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無知な顧客と相互理解――SEOビジネスの新たなモデル

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SEOの世界は常に急速に移り変わり続けており、どの時点で変化が生じたのかを明確にするのは難しい。いつも何もかもが変化している。ただ、時にはそこら中に著しい違いを見いだし、新たなパラダイムを特定することが必要だと感じる人が現れる。

そこで僕の見解なのだけど、英国有数の携帯電話販売会社Dial-a-Phoneは、SEO顧客の新たなパラダイムだと思う。Dial-a-Phoneでは、オンラインマーケティング部門のリーダーが、SEOに関してかなり広い知識を持っている。複数のSEOプロバイダ(SEO業者)と一緒に仕事をしたことがあって、そのことが良い経験となっているのだろう。しかし、もっと注目すべきなのは、彼が長きにわたり、トップクラスのSEOフォーラムにいくつか参加し、メンバーを続けていることだ。この人は、僕が知る多くのSEO専門家が読んでいるのと同じブログや参考資料を読んでいる。

SEOサービスを受ける顧客が賢くなってきているのは確かで、ここ最近はさらに経験が加わっている。顧客が、始めてSEOのサービスを購入するというのではなく、すでにSEOプロバイダとの交渉経験を持っているケースが増えてきているんだ。そして、Dial-a-Phoneをはじめとする企業は、SEOに関する新しいレベルの知性、SEOとの新しいレベルの関係性を体現しているように見受けられる。

一部のSEO業者にとってSEOに詳しいこうした新しいタイプの会社は、最先端の顧客というだけでは済まない。Dial-a-Phoneのような顧客は、いつ落ちてくるかもしれない鋭い剣の剣先のようなもので、専門家としての経験が不十分なまま市場に参入しようとするSEOプロバイダにとっては、差し迫る不吉な運命を象徴している。

Dial-a-Phoneのオンラインマーケティング部長が、売り込みをかけてくるであろう多くのSEOプロバイダよりもSEOの経験が豊富であることを、僕は事実として知っている。この人は、SEO専門家が仲間として認めてしかるべき人物だといっても過言ではない。彼に電話するSEOの営業担当者には、お気の毒としか言うほかない。たいていの担当者は、SEOについて肝心な知識を欠いたまま、お決まりのセールストークを行うのだろう。

SEOに精通していて厳しい契約を結んでくるというのは、なにもDial-a-Phoneだけではない。このことは、Vintage Tub and BathAlan Dick氏を知ってもらえばわかると思う。Alanは、メジャーなSEOカンファレンスの常連で、2005年にロンドンで開催されたSESでは、参加者を歓迎してディナーを御馳走してくれた。このディナーは、Danny Sullivan氏、Rand Fishkin氏、Dave Naylor氏などたくさんの参加者が出席し、心地よいおしゃべりにとどまらない有意義なものになった。

※Web担編注

日本語版は『これまでのビジネスのやり方は終わりだ

リック レバイン他 著/倉骨 彰 訳/日本経済新聞社/ISBN978-453214902-4

以前、SEOmozでRandにインタビューを受けたときに、必読書として『Cluetrain Manifesto※Web担編注』に言及するのを忘れていた。実はこのインタビュー自体が、「Cluetrain Manifesto」が重要な本に分類される理由を良く示している。この書物は、顧客が対等な仲間となり、またそのような扱いが必須だという、まさに現在のトレンドを予測している。

SEOに詳しい新しいタイプの顧客が、なぜSEOの代理業者を必要とするのかおわかりだろうか。その答えははっきりしている。SEOサービスを営んでいながらまだ見当がつかない人は、自分が提供しているものに対する認識と理解を改める必要があると言ってもよいだろう。早急に理解すること。さもないと、将来は厳しいかもしれない。

僕が言わんとしている新しいパラダイムにおいて、企業がSEOを外部に委託するのは、必要に迫られてではなく、自らの選択によるものだ。最良のSEOエキスパート、つまり直接雇うことが(経済的にも)難しいような専門家と企業は契約する。企業は専門家や戦略家を求めていて、基本的な部分はすべて社内でカバーする世界だ。

Dial-a-Phoneでは、社内のマーケティングアシスタント2名に、基本的なSEO業務の大部分を担当させている。この2人は、単純だが時間のかかるSEO業務の処理に加えて、重要コンテンツも提供している。Dial-a-Phoneはこの社内リソースを活用し、SEOプロバイダからは戦略および実践の指導を受けただけで、携帯電話の新しいブログ「Mobile Phone Blog」を開設した。

われわれとの最初の会議にも、この社内ITチームが重要参加者として出席した。このチームは、いったんニーズが特定されると、既存のシステムに見られるデータオーバーロードなしで問題情報を提供するための、独自の分析システムの開発に熱心に取り組んだ。ここで繰り返される重要なコンセプトは、チームワークだ。新たなモデルでは、SEOプロバイダと顧客は同じ側にいるだけではない。同じチームの一員となり、チームとして機能する

個人的には、こうした顧客のことをうれしく思う。顧客とプロバイダがチームとして効果的に機能している場合にのみ、SEOは本当の意味で最高に機能するのだと僕は考えている。どんなサプライチェーンも、全体の強さは最も弱いつながりの部分で決まる。SEOの場合も話は同じで、理解やパフォーマンス管理に弱みを残したために、SEOへの投資を無駄にしている企業を、僕はたくさん見てきた。

「サービスの内容を理解しているから購入する」顧客は、「内容を理解せずに理解の責任をすべて押し付けたくてサービスを購入する」顧客よりも、パートナーとしてずっと強力だ。ビジネスの一般通念に従えば、無知な顧客は依存性が高く、それゆえに固定的な顧客につながる。しかし、オンライン革命の大部分において、ビジネスの一般通念は通用していない。

無知な顧客は、サービスが注目に値するかどうかを判断できない。SEOに関するあらゆるニーズに数分の1の値段で対応するらしい、海外の格安SEOプロバイダから電子メールで提案があったとき、あなたの心からの提案がそれより良いものかどうか、無知な顧客は判断できないんだ。

ただ、無知な顧客もやがては学習する。無知はいつまでもそのままではない。無知とは、プロバイダが行おうとしていることが伝わらない、短期間の状況にすぎないんだ。

以上の理由から、僕は新しい顧客モデルがSEOサービスの新たなパラダイムの到来を告げているのだと固く信じている。相互理解とチームワークに基づいた、顧客とプロバイダの真のパートバーシップは、SEOの将来の規範となる。そして、その将来はもうここにある。

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