ネットショップ担当者フォーラム

ECサイトのカゴ落ち率は7割。途中離脱の防止に役立つ2つの施策 | ECサイトの販売力をUPするユーザスループット最適化(UTO)

9 years 8ヶ月 ago

サイトへの流入から商品の検索、比較検討を経て、やっと商品がカートインしたら、購入完了まであと一歩です。

しかし、ご存知でしょうか。カートに入れたにも関わらず購入せずに離脱してしまう、いわゆるカゴ落ちユーザーは平均で7割にもなると言われています。

せっかくMD、広告、SEO、コンテンツ制作、サイトの機能改善など、さまざまな施策に時間とコストをかけても、購入の一歩手前で離脱してしまうユーザーはかなりの数になるのです。

今回はカートインから購入完了率を高めるための施策を、「離脱者を防ぐ」「離脱者を引き戻す」という2点からご紹介します。

施策① モーダルポップアップで「離脱者を防ぐ」

離脱者を防ぐ

ECサイトで商品を購入する場合、ユーザーにはまず会員登録の作業が発生します。ゲスト購入であっても氏名や送り先など最低限の項目を入力する必要があります。

そこをサポートするために、以前からEFO(エントリーフォーム最適化)で誤入力を減らしたり、ソーシャルログインやAmazonログイン&ペイメントといった、外部アカウントと連携させて入力の手間を削減したりする方法があります。

また、リアル店舗があれば店舗受け取りや店舗での試着依頼など、オムニチャネル戦略と合わせてオンライン購入以外の選択肢もユーザーへ提示することで、企業として売上の損失を防ぐこともできますが、なかなか誰もができる施策ではないのが実情です。

カートに商品を入れたけれど、まだ購入するタイミングでなかったり、その時は時間がなくて後で購入しようとしているユーザーに対して、今まで何もせずにサイトから離脱させているようであれば、最後にもう一押ししてはどうでしょうか?

最近、海外をはじめとして徐々に出てきているのが「モーダルポップアップ」です。初めて耳にする方もまだまだ多いと思いますので、まずは仕組みから説明します。

「モーダルポップアップ」は、ポップアップ形式でメッセージを見せるもので、ECサイトのカゴ落ち対策としても有効な施策です。海外では、「modal popup」 以外に、「modal window」「lightbox popup」「exit popup」などとも呼ばれています。

ご来店いただきありがとうございました。カゴに入れた商品を残しませんか? 会員登録する/メールで送る

例えば、カート画面で一定時間動きがなかったり、ブラウザを閉じようとしたり、マウスがブラウザからそれたりとユーザーが離脱しそうな動きを検知したら、ポップアップ形式でメッセージを出します

メッセージの内容としては、会員登録を促してカゴに入れた商品をお気に入り登録したり、カゴに入れた商品をメールでメモとして送信したりできることを表示します。

EDWINのモダールポップアップ
EDWINのサイトでは、商品をカートに入れ、マウスをブラウザの外に動かすと、画像のようなモーダルポップアップが表示される。

最近、日本でもウェブ接客ツールを使い、サイトの初回訪問時にクーポンなどウェルカムメッセージをポップアップで出すサイトも増えてきていますが、表示形式としては似たようなもので、訴求メッセージが離脱防止になります

海外では、「Wait!」や「Don't go」といった直球のメッセージを投げかけているサイトを見かけます。実際にモーダルポップアップで会員登録数、CV率、離脱率などを改善したサイトの事例も出てきています。

このようなメッセージを何度も出すのではなく、購入の一歩手前まで来ているユーザーに出すのであれば、嫌われる可能性も少ないでしょう。

モーダルポップアップは、リードジェネレーション(見込顧客の獲得)の1つとしても使えます。すぐに購入してもらえなかったとしても、会員になってもらうことでユーザーとの関係性を強め、購入のタイミングになったら確実に自分のECサイトで買ってもらうように育成しましょう。

施策② カゴ落ちメールで「離脱者を引き戻す」

離脱者を引き戻す

さまざまな工夫をしても、カートに商品を入れたまま離脱してしまうユーザーはいます。離脱後のフォローとして有名なのはリターゲティング広告ですが、昨年あたりから「カゴ落ちメール」という施策も目立ってきています。

リターゲティング広告は、その名の通り広告ですので、訪問したECサイトではなくメディアなど別のサイトで過去に閲覧した商品や関連商品を見せます。一方カゴ落ちメールは「お買い忘れはありませんか?」や「来店の御礼」といったメッセージでユーザーへメールを送るため、ユーザーエクスペリエンスの改善にもなります。

弊社の独自調査では、国内ECの売上TOP500サイトにおけるカゴ落ちメールの実施状況を調査したところ、約12%のサイトがカゴ落ちメールを実施しており、1年間で約1.8倍も普及が進んでいました

また、米国のマーケティングオートメーションのベンダーLISTRAK社の2015年の調査によると、北米トップ1,000サイトのうち35.2%が導入しているといったレポートもあります。今後、サイト離脱者の引き戻し施策としてカゴ落ちメールは国内ECでもさらに普及してくるでしょう

サイト離脱から1時間後などにメールでカゴ落ち商品を訴求しても効果があるのか、まだ疑心暗鬼のEC事業者もいらっしゃると思いますが、メールを受け取った約半数のユーザーがメールを開封し、サイトに再訪問した4人に1人が購入するなど、かなり高い効果が出ています。

カゴ落ちメールの平均的な効果は以下のとおりです。

表 カゴ落ちメール開封率、クリック率、CV率(NaviPlusリタゲメールの実績値より)

開封率40%~70%
クリック率10%~30%
クリックからのCV率15%~45%

御社の一斉配信のメルマガと比べていかがでしょうか? 業種業態や会員の質にもよりますが、一斉配信の開封率は10%~20%前後と言われていますので、ターゲテイングされたカゴ落ちメールの効果の高さは一目瞭然です。

また、サイト離脱後もっとも購入率が高まるのは1時間以内で、離脱から24時間が勝負の分かれ道になっています。

カートに商品を入れたまま、他のサイトでも同じように商品を探している可能性も十分に考えられますので、早めに再アプローチしてサイトへ引き戻しましょう。

カゴ落ちメールやモーダルポップアップについては、弊社ナビプラスの井口が連載をしているので、ぜひそちらもご覧ください。

高橋 敏郎

ナビプラス株式会社

高橋 敏郎(たかはし・としろう)

ナビプラス株式会社 執行役員 セールス&マーケティング部 部長

大学卒業後、インターネット広告代理店にてIT関連メディアやリスティング広告、サイト構築の営業に従事。その後、人材紹介会社におけるインターネット関連企業の採用支援業務などを経て、2010年の会社設立とともにナビプラス株式会社に参画。

現在は、大手EC事業者への営業のほかマーケティングやアライアンス関連業務などを担当している。

高橋 敏郎

年収やDNA情報よりも提供したくないデータって? ─企業の個人情報活用に関する意識調査【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

9 years 8ヶ月 ago

NTTデータ経営研究所の調査によると、どんな条件であっても提供したくない個人情報の1位は「位置情報」でした。アプリを作る場合には注意が必要です。ユーザーにどんなメリットがあるのかを提示することも必須です。

ユーザーにメリットがあればデータは提供してもらえます

「パーソナルデータに関する一般消費者の意識調査」~消費者は意に沿わないパーソナルデータの活用へは不快感を示す一方、パーソナルデータに関連した安心安全なサービスへは高いニーズがある~ | NTTデータ経営研究所
http://www.keieiken.co.jp/aboutus/newsrelease/161122/supplementing01.html

まとめると、

  • 消費者のパーソナルデータ利用について、ユーザーの70.0%以上が「不快」
  • 趣味・嗜好などの情報については、金銭や商品・ポイントが得られるなら74.0%以上が「提供しても良い」
  • 見守りサービスは半数以上が利用に興味あり。商品レコメンドは半数以上が「不要」

趣味・嗜好、年齢・生年月日については、74.0%以上の消費者が金銭や商品、ポイントなどを得られる場合に、企業側に個人を特定化又は匿名化したパーソナルデータを提供してもよいと回答した。また、この内パーソナルデータについては匿名化されることを条件に提供可能と回答している消費者の割合が高く見られた。

 一方、年収や金融資産(株、債券)、位置情報といったパーソナルデータについては、どのような条件であっても提供したくないとの回答が過半数以上見られた。

趣味嗜好、電気・ガス・水道の使用料など、提供したデータがどう活用されるのか、イメージしやすいものは提供可能の回答が多く、Webのアクセス履歴や年収などに関しては提供したくないという回答が多くなっています。

ネットショップの場合は会員登録時に個人情報を得ることが多いと思いますので、参考にしてみてください。

ツイートの文字数、時間、頻度にひと工夫

Twitter活用の成果が上がる方法7選【データ解説】 | LISKUL
http://liskul.com/wm_twitterdate7-6614

まとめると、

  • ハッシュタグを使用するとクリック率が下がる場合がある
  • 記事タイトル+URLの40文字~60文字のツイートはクリック率が良くなる
  • 同じ内容のツイートでも、時間をおけば3回ぐらいまでは効果が下がらない

LISKULアカウント(@liskulcom)では、検証の結果から効果の高いと思われた「文字数」、「時間」、「頻度」などに注意し運用方法を見直すとクリック率が1.3倍に増加させることができました。

Twitterアカウントを持っていないショップは少ないと思いますが、「効果が出ているか?」と言われると「う~ん」となってしまう人も多いのでは?

Twitter の分析ツールは数多く出ていますので、文字数などシンプルな部分から検証してみてください。時間帯や回数も工夫できそうですね。

2022年の情報端末とB2C ECはどうなる?

