ネットショップ担当者フォーラム

ニトリが物流業務にロボットを採用、ピッキングの自動化などを実現し効率作業を実現

9 years 8ヶ月 ago
ニトリグループのホームロジスティクスがロボットのシステム「AutoStore(オーストラリア)」を導入

ニトリは3月11日から、ロボットが物流センターで入出庫を行い、効率的なピッキングを実現する取り組みを始めた。取扱アイテムや物量の拡大、人手不足などに対応するためにロボットのシステム「AutoStore(オーストラリア)」を日本で初めて導入。1日あたり50人の省人化が実現できるという。

ニトリホールディングス傘下で、ニトリの通販物流業務の代行事業などを手がけるホームロジスティクスが、神奈川県川崎市の通販発送センターに導入した。

「AutoStore(オーストラリア)」は、グリッド上のロボットが高密度に収納されたコンテナの入出庫を行う次世代ロボットストレージシステム。コンテナを隙間なく積み上げて収納できるため、一般的なスタッカークレーン式自動倉庫の約2倍、平置き棚の約3倍の収納力があるという。

出庫はグリッド上のロボットが縦横無尽に走行、目的のコンテナを吊り上げ、ピッキングステーションへ自動搬送する。スタッフはピッキングが定位置で行えるため、作業者の負担を軽減。ミスのない効率的なピッキングを実現する。

「AutoStore(オーストラリア)」は、岡村製作所がノルウェーのJakob Hatteland Computer社と提携し販売を行っているロボットストレージシステム。

ニトリが物流業務にロボットを採用、ピッキングの自動化などを実現し効率作業を実現、ニトリグループのホームロジスティクスがロボットのシステム「AutoStore(オーストラリア)」を導入

60台のロボットがグリッド上を縦横無尽に走行し、商品の入ったコンテナを入出庫

ホームロジスティクス 通販センターにおける導入効果(想定)

  • 作業効率(生産性)3.75倍向上
    以前は作業者が紙の指示書に従って庫内を歩き回って棚から商品をピッキング。「AutoStore」導入で、商品がピッキングステーションに自動で運ばれてくるため作業者の負担・ミスを軽減、作業効率がアップ
  • 在庫面積40%削減
    通路スペースの削減、上部空間の活用で高密度に保管でき、省スペース化と在庫保管能力の向上を実現
  • 自由な拡張性
    取扱アイテム・物量の増加や能力増強に対して、稼働を止めることなくコンテナやロボットを増設するといった柔軟な対応が可能

ニトリが物流業務にロボットを採用、ピッキングの自動化などを実現し効率作業を実現、ニトリグループのホームロジスティクスがロボットのシステム「AutoStore(オーストラリア)」を導入

ピッキングステーションでコンテナから商品をピッキング

ホームロジスティクスは2015年、通販企業などの物流業務を代行する事業の本格運用を始めている。全国60社以上の物流パートナー企業と連携。ニトリの物流業務も手がけるノウハウやネットワークを活用し、他社の物流業務をサポートしている。

2015年委は伊藤忠テクノソリューションズが提供しているクラウドサービス「Mobile Asset Management Service(MAMS)」を宅配サービスの基盤として採用。配送予定時間や配送状況などをウェブサイトやECサイトで追跡・確認することができるようにした。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

takikawa

あの超有名店長らが楽天市場の出店者をコンサルティングする「R-Nations」とは?

9 years 8ヶ月 ago
「R-Nations」を推進してきた城戸幸一郎執行役員に話を聞いた

楽天は4月から、有力店舗によるコンサルティングサービス「R-Nations(アールネーションズ)」の提供を開始する。対象店舗25店舗を2月中に決定し、すべての店舗で1年以内に月商1000万円の突破をめざす。楽天はこれまで、社員がコンサルタントとなり、出店者の成長をサポートしてきた。実績のある店舗が、楽天出店者をコンサルするサービスを始める経緯や狙い、今後について、「R-Nations」を推進してきた楽天の城戸幸一郎執行役員に話を聞いた。

「Z-CRAFT」近藤氏「SILVER BULLET」高木氏などがコンサルティング

――「R-Nations」とはどんなサービスなのですか。

「楽天市場」内で売り上げを伸ばすことができていない店舗に対して、自店舗を成功に導いてきた店舗がコンサルティングを行うことで、1年以内に月商1000万円を突破することを目標としたサービスです。

オープンから1年以上運営し、2015年下半期の流通総額が100万~300万あんどの条件に当てはまる店舗が主な対象となります。今回は、応募いただいた店舗の中から25店舗に限定してサービスを行う予定です。

コンサルティングを行うのは、楽天で有力店舗を運営する5人。「Z-CRAFT」の近藤武志氏、「SILVER BULLET」の高木孝氏、「イーザッカマニアストアーズ」の今石雄介氏、「北海道お土産探検隊」の小笠原航氏、「爽快ドラッグ」の小森紀明氏。それぞれ5店舗ずつコンサルティングしてもらう予定です。

――5人に白羽の矢が当たった理由は。

私の方で商品ジャンルのほか、それぞれの経歴から選びました。小森さんは大手企業の社員から社長になった方、近藤さんは企業の一部署の責任者としてゼロからECを始めました。高木さんはアパレル企業のEC担当からスピンアウトして社長になり、小笠原さんは家業を継いでECに参入し、今石さんはEC企業を起業された人といったように、異なった経歴を持っているので、さまざまな店舗に対応できると考えました。

今回の案を5人に相談すると、皆さんすぐに今回の趣旨に賛同いただき、参加いただけることになりました。

楽天SOY常連の5店舗がコンサルを行う

――コンサルティングを実施する対象店舗を選ぶ基準などは。

応募いただいた店舗の方に集まっていただき、5人の中からコンサルティングしてほしい人を選んでいただいた。そして、店舗の情熱などを見て、近藤さんや高木さんなどがコンサルティングを行う店舗を決めるという仕組みです。当初、この面談会は東京だけで行うつもりでしたが、参加希望店舗がかなり多くなり、急きょ東京と大阪の2回に分けて実施することになりました。

2月末までに支援対象店舗を決定し、3月中に契約。4月1日から支援をスタートしていく予定です。

最低でも月商2倍以上、完全成果報酬型で提供

――コンサルティングの内容は。

内容はすでに何度も打ち合わせをして、どのように進めていくかを共有しています。とはいえ、コンサルティングを行う中で、新たに浮き彫りになった問題点なども出てくると思います。そこはこれまで何度も自社でさまざまな経験をされている方たちばかりなので、基本的にはお任せして心配ないと考えています。

――料金体系は。

月額制ではなく、完全成果報酬型。2015年3月~2016年2月の平均月商をベースにして、このベース金額の2倍をコミットメントクリアとします。直近3か月の平均でコミットメントクリアとなれば、2倍より上回った分の10%を、コンサルティング開始時の流通額からコンサルティングフィーとしていただくという形になります。

わかりにくいと思うので具体的に数字にしてみます。たとえば、昨年の平均月商が100万円の店舗が、2016年4~6月の平均月商が180万円となった場合、コミットメントクリアとならないため支払いは発生しません。その後、5~7月が平均月商200万円、6~8月の平均月商が220万円になった場合、8月に初めて20万円の10%分、つまり、2万円のコンサルティングフィーが発生するというわけです。

9月までにコミットメントクリアにならなければ、9月末で店舗へのコンサルが終了となります。たとえ3か月の平均月商が1000万円を超えたとしても、1000万円を超えた部分は成果報酬の対象にならないようにし、成果費用が大きくならないようにしています。昨年の平均月商が100万円の店舗の場合、月商が1億円になっても、90万円のコンサルティングフィーしか発生しないということです。

500店舗へのコンサルティングに規模拡大めざす

――「楽天市場」はそれぞれの店舗に担当のECコンサルタントがついています。今回のサービスを利用した場合、従来のECコンサルタントはどうなるのでしょうか。

複数のコンサルタントが担当すると、施策が異なったり、寄せられる情報もそれぞれで異なってしまうことが考えられます。「R-nations」を利用している期間は、従来のECコンサルタント(ECC)は外すことにしています。もちろん、「R-Nations」によるコンサルティング期間が終わったら、そのショップの現状を知らないECCに代わるということを防ぐため、コンサルティングいただく有力店舗とECCの間では十分情報共有を行っていこうと考えています。

