ユーザー視点のウェブデザインガイド

第3回 「資料請求」「問い合わせ」「会員登録」を増やすコツ

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ユーザー視点のウェブデザインガイド

第3回
「資料請求」「問い合わせ」「会員登録」を増やすコツ

現実の店舗や窓口では、目の前にいるお客が困っていればすぐにわかるし、同じトラブルが重なれば問題が起きないように施策をとる。しかし、ウェブサイトを作っているときにはお客は目の前にいないし、公開後にお客の対応をするのはウェブサーバーやスクリプトという機械だ。そのため、現実の商売では当然のように行っている接客ができない、いや忘れてしまってはいないだろうか?

今木 智隆(株式会社ビービット)

サイト目的を踏まえた設計の重要性

ウェブサイトは、「販売」「プロモーション」「ブランディング」など、さまざまな目的のために作られている。

そういった目的を達成するにあたって、サイトがユーザーに行き着いてもらいたい代表的なアクション(=ビジネスゴール)には、以下のようなものが挙げられる。

  • 製品の購入
  • メルマガ登録
  • 会員登録
  • 資料請求
  • お問い合わせ

このゴール設定を誤ると、サイトはまったく成果の出ない“無用の長物”となってしまう。

今回は、この点を踏まえた上で、ユーザーをゴールへと効果的に導くための具体的な画面実装の方法を紹介しよう。

ゴールへの誘導文言は慎重に設定する

ユーザーは、常に「自分がやりたいこと」を頭に描いてサイト内で情報収集を行っている。そのため、「購入したい」と思っているユーザーに「お問い合わせ・お見積もり」や「資料請求」のような文句でコンタクトを図っても、まったくの空振りに終わってしまう。

図1は、法人向けのソフトウェア製品を扱っているサイトの例だ。この例のように、リンク文言の違いだけでも、成果への影響が大きく変化することも少なくない。

自社のサイトでは、本当にふさわしいワーディングでユーザーをゴールへと導けているのか、ぜひチェックしてみてほしい。

図1 ユーザーの目的に沿わないゴール設定の例。法人向けソフトウェア製品情報サイト。

法人向けのソフトウェアの導入にあたり、まずは、社内の開発チームやシステム部門でそのソフトが自社にふさわしいかを見極めたいと思っているユーザーに、「ご購入のお問い合わせ」という文言を提示しても、まったく相手にしてもらえない。
逆に、「まずはトライアル版を使ってみてください」というリンクの提示であれば、同じお問い合わせフォームへ誘導するリンクであっても、非常にスムーズにクリックしてもらえる。

「有料」なのか「無料」なのかを必ず明記する

ユーザーに何かを登録または申し込みをしてもらう際は、“必ずその登録(申し込み)が有料なのか無料なのかをわかりやすく明示する”必要がある。

ユーザーは有料か無料かということについて非常に敏感なことが多く、それがわからない限りは登録(申し込み)をしようと思ってくれない。

せっかくサービスや商品を見てもらったのに、最後の場面で無料なのか有料なのかがわからないために、ユーザーは申し込みを断念することもある。

ユーザーに行ってもらいたいアクションが無料である場合、たとえば登録(申し込み)のフォームへと誘導するリンクには、無料であることが瞬時に理解できる工夫をすると良い(図2)。

こうすることで、ユーザーは安心して先へ進むことができる。逆に、有料の場合であっても、そのことを隠してしまうのは、百害あって一利なしだ。

小さな一言の追加が、ユーザーの行動に影響を与えることを踏まえ、最適な文言の検討を行うことが必要である。

図2 登録(申し込み)のフォームへと誘導するリンクには、無料であることが瞬時に理解できるようにする。
用語集
クロール / コンバージョン率 / チェックボックス / ファーストビュー / ユーザビリティ / ユーザビリティテスト / リンク / 資料請求

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