2022年度までのICT・メディア市場の規模とトレンドを展望 | 野村総合研究所
https://www.nri.com/jp/news/2016/161121_1.aspx

まとめると、

  • B2CのEC市場は2015年度には15.4兆円となり、2022年度には26兆円に達する見込み
  • Apple PayやAndroid Payを用いた決済(スマートペイメント)が拡大する
  • 独自ポイントの共通ポイント化、独自ポイントの発行停止など、共通ポイントが軸になっていく

ECに関しては市場がますます拡大し、スマホの重要性が高まっていくと予想されています。2022年というと先のことのようですがあと5年。流れに置いて行かれないようにしましょう。

関連記事もあわせてご覧ください。

関連記事

EC全般

不適切な二重価格表示をシステムで防止! | Yahoo! JAPAN政策企画
http://publicpolicy.yahoo.co.jp/2016/11/2109.html

ペイジェント、EC事業者にクレジットカード情報非保持を推進 情報漏洩防止のためプロジェクトを発足 | ECzine
http://eczine.jp/news/detail/3886

データが増えれば増えるほどセキュリティ対策が重要になってきますよね。安全性を見て動くユーザーもいますので、利用するサービスは慎重に調査を。

日本郵便、近畿エリアにも宅配ロッカー「はこぽす」を拡大へ | Shopping Tribe
http://shopping-tribe.com/news/34223/

少しずつ普及している宅配ロッカー。ショップからもこうしたニュースを流して再配達を減らしましょう。

中国EC市場で成功するには? 「独身の日」の日本勢9社の越境EC事例を学ぶ | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/3688

楽天の年間流通額を1日で超えた中国の「独身の日」まとめ[EC流通額は約2.7兆円] | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/3694

「LOHACOが前年同日の売上を開始30分で突破」とか、「ケンコーコムが3か月分の目薬を1日で販売」など、異常な売れ方でした。

EC-CUBE、ビットコインで決済可能に ロックオンがテックビューロと業務提携 | ECzine
http://eczine.jp/news/detail/3875

ビットコインも徐々に普及していますので導入を前提とした調査をしておきましょう。

在庫切れテキスト、SOLD OUT画像テキストの設定について | おちゃのこサポートくらぶ
http://www.ocnk.net/faq/index.php?action=artikel&cat=281576&id=1110

テキストではなく画像で売り切れや再入荷を伝えられます。便利!

楽天ドローン、長距離配送のデモフライトを実施 配送センターから15キロ圏をカバーに向けた一歩 | TECHWAVE
http://techwave.jp/archives/rakuten-soraraku-drone-public-test-24163.html

商品がドローンで届くようになるのも時間の問題ですが、空が混雑してきた時がちょっと心配です。

今週の名言

私がWebマーケティングを自分で学んでいなかったら、マーケティングパートナーはうまく選べないと思います。

Webだけを変えても、本当の変化は生まれない。老舗オーダースーツメーカー「花菱縫製」のマーケティングとは | LISKUL
http://liskul.com/interview_hanabishi-housei-12575

丸投げで上手くいかないのは当たり前です。信頼できるパートナーを見つけることから売上アップの施策が始まります。

森野 誠之

運営堂

運営堂代表。Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。現在はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析を活用したサイト・広告改善支援を中心にWeb制作会社と提携し、分析から制作まで一貫してのサービスも開始。豊富な社会・業務経験と、独立系コンサルタントのポジションを活かしてWeb制作や広告にこだわらず、柔軟で客観的な改善提案を行っている。理系思考&辛口の姿勢とは裏腹に皿洗いを趣味にする二児のパパ。

森野 誠之

電通、アジア地域でECサイト構築などを行うブルーコム社を買収

9 years 8ヶ月 ago

電通は11月24日、アジア地域でeコマース領域のソリューションを提供する有力企業Bluecom Solutions Limited(ブルーコム社)の全株式を、海外本社の電通イージス・ネットワークが取得すると発表した。

買収後、ブルーコム社のサービスのブランド名を「Isobar Commerce(アイソバー・コマース)」と改め、電通イージス・ネットワークがデジタル領域のサービス提供を行っているIsobar(アイソバー)のネットワークに組み込む予定。ブランドと消費者とのエンゲージメント強化を図るとしている。

ブルーコム社は2012年設立。上海市を拠点に、香港市、シンガポール市、ホーチミン市などにも営業拠点を保有。アジア地域のグローバル企業に向け、EC・プラットフォームの構築やコンサルティングのほか、アジア各国に向けたローカライズ化などのEC関連サービスを提供している。

世界3大ECプラットフォームとして知られる「Magento(マジェント)」、「Salesforce Commerce Cloud(セールスフォース・コマース・クラウド)」、「SAP Hybris(SAPハイブリス)」のアジア地域の重要なパートナーにもなっている。

アジア地域は現在、EC市場の拡大が続き、今後さらに成長が見込まれる。電通はブルーコム社を買収することで、アジアEC市場への関与を強めていく考え。

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

中川 昌俊

楽天、米子会社Ebatesのキャッシュバックサービスを日本でも開始

9 years 8ヶ月 ago

楽天は2016年10月、ポイントキャッシュバックサイト「Rebates(リーベイツ)」を開設した。

「Rebates」は、楽天が2014年9月に買収した米国で会員制アフィリエイトモールを展開する米イーベイツ社の事業モデルを日本に持ち込んだもの。

楽天会員IDで「Rebates」にログインし各社サイトに移動して商品購入すると、購入金額に対して各サイトが設定した還元率に応じた「楽天スーパーポイント」がユーザーに還元される仕組み。

2016年11月22日現在、ファッション、食品、日用品雑貨、家電などの自社ECサイト計176店(現在)と提携。今後、自社ECサイトとの提携を拡大していく考え。

ユーザーを呼び込むための施策も強化しており、11月25日から29日までの間、「ブラックフライデー・サイバーマンデー」キャンペーンを開催する。

「ブラックフライデー・サイバーマンデー」では計25サイトの目玉商品やキャンペーン情報を発信するなど、有益な情報を提供。ユーザーは期間中、各サイトが販売するセール商品などをお得に購入できるだけでなく、各サイトの還元率のアップなどのキャンペーンも利用できる。

Rebates

 

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

中川 昌俊

Googleアナリティクスの「拡張eコマース」の特徴と導入メリットとは? | Google アナリティクス 「拡張eコマース」機能の基礎講座

9 years 8ヶ月 ago

Googleアナリティクスに実装されている高度なeコマースサイト分析機能「拡張eコマース」。流入から購買までのプロセスの可視化(カート内の離脱率など)、商品軸での販売状況の可視化など、2014年に導入された「拡張eコマース」機能はEC事業者にとって有益なデータを取得できる機能です。

しかしながら、意外にも利用しているEC企業は多くありません(実装の難しさや、対応しているカートが少ないといったことが理由にあがっています)。今コラムでは、実際に「拡張eコマース」機能を利用しているEC企業の生データをもとに、機能を導入するメリット、知っておいて損はしない「拡張eコマース」機能の基礎などをお伝えしていきます。

「拡張eコマース」機能のメリット

「拡張eコマース」機能は何ができるのか? Googleアナリティクスを普段使っていても、なかなかその利用価値を知る機会は少ないはずです(その理由は後述します)。

「拡張eコマース」機能を簡単に説明すると、「流入後から購入完了までの過程が数値とグラフで可視化され、確認できる」のが最大の特徴です。

標準レポートでは、商品詳細ページへの訪問数を「ページ別訪問数」で確認できますが、すべてのセッション数に対してどれだけの割合(セッション数)が商品詳細ページを閲覧したのかはわかりません。サイト訪問から決済完了までのプロセスにおいて、どこの箇所で離脱が発生しているのかを把握できれば、EC事業者は原因を調べて、改善活動を行うことがやりやすくなりますよね。

標準レポートでも「目標到達プロセス」というレポートで「カゴ落ち」(全体の離脱から直帰を除いた途中離脱、つまりカテゴリページ落ちや商品詳細ページ落ちなど)を確認できますが、「拡張eコマース」はサイト全体の来訪者から、「ショッピング行動」の数値が把握できるのが特徴になります。

Googleアナリティクスの「拡張eコマース」の基礎と導入メリットとは?? 「ショッピング解析」というカテゴリが加わり、「ショッピング行動」と「決済行動」が追加。「商品リストの販売状況」も加わった
キャプション→「ショッピング解析」というカテゴリが加わり、「ショッピング行動」と「決済行動」が追加。「商品リストの販売状況」も加わりました

「拡張eコマース」機能は、流入元情報やデバイス経由などさまざまな軸をもとに、全体のセッションに対して、商品詳細ページにたどり着いたセッションカート追加が発生したセッションチェックアウトを行ったセッション商品購入が発生したセッションなどを数値化し、購入プロセスのどのステップで離脱したのかといった情報がわかるようになります。

たとえば、

  • どのカテゴリページの離脱が少ないのか
  • どの商品詳細ページがコンバージョン(CV)に貢献しているか
  • カート投入から決済完了までのステップ対策はどうすればいいのか(かご落ち対策)
  • 何回目の訪問でCVRは高くなるのか

などなど、「拡張eコマース」機能によって得られた情報をもとに、具体的な対策を講じることができるようになります。

Googleアナリティクスの「拡張eコマース」の基礎と導入メリットとは?? ショッピング行動のレポート

つまり、Googleアナリティクス(拡張eコマース機能を活用していない)を活用した分析よりも具体的に、より短時間での分析が行え、PDCAサイクルを高速化することができるようになるのです。

「拡張eコマース」機能を活用しているEC事業者の事例

私がサポートしているEC事業者で、「拡張eコマース」機能を使うと、どのようなデータを見ることができるようになったのか紹介します。

Googleアナリティクスの「拡張eコマース」の基礎と導入メリットとは?? 「拡張eコマース」機能を活用して特定期間内のコンバージョン上位10商品を分析(デバイスはPC)
「拡張eコマース」機能を活用して特定期間内のコンバージョン上位10商品を分析(デバイスはPC)

この表は特定期間内のコンバージョン上位10商品分析を行い、表化したものです。

  • A商品 → 全体、訪問1回目、訪問2回目、訪問3回目、訪問4回目以上のユーザーすべてで、ページ訪問数に対するコンバージョン率は2ケタ以上のパーセンテージ
  • B商品 → 全体のページ訪問数に対するコンバージョン率は約18%。訪問1回目のページ訪問数に対するコンバージョン率は25%
  • C商品 → 全体のページ訪問数に対するコンバージョン率は約約27%。訪問1回目のページ訪問数に対するコンバージョン率は44%

私がクライアント先であるECサイト事業者に提案したのは「A商品B商品C商品」への導線を強化して、訪問数を増やすということ。

トップページやカテゴリページ、閲覧履歴ページなどでの露出を強化。そして、訪問1回目でのコンバージョン率が高いことから、初訪問者への商品提案を強化する対策を進めることを提案しました。

「拡張eコマース」機能が普及していない理由

私の周囲も含めて、「拡張eコマース」機能を活用していない事業者は多く、かつ活用事例を見る機会はほとんどありませんでした。それはなぜか。私見ではありますが、次のようなことが理由だと考えています。

  • 多くのEC事業者が利用しているショッピングカートで「拡張eコマース」機能に対応しているところが少ない
  • ショッピングカートが対応していても「拡張eコマース」機能の設定がとても難しい
  • 「拡張eコマース」機能を使うメリットをイメージできていない

ただ、「拡張eコマース」機能はサイト内のユーザー行動を具体的に可視化できるので、対応するショッピングカートが増えていくと考えられます。なので、まずは「拡張eコマース」機能はどんなメリットがあり、どんなことができるのかを把握することから始めてみませんか。

次回以降、私が行っている「拡張eコマース」機能を使った分析事例、拡張eコマースと標準レポートの違いなどを説明していきます。

山本 頼和

二天紀

二天紀 創業者

大学卒後、携帯電話販売代理店、土木建設会社、大手コンサルティング会社などを経て2015年7月にコンサルティングなどを手がける二天紀を創業。

EC事業のコンサルティングに従事するようになったのは2003年。EC市場が導入期~成長期前半だったころからECのコンサルティングを経験している。

これまでEC事業のコンサルティングおよび経営相談は500企業以上。事業規模は年商1億円から年商800億円の上場企業が手がけるEC事業。「収益性」「安定性」「永続性」を満たすためのEC事業の支援を行っている。

山本 頼和

専門商材ECサイトは専門家に相談しながら買える仕組みづくりが売れる鍵! | いつも.ECコンサルタントが明かす売り上げアップにつながるEC最新情報

9 years 8ヶ月 ago
blog1124

現場の最前線で活躍するいつも.のECコンサルタントに聞く!!企業のEC担当はこんな時どうすればいいの!?