――25店舗へのコンサルティングサービスとして始まるが、今後広げていく予定は。

対象店舗は、今後もっと広げられると思っています。早期に100店舗の有力店に協力いただき、500店舗へのコンサルティングサービスにしていきたいと考えています。

今回のサービスは「楽天市場」らしいサービスだと思っています。「楽天市場」は始まった当初から店舗さん同士が協力し、ノウハウを共有し合うことで売り上げを伸ばしてきた歴史があります。

動画専門講座「RUx」も店舗さんがノウハウを公開している動画がたくさんあり、新春カンファレンスなどでも店舗さんが講師となってノウハウを共有してきました。

こうした、楽天らしさを十分に生かし、売り上げが止まってしまっている店舗を後押しすることで、さらにモール全体を活性化できればと思っています。

「R-Nations」を担当する城戸 幸一郎執行役員(右)と高山 武佐士 楽天市場事業楽天ネーションズグループマネージャー

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

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東北から「スター商品」を! フェリシモが物作りのノウハウ提供など新たな復興支援

9 years 8ヶ月 ago
東北地域の企業などが「スター商品」を生み出すための支援を手がける新事業「Startline」を開始

カタログ通販・ECのフェリシモは、東北地域の企業などが「スター商品」を生み出すための支援を手がける新事業「Startline」を始めた。対象は専用サイト「Startline」で会員登録した東北6県の会員登録事業者。新しい事業を通じて、東北復興を支援する。

▼「Startline」の詳細はこちら

「Startline」の事業内容は3つ。

  • 商品企画アカデミー
    「ユニークな商品コンセプト」を生み出すためのトレーニングを行い、ノウハウを提供。全8回のカリキュラム。大手企業との取引には必須となる品質基準や企画中の商品へのワンポイントアドバイスが受けられる個別相談会も行う。
  • 商品企画コンサルティング・マーケティングサポート
    「何を作っていいかわからない」「メーカーのネットワークがない」「商品があっても、販促ノウハウがない」などの悩みに、商品企画やマーケティングに必要なサポートを行う。
  • スター商品誕生オーディション
    全国に販路を持つ流通・小売の協力企業のバイヤーやプランナーを招き、定期的に「スター商品誕生オーディション」を開催。会員が開発した新商品が全国デビューできる環境を作る。

カタログ通販・ECのフェリシモは、東北地域の企業などが「スター商品」を生み出すための支援を手がける新事業「Startline」を開始

「Startline」はフェリシモ新たな復興支援事業(画像は編集部がキャプチャ)

会員の対象は東北6県に拠点を置く事業者で、任意団体、任意グループも含む。

今後は、ヒューマンリソース面での協力、モノ作りに必要な資金を調達するためのクラウドファンディング機能など、必要に応じて各企業・団体と連携する予定。

協力企業・ブランド・団体など(3月10日現在)

  • 復興デパートメント(ヤフー株式会社)
  • リー・ジャパン株式会社
  • らでぃっしゅぼーや株式会社
  • JA全農 みのりみのるプロジェクト
  • 諸国良品
  • 株式会社アバンティ
  • VIRI-DARI deserta(有限会社エスディーアイ)
  • 特定非営利活動法人エティック

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

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ECサイトのデザイン性を競う「ECサイト制作デザイン大賞2016」のエントリーを開始、JECCICA

9 years 8ヶ月 ago
サイト制作会社やEC企業からのエントリーを受け付ける

ジャパンEコマースコンサルタント協会(JECCICA)は3月9日、ECサイトのデザイン性を競うコンテスト「JECCICA ECサイト制作デザイン大賞2016」のエントリー受け付けを開始した。

エントリーできるECサイトは2015年1月から2016年3月までに自社で制作したECサイト。サイト全体のほか、商品1ページのみの応募も可能。EC企業だけでなく、サイト制作会社も応募ができる。

エントリーしたサイトは同協会の理事8人が色使い、レイアウト、キャッチコピーなど17つの項目をそれぞれ4段階で評価。評価の高いECサイトを制作した会社をJECCICA認定ECパートナー賞として20社を選抜する。

20社は4月21日に開催する表彰式の会場で実際に5分間のプレゼンを実施。そのプレゼンを基に、協会の理事、会員、賛助会員が優勝者を決定する。

優勝者には「JECCICAプラチナデザイン大賞」(賞金10万円+受賞記念盾)が贈られるなど、総額200万円相当の賞を用意した。

エントリー方法は、JECCICAの申込フォームに会社名とURLを入力し、審査基準に対する工夫点やこだわった点を具体的に記入して送信。申し込み期間は4月4日正午まで.

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

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「漫画全巻ドットコム」のTORICOが1.6億円を調達、マンガアプリ「スキマ」を強化

9 years 8ヶ月 ago
三菱UFJキャピタル、日本アジア投資、VOYAGE VENTURESを引受先とする第三者割当増資を実施

漫画のECサイト「漫画全巻ドットコム」を運営するTORICOは3月10日、三菱UFJキャピタル、日本アジア投資、VOYAGE VENTURESを引受先とする第三者割当増資を実施、1億6000万円を調達した。

TORICOは現在、新規事業のマンガアプリ「スキマ」(毎日180ページの無料閲覧、電子コミック、紙コミックを購入できるマンガアプリ)に力を入れている。

調達資金は、「スキマ」のサービス向上、開発チームの加速をめざしたエンジニア採用などに充当する。

TORICOは「漫画全巻ドットコム」を2006年に始め、2012年には電子書籍の配信サービスに参入。これまで、SMBCベンチャーキャピタル、みずほキャピタル、三生キャピタルなどからも資金を調達している。

「漫画全巻ドットコム」のTORICOが1.6億円を調達、マンガアプリ「スキマ」を強化へ

TORICOが力を入れているスマホアプリ「スキマ」

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

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アマゾンジャパンの2014年度売上高は316億円、ロジスティクスは582億円

9 years 8ヶ月 ago
アマゾンジャパンとアマゾンジャパン・ロジスティクスの2014年業績を官報で公開した

アマゾンジャパンとアマゾンジャパン・ロジスティクスは3月9日付けの官報に「第17期(2014年12月期)決算公告」(アマゾンジャパン)と「第15期(2014年12月期)決算公告」をそれぞれ掲載。アマゾンジャパンの売上高が316億3600万円、アマゾンジャパン・ロジスティクスの売上高は582億8700万円であることを明らかになった。

今回発表した業績は2014年1月~12月のもので、2014年度業績となっている(参考記事)。

アマゾンジャパンについて

米アマゾンが米証券取引委員会に提出した2014年の年次報告書によると、アマゾン日本事業の売上高は約8300億円。今回発表したアマゾンジャパンの決算公告とは大きな差がある。

その理由は、直販売り上げを米アマゾンで計上しているため、今回発表したアマゾンジャパンの売上高は第三者による販売(マーチャント売り上げ)の手数料収入や広告の売り上げとなっているためと考えられる。

アマゾンジャパン・ロジスティクスについて

アマゾンジャパン・ロジスティクスは、米アマゾンから物流代行費用と、FBAの売り上げが計上されていると見られる。

2014年の「Amazon.co.jp」の直販による流通額は約7800億円と考えられるため、FBA売り上げを差し引くと、売上高に占める物流比率は約7%。

また、専門家によると、アマゾンの日本における発送個数は約3.8億個。荷物1個あたりの発送コストは約152円になるという。「メール便」や「ゆうメール」での発送も利用しているアマゾンであれば実現可能な配送コストだとしている。

アマゾンジャパンの営業利益は13億6900万円、当期純利益は8億円。

アマゾンジャパン・ロジスティクスの営業利益は21億8700万円、当期純利益は13億8600万円。利益剰余金が12億5300万円となっていることから、利益を計上できる態勢になっているようだ。

なお、アマゾンジャパンに今回の発表に関して問い合わせたところ、「コメントは控えさせていただく」と回答した。

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

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「CROSS MALL」が「たまごリピート」に対応、リピート通販に特化した自社サイトとモール店の連動を可能に

9 years 8ヶ月 ago
在庫データや受注データを「CROSS MALL」で一元管理できるようにした

アイルは3月9日、EC管理システム「CROSS MALL(クロスモール)」を定期購入・頒布会に特化した通販システム「たまごリピート」に対応させた。受注データや在庫データを「CROSS MALL」で一元管理できるようになり、リピート通販に特化した自社サイトとモール店の連動が可能になる。

