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ソーシャルメディアを味方につけるSMO

ソーシャルメディアを味方につけるSMO

ソーシャルメディアが急成長してきたことを背景に、ウェブサイトへの集客経路としてソーシャルメディアを積極的に活用しようといった動きが広まってきている。そのためのアプローチがソーシャルメディア最適化(SMO)だ。

SMOは見逃せないアクセスアップ手法

SMOとは、ごく簡単にいえば、ここまで説明してきたようなソーシャルメディアの力を借りて、情報をより広く遠くへと到達させようという試みの総称で、新しいタイプのアクセスアップ手法だといえる。従来のようにマス広告のように一方的に情報を押しつけようとするのではなく、ブログやSNSやソーシャルブックマークといったソーシャルメディアの中で、一般のユーザーの話題になり、参照されることによって、ウェブサイトへのトラフィック誘導や知名度の向上などを狙う。従来クチコミマーケティングやBuzzマーケティングと呼ばれてきた手法の、よりウェブとの親和性の高い亜種であるともいえる。

SMOはウェブ上で展開されるため、情報の伝播が早く、瞬発力がある。うまく波に乗れば、情報は猛烈な勢いでユーザーの間を駆けめぐることになる。

また、ソーシャルブックマークやブログなどでは、話題にのぼるたびに参照としての被リンクを集め続けるが、これはSEOにおけるリンク数の増加につながり、結果として検索エンジンでの順位のアップにもつながる。こうしたさまざまな効果によって、SMOはサイトに巨大なトラフィックをもたらすのだ。

図5 ソーシャルメディアを味方につければ、さまざまな形でのアクセスアップが可能

もちろん、ソーシャルメディアにおいて多数の露出を果たすためには、当然のことながらコンテンツの質が高いことが求められる。ユーザーは価値があると認めた情報を共有しようとするからだ。しかし、それに加えて露出しやすくするための工夫をちょっと加えるだけで、ソーシャルメディアにおける露出を加速させることができる。その工夫がSMOなのだ。

SEOとの親和性も高い

SMOはSEO(検索エンジン最適化)との親和性が高いことも魅力の1つだ。

自分のコンテンツがソーシャルメディアで伝播していく過程では、二次情報、三次情報として流通しながら、オリジナルの情報として参照され続ける。つまり、SMOが成功すればするほど、ブログから、ソーシャルブックマークサイトからなど、さまざまな形での元記事へのリンク数が増え、検索エンジンにおいても高い評価を得ることができ、検索結果でより高い位置に表示される可能性が増えることを意味する。

ソーシャルブックマークの人気エントリー入りがもたらした
総合的なアクセスアップ

富山県で縫製工場を営むレスターの清水社長は、ソーシャルメディアの威力を体感したサイトオーナーの1人だ。レスターのサイトには、Tシャツやトレーナーの品質を縫製の視点から評価・判断する方法を伝える「縫い目で見分けるTシャツやトレーナーの品質」というページがあった。このコンテンツが、ある日はてなブックマークの「人気エントリー」に登場したのだ。

「人気エントリー」の上位に掲載されれば、1時間あたりおよそ400~500程度、時間帯によっては1000以上もの訪問者がある。しかし、騒ぎはそれだけでは収まらない。さらにその後、いくつかのブログがこのページを参照する記事を書き、さらにそれらの記事を参照する新しい記事が生まれる、といった循環を繰り返したのだ。そうしてリンク数がどんどん増え、レスター内の件のページは、「Tシャツ」というキーワードでGoogle検索で1ページ目に表示されるようになった。

「Tシャツ」というキーワードは、オーバーチュアのキーワードアドバイスツールで調べたデータによると、2006年9月には6万5295回も検索されているビッグキーワードである。清水社長は「はてなからアクセスは、それだけでもかなりの数で、まるで嵐のようでした。そしてその嵐が去った後も、アクセス数は従来よりもいくらか増えたまま推移しています」と話してくれた。

レスターの1件に限らず、このようなソーシャルメディアでの情報の伝播が結果的にはSEOにも好影響を与えるという事例は多数ある。この意味からも、SMOの魅力はより高まるといってもよいだろう。

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