ドッグフード販売B社様からのご相談

当社が取り扱っているのは、ドッグフードです。特に無添加食品などのプレミアムドッグフードが主力です。リアル店舗ではしっかりと定着している顧客がいるのですが、ECでは新規お試し購入は多いものの定期購入に中々繋がらず困っています。

専門家に相談できる仕組み作りが鍵!

おそらく、御社に期待を寄せるお客様は、広く流通しているナショナルブランドのどこでも買える商品ではなく、自分の愛犬の健康や嗜好などの条件に合う高品質なドッグフードを求めているのです。そのため、顧客が多くの情報を得られるように、サイト自体もコンテンツをリッチにしておくことは非常に重要になります。さらに、購入を決意してもらうためにも専門家に相談できる仕組みがあるとその後の定期購入にも繋げやすくなります。日頃、リアル店舗では、これを接客で実施しているのだと思います。

QA10

安心して相談できる専門家が、お客様とのコミュニケーションを取れば取るほど定期購入への不安を取り除くこともできるため、定期購入に繋がる確率は高くなります。その際の「おすすめ」もあまり強めに押すのではなく、「皆さん定期購入されますよ」くらいの方が定期購入に繋がる確率も高い傾向にあります。いつでも専門家に相談できると思えば、顧客としても長いお付き合いをするメリットになるため安心材料にもなります。

また、ECサイト・実店舗・コールセンターという3つの顧客とのタッチポイントの中でもコールセンターは定期購入に繋げやすいツールになる傾向が高くなっています。これは、定期購入に踏み切る際の不安などをマニュアル化して潰していく作業が他に比べると比較的やりやすく、定期への切替時にも顧客の手を煩わせることなくオペレーター側で作業できるため効果的です。

また、サイト内での定期購入の案内というのは、サイトの商品ページに入れてもあまり大きな効果が期待できません。なぜなら購入の意思決定をしていない状態では定期購入という情報を求めている人が少ないため中々効果が出ないのです。

しかし、既に商品を購入するという意思決定を行っているお客様が訪れるカートページにバナーなどの情報を設置することで、定期移行の確率はグンと上がります。更に、バナーの内容も定期購入した際の差額を大きく打ち出すことで、定期購入率が1.6倍にまで上がったという事例もあります。

QA11

2つ目のご相談

ECのアクセス自体はそれなりにとれていますが、どうしてもサイト上からの売上増に繋げることができません。

顧客視点に立った細かなサービス提供で差別化を

お客様にとってペットは大切な家族、顧客本人ではなく犬のIDを作成してカルテを作るのもおすすめです。リアル店舗の接客で聞ける情報などを全て電子カルテに残してECと共有することで、顧客とのコミュニケーションがより深くなりますので、専門家に相談したい顧客としては、自分の犬の情報をしっかりと把握してもらえることで顧客満足度の向上にも繋がります。

QA12

また、顧客の視点に立ってサービスを提供することも大切です。顧客として多い働く女性にとっては、自宅で商品を受け取れる時間が夜遅くになってしまうと、自宅玄関での受取の不安から、少し面倒な思いをしてでもお店に買いに行こうと考えてしまいます。また、クレジット利用率も男性は圧倒的に高いのですが、女性は少ない傾向にあります。これはスマホ利用率が女性の方が多いため、クレジットの番号を登録する人が少ないためだと言われています。

all

これら2つの状況から、女性がコンビニ受取やコンビニ後払いを利用するためコンビニを利用するケースが増加しています。このような顧客の状況に合わせた細やかな配慮が転換率向上のために重要となってきます。

「株式会社いつも.公式ブログ」掲載のオリジナル版はこちら:
EC売り上げアップ相談所 専門商材は、専門家に相談しながら買える仕組みづくりが売れる鍵!(2016/11/24)

株式会社いつも.

Eコマースビジネス支援に特化し、成功に必要なコンサルティング、集客、構築・制作、販売、CRM、物流、カスタマー対応までを一社完結で提供。

現在、国内最大規模となる7700社以上の企業(2016年6月時点)とサポート実績があります。約4年前から米国Eコマースの成功事例や情報を研究する専門部署(EC未来研究所)を設け、情報収集と発信を実施。そこから日本流のスマートフォン、ソーシャル、O2O、フルフィルメント、CRMなどのコンサルティングも提供している。

株式会社いつも.

Googleアナリティクスの「拡張eコマース」をテーマにしたセミナー11/29開催

9 years 8ヶ月 ago

一般社団法人ウェブ解析士協会は、Google アナリティクスに実装されている高度なeコマースサイト分析機能「拡張eコマース」をテーマにしたセミナーを11月29日、東京都内で開催する。

「拡張eコマース」は、流入から購買までのプロセスの可視化(カート内の離脱率など)、商品軸での販売状況の可視化などEC事業者にとって有益なデータを取得できる機能。

講演はEC向けコンサルティングなどを手がける二天紀の山本頼和氏が登壇。「 Googleアナリティクスを活用したECサイト分析ノウハウ~標準レポート活用から拡張eコマース分析まで~」と題して、次のポイントを解説する。

  • ECサイトのコンサルを行う上で必要な3つのデータと分析シート
  • サイト内施策で何をすればよいか一目瞭然!Googleアナリティクス活用事例
    ・標準レポート活用編
    ・拡張eコマース分析編
  • Googleアナリティクスのレポートには表示されない指標とセグメントノウハウ

また、「拡張eコマース」に対応したECサイト構築サービスのCARTSTAR(カートスター)を提供するNHNテコラスから、徳山友紀氏、同社おかいもの研究室の清水竜一氏が登壇し、ECサイトの分析手法などを解説する。

セミナーの詳細は次の通り。

  • 開催日時:11月29日(火)14:30~18:00
  • 会場:NHNテコラス本社セミナールーム(東京都新宿区新宿6-27-30 新宿イーストサイドスクエア13F)
  • 主催:一般社団法人ウェブ解析士協会
  • 共催:NHNテコラス
  • 参加費用:ウェブ解析士協会正会員・法人会員は4000円(税込)、一般・ウェブ解析士協会無料会員は6000円(税込)
  • 詳細と申し込みhttps://web-mining.doorkeeper.jp/events/53109

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

企業のパーソナルデータ活用に7割が「不快」。商品レコメンドの利用にも否定的

9 years 8ヶ月 ago

「企業がパーソナルデータを活用していることは不快」――。企業がWebの閲覧履歴や購入履歴などを収集し、マーケティング活動や広告ビジネスなどに利用していることについて、消費者の約7割が不快だと感じていることがNTTデータ経営研究所の調査でわかった。

その内、企業がパーソナルデータを知っていた上で「不快である」と回答したのは48.9%。知らなかったので「不快である」は21.4%だった。

企業側がパーソナルデータをビジネス利用することについて、消費者は不快感を持っている傾向が多いようだ。

NTTデータ研究所の「パーソナルデータに関する一般消費者の意識調査」、企業のパーソナルデータ活用に7割が「不快」。商品レコメンドの利用にも否定的①

企業のパーソナルデータ活用についての印象

購入履歴や登録されたパーソナルデータなどを、レコメンドに活用しているケースは多い。パーソナルデータを活用したサービスの利用ニーズの内、「商品レコメンドサービス」を「利用したい」と答えたのは34.1%。

「どちらかと言えば利用したくない」「利用したくない」の否定回答は合わせて65.8%。

NTTデータ研究所の「パーソナルデータに関する一般消費者の意識調査」、企業のパーソナルデータ活用に7割が「不快」。商品レコメンドの利用にも否定的②

パーソナルデータを活用したサービスの利用について

パーソナルデータを活用した「商品レコメンドサービス」について利用したくない理由を聞いてみると、最も多かったのが「サービスに魅力を感じないから」が30.0%。

「自分の情報を知られたくない」(29.4%)「情報漏えいした場合のリスクが怖いから」(25.8%)が続いた。

NTTデータ研究所の「パーソナルデータに関する一般消費者の意識調査」、企業のパーソナルデータ活用に7割が「不快」。商品レコメンドの利用にも否定的③

パーソナルデータを活用したサービスを利用しない理由

NTTデータ研究所は「パーソナルデータに関する一般消費者の意識調査」を実施、11月22日にその結果を公表した。

調査概要は次の通り。

  • 調査対象:10~60代の男女
  • 調査方法:NTTコム リサーチ クローズド調査 非公開型インターネットアンケート
  • 調査期間:2016年8月16~19日
  • 有効回答者数:1059人
  • 回答者の属性:性別、年齢

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

ECをよく利用しているのは首都圏と宮城、京都だと判明【今週のアクセス数ランキング】 | 週間人気記事ランキング

9 years 8ヶ月 ago

JADMA調査でEC利用頻度、利用額ともに京都府、宮城県、奈良県が上位に入っていました。デバイス別調査ではスマホ利用率が最も高いのが沖縄県という結果に。「県民性研究家」矢野新一氏のユニークな解説にも注目です。

  1. 【通販の都道府県ランキング】最もお金を使う地域は? スマホEC利用率が高いのはどこ?