「たまごリピート」でも、「楽天市場」や「Yahoo!ショッピング」の受注データを合わせて管理する機能を提供しているが、在庫データ連動は提供していない。

「CROSS MALL」で一元管理することで、在庫連動が行えるようになる。「たまごリピート」はAmazonの受注などに対応していないため、Amazon店も併せて一元管理する上で「CROSS MALL」を利用するメリットがある。

「CROSS MALL」はすでに主要ECモールのほか、「MakeShop」「FutureShop2」などにも対応。今回で21のモール・ショッピングカートに対応したことになる。アイルでは今後も対応するモール、ショッピングカートを増やしていく予定だ。

CROSS MALLが対応しているモール・ショッピングカート一覧

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

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ベガコーポレーションがスマホゲームの子会社を解散、新たに東京支社を開設

9 years 8ヶ月 ago
東京支社ではショールームを設置、取扱家具を手にとって見てもらえるようにする

家具ECサイト「家具通販のロウヤ」を運営するベガコーポレーションは3月7日、東京支社を設立した。新たに家具インテリアショールームを設置。これまでネット上でしか見れなかった商品を展示し、売り上げ拡大につなげていく。

ベガコーポレーションは2016年1月、EC事業に経営資源を集中するため、子会社でスマホゲーム事業を展開するNubee Tokyoを解散。ベガコーポレーションの東京支社の役割も一部果たしていた。子会社の解散で、新たに東京支社を開設することになったと考えられる。

東京支社は東京・恵比寿のデジタルゲートビルに設置。ショールームを展開し、その場で意見や要望を受けることで商品作りにも生かしていく。

首都圏でのブランディングを図ることで、人材の確保、営業体制を強化していくとしている。

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

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魅力ある広告主になるために、アフィリエイターとしてASPに登録してみよう | アフィリエイトの効果が出ていないEC事業者のためのアフィリエイト再入門講座

9 years 8ヶ月 ago
アフィリエイターの視点から広告主を見てみよう(第4回)

ASPの選択が済んだら、いよいよ運用開始の準備に入ります。その前に「アフィリエイターとして」ASPに登録してみてはいかがでしょうか。広告主としてではなくアフィリエイターとしてASPに登録することで、学べることがたくさんあるのです。すでに運用をスタートされている方も、まだアフィリエイターとして登録していないという方は、ぜひ登録してみてください。

アフィリエイターから「どう見えるか」を知る

アフィリエイトで成功するためには、できる限り多くのアフィリエイターと提携関係になることが必要です。より多くのアフィリエイターに選ばれるためには、同業他社より魅力的なプログラムを提供すること

アフィリエイターとして登録することで、自社の提供しているプログラムが、アフィリエイターからどのように見えるのか確認できます

ECサイトを運営されているなら、研究のために他社で買い物をしたり、会員になってメルマガを購読したりしている方は多いと思いますが、アフィリエイトでも、アフィリエイターとして活動することで、他の広告主と提携関係になって、その企業が配信しているメルマガを読んだり、成果条件、アフィリエイターに提供している広告素材や、実施中のキャンペーンなどを見たりできます。

まずは、ASPにアフィリエイターとして登録してみましょう。

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A8.netの場合はここから登録。

アフィリエイターとして登録するには、まずは自分で管理しているWebサイトが必要です。Webサイトの他に、住所・氏名・メールアドレスや、アフィリエイト報酬を振り込むための銀行口座などの入力を求められます。

自社のネットショップでも登録は可能ですが、できればアフィリエイターとして活動するつもりで個人ブログを1つ立ち上げてみることをお勧めします。無料ブログで構いませんので、自分で記事を書いてバナー素材を貼れるWebサイトを用意し、興味ある企業に提携申請をしてみるのです。

登録後、すぐに利用可能になるASPもありますが、ほとんどはサイト審査を行います。各社により審査基準があり、基準に満たないとアフィリエイターとして活動することはできません。活動実績を重視するところは、更新が少ない、またはできたばかりのサイトは審査に通らないことがあります。ASPにより異なりますが、目安として10記事ほど更新してから登録するとよいでしょう。

ASPによってはギャンブルやアダルトなど年齢指定のカテゴリーをNGとしていたり、ねずみ講や情報商材などを扱うアフィリエイターをネットワーク内に入れないよう、基準を設けているところもあります。ASP担当者が目視で確認しているので、審査に数日かかる場合もあります。

サイト審査はクリーンなネットワークを保つために行っていることなので、明確な審査基準のあるASPは、広告主にとって安心・安全と言えるでしょう。

アフィリエイトプロモーションを見てみよう

登録が完了すると、アフィリエイター側の管理画面にログインすることができるようになります。

まずは自社と近しいカテゴリーをチェックしましょう。ASPによって表記は変わりますが、「プログラム検索」などのタブをクリックすると、大まかにジャンル分けされた広告主の情報を見ることができます。

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A8.netのログイン後の、アフィリエイト側管理画面のタブ

カテゴリーを選択し、広告主の一覧を表示して、自社に近しい商材を扱っている企業がどのようなアフィリエイトプロモーションを行っているかを確認しましょう。

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リンクシェア アフィリエイトの参加広告主のカテゴリー一覧

プログラム検索は、一部のASPでは有料メニューで上位表示できるところもありますが、基本は上から新着順に表示されています。つまり、最初は上位に表示されていても、新しいプログラムが開始すると、どんどん下に潜っていきます

広告主としては、プログラムが上位に表示されているうちに、できる限り多くのアフィリエイターの目に留めてもらい、提携を進めていかねばなりません。どんなプログラムが提携されやすいのか、アフィリエイターの視点になってプログラムを見るクセをつけましょう

管理画面内で見るべき6つのポイント

広告主のプロモーションを一覧で見ることができます。確認すべきポイントは下記の項目です。

  1. どんな広告主が参加しているか
  2. プログラム名(プロモーション、広告主名など)はどのように表記しているか
  3. 【重要】成果条件(報酬率、アフィリエイト報酬、成果報酬など)はどのように設定しているか
  4. 提携審査(自動承認か、手動承認か)
  5. プログラム詳細文には、どんな内容を記載しているか
  6. 広告素材はどのようなものを登録しているか

可能ならすべての項目を確認したいところですが、実際のプログラムの見せ方や成果報酬の設定については別のところで説明します。ここではアフィリエイター視点のポイントに絞ってお伝えします。

①どんな広告主が参加しているか

まずは一覧に表示される企業名を見ておきましょう。他の広告主が、どのようにアフィリエイトプロモーションを展開しているか分かります。思わぬ企業が参加している場合もあるので、自社のカテゴリーはざっとチェックをしておきます。

②プログラム名(プロモーション、広告主名など)はどのように表記しているか

アフィリエイターが検索して最初に見るのがプログラム名です。ASPによって、[ショップ名]や[会社名]に固定されている場合がありますが、キャッチコピーと合わせて表記できることもあります。

固定でない場合は、規定文字数内で、できる限りわかりやすくショップの特徴を伝えると良いでしょう。

【重要】成果条件(報酬率、アフィリエイト報酬、成果報酬など)はどのように設定しているか

アフィリエイターは稼ぎたくて活動しています。成果報酬が一番のモチベーションであることに変わりはありません。魅力的な報酬であれば、提携を進める上では有利です。他の広告主の成果条件を確認しておきましょう。

もちろん売りやすさ、ブランドの知名度などにも左右されますが、「提携しようか、やめようか」と迷っているアフィリエイターにとって、「このショップを紹介して成果につながったら報酬がいくらもらえるのか」ということは、大きな要素であることに違いはありません。

例えば以下の場合、どれがアフィリエイターにとって魅力あるプログラムだと思いますか?

