ネットショップ担当者フォーラム

スマホ経由の消費額はEC全体の約3割、購入額が多いのはアパレルや旅行

9 years 1ヶ月 ago

総務省が7月28日に公表した「情報通信に関する現状報告(平成29年版 情報通信白書)」によると、個人が1か月間にネット通販で使う消費額のうち、スマートフォン(スマホ)経由の消費額は28%だった。スマホ経由の比率は、米国の60%や英国の51%と比べて大幅に低い。

スマホ経由の消費額はEC全体の約3割、購入額が多いのはアパレルや旅行 総務省の調査「平成29年版 情報通信白書」
スマホによる消費額の割合(出典は総務省の「平成29年版 情報通信白書」)

商品ジャンル別の、1か月あたりの個人消費額に占めるスマホ経由の消費額は、「ファッション」や「旅行・宿泊」が多い。ただ、全体に占めるスマホ比率は小さく、現時点ではパソコンなどからの購入が主流となっている。

スマホ経由の比率が高いジャンルは「ファッション」「ゲームソフト」「動画・音楽」「アミューズメントチケット」など。

スマホ経由の消費額はEC全体の約3割、購入額が多いのはアパレルや旅行 総務省の調査「平成29年版 情報通信白書」
項目別の消費金額の算出結果 *日本、月間(出典は総務省の「平成29年版 情報通信白書」)

1か月あたりのスマホ経由の消費額を年代別で見ると、30代が1万235円で最も多い。次いで20代は9459円、40代は8373円、50代は4128円、60代は1930円。

商品ジャンル別では「ファッション」の20代の消費額が1296円で突出している。

スマホ経由の消費額はEC全体の約3割、購入額が多いのはアパレルや旅行 総務省の調査「平成29年版 情報通信白書」
年代別、項目別のスマートフォンを介した消費金額の算出結果 *日本、月間(出典は総務省の「平成29年版 情報通信白書」)

経済産業省が2017年4月に公表した「電子商取引に関する市場調査」では、2016年のスマホ経由の物販市場規模は、前年比28.7%増の2兆5559億円だった。国内の物販ECにおけるスマホ比率は31.9%で、前年の27.4%から大幅に上昇している。

スマホ経由の消費額はEC全体の約3割、購入額が多いのはアパレルや旅行 総務省の調査「平成29年版 情報通信白書」
スマートフォン経由の物販市場規模の 前年比率(出典は総務省の「平成29年版 情報通信白書」)

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

ECの再配達問題が消費者に浸透。約5割が配送員に「ねぎらいの言葉」

9 years 1ヶ月 ago

ネット通販の再配達問題が大きく報道されたことを受け、EC利用者の約55%が配送ドライバーに「おつかれさまです」などと、ねぎらいの声をかけるようになった――。

ジャストシステムが8月9日に公表した「Eコマース&アプリコマース月次定点調査(2017年7月度)」によると、再配達削減に協力的な消費者が増えている傾向がみられた。

調査では、物流業者の労働環境悪化などに関する報道以降、ネット通販の利用時に留意するようになったことや、配達者に対する態度の変化などについて質問した。

ECを利用する際、「到着日時を指定し、その時間帯は在宅すようになった」と回答したのは59.2%(「非常にあてはまる」「あてはまる」と回答したユーザーの合計)。

また、「配達員に『おつかれさまです』などと声がけするようになった」と回答したユーザーの割合は、「非常にあてはまる」と「あてはまる」の合計で54.6%に上った。

この他、「即日配送など、短納期の配送を控えるようになった」「コンビニや配送会社の営業所など、店舗取引を使うようになった」といった項目も、それぞれ約3割のユーザーに態度の変化がみられた。

ECの再配達問題が消費者に浸透。約5割が配送員に「ねぎらいの言葉」 ジャストシステム調査
EC購入時の留意点・配達者への対応の変化

約8割は配送に不満を持った経験

ECの利用経験者のうち、商品の配送に不満を持った経験があるユーザーは78.0%。不満を感じた理由は、「日時指定をしたのに、指定したとおりに届かなかった」(30.2%)が最も多い。次いで「時間指定の幅が広い」(24.1%)。

Amazon利用者の約4割はプライム会員

Amazonの利用に関する調査も行った。過去1年以内に、Amazon.co.jpで買い物をしたユーザーのうち、「プライム会員」は38.5%(男性:45.6%、女性:29.7%)。

プライム会員の中で「primeマークが付いている商品を選ぶ傾向がある」と回答したのは58.4%。その理由は、「送料が原則かからない」(79.8%)が最も多い。

「商品が早く届く」(63.6%)、「Amazonの物流から届くので、安心」(58.9%)も上位にあがった。

2017年7月の「Amazonプライムデー」を知っていた割合は59.7%。7月にECで買い物をしたユーザーの中で、「Amazonプライムデー」を利用した人は28.0%だった。

調査概要

  • 調査名:Eコマース&アプリコマース月次定点調査 (2017年7月度)
  • 調査方法:ネットリサーチサービス「Fastask」を利用して実施
  • 調査期間:2017年7月31日(月)~8月4日(金)
  • 調査対象:15歳~69歳の男女1100人

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

ECサイトのセキュリティと使いやすさはどう両立する? Amazonら米国大手EC企業の例 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

9 years 1ヶ月 ago

強固なセキュリティと使いやすいECサイトを設計する際、セキュリティと使い勝手のバランスを取るのは、EC事業者にとって難しい課題です。米国の大手小売事業者はどのような対策をしているのでしょうか?

Amazon(アマゾン)、Home Depot(ホームデポ、編注:住宅リフォーム・建設資材・サービスの小売チェーン大手)、Macy's(メイシーズ、編注:世界初のオムニチャネル企業とされる米国の百貨店)、Staples(ステープルズ、編注:オフィス用品世界最大手の企業)、Walmart(ウォルマート、編注:米小売最大手の企業)のECサイトにおけるセキュリティの強度、使いやすさに関する分析結果を調査会社のForrester Research社(フォレスターリサーチ)が発表しました。

セキュリティの強度と使いやすさのバランスを取る3つの方法

会員登録やログイン、決済画面における情報入力の手間が多いと、消費者は途中で入力作業を避けてしまう可能性があります。しかし、セキュリティ機能がおろそかになっていると、小売事業者も消費者もサイバー攻撃の標的になってしまいます。

フォレスターリサーチ社の最新調査によると、多くのオンライン小売事業者は高いセキュリティ機能よりも、利便性の高い買い物体験を消費者に提供する傾向があるようです。

ただ、オンライン小売事業者の上位を占める企業では、セキュリティと利便性のバランスの取り方に大きな違いがあります。

調査では、アマゾン、ウォルマート、ステープルズ、ホームデポ、メイシーズを分析。それぞれのECサイトで、ハッカーが機密事項にアクセスできないようにするセキュリティ機能の強度を調べた他、会員登録、ログイン、パスワード変更、購買において、どれほど使いやすいかを分析し、スコア化しました。結果は次の通りです。

ECサイトのセキュリティと使いやすさはどう両立する? Amazonら米国大手EC企業の例
セキュリティの強度と使いやすさの分析結果

セキュリティと使い勝手のバランスが良いアマゾン

アマゾンはセキュリティ強度で平均以上のスコアを獲得しましたが、使いやすさはほぼ平均スコア。今回調査の対象になった5つのECサイトの内、アマゾンだけが2段階認証を実施しています。

アマゾンでは、メールアドレス変更時もパスワードが求められます。また、電話番号を変更する場合は、新しい番号に認証番号をテキストで送信する仕組みを採用しています。

一方、何度もログインに失敗した場合、利用者をブロックすることはありません。

セキュリティ面に問題があるメイシーズ

メイシーズとホームデポは、使いやすさで上位に位置しています。メイシーズは、電話番号やメールアドレス変更など、アカウント内の情報変更があった場合、テキストメッセージもしくはメールで通知する仕組みを採用しています。

一方、フォレスター社の調査によると、メイシーズは過去に使ったパスワードを再度利用できるといったセキュリティ面に問題があると指摘されています。

セキュリティ面で高い評価のホームデポ

ホームデポの厳しいパスワードのルールは高く評価されました。利用者がパスワードを6回間違えると、サイトへのアクセスをブロックするなど、厳しいルールを設けています。

しかし、「8文字以上のパスワード」という単純なルールで運用。パスワード設定で厳しい縛りを設けていません。

使いやすさで平均的スコアのウォルマート

ウォルマートは使いやすさで平均的なスコアを獲得しました。過去に利用したパスワードの再利用は不可、10回パスワードを間違えるとブロックする仕組みを採用しています。

しかし、利用者が個人情報を変更した場合の認証は行っていません。メールアドレスを変更した場合、新しいメールアドレスに確認メールを配信することはありません。

セキュリティの強度で高いスコアのステープルズ

ステープルズはセキュリティの強度で高いスコアを獲得しました。パスワード設定の複雑さ、電話番号を変更した際にテキストメッセージを配信する機能などを設けています。

一方、会員登録時のメール送信、メールアドレス変更の際の認証プロセスがないことから、使いやすさでのスコアは低い結果となりました。

◇◇◇

今回の調査結果を受け、フォレスター社はセキュリティの強度と使いやすさのバランスを取る方法として、次のような提案をしています。

  1. 利用者の行動をモニタリングし、必要に応じてアクションを起こそう
    異なるIPアドレス、普段とは異なるデバイスからログインされた場合は、認証ステップを経るようにしましょう。
  2. 個人情報が変更された場合は確認できるようにしよう
    利用者がメールアドレスや電話番号を変更したら、メールかテキストメッセージで変更内容を確認できるようにしましょう。利用者は、このECサイトは個人情報を守ってくれていると認識するでしょう。
  3. パスワードを強化しましょう
    過去に利用したパスワードは利用不可にしましょう。大文字、小文字、数字など複雑なパスワードを必須にしてください。

