もすべて満たされ、運営も波に乗ってきた。秋山氏は昨年8月からの経緯を振り返り、CMS導入の成功の秘訣をこう語る。

「まず、理解されないことに予算は割いてもらえません。話を聞いてもらうには、きっかけを作ることが肝心です。チバテレビの場合、社内ネットワークのシステム構築にのタイミングに合わせてウェブサイトを自社サーバーに切り替え、情報基幹システムの入れ替え時にCMSを導入しました。

どちらも単発の企画として提出したときにはNGだったのですが、上層部が重要性を認識しているシステムの改変のタイミングに合わせて話を聞いてもらい、うまく予算を獲得できました。導入することで将来的にはコストダウンに繋げていけるわけですから」

最初は他のシステム改定から始まったCMS導入だったが、コストダウンの実績を作り、また、視聴者からの反響の結果を出すことで社内的に認められ、次のステップへの道を開くことが可能となっていくはずだ。

「今後は、もっと現場の人に活発的に更新してもらって活気あるサイトにしていきたいですね。また、視聴者と対話できる双方向の場としてサイトを活用できないかとも考えています」と語る秋山氏。テレビがアナログ放送からデジタル放送に変わっていくことで、ネットとの連携の可能性はどんどん広がっていく。秋山氏のWeb担当者としての手腕を発揮できる場となっていくことだろう。多くのWeb担当者にとって、チバテレビの事例がウェブサイトの運営を成功させる鍵となることを期待したい。

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チバテレビ サイト概要
URLhttp://www.chiba-tv.com/
目的主に自局のテレビ番組情報を一般の視聴者に届けること。今後は独自コンテンツとして地域情報を増やしていく。人気ランキングに千葉県のイベントカレンダーが上位に来ることも。
総ページ数約100ページ
PV数平均約100万PV/月
オープン 1997年
更新頻度ほぼ毎日更新
利用CMS情報
製品名ウェブキャンバス
提供事業者株式会社ノア
URLhttp://webcanvas.net/
提供形態インストール型/ASP型
出力形態静的HTMLファイル出力
対応OSWindows/Linuxほか
特徴ブラウザだけで使える簡単操作の低価格帯CMS。既存のサイトにも導入でき、部分的な導入や自由なデザインにも柔軟に対応する。HTMLをコーディングできる程度のスキルがあれば、自営でも設置・メインテナンスが可能。データベースは一切不要で、シンプルなシステム構成のため動作環境を選ばない。拡張機能も豊富で一般企業から大学、自治体まで、さまざまな業種・規模のサイトに導入実績がある。
CMS導入概要
  • 既存サイト全体をCMS導入と同時にリニューアル
  • 導入準備+移行期間は約5か月(デザインリニューアルも含む)
  • CMS導入によるリニューアル作業も併せてCMSベンダーに依頼
  • ほぼ作り直し、ごく一部の既存コンテンツはCMSに移行せずに以前の状態のまま
  • CMSの費用+リニューアル費用で合計130~140万円。
    CMSの保守料12万6,000円/年を5年分前払いし、全体をリース扱いに
CMS選定のポイント
  • 千葉県で地方自治体のサイト導入実績がある
  • CMS自体の価格が100万円以下である
  • デザインの自由度が高いと感じられた
  • ブラウザで更新できてインターフェイスが使いやすく、ITスキルの低いスタッフでも扱える

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※社名、所属部署、利用サービス、価格など、この記事内に記載の内容は、取材時点または記事初出時点のものです。

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