誰もが実践できるSEO。でも意外と間違った認識を持っている人も多いのでは?
そこでみなさんが抱えているSEOの不安や疑問をプロが解消します。
管理している複数のサイトで相互リンクしていますが、リンクファームと判断されないでしょうか。また相互リンクの効果はどこまで期待できますか?
(1)作成・管理しているサイト間同士の相互リンク比率が高い場合、リンクファームとしてペナルティを受ける可能性はあるのでしょうか?
リンクファームとは、検索ランキングを操作することのみを目的に、多数のウェブサイトを相互にリンクする行為を指します。ここでいうウェブサイトの所有者は、不特定多数であるか同一人物であるか問いません。
代表的な手法は数千単位のドメイン名を取得し、ウェブサイトを開設して相互にリンクさせる、あるいは相互リンクという名目で不特定多数のユーザーを参加させ、相互にリンクさせる方法があります。いずれも超大規模なもの、悪質なものになると検索エンジンからスパムと判定され、インデックスから除外されます。スパムと判定されるための閾値は明確にされていませんが、こうした行為がスパムであることを認識し、規模を問わず行うべきではありません。
ただし、テーマが無関係な不特定多数のサイトを相互にリンクし合うこと自体が悪いわけではありません。大企業になれば、事業部や商品ラインごとに独自ドメインのウェブサイトを開設することもありますし、多数のメディアを持つ企業もあるでしょう。
たとえば、価格.comや楽天市場はフッター部分にグループ企業へのリンクを多数並べていますが(図1)、グループ企業間で相互にリンクを張り合うことはウェブ上の経済活動において当然発生しうることです。検索会社はある事象について、客観的に合理性を欠くという判断ができない限り、対象サイトを不利に取り扱うことは基本的にありません。従って、(1)の質問に対する回答としては、「各々のサイトが独自にコンテンツを持ち、ユーザーのためになる情報を提供しているのであれば、相互にリンクをしていても問題になることはない」となります。
図1 価格.com、楽天市場ともにフッター部分に多数のリンクを並べている。両社ともにコンテンツを大量に抱えており、クローラに漏れなく巡回させるには必要なので問題はない。ただし、リンクを設置したページ数に比例して検索エンジンが評価してくれるわけではないので注意しよう。
(2)リンク集ページでの相互リンクが、どこまで効果を期待できるのでしょうか?
サイト内の全ページでリンクを張っていたとしても、そのすべてが適正に評価されるかどうかは別問題です。たとえば、100万ページあるサイトが、その全ページのフッターやサイドメニュー部分にあるサイトへのリンクを張ったからといって、100万個分のリンクとして評価するわけではありません。フッター、ヘッダー、サイド部分など複数ページにわたり同じリンクが貼り付けられている場合、それらは重複としてリンクの評価は下げられます(マイナスになるのではないので注意。もともと10点のところを4点、といった具合に点数を下げるという意味)。張らないより張ったほうがマシであることには変わりありません。
2つ目の質問については、相互リンクページでいくつのリンクを、どのような切り口で紹介しているかによります。テーマを統一して、合理的な範囲の数のリンクを紹介しているのであれば、それなりに評価されます。2000年代前半に流行していたような、1ページ上に不特定多数のサイトを数百単位でリンクを並べるだけのページにしないように注意してください。
※この記事は、Web担の読者の方からの問い合わせをもとに作成しています。
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コメント
自社サービスの内容をテキストリンクでつな...
現在のSEOにおいてバックリンクは必須条件となってきています。
SEO会社も効果的な有料テキストリンクを顧客に紹介していたりしています。
有料テキストリンクと同様に最近気になるのは、自社サービスやグループ会社同士での相互リンクです。
>グループ企業間で相互にリンクを張り合うことはウェブ上の経済活動において当然発生しうることです。
>価格.com、楽天市場ともにフッター部分に多数のリンクを並べている。両社ともにコンテンツを大量に抱えており、クローラに漏れなく巡回させるには必要なので問題はない。
こういった自社サービスの内容をフッター部分に埋め込むのは実際のところどうかなと思います。
というよりも「自作自演」のリンク自体「スパム」なのではないでしょうか?!
こういった現象が多く見られるのは「比較サイト」を運営する会社です。
彼らは、比較サイトをいくつも立ち上げて自ら相互リンクしており、その結果YahooとGoogleで上位表示されているサイトも数多くいます。
新たなリンクスパム手法として扱われることを期待したいと思います。
通常の経済活動で当然発生しうる現象は、基...
ご質問にお答えします。
本文でも触れていますが、検索エンジンは通常の経済活動において発生しうる現象に対して、その当事者を不利に取り扱うことは基本的に行いません。本件においては、1つの企業が複数のウェブサイトを運営していることは少なくありませんし、多角的に事業を展開している大企業であれば、事業ごとにウェブサイトを開設することも当然でしょう。また、シナジーを生むために相互にリンクをしあいトラフィックを流し合うのも当然行われることです。
こうした観点から、「同一企業が運営する複数のサイトが相互にリンクをしあう」ことは当然発生しうる行為です。それを検索エンジンスパムだとみなしてインデックスから削除しても、かえって検索品質の低下を招きかねません。したがって、相互にリンクされるサイトが多数発生する場合もある、ということを想定して検索エンジン会社はリンク分析アルゴリズムの調整を行います。
客観的な視点で考えてみましょう。
渡辺隆広
株式会社アイレップ SEM総合研究所 所長
http://www.irep.co.jp/