インターネットリテイラー社発行の「全米EC事業 トップ1000社」でアマゾンが第1位、ウォルマートは第3位、ステープルズは第5位、メイシーズは第6位、ホームデポは第7位となっています。

Internet RETAILER

世界最大級のネット通販業界の専門誌「Internet Retailer」は、雑誌のほか、Web媒体、メールマガジンなどを運営。Vertical Web Media社が運営を手がけている。

Eコマースの戦略に関し、デイリーニュース、解説記事、研究記事、電子商取引におけるグローバルリーダーをランク付けする分析レポートなどを発行している。

Internet RETAILER

アマゾンに対抗できる? セブン・アスクル連合のEC協業策――物流・集客スキームは? | 通販新聞ダイジェスト

9 years 1ヶ月 ago

「欲しい商品が欲しい時間に100%購入できる新しいサービスの形を作りたい」。セブン&アイ・ホールディングス(7&i)は11月をメドに新たに生鮮品をメインとしたEC事業をスタートする。すでに展開中だが伸び悩むネットスーパー事業の“弱点”を意識した商品展開やサービス設計とし生鮮品ECの拡大の1つの起爆剤としたい考えのようだ。流通大手の7&iが期待を寄せる新ECの成功のための肝となるのが同事業のパートナーとして協働するアスクルの存在だ。同事業の勝算や行方は。また協働に合意した両社の思惑とは。

「LOHACO」側での配送代行とショッピングカートの開放が提携のカギ

7&iは11月末をメドに30~40代の有職女性や子育て中の女性などをメインターゲットとして、野菜や精肉、鮮魚などの生鮮品のほか、同社が展開中のプライベートブランド(PB)食品である「セブンプレミアム」といった冷凍食品や惣菜などを販売する新たな生鮮品EC事業「IYフレッシュ(仮称)」をスタートする。

アマゾンに対抗できる? セブン・アスクル連合のEC協業策――物流・集客スキームは? セブン&アイとアスクルはビジネスモデルが異なり経営資源が補完関係にある
セブン&アイとアスクルはビジネスモデルが異なり経営資源が補完関係にある(画像は編集部がセブン&アイHDの決算資料からキャプチャし追加)

これまでも傘下のイトーヨーカ堂が展開する「イトーヨーカドーのネットスーパー」で生鮮品のECを展開してきたが、各店舗から商品をピッキングして配送する仕組みが主流で、例えば雨が降った日には注文が増えるが店舗ごとに庸車しているため、そうした場合には車が足りなくなり、顧客が希望する時間帯に配送ができないなど販売機会の損失を起こすこともあったようだ。

また、ネットスーパーでは実店舗で購入できる商品をすべてネットで購入できるということをコンセプトに約3万SKUを販売しているが、「商品情報は日々、変わる。生産者を明記した野菜の場合、一週間で生産者が変わることもあるが都度、登録情報を変えなければならず、非常にハンドリングが難しい。販売商品を広げ過ぎた結果、お客様がサイトに訪問され、購入しようとした際に在庫がなかったなどの失望感を感じさせてしまったこともあった」(井阪隆一社長)という。こうした弱点がネックとなり、ネットスーパー事業の売上自体は伸びてはいるものの、期待通りの成長には程遠い状態となっていたようだ。

アマゾンに対抗できる? セブン・アスクル連合のEC協業策――物流・集客スキームは? イトーヨーカドーのネットスーパーとLOHACOの取扱商品について
イトーヨーカドーのネットスーパーとLOHACOの取扱商品について(画像は編集部がセブン&アイHDの決算資料からキャプチャし追加)

7&iでは生鮮品ECの拡大のために既存のネットスーパーが抱えていた弱点を踏まえ、品ぞろえやサービス設計を一新することした。しかも、そのためにこれまで頑なに守ってきた“自前”での展開を捨て、外のパートナーに協力を求めることで課題の打破を図ることにした。パートナーとはアスクルだ。

新たに立ち上げる「IYフレッシュ」のコンセプトは「確実にお届け可能な新しい食のサービス」だという。商品はイトーヨーカ堂の実店舗で販売するすべての生鮮品ではなく、加工肉やカット野菜、魚の切り身など「検討中だがネットスーパーに比べて3分の1程度(約1万点)」(井坂社長)とニーズの高い売れ筋に絞り込むことで欠品のないよう十分な在庫を持ちつつ、配送については注文日翌日以降、1時間刻みで配送時間を指定できるようにする。

また、「働く女性の悩み事である日々の献立を考えるお手伝いができれば」(同)とし、当該料理に必要な食材一式をセットにした簡便キットやPBの冷凍食品や総菜などを活用して作ることができる料理のレシピを動画を用いて提案するなどの試みも行っていく。

アマゾンに対抗できる? セブン・アスクル連合のEC協業策――物流・集客スキームは? 「IYフレッシュ」の取扱商品イメージ
「IYフレッシュ」の取扱商品イメージ(画像は編集部がセブン&アイHDの決算資料からキャプチャし追加)

これらを展開するにあたって非常に重要となるのが特に配送面だ。商品についてはこれまで7&iが培ってきたMD力を活用すればどうにでもなることだろうが、配送はそうはいかない。

時間とコストを投入すればそれも可能だろうが「自前にこだわって時間を掛けて作っていたのではお客様は離れてしまう。スピードが大事」(同)とし、日用品の通販サイト「LOHACO(ロハコ)」を運営し、また、都内や大阪など一部地域限定ながら自社配送で1時間刻みの時間指定が可能な配送サービス「ハッピー・オン・タイム」を展開し、ECサイトの運営ノウハウを持ち、EC配送力にも長けたアスクルと業務提携を結ぶことした。

「IYフレッシュ」の仕組みはこうだ。アスクルが運営する「ロハコ」が昨秋から実施している他の事業者が出店して商品を販売できる「マーケットプレイス」に7&iが出店する形となる。

ただし、今回のケースは7&iの井阪社長とアスクルの岩田社長によるトップ同士の話し合いによる肝煎りの試みであることから“特別対応”となっており、他の出店者にはいまだ提供しておらず、当面はその予定もない模様の「出店者向けフルフィルメントサービス」を初提供している。それが「『ハッピー・オン・タイム』による配送代行」と「ショッピングカートの開放」だ。

アスクルはネット販売で1つの課題となっている購入商品の受け取りのための“待つ時間”を軽減し、利便性向上を図る狙いから、昨夏から同社の物流子会社、アスクルロジストの配送員などが直接、配達を担い、実施する「ハッピー・オン・タイム」を展開。

顧客は専用アプリで午前6時~深夜12時まで1時間単位で配送時間を指定でき、かつ配送日の前日(当日配送の場合は当日昼)までに30分単位で配送時刻をアプリ上のプッシュ通知で顧客に知らせ、また、配送10分前にも再度通知するというきめ細かい配送サービスを展開しているが、これまでは同社が在庫を持つ直販商品のみを配送してきた。

この配送サービスを初めて、他社に開放し「IYフレッシュ」の商品の配送を代行する。「ハッピー・オン・タイム」の配送員がイトーヨーカ堂が東京・荒川区内に構えるネットスーパー専用店舗「ネットスーパー西日暮里店」に受注商品を取りに行き、保冷剤などを使いながら鮮度を保ちつつ、他の同社の直販商品と一緒に配送する流れとなるようだ。

なお、こうしたスキームは11月の開始時点の構想であり、今後はアスクルの配送拠点内に温度管理の仕組みを入れることなども検討している模様で、異なる様々なスキームも検討・模索しているようだ。

配送代行ほか、「ショッピングカート」についても特別な対応を行っている。通常、「ロハコ」に出店する事業者の商品はアスクルの直販商品とは別のショッピングカートとなり、もちろん、配送も別となる。「ロハコ」上で販売する商品であっても販売主が異なるためだ。しかし、今回の「IYフレッシュ」ではショッピングカートはアスクル直販商品と別ではなく、共有している。

それゆえ、「ロハコ」の顧客にとっては、よりスムーズに買い物が可能になるほか、日々、使う日用品が多いアスクル直販商品と注文額が合算されるため、送料が無料となる「送料無料ライン」(※現状、「ハッピー・オン・タイム」では1回注文3000円以上で送料・手数料無料=1時間枠指定配送の場合)を越えやすくなり、そのために注文時のハードルが下がるという利点も出てくるようだ。

また、「IYフレッシュ」の大きな“売り”とも言える調理手順を示したレシピ動画の制作などを含めたサイトの運営も出店者である7&iではなく「動画制作も含め、サイト全般は当社が担当する」(アスクル)という。なお、レシピ動画の制作料金については制作料およびそもそも制作料を徴収するかどかについても現状、未定だとしている。