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    「年間通販利用額」「スマホでの通販利用率」の都道府県ランキング

    2016/11/18
  2. 楽天の年間流通額を1日で超えた中国の「独身の日」まとめ[EC流通額は約2.7兆円]

    tweet13このエントリーをはてなブックマークに追加

    中国のEC専門メディア「ebrun」によると、1日で1770億元もの買い物が中国のECサイト上で行われたという

    2016/11/22
  3. 中国EC市場で成功するには? 「独身の日」の日本勢9社の越境EC事例を学ぶ

    tweet4このエントリーをはてなブックマークに追加

    アスクル、ケンコーコム、キリン堂、トーキョーオタクモード、千趣会、ヤーマン、白鳩、Hamee、楽天の販売状況を調査

    2016/11/21
  4. ユニー、ECサイトで「ブラックフライデーセール」を11/28から開催

    配送は店頭受け取りのみで展開し、年末商戦期における店頭への呼び込みに活用していく

    2016/11/24
  5. 三越伊勢丹が中国ECを本格始動、アリババ「天猫国際」の「ブラックフライデー」から

    日用品が多い他の出店ブランドとの差別化を図るため、三越伊勢丹グループの独自商品を中心に商品を取りそろえた

    2016/11/22
  6. 「Google アナリティクスを見るのはもう疲れた……」そんなあなたにAIはいかが?【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2016年11月21日〜27日のニュース

    2016/11/22
  7. 「ネットオフ」を展開するリネットジャパングループが東証マザーズ上場へ

    調達資金で集客力向上や外部依存コスト削減図る

    2016/11/18
  8. 30代女性向けパーティドレス専門ECサイト「darial」を12/1に開設、fast step

    11月17日にティザーサイトを開設

    2016/11/18
  9. 野村総研 2022年度のBtoCEC市場を26兆円と予測

    スマートフォンの普及が市場をけん引

    2016/11/22
  10. 2016年のファッションECサービスの振り返り&事例紹介セミナー12/8開催

    スタイラー、電通ダイレクトフォース、バーチャサイズ、ブティックスターの4社共催

    2016/11/18

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    uchiya-m

    ユニー、ECサイトで「ブラックフライデーセール」を11/28から開催

    9 years 8ヶ月 ago

    ユニーは11月22日、通販サイト「アピタのインターネットショッピング」で、会員向けに「ブラックフライデーセール」を開催すると発表した。開催期間は11月28日~12月18日。「ブラックフライデーセール」は初の開催。

    会員向けに特別価格で商品を販売する一方、配送は全国のアピタ・ピアゴ214店舗の店頭受け取りのみ(洗剤・紙おむつケース販売の場合は宅配可)とする。年末商戦期における店頭への呼び込みに活用していく。

    自社のクレジットカード「UCSカード」の会員を対象に、店頭では扱っていない商品や日用品のケース販売、数量限定品など220点を特別価格で販売する。

    決済手段はUCSカードによるクレジットカード決済のみとする。既存ユーザーへの特典として今後も活用していく考え。

    2016年からイオンも「ブラックフライデー」と名づけたセールを25~27日に開催する予定。ユニクロもブラックフライデーを意識した「創業感謝祭」を1週間に延長し、23~29日に開催している。今後、ネットを含めた「ブラックフライデー」セールが広がりを見せることが予測される。

    中川 昌俊

    ネットショップ担当者フォーラム編集部

    ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

    読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

    中川 昌俊

    アパレルのオンワードが食品のネット通販、産直方式で「新鮮」「安心」を訴求

    9 years 8ヶ月 ago

    オンワードホールディングスは11月22日、食品のECサイト「オンワード・マルシェ」をオープンした。食を通じて豊かなライフスタイルを提案するのが目的。

    取り扱うのは「お酒」「お米」「調味料」「おかず・おつまみ」「スイーツ」「水・飲料」「器・キッチン用品」の7種類でスタート。取扱品目は3000品目。段階的にカテゴリを拡充していく予定

    配送は生産者が直接発送する仕組みを採用。産地直送方式で「新鮮」「安心」を訴求する。

    全国規模で抱える営業ネットワークを活用し、地域を知り尽くしたバイヤーが直接産地を訪問。生産者と交渉し、選りすぐった商品をラインアップする。また、現地訪問の際に商品を味わい、わかりやすくECサイトで紹介するという。

    スタート時点は国内のみの発送だが、海外発送や海外の食材を日本の消費者に届けるグローバルECサイトへと進化させる予定。

    アパレルのオンワードが食品のネット通販、産直方式で「新鮮」「安心」を訴求

    食の通販サイトでアパレルとの相乗効果を狙う

    オンワードホールディングスは2016年4月、ECを強化する方針を発表。120億円のネット通販売上(2016年2月期)を、2019年2月期までに3倍増となる360億円まで拡大させるとしている。

    EC売上の内訳は国内が114億円、海外ECが6億円。2019年2月期までに国内の売り上げは310億円、海外を50億円規模まで拡大させる方針。EC化率は現在の4%から12%をめざす。

    瀧川 正実

    ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

    通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

    瀧川 正実

    EC企業のSEOはどうすればいい? グーグルのモバイルファーストインデックス対策 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    9 years 8ヶ月 ago

    PCサイトとモバイルサイトを別々に制作しているEC事業者は、グーグルの検索インデックスの変更(モバイルファーストインデックス、MFI)によって、制作・運用方法を変更する必要が出てくる可能性があります。

    ウェブマスター向け公式ブログに掲載された記事によると、グーグルは今後、モバイル検索インデックスをアップデート。モバイルサイトをクロールさせ、検索結果とコンテンツの関連性の有無を測定するそうです。

    実はグーグルは、スマートフォンの検索結果は、PCサイトの内容を基準に検索キーワードとの関連性を評価し、スマホで検索結果を表示していました。グーグルの公式ブログに記事を執筆したプロダクトマネージャーのドーンタム・ファン氏によると、その方法ではPCサイトよりもモバイルサイトのコンテンツが少ない場合、検索結果に問題が生じると指摘しています。

    たとえば、ユーザーが「茶色のウェッジサンダル」をスマートフォンで検索した場合。現状では、モバイルサイトに茶色いウェッジサンダルの掲載がなくても、PCサイトに茶色いウェッジサンダルが載っていると、スマホで適切に表示できるPCサイトであれば、検索結果に表示されてしまうのです。

    こうした状況について、モバイルマーケティングなどを行うPure Oxygen Lab社の創設者で社長のブライアン・クライス氏は、「今回のモバイル検索インデックス変更に伴い、そのようなことが起こりにくくなるだろう」と説明します。

    グーグルは基本的に、モバイルページはPCのコンテンツを表示する1つの手段として扱ってきました。そこで発生する問題は、消費者が特定の商品特徴やキーワードをスマートフォンで探し、検索結果として表示されたサイトをクリックしても、検索ワードに関連した商品をページ内で探すことができないというケースです。結果的に、消費者は関係のない検索結果にストレスを感じるのです。

    Pure Oxygen Lab社のクライス氏はこう言います。

    別の例をあげてみましょう。アウトドア用品のEC事業者が、PCサイトにテントの張り方を紹介する動画を載せていたとします。動画のような重いコンテンツは表示までに時間がかかるため、スマホサイトでは表示しないようにしていた場合、どうなるでしょうか。

    消費者がテントの張り方を調べるために動画を検索した場合、現在のグーグルのスマートフォン検索結果では、テントの張り方に関する紹介動画が載っていないモバイルサイトが上位表示されてしまう事象が発生します。

    ただ、モバイル検索インデックスが変更されれば、テントの動画が掲載されていないスマホサイトは検索結果に上がりにくくなります。

    MFIで対応が必要なのは?

    今回のグーグルの仕様変更は、PCサイトとは別でモバイルサイトを制作・運営しているEC事業者は影響を受けることになりそうです(PC向けとスマホ向けを別URLで運用中、同一URLで動的に出し分けしているがモバイル版のコンテンツが薄いケース)。

    「Top500Guide.com」によると、インターネットリテイラー社発行のレポート「モバイル トップ500社」のうち、142社はPCサイトとは別にモバイルサイトを制作・運用。357社はレスポンシブ・ウェブ・デザインを利用しています。グーグルによると、レスポンシブ・ウェブ・デザインや、ダイナミックサービング(レスポンシブ・ウェブ・デザインの一種で、ハイブリッドやアダプティブデザインとも呼ばれるもの)を採用しているEC事業者は、特に変更を加える必要はないそうです

    クライス氏によると、PCサイトとモバイルサイトをそれぞれ別で制作・運用しているEC事業者は、グーグルが推奨するモバイル検索エンジンを最適化するためのマークアップコードを埋め込む必要があると指摘します。そうすることにより、グーグルのボットが、モバイルサイトとデスクトップの内容が違うサイトであると認識できるようになります(編集部注記:今後、スマホ向けページのコンテンツでページを評価されるようになるので、スマホ版ページのコンテンツが薄い場合、PC向けに良いコンテンツを提供していても、全体として評価が下がってしまう可能性がある)。

    楽器や音楽用品を販売するSweetwater Sound社(インターネットリテイラー社発行「全米EC事業 トップ500社 2016」第89位)は現在、PCサイトとモバイルサイトを別で制作・運用しています。ただ、モバイルサイトとPCサイトのコンテンツはほぼ同じで、違いはいくつかのセクションに過ぎません。しかしながら、EC担当の上席副社長マイク・クレム氏によると、レスポンシブ・ウェブ・デザインへの移行を予定よりも早めることを決めました。クレム氏は次のように話します。

    これまで、最適な環境でデータを見るため、容量の問題を考慮してモバイルサイトのコンテンツを変更した例がいくつかありました。グーグルのモバイルファーストインデックスへの移行に関し、今後ダメージを受けないためには早くモバイルサイトをアップデートする必要があります

    モバイルデバイスのスクリーンサイズが多様化している中、Sweetwater Sound社はレスポンシブ・ウェブ・デザインへの変更を以前から決めていました。「レスポンシブ・ウェブ・デザインへの移行は、フルリニューアルではありません。グーグルの仕様変更に伴い、影響を受けそうなセクションを優先的に変更していく予定です」。クレム氏はこう語っています。

    グーグルは今回の変更に関し、数か月間に小規模な実験を行い、徐々に拡大していく予定。PCサイトしかない小売業者の場合は、スマートフォンの検索結果に引き続きインデックスされます。

    グーグルの今回の発表は、スマートフォンのランキングシステムにモバイルフレンドリーであるかどうかが加味された、2015年4月の「モバイルゲドン」の延長線上の策。2015年5月のグーグルの発表では、消費者がグーグル検索を行うのは、PCよりもモバイルの方が多かったそうです。