表 アフィリエイターにとって魅力的なプログラムはどれ?
ショップ名 プログラムの内容 成果条件
A社 新メーカーによる無農薬で作ったこだわりのペットフード、1商品のみ取り扱いの単品通販。 新規購入30%
B社 品揃え豊富なペット商品全般を取り扱う総合通販サイト。 商品購入につき10%
C社 ペットフード販売。マスメディアへの露出も多く、芸能人が愛用者として紹介されている。 商品購入につき3%

A社は、1商品のみを扱っているこだわりの単品通販商品を扱う広告主。報酬率は新規購入(初回購入)のみですが、30%と高額なのが魅力です。ですが1商品しかないため、サイト訪問者がそもそも商品を知らない・興味がない場合は、購入に結びつきにくいと言えます。

メーカーとして知名度があり、他媒体に取り上げられるような話題性のある商品であれば、提携数が伸びることが予想されますが、新規店舗や知る人ぞ知るメーカーの場合、送客に工夫が必要と言えます。

B社の報酬率は10%と標準的ですが、総合通販として網羅的に商品を取り扱っており、他商品のついで買いにもつながりやすく、サイトデザインや買いまわりの良さなどによって、ショップ名に認知があれば売りやすいと言えます。

C社の報酬率は一番低めに設定されていますが、「テレビで話題の」「○○さんご愛用」のように、話題性と組み合わせで紹介が可能です。すでに人気がある商品は売りやすいので、報酬が低くても紹介するメリットがあります

アフィリエイターは話題性、売りやすさなど、さまざまな要素を加味して、多くのプログラムの中から自分のサイトに近しい商材を扱っている広告主を見つけて比較検討し、提携申請をしています。

一概に、報酬だけで選ばれるわけではないことはご理解いただけたと思いますが、同業と並列で紹介されているので、より魅力あるプログラムにして、アフィリエイターに条件を提示する必要があります。実際の報酬設定ついては、今後の連載でフォローしていきます。

◇◇◇

すでにアフィリエイトを開始されていて、まだアフィリエイター側の管理画面を見たことがない方は、ぜひアフィリエイターとして登録してみましょう。アフィリエイターとして活動することで、バナーを1つブログに貼り付けるのも、記事を1つ書き上げて公開するのも、労力がかかっていることを実感できます。

筆者も多くのASPにアフィリエイターとして登録し、興味のある広告主と提携して、実際に紹介記事を書いています。それらの活動を通して他社の動きが見えるのも、アフィリエイトプログラムの魅力の1つです。提携数の伸び悩みなど、課題がある場合は解決のヒントが見えてくるかもしれません。

鈴木 珠世

鈴木 珠世

コミュニケーション・マーケティング コンサルタント

2004年よりギフトメーカーのWebショップ担当を経験。「モノを売る楽しさ」「アフィリエイトの楽しさ」に目覚め、2008年よりファンコミュニケーションズ、そしてリンクシェア・ジャパンにて、ネットショップ運営者やアフィリエイトサイト運営者に向けた教育・啓蒙活動に従事。その後、売れるネット広告社にて新規媒体営業と通販事業者向けのコンサルティングを行う。

日本アフィリエイト協議会による、アフィリエイト業界関係者が選ぶ「アフィリエイト業界MostValuable Player(MVP)」2012、2013、2014の3年連続の受賞など、受賞歴も多い。共著にて「成功するネットショップ 集客と運営の教科書」を出版。

現在フリーにて、ネットショップ(通販企業)向けのコンサルティングを開始。

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月商1億円超えのストアが倍増。Yahoo!ショッピングのこれから | 週間人気記事ランキング

9 years 8ヶ月 ago
2016年3月4日~10日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?

3月3日に開催された「Yahoo!ショッピング Best Store Awards2015」で、ヤフーの執行役員でショッピングカンパニー長の小澤隆生氏が語った2015年の振り返りと今後の戦略についての取材記事が注目を集めました。2015年は月商1億円超えのストアが倍増したとのこと。今後の展開が楽しみです。

  1. ヤフー小澤氏が語る「Yahoo!ショッピング」2016年の戦略と昨年の振り返り

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    ヤフーの執行役員でショッピングカンパニー長の小澤隆生氏は成長のための4つの方針を公表

    2016/3/8
  2. ライオンの通販に勧告の衝撃 消費者庁が指摘したトクホ商品は何が問題だったのか?

    tweet9このエントリーをはてなブックマークに追加

    消費者庁から勧告を受けた「トマト酢生活トマト酢飲料」は、15年6月から16年1月までに約4億7000万円を売り上げていた

    2016/3/9
  3. レッドブルの事例に学ぶ、顧客価値を高めるデジタルマーケ戦略

    tweet18このエントリーをはてなブックマークに追加

    世界的大手メーカーがECプラットフォーム「Hybris(ハイブリス)」を採用する理由

    2016/3/4
  4. DeNAショッピング「ベストショップ大賞」グランプリは「神戸レタス」、33店舗を表彰

    総合2位は前年グランプリの日用品ECサイト「爽快ドラッグ」、3位は家電ECの「Joshin web」が受賞

    2016/3/7
  5. 江崎グリコの通販サイトでカード情報が漏えい、「グリコネットショップ」に不正アクセス

    対象は2012年10月12日~2016年2月3日の間に、「グリコネットショップ」を利用した顧客の情報

    2016/3/8
  6. 50代が最もネット通販にお金を使う、など2015年のEC利用実態[総務省調査まとめ]

    総務省が始めたネットショッピングによる家計の消費実態把握調査に関し、2015年のEC利用実態をまとめた

    2016/3/10
  7. セブン&アイ「オムニチャネル戦略を収益の柱に」、オムニ7の成果が出始めた

    オムニチャネル戦略を収益の柱とするためにグループが総力をあげて取り組むことなどを宣言

    2016/3/9
  8. トレンドは「囲い込み」から「ゲスト購入」へ。2万人の調査で見えた日本のEC など12記事【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2016年2月29日〜3月6日のニュース

    2016/3/8
  9. 楽天がフリマアプリ「ラクマ」のテレビCM、イメージキャラクターに本田翼さんを起用

    「メルカリ」や「minne」もテレビCMを展開することでユーザー獲得につなげている

    2016/3/10
  10. EC売上約2倍! ecbeingが支えるナノ・ユニバースのオムニチャネル

    ecbeingがシステムの構築を受託しているアパレルセレクトショップ「ナノ・ユニバース」。その高成長の理由は?

    2016/3/10

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

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伸びてるまとめサイトはどれ? キュレーションメディア利用調査

9 years 8ヶ月 ago
旅行系「RETRIP」、女性向け「Marble」が急成長。ヴァリューズ調査
p>ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズは9日、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用した、キュレーションメディアに関する調査結果を発表した(調査概要と調査対象サイトについては末尾に記載)。

PC、スマートフォンともに「Marble」が躍進

キュレーションメディアが続々と登場している中、どのサイトが注目を集めているのか。

まずPCで見てみると、旅行キュレーションメディアの「RETRIP」が2015年1月時点の訪問者数と比較すると10倍、「TravelBook」は20倍にと成長。台湾や金沢など国内外の人気スポットやランチ、スイーツといったグルメ情報などのコンテンツが人気のようだ。

また、2015年1月時点でアクセスがなかった女性向けまとめサイト「Marble」が2015年4月頃から少しずつアクセス数を伸ばしており、2016年1月時点では「RETRIP」に迫る勢いにまで急伸している(図1)。

図1 訪問者数推移(PC)
図1 訪問者数推移(PC)

スマートフォンでも同様に「Marble」が急伸している(図2)。

図2 訪問者数推移(スマートフォン)
図2 訪問者数推移(スマートフォン)

2016年1月のデータでPCとスマートフォンの訪問者数を比較すると、スマートフォンがPCの倍以上。今回の調査ではアプリサイトは除外しているが、キュレーションメディアはスマートフォンでより閲覧されていることが分かる(図3)。

図3 訪問者数(PC/スマートフォン)
図3 PC(青)とスマートフォン(オレンジ)の訪問者数の比較

スマートフォンは女性比率と20代比率が高い

PCとスマートフォンで各サイトのユーザー属性を比較した。性別で見てみると、スマートフォンでは女性比率が高い。

また、車に特化した「Carcast」(PC)や、ゲームに特化した「GAMY」(スマートフォン)は男性比率が非常に高いことから、男性の嗜好性が読み取れます(図4、図5)。

図4 訪問者属性(性別/PC)
図4 訪問者属性(性別/PC)
図5 訪問者属性(性別/スマートフォン)
図5 訪問者属性(性別/スマートフォン)

年代別で見てみると、PCはどの年代のシェアもほぼ均等なのに対し、スマートフォンは20代のシェアが高く、若い世代ほどスマートフォンをメインにキュレーションメディアで情報収集をすると言えそうだ(図6、図7)。

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図6 訪問者属性(年代別/PC)
図7 訪問者属性(年代別/スマートフォン)
図7 訪問者属性(年代別/スマートフォン)

「MiddleEdge」の「あの頃ナウ」が滞在時間に影響

平均滞在時間で見てみると、PCは記憶をくすぐる大人のWebメディア「MiddleEdge」が2位に約2分の差を付けた

「MiddleEdge」は他のサイトにない「あの頃ナウ」という機能がある。これは自分の「生まれた年」や「検索したい年齢」の記事を検索できる機能で、この機能が滞在時間を増やしていると考えられる。