7&iが自前主義を捨て、これまでの弱点を克服できるノウハウや仕組みを有するアスクルと連携することで実現させる「IYフレッシュ」はまず今年11月末から都内の新宿区と文京区の2区に絞り、テスト展開を始める。その結果を踏まえて、来年5月ころをメドに東京23区の西部および北部に拡大。来年中には23区全域、2020年には首都圏に拡大させたい考えだ。

アマゾンに対抗できる? セブン・アスクル連合のEC協業策――物流・集客スキームは? 「IYフレッシュ」の展開計画
「IYフレッシュ」の展開計画(画像は編集部がセブン&アイHDの決算資料からキャプチャし追加)

「お互いが持っている“強み”はかぶらない補完し合える関係だ。アスクルは物流インフラ、システムなど素晴らしい資産を持ち一方、私どもは長年培ってきたメーカーとのチームMD、食の安心安全が担保できるサプライチェーンがある。これをしっかり組み合わせてお客様に安心で便利で美味しい食品をお届けしたいという2社の熱い想いがある。

まずはスモールスタートだが、だんだんと大きくしていきながら、『IYフレッシュ』はもちろん、ECサイトやEC物流の共同運営、場合によってはアスクルさんのBtoBビジネスの中に私どももご一緒できるようなことが描けたらという想いもある」(井阪社長)とし新たな生鮮品ECへの期待にとどまらず、アスクルとのより踏む込んだ協業の可能性についても言及した。

実際、生鮮EC以外の協業についても、「IYフレッシュ」が稼働する11月末と同じタイミングで7&iが運営するECサイト「オムニ7」と「ロハコ」で相互送客を開始。「オムニ7」「ロハコ」の両サイトの商品検索結果に互いの商品を掲載する形だ。例えば「ロハコ」の検索結果に「オムニ7」の商品が表示され、顧客が当該商品ページをクリックすると「オムニ7」での当該商品の詳細ページが立ち上がり、「オムニ7」での商品購入に誘導するもの。

「現時点では、相互のサイトに表示させる対象商品に関する詳細は未定」(アスクル)としており、詳細は不明だが、自社サイトで品ぞろえが薄いジャンルの商品を互いに掲載するなどしていく模様だ。

生鮮品ECや相互送客などをきっかけに日本を代表するGMS大手である7&iとECや物流に高いノウハウを持つアスクルが強力にタッグを組むことになれば、まさに現在、EC市場を席巻するECの巨人、アマゾンに対抗し、凌駕し得る存在になれる可能性を秘めている。

ただし、客観的にみれば少なくとも現時点では両社のトップの「強い言葉」とは裏腹に両者間の関係は業務委託の域を出ていない。7&iにとっては自社にはない優れた配送サービスやECノウハウを持つアスクルに新規事業の一部の業務を委託。一方、アスクルにとってはもちろん今回の連携は競合であるアマゾンが強化している食品販売に対抗するため、自前で展開するよりも迅速に取扱いが可能となるという戦略的な面も当然あり、それゆえ様々な“特別待遇”をとっているものの、「ロハコ」の「マーケットプレイス」に出店している大口で重要な存在ではあるが1出店者に過ぎない。

相互送客も言ってみれば互いに検索連動型広告を貼りあう程度の単純な連携であろう。それが良い悪いということではなく、すべては11月から始まる予定の事業の結果次第だということだろう。

仮にECサイトや物流の共同開発や共同運営、アスクルの本丸の事業であるBtoB事業でも連携を進めるということになれば、アスクルの筆頭株主であるヤフーとの関係や採用する共通ポイントの違いなどなど乗り換えなければならない問題は多いはず。

「IYフレッシュ」が一定の成果を見せ、そして諸問題を解決してでもなお、強固なタッグを結ぶことに両社が意味を見いだせるか。「IYフレッシュ」の進捗も含めて両社の連携がどの程度の深度を今後、見せていくのか注視したい。

「互いがベストパートナー」

セブン&アイ・ホールディングスとアスクルが業務提携を結び、生鮮品ECや互いのECサイトの相互送客に乗り出す。7&iの井阪社長、アスクルの岩田社長に今回の提携の狙いや内容、今後の方向性について聞いた。(7月6日開催の記者会見での本紙を含む報道陣との一問一答を要約・抜粋)

アマゾンに対抗できる? セブン・アスクル連合のEC協業策――物流・集客スキームは? セブン&アイHDの井阪隆一社長(写真右)とアスクルの岩田彰一郎社長
セブン&アイHDの井阪隆一社長(写真右)とアスクルの岩田彰一郎社長

――両社が提携したきっかけは。

井阪「アスクルの物流倉庫の火災が発生した際に、会合や会食で何度もご一緒した岩田社長にお見舞いさせて頂いたが、岩田社長からお礼に伺いたいという申し出があり、そこで何か互いにできることはないかとお話させて頂くようになったのがきっかけだ。5月12日の3度目のミーティングで『一緒にやるならどうせなら、今までない商品・サービスをお届けできたらいいね』ということで、当社が得意とする食品でちょうど話題となっていた食材キットのようなものを作ってお届けできたらどうかという話になり、品質管理の問題もあり、新しい食材キットを作るには数カ月かかるという話に対して、岩田社長から『セブンプレミアム』といったPB商品を組み合わせてメニューを提案できたら、働く女性の悩みである『日々のメニューを考える』ということのお手伝いができるのではないかということになった。その後すぐアスクルさんは主婦の方へのグループインタビューやPBを使ったメニューのアイデアなどを盛り込んだレシピ動画を作って見せて頂いた。私はこのスピード感に感銘を受けて一緒にやりましょうということになり、前のめりになってお話を進めてきた」

――例えばECで言えば楽天などモール運営者もいるが、他社と連携しようとは考えなかったのか。

井阪「一番シナジーが発揮できるところはどこかと考えるとアスクルだった。機能や商品がオーバーラップせず、お互いの良さを補完し合えるこういう点でベストパートナーだと考えた」

――7&iではこれまで単独でオムニチャネル戦略を進めてきたわけだが、何が弱かったのか。また今回の提携でそれをどう克服できるのか。

井阪「今までどちらかというと、Eコマースサイトを充実させる方向だったが、ふと立ち止まって考えると、私どもの強みはやはり2200万人のお客様のリアルでの買い物だと気がついた。そういう意味でもう一度、オムニチャネルの再定義をしたいと考えていたところ、今回の話を頂き、まず『食』が、私どもの強みをダイレクトにお客様に感じて頂ける点ではないかと考えた。また、スピードも大事だ。自前にこだわって時間をかけていてはお客様は離れてしまうという思いがあり提携させて頂いた」

――倉庫の火災の影響で物流は立て直しの最中だが、「IYフレッシュ」で増す物量に対応できるのか。

岩田「現在はまさに物流の立て直しの最中だが、9月には回復する。最初はスモールスタートで流通をコントロールしながらPDCAを回しノウハウを蓄積してその後はできれば一気に拡大していきたい」

――「IYフレッシュ」の売上目標は。

井阪「実は設定していない。それよりもまず我々がやってきたネットスーパーの不便点を徹底的に解決したモデルを岩田さんと一緒に作りたい」

――「IYフュレッシュ」の送料は。

井阪「検討の最中だが、現在のネットスーパーよりも少しお手軽にしたいと思っている」

――今後の提携の方向性は。

井阪「色々な広がりや拡張性があると思っている。最初はBtoCだがBtoBのビジネスについても連携の可能性があると思っている。例えば我々のセブンミールサービスの弁当をオフィスに販売していくなどだ。様々なアイデアがあるので岩田社長とキャッチボールをしながら膨らませていきたい。領域を狭めず、可能性をすべて考えていきたい」

――現在、ECはアマゾンが席巻している。今回の提携は対アマゾンの日本連合と言えるが、意気込みは。

岩田「アマゾンは本当に素晴らしい企業だが、世の中にアマゾンしかないという状況は生活者にとってよくない。きちんとした選択肢をセブンさんと力を合わせて提供していきたい」

通販新聞

KDDIグループのECモール「Wowma!」、サイトを刷新

9 years 2ヶ月 ago

KDDIコマースフォワードは8月9日、ECショッピングモール「Wowma!(ワウマ)」をリニューアルした。

「au」の顧客向けに運営していた「Wowma! for au」と、「au」以外の顧客を対象としてきた「Wowma!」を統合し、「Wowma!」に一本化した。

KDDIグループは2016年10月、DeNAが運営していた「DeNAショッピング」を譲り受けた。2016年1月にモールの名称を「Wowma!」に変更。KDDIグループが運営してきた「au ショッピングモール」の名称も「Wowma! for au」に変更した。

これまで別々に運営していた2つのモールが統合したことで、出店企業は効率的な店舗運営が可能となる。

トップページや全てのカテゴリトップページ、検索結果ページのデザインを一新。顧客の閲覧履歴に応じて、レコメンドする商品やコンテンツを出し分けるなど、商品提案の機能も強化した。

ユーザーが欲しい商品に辿り着きやすいサイト構造に変更し、快適な買い物体験を提供していく。

KDDIコマースフォワードは「Wowma!(ワウマ)」をリニューアル、「Wowma! for au」と「Wowma!」を統合

「Wowma!」のリニューアルイメージ

2017年6月には新たな出店プランをリリース。従来の成約手数料は決済手数料と合わせて約9~11%だったが、新プランでは決済手数料込みの成約手数料体系で、売上規模に応じて最低4.5%からに設定している。