    Internet RETAILER

    世界最大級のネット通販業界の専門誌「Internet Retailer」は、雑誌のほか、Web媒体、メールマガジンなどを運営。Vertical Web Media社が運営を手がけている。

    Eコマースの戦略に関し、デイリーニュース、解説記事、研究記事、電子商取引におけるグローバルリーダーをランク付けする分析レポートなどを発行している。

    Internet RETAILER

    IoTはネット通販をどう変える? CRMや接客などを支援する楽天、ヤフーらの取り組み | 通販新聞ダイジェスト

    9 years 8ヶ月 ago

    「IoT(モノのインターネット)」が各分野で注目され始めている。モノにインターネットがつながることで例えば庫内の残り物で作れるレシピを提案する冷蔵庫といった家電に様々な利便性の高い機能を付加できるなど人々の生活シーンを劇的に変える可能性を秘めており、IoTを活用した商品やサービスについても各社で様々な取り組みを進めているようだ。では通販業界でのIoTの取り組みや活用の進捗は現状、どのような段階となっているのか。それによって通販は今後、どのように変化していくのだろうか。注目すべき各社の取り組みなどを見つつ、IoTの通販活用の可能性を探る。

    自然なコーデ提案や“疑似バー”も

    IoTの登場で、通販はどう変わっていくのか。まずIoTによる「最先端の通販の姿」を見ていく。

    近い将来には実用化される可能性の高いIoT関連サービスを示したのは楽天だ。同社では10月4日~7日にかけて開催された展示会「シーテックジャパン2016」で開発中のIoT関連の展示を行った。

    展示したのは「KiTeMiROOM」「PhySig」「zapzap」という3つのユニークなサービスだ。

    「KiTeMiROOM」(写真)はユーザーの属性や服装などの環境情報をもとに、商品数を絞り込んだり、ランダムに切り替えたりすることで、自然な組み合わせを生み出すコーディネーション提案システムとなっている。3Dセンサーが人の性別分析し、似合いそうな衣服をコーディネートする。

    IoTはネット通販をどう変える? CRMや接客などを支援する楽天、ヤフー、天真堂の取り組み 楽天の「KiTeMiROOM」

    出展したシステムの場合、「楽天市場」で販売されている商品の中から検索し、合いそうな衣服を提案した。将来的には、楽天市場の出店店舗が実店舗を出した際に、店に置いていない商品を同システムで薦める、といった使い方を考えているようだ。アイテムの情報をすべて読み取るので、価格帯などで条件付けするといったことも可能だ。

    「PhySig」(写真)は商品がディスプレーされている場とスマートフォンを連動させ、プロジェクターで壁に投影されるカーソルを使って、商品の情報を探すというもの。プロジェクターに追加情報を表示することで、より買い物を楽しくするのが目的だ。

    IoTはネット通販をどう変える? CRMや接客などを支援する楽天、ヤフー、天真堂の取り組み 楽天の「PhySig」

    展示会では「楽天市場」に「よなよなの里」を出店するヤッホーブルーイングと連携したデモを行った。デモではバーをイメージし、ビールを注いで色が分かるようにしたり、レビューを表示。また、プロジェクター上で店長と「乾杯」をすると、スマホに詳しい情報が表示され、そこからネット販売につなげるといったことも可能となることを示した。また、他のユーザーと「乾杯」することもでき、そのユーザーがどんなビールを飲んでいたかが分かるという。ユーザー同士のコミュニケーションから買い物につながる、といったケースを想定しての機能だ。今後は店舗に設置して実証実験をしたい考えのようだ。

    「zapzap」(写真)は書籍の体験システムだ。ディスプレーの上に本を置くと、多く出現する単語が本の周りに表示され、気になる単語をタッチすると、その単語を含む文が画面に現れるもの。読み取った表紙のデータを電子書籍データと紐付けることでこうした仕組みを実現している。書店における購買支援が目的だという。

    IoTはネット通販をどう変える? CRMや接客などを支援する楽天、ヤフー、天真堂の取り組み 楽天の「zapzap」

    いずれも実用化されれば既存の通販サービスに確実な変化をもたらしそうだ。

    光センサー容器でCRM最適化

    サービス面だけでなく、商品自体へのIoT活用も進み始めている。

    例えば通販化粧品の企画、OEMを多く手掛ける天真堂は来春をメドに化粧品容器にIoTを活かすことを構想中だ。容器メーカーと共同で専用容器の開発に着手。蓋の開閉に合せて光センサーが反応し、使用量を計測するもの写真)だ。使用量を正確に把握することで通販企業のCRM最適化を支援していく

    IoTはネット通販をどう変える? CRMや接客などを支援する楽天、ヤフー、天真堂の取り組み 化粧品容器にIoTを活かす

    容器は蓋部分に化粧品を使う際に使用できる鏡つき。これを活かし、底面部のボタン電池つき基盤から発した光センサーを反射させて使用量を測るという。データはブルートゥースで専用のアプリケーションに飛ばす。使用量に応じて最適なタイミングでキャンペーンを展開して次回購入のアプローチをしたり、顧客に使用を促したりするのに役立てる。

    必要となる専用アプリ「TEN」は12月初旬をメドに開発。まずは取引先の化粧品企業の顧客に使ってもらうことでダウンロード数を増やしていく。商品の購入機能のほか、美容情報の発信やくちコミ機能を持たせてメディア化も目指す。

    新容器はまだ開発段階。技術的には容器の底面部に埋め込み可能な小さな基盤も開発できており、すでに特許も出願しているという。ただ、製造コストが大幅に高まることが実現に向けた課題。大口の取引先に採用されるなど大ロットの製造でコスト低減を図る必要があるほか、埋め込み基盤の低コスト化も必要という。これら課題は2回目以降の購入をレフィル(詰め替え用容器)対応にすることで一定のコスト圧縮を図る。電池が切れるタイミングで外側容器の購入が必要であるものの、レフィルのみであればメール便が可能なため配送コストなどを大幅に削減できるとみる。

    また、外側容器自体は雑貨扱いのため成分表示が必要なく、デザイン性を高められる。育毛剤など人に知られたくないような“悩み系”商材に適したデザインが施せる点でもメリットがある。

    容器のIoT化が実現すれば、化粧品だけでなく、食品などほかの分野でもこの技術を活かす。たとえば使用量を把握しつつ料理レシピを配信するようなアプリと組み合わせた展開に応用する。

    同社ではこのほか、バーチャルリアリティ(VR)やAR(拡張現実)も活用する予定。近く取引先が組立式3Dメガネ(写真)を使ったCRMのテストを開始するが、使用する動画素材は8月、社内に開設した撮影スタジオ「TENSTA」で制作してサポートする。専用キャラクターをつくり、商品を説明したりゲーム感覚で商品の継続購入を促す考え。同様の販促はARでも行っていく。

    IoTはネット通販をどう変える? CRMや接客などを支援する楽天、ヤフー、天真堂の取り組み 組立式3Dメガネ

    各IoT製品とECをつなぐ

    IoT製品と通販をつなぎ、新しいサービスを生み出す仕組みも出てきている。ヤフーは昨夏からIoT製品とECを含むウェブサービスを組み合わせ、利用者が便利なサービスを享受できるスマホアプリ「myThings(マイシングス)」を配信中だ。

    例えば、「Yahoo!防災速報」と家電製品を操作できるリモコン端末「iRemocon」を組み合わせて、地震情報が出たらテレビをつける(地域設定、震度X以上で発動の設定も可能)といった設定や、EC関連では仮想モール「ヤフーショッピング」で実施中のセールや設定したキーワードに関連する商品が発売された際にメールで知らせたり、ネット競売「ヤフオク!」で最高額入札者でなくなったらスマホのプッシュ通知で知らせるなど様々なサービスを受けられるもの

    ヤフーではIoTの次なる試みとして9月に事業者向けにIoTプラットフォーム「マイシングスデベロッパーズベータ版」を公開。ウェブサービス提供社やIoT製品のメーカーなどが当該サービス・製品のAPI情報を公開することで、ウェブサービス提供やメーカーなどが当該情報を活用した新サービス創出や機能拡張による製品価値向上、開発工数削減などにつながるという。

    例えば、家電メーカーが自社製品とECサイトのAPIを連携させることで洗剤やペットフードなどの日用品などの補充が必要となった際に自動的に当該商品を通販サイトの買い物カゴに入れるようなサービスが提案できるようになるという。通販事業者にとっては自社サイトのAPI情報を公開しておくことで様々なIoT製品が連携し、それ経由で商品が売れるなどの新たな購入のきっかけが生まれる可能性も出てくるよう。どのような製品と通販が融合して新たな商品・サービスが誕生するか。注目されそうだ。

    通販新聞

    野村総研 2022年度のBtoCEC市場を26兆円と予測

    9 years 8ヶ月 ago

    野村総合研究所は11月21日発表した「ICT・メディア市場の動向分析・市場規模予測」で、2022年度にB2C EC市場が26兆円に成長すると予測した。2015年度のB2C EC市場は15.4兆円となっており、7年後に約1.7倍の市場になるとしている。

    今回の調査で対象としたのはBtoC向けの商品・サービス。金融サービス、音楽・映像などのデジタルコンテンツなどは対象外となっている

    市場の成長はスマートフォンの普及により、自宅のPC経由だけでなく、時間や場所を問わずに便利にECを利用できるようになってきたためで、特にアプリからのネット接続が増加するとしている。これにより、「Apple Pay」や「Android Pay」など、スマホのプラットフォームを活用したスマートペイメントも拡大すると予測している。

    また、インターネット広告ではアプリ内のリワード広告や、SNSを活用した新たな広告手法が登場し、こうした広告が拡大するとしている。インターネット広告市場全体は2015年の9194億円から2022年には1兆2725億円に拡大し、そのうちモバイル向けの広告の比率が、2015年の42%から2022年には60%へ増加するとしている。

    同調査は、ICT(情報通信技術)とメディアに関連する主要5市場(デバイス・ネットワーク・プラットフォーム・コンテンツ配信・ソリューション)について、国内と世界(一部)での動向分析と5年後までの市場規模を予測したもの。

    中川 昌俊

    ネットショップ担当者フォーラム編集部

    ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

    読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

    中川 昌俊

    三越伊勢丹が中国ECを本格始動、アリババ「天猫国際」の「ブラックフライデー」から

    9 years 8ヶ月 ago

    三越伊勢丹グループは中国向けのネット通販を本格始動する。アリババグループが運営する「天猫国際」に旗艦店をオープン、11月25日から始まる大型キャンペーン「ブラックフライデー」に合わせて本格的な商品販売を始める。

