誰もが実践できるSEO。でも意外と間違った認識を持っている人も多いのでは?
そこでみなさんが抱えているSEOの不安や疑問をプロが解消します。
[質問]携帯サイトの効果的なSEOの方法は?
7月20日からサービスが始まっている「au」の検索サービス(Google)を前提にお答えします。
携帯サイトのSEOは大きく分けて「公式サイト」と「勝手サイト」の2つ。それぞれSEOの方法が変わるのですが、その前に携帯検索における課題・問題点について理解しておきましょう。
- 「サイトの重要性」を見極めるためのリンク評価が使えない
- すべてのサイトをクローラで収集できるわけではない
- 簡潔なHTMLによる記述、構造化できないHTML
まず携帯サイトにおいては、PCと異なり相互にリンクを張り合う文化がありません。公式サイトが外部にリンクを張ることもないですし、そこにリンクが張られることもありません。つまりGoogle PageRankに代表される、ウェブサイト間のリンク接続性を通してサイトの価値・重要度を判断するという、PC検索の適合性向上に大きく寄与している大事な分析指標が、携帯検索にそのまま適用できないという問題が挙げられます(ただし、少なくとも現状においてGoogleモバイル検索はリンクを評価指標として入れている)。
また、2で挙げるように、特に公式サイトはアクセスに対してIP制限を設けているため、一般的なクローラがアクセスできず、すべてのウェブサイトを自動的に収集できるわけではありません。さらに通信速度やパケット課金など通信関連の問題により、HTMLソースコードにおいて簡潔さを要求されるほか、PCサイトで利用可能な論理構造を示すタグも利用できません。
以上の事情から、Googleを含めて多くの純粋なロボット型携帯検索はお世辞にも適合性の高い検索結果を表示できているとは言いがたく、また、こうした事情を理解している携帯検索会社は、人力によるディレクトリ検索とロボット型検索を組み合わせることで利便性を高めるアプローチを取っているのが現状です。
以上をまとめると、次のような対策が中心になってきます。
- 携帯ディレクトリ検索に登録申請をする
- 携帯検索クローラのIPアドレスに対してアクセス許可の設定をする
- タイトルタグに適切なキーワードを設定する
- 会社名や商品名などのブランドキーワードで確実に1位に掲載されるように文字列を入れておく
携帯検索はまだ始まったばかりであり、今後大きく検索技術が変わる可能性が高いので、動向をよく見ておくことの方が大切だと思います。
※この記事は、『Web担当者 現場のノウハウ vol.2』掲載の記事です。
※記事の内容は、執筆時点のものです。検索エンジンの仕様は頻繁に変わるため、将来においてもこの内容がそのまま該当することは保証できません。
あなたの疑問・質問を募集 SEO相談室で相談したいこと、取り扱って欲しい内容があれば件名に「SEO相談室」相談係と書いてメールにてお送りください(宛先:web-tan@impressrd.jp)。
※本連載の質問受付は終了いたしました。今後の企画をご期待ください。
コメント
携帯サイトの効果的SEMについて
上述の記事を読ませて頂き、googleを中心とした、ロボット型の検索サービスは、発展途上ということが、分かりました。それは、もちろん、その通りと思います。対策として、1.携帯ディレクトリ検索に登録申請をする とあるのですが、Googleの場合、どのような方法にて、登録申請するのでしょうか?PCと同じ方法での申請をしたことがありますが、mobileの検索に反映されません。これは、方法はこれでよいが、登録採用されていないという意味なのでしょうか?ぜひ、教えてください。よろしくお願いします。
Googleモバイル検索への登録について
Googleモバイルに登録申請を行うときはGoogleウェブマスターツール(無料)を利用します。モバイル向けのものが用意されております。掲載までおおよそ1ヶ月かかると考えてください。
渡辺隆広 (株)アイレップ SEM総合研究所
全体的にもう少し自由度があると思いますが...
お世話になっています。記事を読ませていただきましたが、一部、気になるところがありましたので、ご参考になればと思い、投稿させていただきます。
・キャリアに申請をすれば、公式サイトからオープンサイトにもリンクは張れますし、いくつもそういったサイトは存在します。また逆に、オープンサイトから公式サイトに対しては、自由にリンクができます。
・公式サイトの外部アクセスは、CPの判断に任されていますので、オープンで使用されているクローラがアクセス可能なサイトも多数あります。
・キャリア公式サイトになっているCPは、キャリアが用意しているクローラを意識したほうが効率がいいと思います。理由としては、表示される優先順位が、(リスティング広告)→公式サイト→オープンサイト→PCサイトだからです。特にキャリアが用意しているクローラは、指定されたトップページのリンクだけを辿って、情報を集めますので、先生がおっしゃているようにキーワードが重要だと思われます。
よろしくお願いします。
対PC検索で見たモバイル検索の制限
ご指摘ありがとうございます。
公式サイトおよびオープンサイト間のリンクについて、「モバイルにおけるリンクは、Webサイトの価値を判断するに足る十分な情報にはなりえない」という趣旨で解釈していただければと思います。クローラについても同様で、できる・できないものがあれどサービス全体としてPC並の検索サービスを用意するのは難しいという趣旨で述べております。
渡辺隆広 (株)アイレップ SEM総合研究所