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渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

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永谷園、中国向け越境ECに参入

9 years 2ヶ月 ago

永谷園が中国向け越境ECに参入した。中国で日本食の人気が高まっていることを受け、越境ECで中国市場を開拓する。

2017年6月、中国向け越境ECプラットフォーム「豌豆公主(ワンドウ)」に出店した。現在販売している商品は、「お茶漬けの素」「即席みそ汁」など和風即席商品を中心とする6品目。和食を好む幅広い顧客層に商品を販売したい考え。

「ワンドウ」は日本製品に特化した中国ユーザー向けのショッピングアプリ。出店時の初期費用や、固定費は無料。決済や配送、翻訳、顧客対応などは、アプリを運営している中国企業のインアゴーラが代行する。

出店企業は商品情報を日本語で登録し、商品を国内の倉庫に送るだけで、越境ECを開始できる。アプリ内にSNS機能を備えているため、クチコミの拡散を図るなど、マーケティングに活用することも可能だ。

「ワンドウ」を活用する国内企業は増えており、2017年6月以降はカゴメ、味の素、白鳩などが出店した。

永谷園は中国向け越境ECアプリ「豌豆公主(ワンドウ)」で下着の商品販売を開始

永谷園は「ワンドウ」の販売スキームを活用する

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

お客がファンになる顧客接点の機会はいつ? 購入後から配送までが最も重要なワケ | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

9 years 2ヶ月 ago

商品を購入した消費者とより良い関係を築くのに最適なタイミングは、ブランドに対する興味・関心が最も高い時、つまり商品購入後すぐの場合が多いと言われています。購入から配達までの期間を利用してファンを増やすのは、ネット通販事業者にとって最も重要な施策の1つなのです。

「購入」ボタンを押した直後は、ロイヤリティを高めるチャンス

買い物体験が多様化していくなか、消費者が抱く買い物への期待値はこれまで以上にわかりにくくなっています。利便性を重視するのはもちろん、特に日常的に利用する消費財に関しては、ブランドを気にしない消費者が増えています。

たとえば、Amazonグループのプライベートブランド「AmazonBasics(Amazonベーシック)」は、乾電池のオンライン売上の3分の1のシェアを占め、2015年比で93%も伸びています。

ただ、ハイエンドな商品については、消費者はよりパーソナルで、心地の良い買い物体験を求めています。

持続可能な社会をめざして活動するエシカルなファッションブランド「Reformation」は、オススメの洋服を利用者ごとにカスタマイズして表示。実店舗に設けている試着室ではタッチスクリーンなどのハイテク技術を取り入れるなどして、消費者の興味・関心を引きつけています。

従来の販売チャネルと異なり、ネット通販では消費者と顔を合わせる機会や、強力な関係性を築く機会は決して多くはありません。それは、オンライン小売事業者にとって大きな課題になる一方、別の方法で消費者のロイヤリティを高める、つまり新しい方法を生み出す機会にもなります。

特に、消費者が「購入」ボタンを押した直後は、ロイヤリティを高めことができる可能性が最も高いタイミングです。

伝統的な小売業では、消費者がお店を訪問し、商品購入後はすぐに買い物袋を提げてお店を出ていきます。ネット通販では、購入から商品が手元に届くまで、2~5日間の時間を要します。その間、早く商品を試したいという高い期待を胸に、消費者は商品の到着を待っています。

この新しいマーケティング概念である「Moment of Truth」(真実の瞬間、編注:消費行動における重要な顧客接点)は、「購入直後」と言われており、この瞬間が新商品や自社ブランドのPR、注文した商品への期待を高める良い機会になるのです。

購入直後のタイミングを利用し、消費者のロイヤリティを高めることができる3つの方法をご紹介します。

期待値を高める

消費者とより良い関係を築くためのアプローチで最適なタイミングは、消費者がブランドに対してとても関心が高い時です。

最新の調査によると、91%の小売事業者が、購入後に消費者と関わりを持つことによってブランド認知が高まり、消費者の満足度やロイヤリティが高まると回答しています。

商品発送のお知らせメールを送る際、カスタマイズした内容を配信している小売事業者もいます。たとえば、ヨガ関連グッズを販売する「Lululemon」でヨガマットを購入すると、商品の手入れ方法、配送の追跡用リンク、スペシャリストとつながることができるライブチャット、ソーシャルメディアへのリンクが送られてきます。

LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン傘下で化粧品などを販売する「Sephora(セフォラ)」の配送追跡ページには、オススメ商品の紹介、「pinterest(ピンタレスト)」に似た自社の写真投稿ページへのリンク、まばゆい色のメイクが施された画像が掲載されています。

このような細かい努力が消費者の満足度を高め、商品到着への期待を膨らませます。

新商品への関心を高める

抜け目のない小売事業者達は、消費者が商品の到着を待つ期間を別の商品PRの為に賢く利用しています。90%の小売事業者が、購入後に消費者と関わりを持つことによって、ECサイトへの流入や売り上げにつながると回答しています。

購入後に消費者と関わりを持つことによって、ECサイトへの流入や売り上げにつながるか?
購入後に消費者と関わりを持つことによって、ECサイトへの流入や売り上げにつながるか?(画像は「Pathways to Loyalty and Post-Purchase Success」から編集部がキャプチャし、一部を日本語翻訳した)

たとえば、Amazonプライムでマフィンを注文すると、計量カップやお菓子作りの関連商品といった「オススメの割引商品」が表示されます。パーソナルなオススメ情報を表示させるには、機械学習アルゴリズムを利用するのが簡単で、利益を出しやすいでしょう。

マッキンゼー社によると、消費者がアマゾンで購入する商品の35%は、アルゴリズムをベースにした商品紹介に起因しているそうです。

プロフィールや購買データを活用すれば、消費者が何を必要としているのかを見極めることができます。

Target(ターゲット社)のモバイルクーポンアプリ「Cartwheel」は、過去の購買に基づいて商品をオススメします。ベビーフードを検索した人には、オムツやお尻拭きを紹介するのです。

しかしながら、現在、商品購入後に新商品や関連商品をオススメしている事業者は54%しかいません。比較的新しい方法ですが、消費者が別商品の提案を気に入り、最終的には多くの商品を購入しているというデータもあります。

商品購入後の消費者に対して行っているアクションについて
商品購入後の消費者に対して行っているアクションについて(画像は「Pathways to Loyalty and Post-Purchase Success」から編集部がキャプチャし、一部を日本語翻訳した)

積極的に進捗を知らせる

消費者は効率の良い買い物を期待している為、時間がかかることを嫌がります。ですから、小売事業者は消費者のニーズを事前に予測し、行動することが大切です。

定期的に購入した商品の配送状況などを知らせることで、消費者に安心感を与えると同時に、自社にとっても良い影響を与えます。87%の小売事業者は、購入された商品の配送状況を購入者へ頻繁に知らせることで、購入者からのセンターへの問い合わせ電話が減ると答えています。

小売事業者の87%が、購入された商品の配送状況を頻繁に知らせることで、コンタクトセンターへの問い合わせ電話が減ると答えています。

積極的な情報提供でコンタクトセンターへの電話問い合わせは減るか?
積極的な情報提供でコンタクトセンターへの電話問い合わせは減るか?(画像は「Pathways to Loyalty and Post-Purchase Success」から編集部がキャプチャし、一部を日本語翻訳した)

返品状況や、購入者が選択した方法による商品配送予定時間を知らせたりすることはとても大切です。SMSやメール、Facebookメッセンジャーを使ってお知らせを送っている店もあります。

たとえば、化粧品などの「Urban Decay」は、購入したメイクアップ商品の配送状況のお知らせ方法を購入者に選んでもらう方法を採用しています。消費者は便利で使いやすいプラットフォームを選択し、商品の配送状況をテキストメッセージで受け取るのです。

◇◇◇

消費者のロイヤリティを獲得するのが難しい時代に突入しました。消費者の期待値は変わり、より簡単で、便利で、パーソナルな購入体験を求めています。

実店舗からオンラインに買い物行動が移行する今、新しい方法でファンを増やす絶好の機会です。購入から配達までの期間を利用してファンを増やすのは、最も重要な方法の1つなのです。

Internet RETAILER

世界最大級のネット通販業界の専門誌「Internet Retailer」は、雑誌のほか、Web媒体、メールマガジンなどを運営。Vertical Web Media社が運営を手がけている。

Eコマースの戦略に関し、デイリーニュース、解説記事、研究記事、電子商取引におけるグローバルリーダーをランク付けする分析レポートなどを発行している。

Internet RETAILER

インスタグラムで好かれるPR動画は「おしゃれ」「投稿とトーンが合っている」

9 years 2ヶ月 ago

トレンダーズはこのほど、20~30代のインスタグラムユーザーの女性を対象とした、「企業のPR動画」に対する意識や視聴経験などに関する調査結果を公表した。

フォードで好感を持つPR動画の条件を、選択式・複数回答で質問した結果ところ、「雰囲気がおしゃれ・かわいい」(59%)や「その人のふだんの投稿とトーンが合っていること」(56%)が上位にあがった。