また、スマートフォンはどのサイトも平均滞在時間が1分以上とPCと比較すると長めであることが特徴的。

図8 サイト滞在時間ランキング
図8 サイト滞在時間ランキング

「Marble」の併用率が人気を示す結果に

各サイトを閲覧しているユーザーが他のキュレーションメディアをどの程度閲覧しているかを示す「併用状況」を調査した(軸となるサイトを100%として、他のキュレーションメディアとの閲覧併用状況を集計)。

図9 キュレーションサイトの併用状況
図9 キュレーションサイトの併用状況(黄色部分が併用率15%以上)

PCでの閲覧ユーザーは「RETRIP」を併用している割合が高いことがわかった。また「Marble」も比較的併用されやすいと言える。

マネーやビジネス情報を扱う「Monkey」を閲覧しているユーザーは「RETRIP」の併用率が47%と約半数いることから、親和性が高いことが考えられます。

スマートフォンの閲覧ユーザーで見てみると「Marble」と、欲しいモノや体験について調べるサイト「KAUMO」がよく併用して閲覧されており、「Marble」はPCと同様にスマートフォンでも人気があることが伺える。

また、美しくなりたい女子向けサイト「美人部」を閲覧しているユーザーは「Marble」(併用率39%)以外にも「KAUMO」(併用率48%)も併用して閲覧しており、特に20代女性は他の年代と比較すると3つのサイトの併用率が高くなっており、特定のファンを取り込めていることが読み取れる(図10)。

図10 「美人部」併用状況(スマートフォン/20代女性)
図10 「美人部」併用状況(スマートフォン/20代女性)
調査概要

2016年1月の全国のモニター会員の行動を「VALUES eMark+」で分析(訪問者推移はPCサイトが2015年1月~2016年1月、スマートフォンサイトが2015年8月~2016年1月)。

対象メディアは、PC、スマートフォンともに2016年1月月間訪問者数が10万以上で、PCサイトは2015年2月~7月と2015年8月~2016年1月を比較して伸び率が高い上位10サイト。スマートフォンサイトは、2015年6月~9月と2015年10月~2016年1月を比較して伸び率が高い上位10サイト(アプリは対象外)を条件に抽出。

サイト訪問者数はPC、スマートフォンからの各Webサイトへのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニタでの出現率を基に、国内ネット人口に則して統計的に推測。

調査対象サイト
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スマホ化の波でアフィリエイトサイトは“量”より“質”を重視

9 years 8ヶ月 ago
日本アフィリエイト協議会がアフィリエイター500人に調査した「アフィリエイト市場調査2015」を公表

日本アフィリエイト協議会は3月9日、アフィリエイターの収入などをまとめた「アフィリエイト市場調査2015」の調査結果を発表した。スマホ経由のEC売り上げが拡大しているのと同様に、アフィリエイトサイトでもスマホ化が急進。質の高いアフィリエイトサイトが成果をあげるようになってきている。

「アフィリエイト市場調査2015」 は2015年11月24日~25日に、アフィリエイトサイト運営者(アフィリエイター)500人を対象に実施した調査。

調月3万円以上のアフィリエイト収入があるアフィリエイターは全体の4.0%。2013年度の2.4%、2014年度の3.2%と右肩上がりで増えており、一定の収入を得るアフィリエイターが増加傾向にあることがわかる。

月1000円未満は70.2%で、過去の調査と比べて減少傾向にある。アフィリエイトを始めた場合、収入を得られやすい環境になってきている。

アフィリエイターの運営サイト数とアフィリエイトにかける1日あたりの平均時間を見てみると、全体の平均は2014年度調査と比べ、運営サイト数が0.9サイト増加。1日あたりの作業時間は0.1時間減少している。

一方、月3万円以上の収入があるアフィリエイターに絞ると、運営サイト数は4.0サイトと前年調査の11.6サイトから約3分の1に減少。投資時間は1日平均3.9時間で、前年比1.1時間増加している。

PCを中心としたアフィリエイトサイトでは、接点を多く持ち、検索されやすくすることが重要だった。一方、台頭しているスマホでは質の高いサイト作りが重要視されてきているため、運営するサイト数の減少と投資時間の増加につながっていると分析できる。

また、Googleがスパムサイトの排除を進めたことで、中身の薄いサイトは表示されなくなってきていることも理由となっている。

 

「アフィリエイト市場調査2015」はこのほか、「現在利用しているアフィリエイト・サービス・プロバイダー(ASP)」「アフィリエイトに取り組むにあたりかけている経費額」などアフィリエイトにかかわる各種調査結果を公開している。

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

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楽天がフリマアプリ「ラクマ」のテレビCM、イメージキャラクターに本田翼さんを起用

9 years 8ヶ月 ago
「メルカリ」や「minne」もテレビCMを展開することでユーザー獲得につなげている

楽天は展開するフリマアプリ「ラクマ」のテレビCMを3月12日から開始すると発表した。イメージキャラクターに女優・モデルの本田翼さんを起用。テレビCMでサービスの知名度を高め、市場活性化につなげる。

CMでは「ラクマしよ!」をキャッチフレーズに、本田さんが出品したハンドバッグなどが次々と売れて喜ぶ「あれもこれもラクマ編」と、フィットネス用品を売ったり買ったりして楽しむ「それ欲しい人きっといます編」の2作を放映する。いずれも「ラクマ」の親しみやすさを表現する内容とした。

また、「ラクマ」ではテレビCM開始を記念し、3月10~21日の間、「ラクマ」の出品者を対象に、出品点数に応じて「楽天スーパーポイント」を最大300ポイントプレゼントするキャンペーンを実施。さらに、抽選でハワイ旅行もプレゼントする。

フリマアプリにおいては、「メルカリ」や「minne」もテレビCMを展開することでユーザー獲得につなげており、「ラクマ」もテレビCMで新規ユーザーの獲得を図る。

楽天、フリマアプリ「ラクマ」のテレビCMを開始

放映するテレビCMの動画から

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

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消費者が食品ECに求めること…約3割が「生産者や商品の情報をもっと提供して欲しい」

9 years 8ヶ月 ago
次いで多かったのが「配送料を安くして欲しい」が全体で23.6%

「生産者や商品の情報をもっと提供して欲しい」――。

日本政策金融公庫の調査によると、農林水産物やその加工品をネット通販で購入した消費者の3人に1人が、販売事業者にこうした情報の提供を求めていることがわかった。

今回の調査は2016年1月に実施した消費者動向調査で、ネット通販を利用した農林水産物や加工品の購入について調べた。

「インターネット通販の事業者に期待すること」という設問に対し、「生産者や商品の情報をもっと提供して欲しい」と回答した消費者は全体で34.7%。

次いで多かったのが「配送料を安くして欲しい」。全体で23.6%、女性の比率が高く27.0%だった。「商品の価格をより安くて欲しい」は全体で17.5%。

日本政策金融公庫が実施した農林水産物や加工品のネット通販での購入状況調査①

ネット通販の事業者に期待すること

農林水産物や加工品の購入先は「インターネットのショッピングモール」がトップ。全体で71.0%がモールで購入している。

生産者や食品メーカーなどのインターネット直販を利用しているのは全体で46.9%。ネットスーパーや量販店のネット通販は全体で26.0%、食品販売会社のネット通販は11.3%だった。

日本政策金融公庫が実施した農林水産物や加工品のネット通販での購入状況調査②

ネット通販による主な購入元

農林水産物や加工品をネット通販で購入したことがある消費者は全体で31.8%にとどまっている。20~30代は約22%、40代以降は30%台で、1割超の開きがあった。

日本政策金融公庫が実施した農林水産物や加工品のネット通販での購入状況調査③

農林水産物やその加工品をネット通販で購入した経験の有無

ただ、購入未経験者に対してネット通販での農林水産物の購入の意向を聞いたところ、全体で28.1%が「購入してみたい」と回答。今後、農林水産物や加工品といったネット通販利用がさらに伸びていく可能性がある。

調査概要

  • 調査時期:2016年1月1日~1月19日
  • 調査方法:インターネットによるアンケート調査
  • 調査対象:全国の20歳代~70歳代の男女2000人(男女各1000人)

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

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EC売上約2倍! ecbeingが支えるナノ・ユニバースのオムニチャネル

9 years 8ヶ月 ago
ecbeingがシステムの構築を受託しているアパレルセレクトショップ「ナノ・ユニバース」。その高成長の理由は?