    三越伊勢丹ホールディングスは11月、日本の百貨店業として初めて中国向けECに本格参入すると発表していた。

    日用品が多い他の出店ブランドとの差別化を図るため、三越伊勢丹グループの独自商品を中心に商品を取りそろえた。ファッション衣料、雑貨、化粧品、食品およびリビング用品など数百型から取り扱いを開始。日本ブランドは随時追加し、2017年春以降は、デザイナーとのコラボレーション企画などブランド、アイテムを増やしていくという。

    今後は、修理加工といったアフターケア、商品を体験できるポップアップショップなど、中国のグループ店舗ネットワークを生かしたサービスを提供する予定。

    三越伊勢丹グループの店舗では、海外からの渡航者が多数来店。直近1年間の免税売上は約410億円にのぼったという。その約7割を占めるのが中国消費者。三越伊勢丹グループは独自商品などを用意し、中国消費者の開拓を進める。

    三越伊勢丹が中国ECを本格始動、アリババ「天猫国際」の「ブラックフライデー」から

    「天猫国際」内に構えた三越伊勢丹の旗艦店(画像は編集部がキャプチャ)

    三越伊勢丹グループとアリババグループの両社のトップは以下のコメントを発している。

    三越伊勢丹ホールディングス 大西洋 代表取締役社長

    天猫国際に出店し、私たちの商品を中国のお客さまに紹介できることになった。三越伊勢丹サイトでは、日本の「安心・安全」な商品を数多く取りそろえる。ファッショントレンド衣料、質の高い雑貨アイテム、化粧品、ベビー用品をはじめ、当社のオリジナル商品の他、今後は当サイトの限定商品や、人気の高い食品類も紹介し、お客さまの要望に応えていく。このサイトでの買い物をきっかけに、1989年から出店している当社グループの中国店舗、日本の店舗の利用促進にもつなげることで、認知度向上と収益拡大をめざしていく。

    アリババグループ ダニエル・チャン CEO

    日本最大の百貨店グループ・三越伊勢丹が「天猫国際」に出店したことで、中国の消費者は日本の高品質な商品と出会う機会が増えた。アリババグループの小売プラットフォームには4.39億人のアクティブコンシューマーがいる。日本のマーチャントやブランドにとって、アリババは単なる販売チャンネルではなく、消費者とコミュニケーションをとり、新商品をテストし、ブランドの認知度を向上させることができるプラットフォームだ。より多くの日本のマーチャントやブランドに「天猫国際」へ出店いただくことを期待している。

    瀧川 正実

    ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

    通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

    瀧川 正実

    「Google アナリティクスを見るのはもう疲れた……」そんなあなたにAIはいかが?【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

    9 years 8ヶ月 ago

    Google アナリティクスを必死に覚えるよりも、ちょっとした費用を払ってAIにショップの分析をお任せしてしまった方が早いかもしれません。クリエイティブや写真など、人間が時間をかけるべきことに注力した方がもっと伸びると思います。

    サイト改善はAIに任せた方が早いかも

    AIを用いたECサイト改善で「商品力に左右されるEC」から脱却へ WACULの大津さんと語る|ECzine
    http://eczine.jp/article/detail/3741

    まとめると、

    • 「AIアナリスト」の解析結果から、効果的な導線がわかる
    • 「AIアナリスト」を実装した約46%が、予測していた成果を上回っている
    • カートへの到達率と購入率も別々に出せる

    例えば、一覧ページのパフォーマンスがよくないというデータが出ることがあります。トップから入った場合でも、詳細から入った場合でも、一覧ページを見るとすごくマイナスに働くということです。このような場合にAIアナリストを設定し、検索軸やどういう機能を使った一覧なのか、値段、人気、色で絞ったりというように、1つひとつURLでグループ分けしてみます。すると、どの結果がプラスに働き、マイナスに働くのかがわかってきます。

    ─WACUL 代表取締役 大津 裕史氏

    拙記事で恐縮ですが、人工知能によるWebサイト解析「AIアナリスト」を手がける株式会社WACUL(わかる)の大津氏との対談記事です。

    AIの良い点は進化するところにありますので、今は分からないことが分かってくることも楽しみではあります。

    忙しいネットショップ担当者にとってはAIがアドバイスしてくれて、それが成果につながれば万々歳ですよね。アクセス解析に時間がかかっているショップは導入を検討してもいいと思います。

    「カートに入れる」という行為がない世界

    Google Assistant搭載デバイス「Google Home」レビュー|SEMリサーチ
    http://www.sem-r.com/google-2010/20161118091717.html

    まとめると、

    • Googleの音声アシスタントデバイス「Google Home」は、Googleアカウントを紐付けてWi-Fiを設定すれば使用できる
    • 2016年11月現在、対応しているのは英語(米国)のみ
    • 文法の間違いは補正してくれる
    • 複数人で使用する場合の使用方法は不明

    Apple Siri や Microsoft Cortana、Google Now と決定的に違うことは、コンピューターのために正確に発話してあげようという意識が不要なほどに、きちんと理解してくれることです。近くのテレビを視聴しているという騒音がある中で、普通に人に話しかけるような感覚で質問しても Google Assistant は理解して回答してくれます。確かに自然かつ直感的なインターフェースです。

    今後、デリバリーサービスや宿泊予約など、さまざまなサービスが Google Home に対応してアシスタント的に音声で取引ができるようになると世界が変わりそうです。

    本当に世界が変わりそうな予感ですよね。こちらの記事にもあるように、言語の壁がなくなる日も近づいています。

    検索キーワードにも音声入力らしきものも増えていますので、Google アナリティクスやリスティング広告の管理画面でご確認を。

    あなたのショップの地域特性は?

    【通販の都道府県ランキング】最もお金を使う地域は? スマホEC利用率が高いのはどこ?|ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/3682

    まとめると、

    • 年間通販利用金額、利用率の1位は東京
    • スマホでの通販利用率は沖縄、PCでの通販利用率は北海道が1位

    パソコンはちょっと難しそうな感じがしますが、スマホは簡単な操作で誰でも扱えるもの。おおらかな沖縄や九州の人たちにピッタリだからスマホ利用率が高いのでしょう。逆に、北海道の人たちは何事にも几帳面、特に支払いなどについてはキチンとしているため、スマホよりもパソコンを利用していると思われます。

    —県民性研究家・矢野新一氏による「通販にみる県民性分析」

    こうした県民性のデータは皆さんのショップではどうなっているでしょうか? 広告の出稿量を都道府県で調整してもいいかなと思います。

    関連記事

    EC全般

    楽天サーチに異変!「価格比較が強まる」傾向に | コマースデザイン
    http://www.commerce-design.net/blog-staff/161117-rsearch/

    まだまだ仕様が確定していませんが、影響が大きそうな変更です。

    楽天、おひとり様向けクリスマス特集コンテンツ「ひとりぼっちで過ごすボチ郎のひとリマス」公開|MarkeZine
    http://markezine.jp/article/detail/25607

    クリスマスプレゼントの検索は11月、購入は12月がピーク【Criteo調べ】|ECのミカタ
    https://www.ecnomikata.com/ecnews/11954/

    子どもと話しながら検索して直前に買うという流れでしょうか。

    「広告が高くて買えない」ECサイト必読!検索キーワードから課題を探す16のチェックポイント|ECzine
    http://eczine.jp/article/detail/3808

    知恵を出せばわかってくることがあります。広告がダメだと思わないこと。

    ヤマト運輸に労基署が是正勧告、元ドライバー「アマゾンを扱うようになって人手不足」|弁護士ドットコム
    https://www.bengo4.com/c_5/n_5357/

    LINEトークで再配達依頼、ヤマト運輸が問い合わせ機能を強化 | 通販通信
    http://www.tsuhannews.jp/...

    再配達をできるだけ減らせるような仕組みもありますが、根深い問題です……。

    業界初の下取り割引サービス「買い替え割」を開始 | 株式会社スタートトゥデイ
    http://www.starttoday.jp/?p=17791&cat=31

    先日のツケ払いに引き続き、今度は下取り割引。どんどん攻めてきます。

    Yahoo!ショッピング、Tポイントが”毎日10倍”に|ECのミカタ
    https://www.ecnomikata.com/ecnews/12168/

    Yahoo!ショッピングは引き続きポイント攻勢です。

    注文から1時間以内に配送 Amazon「Prime now」、東京23区全区が対象に|ITmedia
    http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1611/15/news099.html

    Amazonは利便性の追求。

    ロコンド、2017年に上場を計画か | Shopping Tribe
    http://shopping-tribe.com/news/34210/

    黒字化したと思ったら上場!

    今週の名言

    現代人は「いつでもつながっていること」が当たり前になってますが、実は「止まる時間」への需要が高まっていたのです。

    日本一人口の少ない鳥取県が、自県の可能性を再発見するために行ったこととは? 弱さは共感を生む|ダイヤモンド・オンライン
    http://diamond.jp/articles/-/107436

    流行るものがある一方で、その裏側の需要もあります。常に裏表を意識しましょう。

    森野 誠之

    運営堂

    運営堂代表。Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。現在はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析を活用したサイト・広告改善支援を中心にWeb制作会社と提携し、分析から制作まで一貫してのサービスも開始。豊富な社会・業務経験と、独立系コンサルタントのポジションを活かしてWeb制作や広告にこだわらず、柔軟で客観的な改善提案を行っている。理系思考&辛口の姿勢とは裏腹に皿洗いを趣味にする二児のパパ。

    森野 誠之

    楽天の年間流通額を1日で超えた中国の「独身の日」まとめ[EC流通額は約2.7兆円]

    9 years 8ヶ月 ago

    ネット通販各社による大規模セールが行われた中国の「独身の日」商戦。阿里巴巴集団(アリババグループ)のECモール「天猫」では1207億元(日本円ベースでは約1兆8708億円)の流通総額(GMV)を記録。京東集団(ジンドン)や蘇寧電器といった大手ECサイトの流通総額を合わせると、1日で1770億元(日本円で約2兆7441億円)もの買い物が中国のECサイト上で行われたそうです。11月11日の中国EC市場における流通総額、主なトピックなどをまとめました。

    楽天の年間流通額2.6兆円を1日で抜く「独身の日」

    「独身の日」(別称はダブルイレブンやシングルズデー)はアリババグループがネット通販の普及を目的に2009年から開始した商戦イベント。現在は中国の他のECサイトも大規模セールを仕掛けています(ちなみに、京東集団は6月18日が会社設立記念日で、その日にも大規模セールイベントを行っています)。