「広告色が少ないこと」(46%)も3位に入っており、利用者のフィードの世界観に溶け込んだ動画が、ユーザーから好まれやすい傾向が示された。

「企業のPR動画」に対する意識や視聴経験などに関する調査結果(トレンダーズ調査)。フォードで好感を持つPR動画の条件

インスタグラム動画の視聴経験を聞いたところ、経験が「ある」と回答した割合は、「フィード」は63%、「ストーリーズ」(スライドショー形式で写真や動画投稿を閲覧できる新機能)は71%だった。

動画の視聴経験があるユーザーのうち、「動画投稿は静止画投稿より目に留まる投稿が多いと思う」と回答した人の割合は49%を占めた。

「企業のPR動画」に対する意識や視聴経験などに関する調査結果(トレンダーズ調査)

インスタ動画は「美容商材」や「食品」と好相性

友人や知人、芸能人などの「個人アカウント」が投稿したPR動画の中で、実際に視聴したことがある動画のジャンルは、1位が「メイク・コスメ・ネイルのHOW TO動画」(78%)、2位が「調味料・食材などのレシピ動画」(74%)、3位が「ヘアスタイルのHOW TO動画」(72%)と続いた。

また、PR動画を見て商品やサービスに好感を持ったジャンルは「メイク・コスメ・ネイル」(45%)、「調味料・食材」(41%)、「ヘアスタイル」(40%)となっている。

「企業のPR動画」に対する意識や視聴経験などに関する調査結果(トレンダーズ調査)

ユーザーの心をつかむ投稿のコツ

同レポートでは、「食」に特化したインスタグラマーとして8万人以上のフォロワーを持つChinami(@chinamisakamoto)さんと、「美容」に特化したインスタグラマーで4万5000人のフォロワーを抱える齋藤美沙貴(@misya_kids)さんが、ユーザーの心をつかむ投稿のコツを解説している。

■Chinami(@chinamisakamoto)さん

――「いいね」「コメント」がつくテクニックは?

心がけていることが2つあります。1つ目は自分らしいテイストを持つこと、つまりご覧いただいた方に私の写真だとすぐにわかっていただけるように一貫性を持ち続けること。もう1つは何かしらちょこっとでも驚いてもらえたり納得してもらえたりすること、などです。フォロワーさんの笑顔に繋がる写真を撮れるようこれからもがんばりたいです。

■齋藤美沙貴(@misya_kids)さん

――PR 動画投稿で心がけていることは?

PR案件について、メイク動画がほとんどなのですが、自分に似合う方法で紹介するようにしています。指定のハッシュタグなどだけの文言で紹介するのではなく、自分ならこんな風に使うといったオリジナルも含めて紹介しています。

――「いいね」「コメント」がつくテクニックはありますか?

コスメ等の紹介も、フォロワーさんならどんな使い方をするのかなど質問を投げかけてみたり、質問でもらったことをインスタに紹介することで、自分だけじゃなくて、フォロワーさんも巻き込んで自分のインスタグラムのページを作るように心がけています。

調査概要

  • 調査対象:Instagram を「毎日閲覧する」と回答した20~30代女性 500人
  • 調査期間:2017年7月3日~7月4日
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査実施機関:楽天リサーチ株式会社

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

日本郵便、大手モールとの連携進める。楽天に続き「ポンパレモール」と

9 years 2ヶ月 ago

ネット通販の不在再配達を削減するため、日本郵便が大手ECモールと連携を進めている。

日本郵便は2017年10月10日から、リクルートライフスタイルが運営するECモール「ポンパレモール」の商品を、全国のコンビニや郵便局、宅配ロッカーで受け取れるようにする。

これまで「楽天市場」と配送サービス強化で連携を深めており、今後は「ポンパレモール」の商品の受け取り場所を拡充する。さらなる不在再配達の削減をめざす。

日本郵便の拠点受取サービス拠点数

日本郵便の拠点受取サービス拠点数

「ポンパレモール」の顧客は、日本郵便の拠点受取サービスを利用することで、ローソンやミニストップ、ファミリーマート、郵便局、宅配ロッカー「はこぽす」で商品を受け取ることが可能になる。受取拠点は合計約4万8400か所。

「ポンパレモール」に出店している店舗は、「ポンパレモール」の設定画面で拠点受取サービスの申し込みを行う。

「ポンパレモール」に出店している店舗は、日本郵便への利用申し込みと、管理画面の設定を行うことで、商品ごとにコンビニ受け取りの可否を設定できる。すでに配送を「ゆうパック」に設定している店舗は、拠点受取サービスを利用しても追加料金は発生しない。

日本郵便はこれまで、「楽天市場」と連携して配送の効率化や、不在再配達の削減に取り組んできた。

「楽天市場」では2015年、日本郵便の宅配ロッカー「はこぽす」の利用を開始。2015年9月以降は段階的に、日本郵便の配送サービスを利用している出店者がローソンやミニストップ、ファミリーマートの店頭受取サービスを利用できるようにした。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

LINEショッピング、スタート1か月半で会員数500万人突破

9 years 2ヶ月 ago

LINEが運営しているポイントサービス「LINEショッピング」の会員数が、サービス開始から1か月半となる8月1日時点で500万人を超えた。8月7日に発表した。

「LINEショッピング」は、ECサイトへの集客を支援するポイントサービス。「LINEショッピング」を経由して通販サイトを利用したユーザーに対し、購入金額に応じてLINEポイントを付与する仕組み。

ファッションや雑貨、スポーツ、インテリア、家電、化粧品など、150以上の企業やファッションブランドなどが参加。「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」といった大手ECモールも参加企業に名を連ねる。

特にファッションやインテリア・家具といったジャンルの商品の人気が高いという。「ベイクルーズ」「ユニクロ」「Wowma!」など人気ブランドやモールが新たに参加した。

LINEのLINEショッピングの会員数が500万人を突破

「LINEショッピング」のPC画面(画像は編集部がキャプチャ)

ポイント還元率は1~20%。LINEポイントは、1ポイント1円として電子マネー「LINE Pay」で利用できるほか、スタンプの購入に使える「LINEコイン」に交換することも可能。

「LINEショッピング」は、月間アクティブユーザー数が7000万人のメッセージアプリ「LINE」内に開設されている。

正式ローンチ前の試験運用では、「LINEショッピング」を経由してECサイトを利用したユーザーの商品購入率は平均22.8%だった(2017年5月時点)。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

現金でキャッシュバックされるお買い物サイト「monoka(モノカ)」オープン

9 years 2ヶ月 ago

ファンコミュニケーションズは8月9日、キャッシュバックサービス「monoka(モノカ)」をオープンした。

「monoka」経由で買い物をすると、各提携ショップが定めた金額がユーザーにキャッシュバックされる。口座登録をすれば最短で即日振込が可能(最低振込可能金額は1,000円)。

提携ショップはSHOPLISTや7netをはじめ、ファッションやコスメ、食材など100以上。消費者にとって価値ある情報をキュレーションする「おすすめ特集」や「ショップニュース」などのコンテンツ発信を通じて、ショップとの新たな出会いを促進していく。

monokaのTOPページ

monokaのサービス紹介

ファンコミュニケーションズのコメント
ポイントサイトと呼ばれる、商品購入やサービス利用に対してユーザーにポイント還元するサービスは以前より数多く存在しますが、現金でのキャッシュバックサイトは運営者の利益が出づらいことからこれまで国内では広く一般向けには提供されてきませんでした。
「monoka」は自社で運営する国内最大級のアフィリエイトサービス「A8.net(エーハチネット)」の広告在庫を利用することでこの利益確保の問題を解消し、このたび消費者によりメリットの大きい現金キャッシュバックサービスの提供を実現いたしました。
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めっちゃ売れとったのになんで赤字やねん!【オカンでもわかるCPAとLTVとROASとROI】 | オカンでもわかるアドテク教室

9 years 2ヶ月 ago

ネットショップの経営が軌道に乗り、誰よりも夏を満喫していたオカン。でも、バカンスから戻って来た途端、僕のところへ血相を変えてやって来たぞ!? イラスト◎浮蓮 要

登場人物
僕

僕 大学院を卒業後、地元大阪の大手メーカーに就職したが、なぜか配属された広告宣伝部でアドテクに興味を持ってしまい、あっさり東京のインターネット広告会社に転職してしまった。現在入社3年目の27歳。オカンには「虎の子は虎やな」とわけのわからないコメントをもらったが、たぶん応援してくれていると信じて毎日楽しく忙しく働いている。

オカン

オカン 純然たる大阪のオカン。自慢(?)のファッションセンスをビジネスにいかそうとネットショップを始めた。数々のネット広告の知識を息子から仕入れ、持ち前のビジネスセンスで事業を拡大している。

オカン

オトン 最終回にして突如登場したお父ちゃん。プロフィールは謎だが、オカンに軽んじられていることだけはハッキリしている。

オカンあんた! これどういうことなん!?

僕え……なにが?

オカンこういうことや!

----------注:ここから回想シーンです----------

オカンあれ? ……あれ、目おかしなったんかなぁ……。

オカンどうし……

オカンなんでもあらへんわ!!

オカン……そうか。

オカンあ……。このままじゃあアカンー!!!!破産やーーーー!!!!!!!

破産や〜〜〜〜!! エラいこっちゃ!!

----------回想ここまで----------

僕……父さん。

オカンそこはどうでもええんや! 家計簿付けとったら、今月真っ赤や! マイナスや! まぁ、お父ちゃんの貯金あるから全然大丈夫なんやけどな。

それにしたって、あたしのサイト、めっちゃ人気になって売れとったんやで! それやのに、なんで利益が出てへんねん!