2014年に本格的なオムニチャネル戦略を開始した大手アパレルセレクトショップ「ナノ・ユニバース」は、ECサイトのリニューアルから1年以上が経過した2015年秋時点でも、EC売上高は前年同月比約2倍の成長率を維持しているという。ナノ・ユニバースがオムニチャネルで高い成果を上げ続けている理由は何か。同社のECサイトやオムニチャネルシステムの構築を受託しているecbeingの布田 茂幸 執行役員が解説した。 写真◎Lab

セミナーのポイント
  • オムニチャネルの本質はCRM
  • アプリこそオムニチャネル時代の顧客インターフェイス
  • ︎「3Dスキャン」「メディア化」未来を見据えたあくなき挑戦
株式会社ecbeing 執行役員マーケティングソリューション部・部長 布田茂幸氏
株式会社ecbeing 執行役員マーケティングソリューション部・部長 布田茂幸氏

オムニチャネルの本質はCRM

ECサイトの企画から構築、運用までワンストップで手掛けているecbeing。EC機能を主軸としたソリューションパッケージシステム「ecbeing」は、1999年の発売以来、大手や中堅企業を中心に900サイト以上の導入実績がある。

布田氏は冒頭、オムニチャネル化に取り組む企業の多くはECシステムやインフラを作ることに注力し、肝心のサービス強化が果たされていないケースが散見されると指摘した。

一方、ナノ・ユニバースは、リピーターやロイヤルカスタマーといった「ファン」への満足の提供、つまりCRM(顧客リレーションシップ管理)をオムニチャネル戦略の軸に据えているという。

ナノ・ユニバースが高い成長率を維持できている理由の1つは、オムニチャネルの目的と戦略をしっかり描いた上で、実店舗とECの在庫連携や顧客統合といったインフラ構築に取り組んでいることにあると布田氏は指摘した。

ナノ・ユニバースのオムニチャネル戦略において、ECと店舗のシステム統合はあくまでも手段であり、その本質はサービス強化によるCRMの実現にある。「ロイヤルユーザーのために」が徹底されている。

ナノ・ユニバースは、直販サイトのターゲットを「ロイヤルユーザー」に特化し、この層に対するサービス強化をオムニチャネル戦略のベースとしている。布田氏によると、ナノ・ユニバースはオムニチャネル化に取り組む上で、「店舗とECのサービスレベルを合わせる」ことを前提として施策を考案しているという。実店舗で商品を購入したことがある顧客をECサイトでも同様に満足させることができなければ、オムニチャネルは成功しないと考えているためだ。

会員特典をECと実店舗で共通化したほか、実店舗の持つ世界観をECで表現するため、ECサイトの商品画像は店舗のディスプレイをイメージしてレイアウトしている。ECサイトに商品のディテールや着心地を伝える写真や説明文を豊富に掲載し、店舗スタッフによる接客にも負けないような利便性の提供に取り組んできた。

商品が体のサイズにフィットしているかどうかを調べるシステムを構築し、試着せずに自分にフィットする商品を探せるようにするなど、先進的な取り組みも目立つ。いずれも2014年に開始し、成果を上げた施策だ。

ナノ・ユニバースのECサイトの特徴
  • 会員特典を店舗と共通化
  • 店舗の持つ世界観をECで表現
  • 優れた検索機能とレコメンド
  • 商品のディテールや詳細を伝える接客レベルの説明文
  • 体のサイズにフィットした商品を検索できる
  • 商品のフィット感をビジュアルで確認できる(マイサイズとの差を可視化)
  • 会員情報の登録項目(性別、年齢等)に応じてポイント還元率が上昇

アプリこそオムニチャネル時代の顧客インターフェイス

ナノ・ユニバースのオムニチャネル戦略
ナノ・ユニバースのオムニチャネル戦略

ナノ・ユニバースは2015年、オムニチャネル化の取り組みを一層加速させた。

まず、それまで当たり前であった物理的なメンバーズカードを廃止しスマホアプリに一本化した。思い切った決断だが、これによりスマホアプリが必然的にオムニチャネル戦略の軸となった。

アプリには「会員カード機能」のほか「チェックインスタンプ」「実店舗の来店履歴」「店舗ECの購入履歴」「お気に入り商品の管理」「新着ニュース」などの機能も備えている。新着ニュースはもちろんプッシュ通知で届き、高い反応率となっている。また、新規客層とつながることも重視し、会員でない方については氏名などの個人情報を入力せずにアプリを使えるようにして裾野を広げることにも成功している。

スマホアプリはすべての顧客にとってのナノ・ユニバースとの最初のインターフェイスになると定義したからこそ、機能だけでなくビジュアルとユーザビリティには細心の注意を払って設計されている。これを格好良くない、使いづらいと思われてしまったら戦略の肝が崩れることになる。そのくらい重要なツールとして今でもビジュアルとユーザビリティ、そして機能を強化し続けている。

スマホアプリにはWebにはない魅力がある。例えばLINEの台頭でも分かる通りプッシュ通知は今やメルマガよりも効果が高い。これをアプリ内に持つことで会員の直販サイトや店舗、ECモール等への誘導を自社でコントロールできるようになる。アプリこそ、すべての客層や販売チャネルを網羅的につなげることを可能にするオムニチャネルツールだ。

こうしたアプリができることで、オンラインから実店舗へ誘導する「O2O」を積極的に進められるようになったほか、会員の行動履歴や購買履歴に基づくレコメンドやプロモーションも開始した。

ECと実店舗の顧客データ統合は、ECだけに留まらない、実店舗も含めた一人ひとりの顧客に対して最適なプロモーションを実施するワン・トゥ・ワン・マーケティングの実現を可能にした。

店内にiBeaconを設置し、スマホにアプリをインストールした会員が入店すると、店舗スタッフが持つタブレット端末に顧客情報が表示される仕組みを導入した。店舗スタッフは、顧客毎のリアル・ネットを横断した購入履歴や来店履歴を確認しながら接客することができる。さらに店舗スタッフが口頭で話した内容は自動でテキスト化されるため接客メモも簡単に残すことができる。

こうしたワン・トゥ・ワン接客はこれまでも売上を上げる店舗スタッフが当たり前に行っていたことであるが、統合システムの構築でそれが全射的に仕組化されることにつながった。布田氏は、ナノ・ユニバースのこうした取り組みがオムニチャネルの目指すべき方向の1つの答えになりうると指摘した。

多くの企業は、そのデータをマーケティング・オートメーションなど主にネットのために活用する。しかし、ナノ・ユニバースではこのデータを実店舗での接客にも積極的に活用できるようにした。このことはECと店舗のデータを統合する上で、各社が考えるべき1つの答えと言えるのではないか。

「3Dスキャン」「メディア化」未来を見据えたあくなき挑戦

業界初の3Dスキャンサービス

ナノ・ユニバースは2015年10月、業界初となる「3Dスキャンサービス」を開始した。実店舗に設置された3Dスキャナーで全身30か所をわずか2秒で測定し、3D画像・データとしてアプリに登録できるサービスだ。今後は、アプリに登録されたサイズに基づいて商品を提案する「サイズマーケティング」に力を入れていくという。

これからの未来、オムニチャネルが進めば進むほど、ショールーミング化が進んでいくとナノ・ユニバースは考えている。企業がどんなに実店舗だと言おうが、時代の流れには逆らえないと。だからこそ、ネットでも安心して買い物ができるサイズマーケティングはこれからのアパレルに必要だろうと考えているのだと布田氏は語る。

ナノ・ユニバースの先進的な取り組み

ナノ・ユニバースが生業とするセレクトショップというのは、その名の通り国内外から良いものをセレクトして提供する小売を指すが、ここ数年は利益率の高いセレクトオリジナル商品のシェア拡大により、各社とも業績重視の経営を行っている。そんな中、ナノ・ユニバースはセレクトショップの原点に帰りたいと願った。ナノ・ユニバースの藤田社長は布田氏に語ったという。

「1999年の創業当時、自分たちは国内外の最先端の服(モノ)ではなく情報を提供していることにプライドがあったし、顧客もそれを求めていた。オリジナル商品で溢れるようになった今だからこそ、今また原点に戻りたい。そうならなければセレクトショップの未来はない。これからも次々チャレンジする」

