DMPが火付け役になって、起こる戦争がある。名付けて「データ格納戦争」だ。
まずは広告配信の世界だけでも、大手企業広告主、大手メディア会社、大手広告代理店が、データ取り込み戦争を行うだろう。既にアメリカで起きている状況でいうと、WPP、IPG、ピュブリシスなどのメガエージェンシーグル―プがDSPによるエージェンシートレーディングデスクを早くから立ち上げた。当初この動きに広告主側はオペレーションフィーを払うことを「マージンとの二重取りではないか」と騒いだが、本当の狙いはそんなことではない。DSP/RTBによる広告買い付けの扱いを受注すればするほど、配信結果データが集積できる。実はこのデータを取り込むことが狙いであった。それに最初に気が付いた大手広告主が代理店に「我々の金で買い付けた広告の配信結果データは我々のものだ」と主張したのだろう。大手広告主企業が外部のテクノロジーでプライベートDMPを構築したと同時にプライベートDSPを用意させるのは、データは自分たちだけのセキュアな環境をつくってデータによる学習効果を自社の広告配信に活用しようとしている。
企業がプライベートDMPを用意した方がよい理由は、まずユーザーデータのセグメントはブランド側のマーケターの手によってしか出来ないということ。(他人のつくったデータが使えるということはない。)
そして、せっかく自身の金で広告を買って配信しているのに、その配信結果データを活用して学習しないのでは意味がないこと。
それから、DMPは広告配信ためだけのものではないので、DSP事業者のDMPだけ(広告のためだけに)使うのでは拡張性がないからだ。
この領域には、SIerさんたちが虎視眈々と参入を狙っているだろう。テクノロジーはマーケターのフロント側に出て行っている。業務システム系の「守り」側から、営業・マーケティングの「攻め」のフロントラインである。業務システム系にはしっかり食い込んでいるSIerさんたちは、フロントにも領域を広げたいだろう。
広告配信データだけではなく、多くのマーケティング施策に活用できるDMPは、広告側からアプローチするプレイヤーと、基幹システム系でのデータを統合して,さらにマーケティング活用するDMPへのアプローチするプレイヤーでにぎやかになるだろう。
DMPの導入は企業にとって、簡単ではない。しかし企業がデジタルマーケティングとかデータドリブンなマーケティングを実際に推進できるように、自らが変わるためには、DMP構築運用を組織横断プロジェクトは非常に有効な手段であろう。
DMPについては、ATARA有園さんとの会談が、http://www.attribution.jp/000198.htmlに掲載された。こちらも是非ご一読あれ。
RTBでのディスプレイ広告枠取引が拡大すると、リスティング広告と合わせていっそう運用型広告の重要性が高まる。
この入札運用型広告だが、従来の枠もの広告の買い付けと効果検証の仕組みがまったく違う。
まず、従来枠ものであれば、枠そのものがPDCAの対象だが、DSPでは運用そのものがPDCAの対象である。よく枠ものとDSPを並列にしてCPCやCPAを相対評価している代理店があるが、これはナンセンスだ、DSPでどんな運用をしたかの情報がなにもないのに(レベルの低いオペレーションだったかもしれないのに)結果だけ見ても意味がない。
枠ものでは、基本、広告代理店の営業が紙のレポートを持ってきて、広告主担当者と向かい合って説明を聞く。しかしDSPを含めた入札運用型広告では、PCのレポート画面などの管理画面をオペレータと広告主担当者が横並びに座って、同じ画面を見ながら報告を受ける(報告を受けるというより、いろんなファインディングをいっしょに確認する)というイメージだ。枠ものよりはるかにリアルタイム感覚が必要となる。
メディアの売り買いということで言うと、
今までは、広告代理店の営業が持ってくる広告メニュー(プラン)から、メニューを選ぶということから始まる。広告というものはずっとこの形でやってきたので、何の疑問も持たずに広告主企業の方々も買ってきた。
しかし、よくよく考えて欲しいのだが、広告枠(広告メニュー)というのは売る側(セルサイド)の論理で出来ている。枠が有限なテレビなどマス広告枠では分かるが、掲載面を買い切ることなど出来ないネット広告(今後もデバイスが拡がるデジタル広告)では、こうした売り手主導の取引きはいつまでも続かないのだ。
広告の売買に関わる大きな流れは、明らかに「売り手主導」から「買い手主導」への移行にある。
DSPとは、デマンドサイドつまりバイイングサイドのためのプラットフォームであり、
「バイサイドの論理で買う」ということがどういうことかを、まずは広告主本人がしっかり理解しないといけない。