僕なるほど。それはね……。

売れてるのに赤字?! オカンの店の落とし穴

僕オカン、今月ってセールしてたよね?

オカンそうや。

僕その売上を増やそうとして、広告費をすごく使ったんじゃない?

オカンそうや! リタゲが上手くいったから、セールにして一気に販売してやったわ!

僕多分それが原因だね。オカン、CPAって聞いたことある?

オカンなんやちょっと前にちらっと聞いたな。

僕……そうだよね(よくここまでやってこれたな)。ECサイトを運営する上で、売上や利益に関して大事な指標はいくつかあるんだけど、CPA、LTV、ROAS、ROIの4つは特に重要になってくるんだ。

まずはCPAから説明するね。CPAはこの式で計算できるよ。

 売上単価-原価-人件費等その他のコスト-確保したい利益=目標CPA 

この「目標CPA」は、売上から利益とか必要な経費を引いた後に残るものだから、1件のCV(購入や申し込み等)あたりに使っても大丈夫な広告費として考えられるね。

オカン、セールで安くしたから売上単価が下がったの忘れて、目標CPAをそのままで考えてたんじゃない?

オカン……どういうことや。

僕例えば、セール前の売上が8,000円で原価が2,000円、人件費等その他のコストが1,000円、確保したい利益が1,000円だとしたら、目標CPAは?

オカン3,000円やな。

僕そうだよね。じゃあセール中で30%オフだったとしたらどう?

オカン8,000円の30%引きやから、売上が5,600円になるやろ? 原価とコストが変わらんで、目標CPAを3,000円にしとったら…… 赤や……400円赤になっとる……!!

僕これですごく売れたんだとしたら、赤字も相当な額になっちゃうよね。そんなんでバカンス行って爆買いしたから……。

オカンこれがわかってたらバカンスになんか行かんかったわ!!!!

たまには羽根のさな♪ → あそび過ぎてもーた

LTV(生涯価値)で考えよう

僕でも、考え方によっては取り返す事もできるんだよ。

オカンなんや、どうするんや!

僕それがLTVっていう指標での考え方。LTV(Life Time Value)は顧客生涯価値って言って、1人のお客さんがある一定期間にどれだけ利益をもたらしてくれたかを表す指標。

例えば、さっきと同じ人がもう1回、5,600円の商品を買った場合を考えてみよう。オカンのECサイトでリピート購入してくれたってことだね。

この時、よく言われているように「新規獲得費用(新規獲得にかける広告費)」の5分の1が既存維持(既存顧客を維持するためにかける広告費)にかかる費用だとすると、さっきのCPAの式で考えて利益はいくらになる?

オカン売上が5,600円で、原価とコストが合わせて3,000円、目標CPAが5分の1で、600円になるから…… 黒や……2,000円の黒になっとる……!!!

僕そうなるよね。同じ人に何度も買ってもらえれば、1回目購入の赤字は実は取り返せるんだ。

オカンホンマや……! 最初が400円の赤字やけど、次が2,000円の黒字やから、プラマイのプラや!

僕3回目も同じように買ってくれたら、3,600円の利益が出ることになる。何度もリピート購入してくれればそれだけ利益が出るから、初回購入時にかけられる広告費も増やせるんだ。

オカン時代はLTVやな!!

僕ただ、リピート購入してもらうには、買ってくれたお客さんへのフォローをしっかりしてオカンのサイトのファンになってもらわないといけないし、2回目は5,600円以下の商品を買ってしまうかもしれない。

オカン……確かに。

僕例えば化粧品とかサプリとか、金額が一定でリピートがされるような商品だったら、このLTVの考え方はすごく役立つ。

でもオカンのECサイトみたいに、商材が多くて購入単価もバラバラになる場合は、別の指標で考えた方がいいんだ。それがROASとROIっていう指標。こっちもまずはROASから説明するよ。

オカンろあす……ああ、阿部寛がCMやってる桃のやつか。

僕……(それは……いろはす)。

ROASとROIとは?

僕ROASは、

 広告経由売上 ÷ 広告費 × 100(%) = ROAS(%) 

で表される指標で、CPA指標よりもっと直接的に儲かってるかどうかが分かる指標なんだ。

例えば1,000円の広告費で2,000円の売上が出たら、ROASは200%ってことになるよね。

オカン確かにこれなら1回の購入ごとで売上が違っても、ROASが100%を超えてていれば、かけた広告費以上の売上が出てるってことがすぐにわかるな! CPAよりこっちの方が簡単やし、これでやるでー!!!

僕そうなんだけど、ROASが100%を超えていても、さっきみたいに赤字になってしまうこともあるんだ。

オカン……アカン、もうダメや。今度にしよう。

僕あと1つだけ! ROIっていうやつだけだから。ROIは、

 (利益×CV件数-広告費)÷ 広告費 × 100(%) = ROI(%) 

で表されるよ。ROASが広告費に対してどれだけ売上が出ているかの指標だったのに対して、ROIは広告費に対してどれだけ利益が出ているかを表す指標なんだ。

例えば利益500円の商品が10個売れて、広告費が1,000円だった場合、ROIは400%になるよね。

オカンほうほう、1円の広告費で4円の利益が出せてるんやな。

僕そう。でも、気を付けないといけないのが、さっきも言ったけどROASで100%を越えていてもROIで見た時に赤字になっている場合があること。

広告経由の売上が150,000円、広告費が100,000円、利益が1つあたり500円で50個売れたとすると、ROASとROIはそれぞれどうなる?

オカンROASが広告費経由売上÷広告費×100%やから、150%になってええ感じや! で、ROIが(利益×CV件数-広告費)÷広告費×100%やから、-75%……! 赤になっとる……。

僕この場合、広告費1円あたり1.5円の売上は出ているけど、0.75円の赤字になっていて、売れているけど損をしている状態ってことが分かるよね。

もちろんこの時、新規獲得に注力をしているとかセール中だからとかでROIがマイナスになるのが問題ないこともあるよ。

大事なのは現状把握

僕たくさん指標を教えたけど、大事なのはサービスに合わせた指標を見て、現状をしっかり把握することなんじゃないかな。

オカン売れるからってそれだけで良いってわけじゃないんやな! あれやな、一見さんをLTV含めたCPAで見て、リピーターさんをROASとROIで見てとか、なんかそんなんできたらええな。

僕……難しいと思うけど(多分できるんだろうなぁ)。

オカンなんかちょっとの間で、ECサイトのこととか、アドテクのこととかめっちゃ学んだ気がするわ。知らんけど。

ECサイトのある限りっ FIn

オカンECサイトがある限り、アタシの戦いはこれからやでー! ほな、またねー!

今回のまとめ

CPA(シーピーエー)

「Cost Per Acquisition」の略。CVを1件獲得するのにかかった費用のことで、ここでの目標CPAは1件のCVに使うことのできる広告費として説明しています。

会員登録や資料請求など、オンラインだけで購買活動が完結しないサイト(人材・不動産)や、扱っている商品が少ないサイトの場合は、CPA指標が適しているとされています。

LTV(エルティーブイ)

「Life Time Value」の略。特定の期間内に1人の顧客がもたらす利益を見る指標で、顧客と長期的に付き合いながら黒字に転換していく商材(単品のリピート通販など)に適しています。

ROAS(ロアス)とROI(アールオーアイ)

ROASは「Return On Advertising Spend」の略。広告経由売上÷広告費×100(%)で表される、広告費に対して何%の売上が出たかを見る指標です。

ROIは「Return on Investment」の略。(利益×CV件数−広告費)÷広告費×100(%)で表される、広告費に対して何%の利益が出たかを見る指標です。

どちらも、オンラインだけで購買活動が完結し、かつ価格帯の異なる商品を販売しているECサイトの場合に適しています。

砂森 翔太

株式会社ファンコミュニケーションズ nex8事業部 マーケティング担当

砂森 翔太(すなもり しょうた)

大学卒業後、Web制作会社を経てファンコミュニケーションズに入社。リターゲティング広告「nex8(ネックスエイト)」の広告主営業を約1年担当した後、マーケティングに異動。

サービスリニューアルに伴うWebサイトのテコ入れに始まり、各種解析ツールを用いてのUI検証・改善、リスティング広告やSNS広告の運用などに従事している。

2016年6月、コンテンツマーケティングの一環として、“EC担当者にためになる情報をわかりやすく”をテーマに発信する「nex8ブログ」を立ち上げ。

他のマーケティング業務のかたわら、メインライティングと編集を担当する忙しい日々から、営業メンバーがリレー形式でライティングする体制に落ち着いてきたのを機に、“さらにやさしくわかりやすくアドテクを伝える力”を磨くべく、ネットショップ担当者フォーラム連載にチャレンジ中。

砂森 翔太

症状名なのに意外と使える「熱中症」。その理由とは? | 健康・美容業界の今を知る!

9 years 2ヶ月 ago

これからの季節、特に必要になってくるのが熱中症対策です。

ドラッグストアには熱中症対策のコーナーが設けられ、スーパーのレジ周りには塩分を含んだキャンディーや清涼飲料水が陳列されています。店先のPOPを見ると、「熱中症」というワードが大きく使用されているのを見かけることもあるのではないでしょうか。

しかし、「熱中症」という言葉は症状名ですから、食品類における医薬品的効能効果を暗示するものとして本来であれば使用できないはず。問題ないのでしょうか?