その結果、今現在最も注力しているのがECサイトのメディア化(Webマガジン化)だ。今のナノ・ユニバースのECサイトを見ると、Men's、Women'sなどのアパレルとして一般的なカテゴリの下に“Magazine”というカテゴリがある。

その下層には「旅行」「車」「音楽」「映画」「アート」さらには「日本」など、10以上のライフスタイルに関連するサブカテゴリがあり、それぞれに数十の記事が存在している。これは、今よく言われるコンテンツマーケティングの領域を超えている。

コンテンツを使ってECの売上を上げようとしている訳ではないのだ。今ある商品を良く見せるためのコンテンツを掲載している訳ではないのだ。現時点ではそれぞれの記事は記事として存在しているだけでそこからモノは買えない。しかし、いずれはそれも考えている。こうしてナノ・ユニバースは真のセレクトショップへの道を歩みはじめている。今年の夏までには予定されているECの越境対応も含めもはやオムニチャネルの先を見ていると布田氏は語る。

ナノ・ユニバースは3Dスキャン、メディア化に代表されるように、経営者自ら目的に向かって時代を深く読み解き見据えた上で、次々と新しいことに本気でチャレンジしていく。オムニチャネルは手段であり通過点と言っているのが印象深い。

ナノユニバースはオムニチャネルや未来戦略の担当部署(EC部署)を社長直轄とし、ECを全社的な経営戦略の中に組み込んでいる。オムニチャネルの先を見据え、考え抜いたさまざまな施策を他社に先駆けて実現する実行力も、EC事業で成果を上げ続けている理由の1つだろう。

布田氏はナノ・ユニバースの成功事例を引き合いに出し、国内企業はオムニチャネル化への取り組みを「“本気”でやるか、やらないかが勝負の分かれ道」と強く訴えていた。

関連リンク:

伊藤 秀樹

ライター

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50代が最もネット通販にお金を使う、など2015年のEC利用実態[総務省調査まとめ]

9 years 8ヶ月 ago
総務省が始めたネットショッピングによる家計の消費実態把握調査に関し、2015年のEC利用実態をまとめた

ネット通販を使う人は右肩上がりで増えている」「ネットショッピングにお金を最も使うのは50歳代」――。総務省が2015年から始めたネットショッピングによる家計の消費実態把握調査。このほどまとまった2015年の調査資料から、こうしたネットショッピングの利用状況が浮かび上がる。2015年、消費者はネット通販をどのように利用したのか。さまざまな角度から資料をまとめてみた。(調査結果を見る上での注意点

家計消費実態把握調査からわかること

ネットショッピングを利用した世帯の割合

2015年のネット通販の利用状況(1か月あたりの平均、2人以上の世帯)を簡単にまとめると、

  • ネットショッピングの支出額:8643円
  • ネットショッピング利用した世帯における1世帯あたりの支出額:3万1310円
  • ネットショッピングを利用する世帯の割合:27.6%

2人以上の世帯におけるネットショッピングでの1か月間の平均支出額は、1世帯あたり8643円。調査内容が異なる2014年は6505円だった。正確な増減率は算出できないが、確実にネットショッピングを使った支出が増えていると推測できそう。

インターネットを利用して商品・サービスを購入した世帯(2人以上の世帯)の割合は、全体世帯の27.6%。2014年調査の25.1%から、2.5ポイント増加している。

50代が最もネット通販にお金を使う、など2015年のEC利用実態[総務省の家計の消費実態把握調査2015]、ネットショッピングを利用した世帯の割合の推移
ネットショッピングを利用した世帯の割合の推移(出典は総務省統計局の「家計消費状況調査結果」)

世帯主の年齢階級別によるネット通販への支出

2人以上の世帯でのネット通販利用に関する年間支出総額は、1世帯あたり平均で10万3716円。

年齢階級別に見ると、50歳代が15万5916円で最も多く、40歳代が14万6064円で続いた。

50代が最もネット通販にお金を使う、など2015年のEC利用実態[総務省の家計の消費実態把握調査2015]、世帯主の年齢階級別 1世帯当たりの年間のネットショッピングを利用した支出総額
1世帯あたりのネット通販による年間支出額(出典は総務省統計局の「家計消費状況調査結果」)

平均を下回ったのは60歳代以降。主たる要因は、調査対象の世帯数(ネット通販を利用していない世帯含む)に対して、年齢階級が高くなるほどネット通販を利用する世帯数が低下しているため。

ネット通販を利用している世帯は39歳までで45.2%。50~59歳までは38.2%と比較的高い数値となっているが、60~69歳になると22.1%まで急激に低下。70歳以上では11.1%にとどまっている。

50代が最もネット通販にお金を使う、など2015年のEC利用実態[総務省の家計の消費実態把握調査2015]、世帯主の年齢階級別ネットショッピングを利用した世帯割合
世帯主の年齢別によるネット通販利用に関する世帯割合)出典は総務省統計局の「家計消費状況調査結果」)

ネット通販を利用する高齢者層の世帯は少ないものの、ネットショッピングを使うシニア世帯の支出額は大きい。

ネット通販を利用した世帯における1世帯あたりのECへの年間支出額は50~59歳が40万7988円でトップ。続いて、60~69歳が39万9336円、70歳以上が38万7804円で続いている。いずれも平均の37万5720円を上回る。

ネット通販を利用する世帯数が最も多い39歳までの消費者だが、ECを利用する世帯に限ってみると支出額は最も低い(31万3168円)。

50代が最もネット通販にお金を使う、など2015年のEC利用実態[総務省の家計の消費実態把握調査2015]、ネットショッピングを利用した世帯における世帯主の年齢階級別1世帯当たりの年間のネットショッピングを利用した支出総額
ネット通販を利用した世帯における1世帯あたりのECへの年間支出額(出典は総務省統計局の「家計消費状況調査結果」)

地域別に見たネット通販の利用状況

地域別のネット通販への支出額(1か月平均)では、平均は8643円。最も多いのは関東で11万248円。近畿が8956円で続いた。3番目に多いのは東海で8046円。

最も低いのは北陸で5750円。僅差であるが東北が5751円で上回っている。

50代が最もネット通販にお金を使う、など2015年のEC利用実態[総務省の家計の消費実態把握調査2015]、地域別のネット通販に対する1世帯あたりの支出額
地域別のネット通販に対する1世帯あたりの支出額(表は総務省の「家計消費状況調査結果」をもとに編集部で作成)

都道府県別の消費支出総額に占めるネットショッピングによる購入割合は、神奈川県が最も高い。次いで埼玉県、東京都、秋田券、奈良県などとなっている。※「平成26年全国消費実態調査結果」から

50代が最もネット通販にお金を使う、など2015年のEC利用実態[総務省の家計の消費実態把握調査2015]、都道府県別ネットショッピングによる購入割合
都道府県別ネットショッピングによる購入割合(出典は総務省統計局「平成26年全国消費実態調査結果」)

収入階層別に見たネット通販への支出額

2人以上の世帯における収入階層別のネット通販への1か月あたりの支出額は、平均で8643円。最も高いのは世帯収入2000万円以上で、1か月あたり3万2326円をネット通販で支出している。

世帯収入が低くなるにつれてネット通販への支出も減っており、200万円未満の世帯では1か月あたり2600円の支出となっている。

50代が最もネット通販にお金を使う、など2015年のEC利用実態[総務省の家計の消費実態把握調査2015]、収入階層別のネット通販への1か月あたりの支出額
収入階層別のネット通販への1か月あたりの支出額(表は総務省の「家計消費状況調査結果」をもとに編集部で作成)

項目別のネット通販への支出割合

2人以上の世帯におけるネットショッピングを利用した支出総額の内訳を見ると、「旅行関係費」の支出が21.8%で最も高い。

次いで「食料」が14.3%、「衣類・履物」は10.7%、書籍や音楽ソフトなどの「教養関係費」は10.3%、「家電・家具」が10.1%。

50代が最もネット通販にお金を使う、など2015年のEC利用実態[総務省の家計の消費実態把握調査2015]、ネットショッピングの項目別支出割合
ネットショッピングの項目別支出割合(出典は総務省統計局の「家計消費状況調査結果」)

2人以上の世帯におけるネットショッピングの月別支出金額を見ると、「旅行関係費」は多くの働く人が夏休みを取得する8月が最も多い。「食料」は2015年12月が最も伸びる。