    中国では12月12日(ダブル12)など年間を通じていくつもの大規模セールが行われていますが、最も大きいとされるのが「独身の日」。2016年の「独身の日」は、中国のEC専門メディア「ebrun」によると、1日で1770億元もの買い物が中国のECサイト上で行われたとそうです。

    「楽天市場」など楽天の国内EC事業における流通総額は2兆6748億円(2015年12月期)。日本最大手のECプラットフォームの楽天さんが1年間で流通させる取扱高を、中国EC市場は1日で突破した計算になります。

    アリババグループが発表している情報、「ebrun」が報じた大手EC企業の流通額をまとめると次のようになります。

    楽天の年間流通額を1日で超えた中国の「独身の日」まとめ[EC流通額は約2.7兆円] 天猫 Tmall 1207.4億元、京東 JD.com 401.9億元、蘇寧 Suning 38.9億元、国美 GOME 33.6億元、1号店 Yihaodian 23.0億元、アマゾン中国 amazon.cn 17.7億元、その他 47.8億元
    ECプラットフォーム発表資料、「ebrun」報道などからネッ担編集部が作成
    • 天猫(Tmall)→ アリババグループが運営するBtoC型のECモール。天猫国際(Tmall Global)は越境EC専用チャネル。
    • 京東(JD.com) → 直販モデルで中国最大手。海外企業向けのBtoCオンラインショッピングサイト「京東全球購(JD Worldwide)において、日本製品専門サイト「日本館」を2015年に開設し。ヤマトホールディングスも提携している。
    • 蘇寧(suning.com)→ 中国の家電量販店である蘇寧電器が運営するECサイト。中国EC最大手アリババグループも出資している。
    • 国美(GOME)→ 中国の家電量販店である国美電気。ビッグカメラと提携し、2015年にECサイト「国美海外購」内に日本製品を専門に扱う越境EC「国美海外購日本館(日本館)」を開設している。
    • 1号店(Yihaodian) → 米小売り大手ウォルマート・ストアーズの子会社だったが、2016年に京東集団が買収した。
    • アマゾン中国(amazon.cn)→ Amazonの中国サイト。
    楽天の年間流通額を1日で超えた中国の「独身の日」まとめ[EC流通額は約2.7兆円] 天猫 Tmall 1207.4億元、京東 JD.com 401.9億元、蘇寧 Suning 38.9億元、国美 GOME 33.6億元、1号店 Yihaodian 23.0億元、アマゾン中国 amazon.cn 17.7億元、その他 47.8億元
    「独身の日」の流通額の主な内訳(ECプラットフォーム発表資料、「ebrun」報道などからネッ担編集部が作成)

    中国郵政局(旧郵政省に相当)の調査によると、「独身の日」当日、各大手ECサイトでの注文によって3.5億件を超える配達/物流オーダー数が発生し、前年比59%も増えたといいます。

    また、イベント当日に各郵便局や宅配企業が処理した件数は2.51億件で、2015年比で52%も増加。11月11日から11月16日までの6日間で、処理する配達件数は10.5億件を超える見通しです。

    「ebrun」によると、2016年の「独身の日」は、例年に比べて販促方法などに大きな変化が見られたそうです。例年、各プラットフォームでは「5割引き」といった大型割引の実施をイベント参加の必須条件としていましたが、2016年は「代引き」「高品質の顧客サービス」など顧客サービスを提供する店舗の参加を重視しました。

    また、例年は各大手プラットフォーム同士が“口撃”し合う「広報戦」が繰り広げられていましたが、2016年は影を潜めたそうです。各プラットフォームは国内外のスターを招き、イベントの生放送などを通じて祝日のようなショッピング雰囲気を醸成。販促ためのエンタテイメント性を重視していました。

    アリババと京東が公表した「独身の日」の数値やトピックは次の通り。

    表 「天猫」と「京東」の「独身の日」の主な数値など
    名称天猫京東
    流通額1207億元402億元
    伸び率32.3%59%
    モバイル比率82%85%
    主なトピック
    • 流関連会社ツァイニャオサプライチェーンマネージメント社(取引データを提携する物流会社や倉庫会社に提供する業務)が処理した配送件数は6億5700万個
    • 関連事業のオンライン決済サービス「Alipay(支付宝)」を通じて決済処理された取引は10億4000万
    • 235か国から注文があった
    • 全体購入者の37%が海外製品を購入した
    • アパレルなどのLeeの旗艦店では、昨年同日比43倍の受注だった
    • トラベルバッグなどのTUMIの旗艦店では、昨年同日比20倍の受注だった

    瀧川 正実

    ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

    通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

    魯 玉芳

    瀧川 正実, 魯 玉芳

    「HOME'S」と日管協と連携、空き室を利用した不正注文の防止策実施へ、楽天

    9 years 8ヶ月 ago

    楽天と住宅情報サイト「HOME'S(ホームズ)」を運営するネクスト、及び日本賃貸住宅管理協会(以下、日管協)は11月18日、共同で不正注文防止およびおとり物件対策を目的とした取り組みを開始した。

    近年、盗んだカード情報を使って商品を注文し、空き家を悪用して荷物を受け取り、転売する事例が多く発生している。

    これに対抗するため、ネクストは「HOME'S」に掲載されている空室情報を楽天に提供。楽天では空室情報と注文情報を照合し、浮かび上がった物件についてはさらに精査の上、疑わしい注文だった場合、登録店舗に注意を促す。加えて、疑わしい注文の配送先と合致した物件情報については日管協へ連携し、日管協より当該物件の管理会社へ空室の管理方式の再確認等の注意喚起を行う。

    今年8月に、掲載物件の一部を連動させて試験運用を行ったところ、おとり物件または更新もれ物件と思われる情報が一定数検知されたという。

    現在は試験運用の段階だが、来年度から本稼働を目指す。また、ネクストでは今後、他のECサイトにも呼びかけて、物件情報の精度向上を図っていくとしている。

    中川 昌俊

    ネットショップ担当者フォーラム編集部

    ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

    読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

    中川 昌俊

    Amazon、旅番組内で紹介した商品の販売を開始

    9 years 8ヶ月 ago

    アマゾンジャパンは11月18日、「Amazonプライムビデオ」で配信中の番組で紹介した商品を、Amazonのショッピングサイト内で販売する取り組みを開始した。Amazonプライムビデオを鑑賞しているユーザーは、Amazonプライムに加入しており、ショッピング意欲も高いと考えられることから、こうした連動を行うことで、新たな需要の創造を図る。

    新たな番組「おもてなしグルメ旅 北海道タカトシ編」はプライム・ビデオのオリジナルコンテンツで全4話を制作。タカアンドトシと一緒に北海道グルメを食べたいゲスト (横澤夏子やハリセンボン・はるかなど) が現地を旅しながらグルメを堪能する“グルメ&旅”バラエティ番組。

    視聴者は番組内で登場する地域の名産品を「Nipponストア」内番組特設ページで購入できる。また、番組で紹介された商品のセット販売も予定しており、同じ商品を使った同じ食事を味わえるようになっている。

    「おもてなしグルメ旅 北海道タカトシ編」

    中川 昌俊

    ネットショップ担当者フォーラム編集部

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    中川 昌俊

    中国EC市場で成功するには? 「独身の日」の日本勢9社の越境EC事例を学ぶ | 通販新聞ダイジェスト

    9 years 8ヶ月 ago

    今年も中国における年間最大のネット販売セールが11月11日の「独身の日」に行われた。アリババグループが運営する中国最大手の仮想モール「Tモール(天猫)」でのセールでは流通総額が前年比3割増となる1.9兆円に達するなど相変わらずの勢いを見せている。アリババによれば今年の「独身の日」のセールにおける海外勢(越境EC)の国別売上トップは日本だったとしており、日本からも多数の企業が参加し恩恵を得ているようだ。とは言え、今年は越境ECに関する税制変更などの影響もあり、伸び悩む日本の事業者もいるよう。中国向け越境ECを行う注目すべき日本の通販実施企業の今年の「独身の日セール」における状況を見ていく。

    独身の日のアスクル(LOHCO)、ケンコーコム、キリン堂、トーキョーオタクモード、千趣会、ヤーマン、白鳩、Hamee、楽天の販売状況を調査

    【アスクル】 開始30分で前年突破、日商13倍

    まずは中国向け越境ECで売れ筋となっている日用品を販売する各社の状況から見ていく。

    アスクルが運営する日用品通販サイト「LOHACO(ロハコ)」における「独身の日」の売り上げは出店するアリババの越境仮想モール「天猫国際(Tモール・グローバル)」の店舗で売れ筋のスキンケア商品を軸に開始早々から売り上げを伸ばし、セールスタート後、30分間で昨年の「独身の日」の売上実績を超える勢いで推移し、最終的な日商は昨年比で約13倍となり、好調に着地したようだ。

    「ロハコ」ではアリババが開設した「独身の日」セール用の特集サイト内でバナー広告やリスティング広告、クーポンでの値引きなどを実施。また、「独身の日セール」前の販促策として「ロハコ」で商品を販売するメーカーなどと共同で都内、また、直近では6月に上海でブロガー向けの商品体験会を実施したり、11月3日には「Tモール」のアプリ上の動画配信ツールを活用し、上海の有名タレントブロガーを東京・豊洲のアスクル本社に招待し、2時間に渡って「ロハコ」商品の紹介を行うなどの試みを実施した。ちなみに当該動画には配信した2時間で273万の「いいね」がついたという。

    こうした販促策の効果も加わり、ユニチャームのウェットティッシュ「シルコット」やロートのシミ対策美容液「メラノCC」、資生堂の浸透美容液ヘアマスク「fino(フィーノ)」、ハーバー研究所の「美白福袋」などスキンケア商品を軸に売れ行きを伸ばした。

    「ロハコ」は昨年9月にTモール・グローバルに出店。売れ筋の化粧品やヘアケア商品、生理用品など40品目に絞って越境ECを開始し、11月11日を前に取扱商品数を300点に拡充して初の「独身の日」セールに臨んだが、「越境ECを開始して間もなく、準備期間がなかったこともあり中国の消費者ニーズへの対応ができなかった」として目玉商品が早々に完売してしまうなどで集客面に影響が出て、期待値に届かなかったよう。今年は「(昨年の)反省と消費者ニーズを踏まえ、夏場から準備を進めた結果、売れ筋のスキンケア商品などを中心にしっかり品ぞろえすることができた」(同社)ことで好調な結果につながったとしている。

    独身の日のアスクル(LOHCO)、ケンコーコム、キリン堂、トーキョーオタクモード、千趣会、ヤーマン、白鳩、Hamee、楽天の販売状況を調査
    アスクルの最終的な日商は昨年比で約13倍