「バイサイドの論理」は「バイサイド」で主導権をとって確立しないといけないのだ。研究し、自分でトライすることなしには価値を得ることは出来ない。
その意味で、広告主はインハウス運用を一度は検討した方がよい。
少なくとも運用の「肝」をつかみ、運用方針をディレクションできるくらいのスキルを獲得すべきである。
2013年4月18日(木)、コワーキングスペース茅場町Co-EdoでCSS Nite at Co-Edo, Vol.9 「スマホサイト設計大会議」を開催し、22名の方にご参加いただきました。

マット・カッツによるQ&Aビデオ。「完全一致のアンカーテキストによる内部リンクが多いと問題視され検索順位を下げられるか」という質問に対する回答。普通にやっていれば大丈夫。
- 同じアンカーテキストを内部リンクで繰り返すとランキングが下がるのか -
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2013年4月15日(月)に、首都大学東京(秋葉原サテライトキャンパス)にて、HCD-Netの
サロン「感性工学とHCD」が開催されました。
今回のサロンは感性SIGとの共催で、ユーザの感性をどのように測定してどのように製品開発に
活かすか、という点に焦点を当て、感性工学とHCDについて3名のスピーカーにお話いただきました。
まず、工学院大学の椎塚先生に、「感性工学と製品デザイン」についてお話いただきました。
30分という短い時間ではお話しきれないご様子でしたが、感性の定義なども含めつつ、デザイン
プロセスにおける感性の取り入れ方やユーザの感性の把握の大切さをお話いただきました。
次に、キヤノンの松原さんから、「感性|記号 デザイン評価」という演題で、
感性の定義や概念について原田昭先生のご研究の紹介をしていただきました。
また、時間変化する感性をどう捉え、それをどうデザインすべきなのかというお話
も伺いました。
そして、TOTOの竹尾さんから、「感性コンセプトによる商品の企画・製品化事例」と題して、
大変貴重な商品開発の事例とその具体的プロセスをご紹介いただきました。 最後に、感性の定量化の問題点について椎塚先生に再度ご説明いただき、会場から
質問を募り、具体的な評価の方法やビジネスとしてどこまで考えていくべきなのか等
の質問を受け、それぞれにお答えいただきました。 会場でお配りしたアンケートの記述を拝見すると、椎塚先生や松原さんのお話しを難しいと
感じた方が多かったようでした。また、お2人とTOTOのモノづくりの現場の話は、かなり
ギャップがあって混乱してしまった方もいらっしゃるかもしれません。 椎塚先生や松原さんのお話は、感性の定義や感性の評価といった、人間の特性としての感性に
比重を置いたお話で、しかも結局のところ、感性とは何でどのように測り、モノづくりにどう
応用するのが正解なのか、という答えはない、というまとめでしたので、「結局なんなのだろ
う?」と思われたのではないかと思います。ただ、感性の多様性を考えると、そういう風に
しか言えないという点は仕方ない部分でもあります。 感性の概念をモノづくりの場に適用しようとした際に、感性の多面的な側面全てを網羅させる
ことは不可能ですし、製品や商品によって入れる側面やそのやり方が違うのは当然で、
だからこそ1つの明確な答えはないのだと思います。 松原さんがご紹介くださった原田先生の研究結果のように、分野によっても感性の捉え方や
考え方が違うのと同様で、モノづくりの場合には、まず製品や商品のユーザ層やコンセプト
が明確であることが求められ、その限られた中で感性の側面のどの部分に着目するのか、
軸を決める必要性があります。さらに、軸を固めた上でそれを製品や商品のデザインや
マーケティング戦略等に入れ込んでいくのかを考えていかなくてはなりません。
竹尾さんがご紹介してくださった事例は、なかなか聞けない実際の商品のデザインプロセス
の貴重な事例であるとともに、そのことを示すとても良い事例だったと思います。 今回のサロンは当初30名定員の予定でしたが、すぐに満席となったため増員をしました。
それでも満席でキャンセル待ちが発生する状況で、皆様の感性への関心の高さが伺えま
した。関係者も含め、当日は50名を超える人数が狭い会場に集まったため、後半は室内
も暑くなり、悪環境だったのではないかと思います。最後までお付き合いくださり、
どうもありがとうございました。 会場でもアナウンスいたしましたが、今年度の感性SIGは、偶数月に開催する
ことといたします。次回の感性SIGは2013年6月10日(月)18:30から、
秋葉原で開催いたします。 感性SIG主査 橋爪絢子