「家電・家具」はボーナスシーズンの12月、7月のほか、年度末の3月が多い。

50代が最もネット通販にお金を使う、など2015年のEC利用実態[総務省の家計の消費実態把握調査2015]、主な項目のネットショッピングを利用した月別支出金額
主な項目のネットショッピングを利用した月別支出金額(出典は総務省統計局の「家計消費状況調査結果」)

各項目別の2015年におけるネット通販を利用した支出額(1か月の平均)の内訳は次の通り。

50代が最もネット通販にお金を使う、など2015年のEC利用実態[総務省の家計の消費実態把握調査2015]
出典は総務省統計局の「家計消費状況調査結果」
◇◇◇

※2015年調査から、調査項目などが変更されました。総務省による注意点を記載しました。

家計消費状況調査では、2014年(平成26年)12月までは「インターネットを利用して購入した財(商品)・サービスの支出総額」を調査してたが、ネットショッピングによる消費をより詳しく把握するために、2015年(平成27年)1月から、内訳となる22区分の財(商品)・サービスについても調査を開始。総額のみの回答から項目別の内訳を具体的に回答することにより、今までは回答者の意識に入りにくかったものも含めインターネットによる購入について広く把握されると考えられることから、2014年(平成26年)以前の結果と時系列で比較する際は注意が必要。

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瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

takikawa

「ポンパレモール」で地方創生を! リクルートLSがJAバンクなど異業種3社とタッグ

9 years 8ヶ月 ago
農林中央金庫、ABC Cooking Studio、農協観光の異業種3社と連携し、海外輸出支援・地域活性化に取り組む

リクルートライフスタイルは農林中央金庫(JAバンク)、ABC Cooking Studio、農協観光の異業種3社と組んで、ポンパレモールなどを活用した海外輸出支援・地域活性化といった活動を始める。

4社は包括的パートナーシップ協定を締結したと3月9日に発表。各社の強みを生かして、国内とインバウンド(訪日外国人旅行者)に向けて、地域間の交流を促進する企画・開発を行っていくという。

リクルートライフスタイルはショッピングモール「ポンパレモール」を運営。2015年には中国ECモール大手「京東全球購」への出品サービスも始めている。「ポンパレモール」を通じて地場食材を国内外に販売。日本食文化発信による海外輸出支援、地方企業などの販路拡大などを通じて、地域活性化の実現につなげる。

各社の役割は主に次の通り。

  • リクルートライフスタイル
    「じゃらんnet」による強力な販売体制(「ポンパレモール」による地場食材販売など)
  • ABC Cooking Studio
    国内外の多用なメンバーシップの活用(日本食レシピの開発など)
  • 農協観光
    地域に根差したツアー・プログラムの企画(観光施設などとの連動)
  • 農林中央金庫
    ローカル・グローバルなネットワークを生かしたトータルサポート

リクルートライフスタイルは農林中央金庫、ABC Cooking Studio、農協観光の異業種3社と連携し、海外輸出支援・地域活性化に取り組む

4社の包括的パートナーシップ協定に関するスキーム

3月9日時点での展開予定のプログラム案としては、農業体験や田舎暮らしの体験プログラムの開発、道の駅をかつようしたイベント開発、国内法人向け地域特産品の販売促進など。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

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ブランド品モール「ブラモ」が越境EC、米国・EU・中国・東南アジア向けに海外展開

9 years 8ヶ月 ago
不正取引が発生した際の出店者の損害を防ぐ「チャージバック保険」も提供開始

ブランド品専門ショッピングモール「ブラモ!」を運営するブラモは3月9日、米国、中国、EU各国、ロシア、東南アジア各国などを対象とした越境ECサービスを開始した。海外では日本で販売されているブランドに対する安心感が高いことから、ニーズが高いと判断し越境ECサービスを開始する。

日本語を含め9か国語での商品情報表示ができるようにし、海外からの注文を受け付ける。日本円、米ドル、中国元、香港ドル、台湾ドルでの多通貨決済、PayPal、銀聯カード、アリペイなどの決済に対応した。

海外からの注文は不正取引が多く、高価格商品が多いブランド品は特にターゲットとされやすい。三井住友海上火災保険と提携し、出店者向けにチャージバックによる損害に対しる保険金を支払う「ブラモ!安心チャージバック保険」の提供をあわせて開始した。

出店者は不正取引が発生した際、代金と同額の保険金を受け取ることができるようになり、安心して越境取引を行うことが可能になる。

ブラモ!

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

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ファミマで「ヤフオク!」の配送手続きができる。「ヤフネコ!パック」がコンビニ対応

9 years 8ヶ月 ago
「ヤフネコ!パック」はヤマト運輸が一般向けに提示している正規価格よりも安価に利用できるのが特徴

ヤフー3月14日から、「ヤフオク!」出品者の商品発送を、コンビニエンスストアで受付できるようにする。対象は、2月からヤマト運輸と始めた「宅急便」「宅急便コンパクト」「ネコポス」を安価で利用できる配送サービス「ヤフネコ!パック」。

まずは、全国のファミリーマートから開始する。3月14日正午からの対応で、「ヤフオク!」出品者は、ファミリーマート店頭のFamiポート端末に所定のQRコードをかざすと、宛先印字済みの宛名ラベルを出力できる。

そのラベルを送付する荷物に貼ってレジに持参するだけで、発送手続きが完了する。配送料金の支払いは「Yahoo!ウォレット」を使いオンライン上で完了するため、現金での支払いやクレジットカードの提示といった手間が省ける。

3月14日正午以降は、荷物を持ち込んで配送手続きできる場所が「ヤマト運輸営業所」「全国のファミリーマート」の2択になる。

全国のファミマで「ヤフオク!」の配送手続きができる、「ヤフネコ!パック」がコンビニ対応

「ヤフネコ!パック」のティザーサイトを開設(画像は編集部がキャプチャ)

「ヤフネコ!パック」はヤマト運輸が一般向けに提示している正規価格よりも安価に利用できるのが特徴。全国翌日配送(一部地域を除く)にも対応している。正規料金よりも安価に利用できるのは、差額分をヤフーが負担しているため。

「ヤフネコ!パック」の料金体系(すべて税込)

  • 宅急便
    486円~(通常料金は756円~)
  • 宅急便コンパクト
    416円(税込)~(通常料金は594円~)
  • ネコポス
    全国一律205円 (通常料金は上限378円)

たとえば「宅急便」。同一エリアで3辺合計が60㎝以内の荷物の場合、通常は756円(税込)かかるところ、486円(税込)で利用可能。その他のサイズや異なるエリアへの配送でも、利用しやすい価格での提供を実現しているという。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

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takikawa

「eBay」で最も売れる日本の商品は衣料品。2015年の越境EC取引データを公開

9 years 8ヶ月 ago
RPGゲームのような画像で現在の「ebay」における越境ECの状況をわかりやすく紹介

イーベイ・ジャパンは3月7日、オンライン・マーケットプレイス「eBay」における2015年の越境EC取引データを紹介するRPG調インフォグラフィックス「探し出せ!伝説の越境EC成功のカギ」を公開した。

RPGゲームのような画像を中心に構成、「ebay」における越境ECの状況をわかりやすく紹介している。

▼「探し出せ!伝説の越境EC成功のカギ」の全編(ebayのHPにジャンプします)

「探し出せ!伝説の越境EC成功のカギ」によると、「ebay」で日本と取引のあった国と地域数は201。中でも日本の出品者から商品を購入しているのは1位が米国、2位は英国、3位はオーストラリア、4位はカナダ、5位がフランスとなっている。

売れている日本商品をカテゴリーごとに分けると、1位は衣類、バッグ。2位はカメラ関連、3位は装飾類・宝石・時計、4位は収集品、5位がゲーム。

「タオバオ」など中国向け越境ECの場合、ベビー用品や健康食品、化粧品などが人気だが、「eBay」ではそれらの商品はTOP10に入っていない。大きく市場環境が異なることが明らかになった。

イーベイ・ジャパンは、「探し出せ!伝説の越境EC成功のカギ」の公開に関し、海外での販路開拓や売上拡大を目指す企業に対し、越境ECの理解向上やビジネスチャンスの大きさの認知拡大を目的としたものとしている。

中川 昌俊

ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援会社を中心にEC業界にかかわる企業や人を取材していこうと思っています。

読んで少しでも経営に役立ったり、なるほどと言ってもらえるような記事の執筆を心がけます。

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37 分 44 秒 ago
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