意外と使用可能な「熱中症対策」というキーワード

実はこの「熱中症」というワード、一定の商品で一定の条件を満たしていれば、使用可能とされているのです。

2012年4月19日に全国清涼飲料工業会が「熱中症対策」表示ガイドラインを制定し、同年5月17日に厚生労働省が各都道府県薬務主管課宛に事務連絡しています※。

※ 一般社団法人 全国清涼飲料工業会「熱中症対策」表示ガイドライン

このガイドラインにおいて、「ナトリウム濃度として、少なくとも、飲料100ml当たり40~80mg含有する清涼飲料水」では、TVCM、店頭POP等の広告類に限り、「熱中症対策」の用語を使用することが可能と明記されています。

ただし、商品名、製品の容器包装、製品段ボールでの表示や、「熱中症予防」「熱中対策」等の紛らわしい表示は禁止となっているので注意が必要です。

「熱中症対策」表示ガイドライン

1. 趣旨

 夏場の熱中症予防対策として、厚生労働省のHPなどでも、水分だけでなく塩分を合わせて摂取することが推奨されていることから、「熱中症対策」とPOPなどで表示できるスポーツドリンクなどの飲料の範囲を明確にすることにより、正確な情報伝達と市場の混乱防止に寄与する。

2. 適用

 ナトリウム濃度として、少なくとも、飲料100ml あたり40~80mg※1含有する清涼飲料水。

 ※1 この値は、厚労省HPのマニュアル記載の値に基づく

参考

・職場における熱中症の予防について   
⇒ http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/06/h0616-1.html

・職場における熱中症予防対策マニュアル   
⇒ http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/0906-1.html

3. 前項の基準を満たしたもののみ、「熱中症対策」の用語を使用することができる※2。

 ※2「熱中症予防」「熱中対策」など、これと紛らわしい表示は使用しない

4. 商品名、製品の容器包装、製品段ボールへの表示に、この用語を使用してはならない※3。

 ※3 使用の具体例:テレビCM、店頭POP、ポスター、説明会など

5. なお、制定後1年間は猶予期間とする。

参考

・厚生労働省医薬食品局<事務連絡>2012年5月17日配信文書(PDF/46KB)   
⇒ http://www.j-sda.or.jp/images_j/pdf/mhlwjimu20120517.pdf

5.については、すでに表示修正の猶予期間は終了しています。

◇◇◇

「熱中症」は症状名ですので、本来このようなドリンク類を含めた食品の広告文言として使用することはできません。ですが、厚生労働省により熱中症予防対策を目的として、特例的に認められているのです。

「ナトリウム濃度として、少なくとも、飲料100ml あたり40~80mg含有する清涼飲料水」というそもそもの縛りがありますが、薬機法に触れることなく、「熱中症対策」と病名をそのまま使用できるレアなケースですのでぜひ覚えておきましょう。

稲留 万希子

薬事法広告研究所 副代表

東京理科大学卒業後、大手医薬品卸会社にて医療従事者向けポータルサイトの企画運営に従事。東洋医学に興味を抱いたことをきっかけに、中医学専門学校にて3年間薬膳料理や漢方について学ぶ。その間、ヘルスケア分野でのビジネス展開には薬事法を避けて通れない事から、薬事法と広告についても並行して学び、その後、国際中医専門員、漢方薬膳療術師、反射療法士、薬事法管理者、コスメ薬事法管理者の資格を取得し独立。2008年3月、薬事法広告研究所の設立に参画。

稲留 万希子

【速報】「Yahoo!ショッピング」が「Apple Pay」を導入へ、50万店超で利用可能に

9 years 2ヶ月 ago

ヤフーが2017年秋、「Yahoo!ショッピング」に米アップルの電子決済サービス「Apple Pay(アップルペイ)」を導入することがわかった。

「Yahoo!ショッピング」iOS版アプリにて、「Apple Pay」を使って決済できるようにする。出店者の利用スタート時期は10月末の予定だが、「スケジュールは変更となる可能性がある」(広報)。

「Yahoo!ショッピング」の出店者数は2017年3月時点で51万店超。「Apple Pay」を導入しているECサービスは、ショッピングアプリ「BASE」や「minne」など一部にとどまっている。大手ECモールの導入で、「Apple Pay」で買い物をするユーザーが急速に広がる可能性もある。

「Apple Pay」を利用できるのは、プロフェッショナル出店やライト出店含め全ての店舗を予定している。

決済手数料は3.24%。クレジットカード決済と同等の手数料で提供する。

店舗側のリピート施策として重要なメールアドレスの取得について、「店舗側は他の決済と同様、リピート対策できる仕組みを採用し、メールアドレスもユーザー購入に合わせて取得可能」(同)。

ヤフーは「Apple Pay」を導入する理由を「お客さまにより便利にYahoo!ショッピングをご利用いただくため」と説明している。

「Apple Pay」とは?

iOS端末内にインストールしたアプリケーションやSafariのWebサイト上での買い物時に、あらかじめ登録しておいたクレジットカード情報や配送先情報を活用して決済する支払い方法。

たとえば、「Apple Pay」に対応したショッピングアプリでは、あらかじめ「Apple Pay」に登録したカード情報や住所などを活用してネット通販をすることが可能。個人情報などを入力することなく、「Touch ID」による指紋認証で買い物を完了することができる(iPhoneやiPadの場合)。

「Apple Pay」に必要な情報を登録していない場合、初めて利用する時に、iPhoneやiPad上で請求先、送付先、連絡先といった必要情報を入力すれば、それ以降の利用時は情報入力の手間を省くことができる。

「Yahoo!ショッピング」が「Apple Pay」を導入へ、50万店超で利用可能に minneの場合
「Yahoo!ショッピング」が「Apple Pay」を導入へ、50万店超で利用可能に 出前館の場合
「minne」(画像上)と「出前館」での「Apple Pay」を使った決済フロー。物販系のECサービスでは「minne」(画像上)や「BASE」「giftee」、サービス系では「日本タクシー」「TOHO CINEMAS」「じゃらん」などで利用できる

「Apple Pay」は、EC企業側にクレジットカード情報を通知しない仕組みを採用。アップルもカード情報を保有しないため、ECサイトなどから漏えいするといったリスクはない。

ユーザーの端末にはカード情報から生成した各デバイス固有のアカウント番号を発行し、暗号化した状態でデバイス内のセキュアエレメント(セキュリティチップ)でカード情報を保管。

カード番号とは異なる識別番号でひも付けるため、安全性を担保しているという。

App内やSafariのWeb上で支払いをする時は、注文手続きの一環として購入者本人が共有してもよいと認めた情報だけが加盟店側に送信されます。たとえば、購入者の氏名、メールアドレス、請求先住所、送付先住所などの情報です。

-Appleのホームページから引用から引用

EC関係者からは、買い物時の個人情報入力の手間を省きながら、安心・安全性を担保した“新しい買い物体験”を提供できるといった声があがっている。

米アップルによると、自社ECサイトなどへ「Apple Pay」を提供している日本の決済サービスは現在6社(8月9日時点)。

  • GMOペイメントゲートウェイ
  • BASEの「PAY.JP」
  • ソフトバンク・ペイメント・サービス
  • ソニーペイメントサービス
  • Stripe
  • ベリトランス

日本でのiOS端末の所有率は?

MMD研究所が2016年10月に発表した「2016年10月携帯端末購入に関する定点調査」(15歳~69歳の男女6549人が調査対象)によると、iOSの所有率は68.3%、Androidの所有率は26.9%だった。

「Yahoo!ショッピング」が「Apple Pay」を導入へ、50万店超で利用可能に iOSの所有率は68.3%、Androidの所有率は26.9%
MMD研究所の調査によると、iOSの所有率は68.3%、Androidの所有率は26.9%

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

アリババグループ通じ「天猫国際」でカラコン販売、SHO-BIが中国向け越境ECに参入

9 years 2ヶ月 ago

美容雑貨などを販売するSHO-BIが、カラーコンタクトレンズ(カラコン)の中国向け越境ECを本格的に開始する。

2017年4月、アリババグループが運営する越境ECサイト「天猫国際(Tmall Grobal)」でオリジナルブランド商品のテスト販売を開始した。売れ行きが好調なことから、8月以降に新商品を随時追加する。

中国でファッション用コンタクトレンズの需要を創出し、自社ブランドの認知向上と市場開拓をめざす。

アリババグループ傘下の阿里健康が運営する「阿里健康海外旗艦店」との取引を通じ、「天猫国際」に販売している。SHO-BIによると、日本メーカーが「天猫国際」でカラコンを販売するのは初めて。

美容雑貨などを販売するSHO-BIが、カラーコンタクトレンズ(カラコン)の中国向け越境ECを本格的に開始

アリババ傘下企業との取引を通じて「天猫国際」で商品を販売

日本国内で人気が高い「ピエナージュ リュクス」など3ブランドのテスト販売を実施してきた。6月18日に「阿里健康海外旗艦店」で行われた販売イベントでは、18~20日の3日間にける売上上位10ブランドにSHO-BIがランクインするなど、成果をあげているという。