    【ケンコーコム】 1日で“3カ月分”目薬などが売れる

    ケンコーコムの売り上げは昨年とほぼ同等の結果に。通常の日と比べて3カ月分程度の売り上げだった。目薬などの一般用医薬品の販売が好調という。販促としては、クーポン配布、SNS配信などを実施した。

    最近の中国向け越境ECについては、「仮想モールから出店店舗への要請に基づく価格競争の激化が、消費者の購買行動を活性化させており、仮想モール全体の高い流通額につながっている」と分析。また、課題としては、来年5月に予定されている税制変更を挙げた。

    キリン堂 コスト増加で事前に下方修正

    一方、ドラッグストア大手のキリン堂の今年の「独身の日」の売り上げは好調だった昨年から一転、苦戦したようだ。昨年は事前に在庫を確保して、「天猫国際」を通じてノンシリコンシャンプーなどを軸に売り上げを伸ばし、当日1日で4億5000万円を売り上げた。しかし今年は実数は明らかにしていないものの、「売り上げではなく利益を重視した」(キリン堂ホールディングス経営企画部)と前年の規模を下回ったもよう。

    同社は10月6日時点で中国向け越境ECでの売り上げ計画を大幅に下方修正している。期初計画では今期(2017年2月期)は前期比3倍となる30億円を見込んでいたが、前年比48%減の4億9400万円と大幅に下方修正していることからも中国向け越境ECが苦戦していることが分かる。今年4月の税制変更によりキリン堂が扱う商品の税率が上がったこと。また、6月からEMSの料金が値上げ、そこに円高が追い打ちをかけているようだ。

    キリン堂によると、現状のままでは「売れば売るほどコストがかさむ」(同社)という状況。そこで今年の「独身の日」では「値引き合戦に加わるのはやめようと判断した」(同)。利益優先の戦略を選んだ結果、価格競争力を欠いてしまい、より安い売り場に顧客が流れてしまったとみられる。

    トーキョーオタクモード 保税倉庫活用でCV率は5倍

    日用品と同じく中国の消費者から人気の高いアニメやゲームの関連グッズを販売する企業の状況はどうか。「天猫国際」経由で海外向けにアニメやゲームのキャラクターグッズなどの中国向け越境ECを行っているトーキョーオタクモードでは今年の「独身の日」の戦略として、売り上げではなく利益を重視した。「円高やEMSの値上げにより同じ商品が去年の1.3倍の価格になっている」(同社)ためだ。昨年は全商品20%引きで販売したが、今年は10%引きと割引率を変更。その結果、今年の「独身の日」の売上高は前年比微増、利益は2.5倍と、当初の計画はクリアした。

    同社では今年の4月から中国の保税倉庫の活用を開始。取り扱っている3000SKUのうち、「独身の日」のために中国で人気が高いぬいぐるみとポシェットの10SKUに絞って現地の倉庫に預けておいた

    保税倉庫の商品は日本から送る商品に比べて送料が安くなるだけでなく、届くまでのリードタイムも短くなるため現地の消費者からも人気がある。実際、「独身の日」の当日は保税倉庫で保管していた商品のコンバージョン率は通常時の5倍に向上した。

    売れ筋商品はうさぎのぬいぐるみ「ぽてうさろっぴー」だ。「ぽてうさろっぴー」はもともと日本のゲームセンター用に展開されていたもので、色や大きさごとに複数の種類があり、ポシェット状のものもある。トーキョーオタクモードでは「ぽてうさろっぴー」の人気が高いことから数量を絞って保税倉庫に預けていた。

    その結果、「しろっぴー」というキャラクターのぬいぐるみは保管していた250個が事前の予約期間内に2週間で完売。「ぽてうさろっぴー」の小さなサイズで赤い目のタイプも人気だったようで、通常の月間売り上げの5倍程度が売れた。ポシェットもヒットし普段の月商の3倍を売り上げた。

    また、今回の「独身の日」に合わせて、アリババが提供するVR(仮想現実)技術を使った販促を実施した。これはアリババが世界で6社を選んで提供し、日本ではマツモトキヨシとオタクモードの2社だけ。他にはアメリカのメイシーズやコストコなどが名を連ねている。

    このVRの仕組みは、専用の装置を目元に装着すると画像にリアル店舗の360度画像が映され、ユーザーは中国にいながら、各国の土地でショッピングを疑似体験できる。目の焦点を合わせるだけで画面内の商品を購入することも可能だ。

    アリババではこれを「独身の日」の目玉企画として専用デバイス50万台を用意して会員に配布した。11月1日から先行してVR購入を開始。オタクモードはEC専業のためリアル拠点がなかったが、東京・秋葉原の実店舗を借りて商品を陳列し、一時的な店舗を特設した。35SKUで臨んだところ、「毎日オーダーは入ったが、爆発的には売れなかった」(同社)としている。

    【千趣会】 「天猫」の育児部門で10位

    このほかで注目される事業者を見ていく。千趣会は、「Tモール」を通じて“独身の日商戦”に臨み、昨年以上の成果を上げたようだ。モール側からは、とくに育児カテゴリーで期待されていたため、連携をとりながら販促を含めた売り場作りを実施し、売り上げは前年比108%増となり、育児部門では前年の21位から10位にランクイン。日本勢ではユニクロ、花王に続くトップ企業になったという。

    とくに売れたのは子供服で、寒くなった時期ということもあり、可愛いデザインのパンツを中心に暖かく着られる商材がヒットし、一番売れた商品は当日の午前1時半過ぎには完売したという。

    千趣会では、広告宣伝費は前年の2倍を投下。施策の中身は今年の宣伝トレンドに合わせて大きく変え、販促の一例としては、当日の購入金額上位20人に「日本への旅行プレゼント」企画を展開し、まとめ買いを促した。また、通常時の割引き販売を控え、ブランドイメージを保つようにすることで、独身の日の割引きインパクトが強くなるようにしたという。

    同社によると、独身の日商戦は、「当日もしくは11月のイベントというだけでなく、年間を通じての準備や普段の土台作りが必要」としており、モール側との日頃の情報連携が不可欠のようで、他社との差別化を図りながら、宣伝を工夫し、新規顧客を囲い込んで市場シェアを確保することができたようだ。

    また、顧客サービスの面でも競争が激化しており、とくに出荷品質が差別化のポイントになるという。大規模な数量の受注をいかに他社に負けない出荷スピードを保てるかが、売り上げの拡大とともに来年以降も課題になるとしている。

    【ヤーマン】 美顔器と痩身機器セットが完売

    ヤーマンは「独身の日」向けに提案していた美容家電2アイテムのセットが完売し好調だった。また、美顔器などの単品商品には「独身の日」向けに在庫数を増やしており、全数を完売した。

    「独身の日」では10アイテムを販売。限定セットとして「RFボーテ フォトPLUS&キャビスパEX カップルセット」を用意し、通常価格5280元を4299元で販売した。このほか、美顔器やローラー、脱毛器などについても、在庫を増やしていた。

    同社は「独身の日」当日前から広告展開を積極化していた。トップページ上にバナーを掲載するなどの認知度向上策が奏功し、当初の予定通りの販売数を達成した。

    従来から中国のEC市場に向けて、雑誌やウェブなどの女性向けメディアへ露出を強化していたほか、中国インフルエンサー向けの情報提供や体験会の開催などを通じて認知度を向上していたという。「独身の日」をきっかけに、購買促進につながったようだ。

    【白鳩】 主力のブラジャー好調な売れ行きに

    白鳩は広告の露出を増やせなかったほか、前年の「独身の日」で好調だったタイツなどが伸び悩んだものの、主力商品のブラジャーが好調だったことなどで前年並みの売上高で推移した。

    売れ筋となったブラジャー「モードマリー脇肉革命3/4カップブラ」はオリジナル商品で、予約販売時点でブラジャー部門の売上ランキングのトップとなっていたという。ノベルティに調整ホックを付けてたことが購入意欲喚起につながったようだ。あわせて、自社アカウントのSNSを活用して1分間の動画を配信し、20歳から34歳の若年層へ認知度を向上したことが奏功したようだ。

    今回の「独身の日」商戦では、配送体制を変更。現地倉庫に在庫を構えて、発送スピードの迅速化と業務の効率化を図った。これまで、日本から直送するモデルで展開していたが、配送遅延によるペナルティを回避する必要があると判断した。これと併せて、配送業者も変更したという。

    【Hamee】 普段の日の6倍独自商品が好調

    Hameeの売り上げは普段の日と比べて5~6倍。同社では「もう少し伸びるかとは思っていたが、天猫国際側のイベントに参加できなかったことが、想定に届かなかった理由だろう」と分析する。同社が天猫国際に店舗を開設したのは、10月だったため、天猫国際の準備するイベントに参加できなかった。

    売れ行きが良かったのは同社オリジナル商品。「高い価格でも本物や安全を買いたいというユーザーが多く、日本の会社が企画・生産したものを直送するという点に価値を感じていたようだ」(同社)。ただ、登録商品数が少なかった点は反省材料という。

    キャンペーンとしては、全品20%割引と、◯◯元以上の利用で10%割引という2種類のクーポンを配布。ルーレットゲームを用意し、「お気に入り登録」するとゲームができるようにした。

    最近の中国市場の動向については「動画や生放送を見てからの購入が増えている印象。消費者の『安く買いたい』というスタンスは変わらないと思うが、そこに安心感や買う理由などが付加されはじめているのではないか」(同社)とした。

    【楽天】 前年の“倍以上”過去最高額を記録

    楽天は楽天市場に出店する店舗専用の楽天市場「Rakuten Global Market(楽天グローバルマーケット)」に加えて、楽天として出店している中国現地の有力仮想モール「JDワールドワイド」や「カオラドットコム」における販促も強化した。

    楽天グローバルマーケットでは、独身の日向けの専用クーポンを用意し、SNS(ウィーチャットやウェイボー)への露出も図り、中国の消費者からの利用を喚起。独身の日における中国市場向けの売上については、昨年と比較して倍以上の過去最高額を記録した。同社では「出店している中国現地のECモールの協力もあり、まだまだ成長の余地はあるものの、十分な売上げだった」とする。

    特に売れ行きが良かったのは、シャンプー、北海道の菓子、フィギュア、運動用品、バッグ、子供服、時計。日本モデル、日本製のブランドが支持されており、独身の日に向けて、それぞれ一気に商材を拡充し、多くの商品の中から選べるようにした。特に、シャンプーはメーカーと協力し、中国全土で最安値レベルの特別価格とし、事前告知も奏功した。

    通販新聞
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