SHO-BIは、化粧品や化粧雑貨、服飾雑貨、キャラクター雑貨などを扱っており、企画から生産、卸、小売りまで手がけている。「ZACCA(雑貨)専業でアジアNo.1をめざす」という長期ビジョンを掲げ、中国を始めとする海外市場へ展開している。

2013年4月、コンタクトレンズメーカーのメリーサイトを子会社化し、コンタクトレンズ事業に参入。2016年9月期におけるネット通販の売上高は、前期比5.2%減の17億2300万円だった。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

EC担当者なら知っておきたい市場規模、宅配個数、顧客満足度ランキング【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

9 years 2ヶ月 ago

先週は統計データの記事が集中した週でした。市場規模、配達個数、顧客満足度など、見逃せないデータが多かったのでざっくりまとめてみました。数字が大きすぎて人ごとのように思えるかもしれませんが、自分たちもこの流れに巻き込まれているんですよね。

統計データを見て世の中流れを知ろう

その① 日本の通販市場は7~8兆円。上位3社で半分以上のシェアを占めている

「ジェトロ世界貿易投資報告」2017年版 ‐転換期を迎えるグローバル経済‐ | 日本貿易振興機構(ジェトロ)
https://www.jetro.go.jp/news/releases/2017/7aea93e5ad0dc1c8.html

主要国のB2C取引額と市場シェア
出典:ジェトロ(2017年版「ジェトロ世界貿易投資報告」総論編(ポイント)「9.電子商取引市場の将来(1)市場と企業」)

まずは2016年の日本通販市場でのシェア。Amazonが20.2%でトップ、2位の楽天は僅差の20.1%、3位はソフトバンク(Yahoo!ショッピング)で8.9%となっています。上位3社で50%ほどのシェアを占めていることにも注目。ちなみに規模は725億7700万ドルなので約7兆9,800億円です。

第68回通販・通教売上高ランキング 上位300社で6.4%増の6.5兆円に | 通販新聞
http://www.tsuhanshinbun.com/archive/2017/07/post-2915.html

上位300社の売上高シェア
出典:通販新聞

楽天などが入っていませんが、こちらでも上位10社で42%を占めているとのデータになっています。計算すると市場規模は6兆6,000億円ほど。

日本の通販市場は大手がどんどん成長してけん引しているので、自社サイトを持っているショップはモールとの付き合い方を真剣に考えないといけない時期になっています。

その② 1年で配達される宅配便は40億個を突破

平成28年度 宅配便取扱実績について | 国土交通省
http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha04_hh_000136.html

宅配便取扱個数の推移
宅配便取扱個数の推移
出典:国土交通省(平成28年度宅配便取扱実績関係資料)

この図を見ると宅配個数の伸びは一目瞭然ですよね。通販市場規模が7~8兆円で40億個なので、ざっくり計算すると1荷物当たりの単価は1,750円~2,000円。商品単価が安いものが多いことを考えると、これくらいかなと思います。

eコマースで年間274時間の節約!!利用頻度増加による時間節約効果の拡大 | 情報通信総合研究所(ICR)
http://www.icr.co.jp/press/press20170728.html

毎週通販で買い物する人は、年間の買い物時間を274時間節約できるそうです。とはいえ、日本全体で年間約1.8億時間が再配達に費やされているということなので、自分が楽をすることだけでなく、社会全体のことを考えないといけないようです。

その③ 顧客満足度はヨドバシが4年連続1位だが、アマゾンが迫っている

2017年度JCSI(日本版顧客満足度指数)第2回調査結果発表~レクサス店が初の顧客満足1位、Y!mobileがスマートフォンで初の顧客満足1位 | 公益財団法人日本生産性本部
http://activity.jpc-net.jp/detail/srv/activity001514.html

<2017年度 通信販売 6指標順位(中央値まで)>
出典:公益財団法人日本生産性本部(2017第2回JCSI調査発表文0801)

こちらのデータは楽天、Yahoo!ショッピング、ZOZOTOWNなども対象になっていますが、ヨドバシ.comが1位。そんな中でAmazonがロイヤリティで2位になっているのは注目ですね。

その④ 「動画広告が不快」が60%。スマホでは約40%が広告を閉じる

【動画広告ユーザー調査】 内容を最も覚えているのはソーシャルメディアの動画広告!? ~第2回 マクロミル×デジタルインファクト共同調査~ | Digital InFact
http://digitalinfact.com/press170731/

動画広告を見て不快に思った経験がある割合(デバイス別) N=各134、単一回答
動画広告を見て不快に思った経験がある割合(デバイス別) N=各134、単一回答
出典:Digital InFact

「スマホ広告」表示されたら消す? ユーザーの声は | ITmediaビジネス
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1708/03/news117.html

売上を伸ばそうと思って広告を出しても、動画広告は不快に感じるユーザーが60%、スマホユーザーの40%ほどが広告を閉じてしまいます。広告だけに頼らずに顧客満足度やロイヤリティの向上に努めないといけないですね。

【2017年夏】グーグル検索結果のクリック率データ: 1位は21%、2位は……【SEO記事11本まとめ】 | Web担当者Forum
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2017/08/04/26491

広告に関連して。自然検索の1位は21%クリックされるとのこと。

その⑤(おまけ) ようかんやメロンは約4割が贈答用としての購入

統計Today No.123 家計調査結果から「交際費」の実態とその変化を探る ~メロンの購入の約4割は贈答用!~ | 総務省統計局
http://www.stat.go.jp/info/today/123.htm

確かにメロンってもらうことの方が多いですし、贈って喜ばれるものですよね。調査項目に「ようかん」が入っているのもなかなか面白いです。

3大モール・今週の動き

アングル:至る所にアマゾンの影、米企業が避けて通れぬ懸案に | ロイター
http://jp.reuters.com/article/usa-results-amazon-com-idJPKBN1AG0MI

ここまで読んだ人には言うまでもないですよね。リアルにもどんどん影響が出てきているのが怖い。

楽天 「優良店制度」を開始、上位1%を優遇、マークを表示 | 通販新聞
http://www.tsuhanshinbun.com/archive/2017/08/post-2924.html

こちらは「Rakuten」ブランドの認知度アップに頑張っています。FCバルセロナとの契約は効果が出るでしょうか?

ヤフー宮坂社長「Eコマースにパワーを集中」「ニーズないサービスやめる」 | ITmedia
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1707/28/news121.html

追いかけるヤフーはEコマースに集中。

今週の名言

わからないことをすぐに聞いて、解決できる環境、すなわちネットワークができつつあると実感しました。ただの知り合いというつながりだけでは、詳しいことは教えてくれないですから。

なんでセミナー講師や連載を積極的に引き受けるの? メガネスーパー・川添さんに聞く | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/4588

今週のまとめのようなデータを見ても、どうアクションするべきか、すぐにはわからないですよね。そんな時は信頼できる人に聞くこと。どんどん外に出て接点を作っていきましょう。

森野 誠之

運営堂

運営堂代表。Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。現在はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析を活用したサイト・広告改善支援を中心にWeb制作会社と提携し、分析から制作まで一貫してのサービスも開始。豊富な社会・業務経験と、独立系コンサルタントのポジションを活かしてWeb制作や広告にこだわらず、柔軟で客観的な改善提案を行っている。理系思考&辛口の姿勢とは裏腹に皿洗いを趣味にする二児のパパ。

森野 誠之

楽天・三木谷社長が語るバルサへの投資、「楽天市場」への想い、店舗へのメッセージとは?

9 years 2ヶ月 ago

楽天が2017年下期の戦略を披露する「楽天EXPO2017」。三木谷浩史社長が「ブランド」を中心テーマに講演、「楽天市場」が重要視する「BRAND(ブランド)」「MEMBERSHIP(メンバーシップ)」「DATA(データ)」の3ポイントを解説した。

三木谷社長が4万5000店を超える「楽天市場」出店者に届けたメッセージとは。講演内容を抜粋して紹介する。

「楽天市場」が重要視する3つのポイント

楽天グループの会員は、世界で約11億人。年間取扱高は約1000億ドル(約13兆円)。日本の会員数は約9000万人、楽天市場と楽天トラベルといったマーケットプレイスでの年間取扱高は約3兆円。

楽天がめざす方向性は、出店者である皆さんのために、皆さんのお役に立てるように、グローバルでイノベーションカンパニーとして有り続けること。

そのなかで重要なことは3ポイントある。それは、

  • BRAND(ブランド)
  • MEMBERSHIP(メンバーシップ)
  • DATA(データ)
楽天・三木谷社長が語るバルサへの投資、「楽天市場」への想い、店舗へのメッセージとは?
多くの出店者が集まるなか、今後の方針を三木谷社長が語った

ブランド

名前、ブランド名はそんなに覚えてもらえないものだと思っている。家具を買うならこのお店、家電を買うならこのお店といったような消費行動がある。私たちの役割は、楽天というブランドで、(消費者を)皆さんのブランドへ水先案内することだ。

楽天というブランドをどうやって覚えてもらうのか。それがFCバルセロナとのパートナーシップだった。そのため、今年からブランドロゴを刷新し、アルファベット表記に統一した。

楽天とFCバルセロナが目指している方向性は極めて近いと思っている。たとえば、アマゾンさんはまず、自分たちで売ることを考えている。そして、足りない部分を店舗さんが補う形でやっている。楽天はそうではなく、まず店舗の皆さんに盛り上がってもらうやり方。

皆さん1人ひとりが、(FCバルセロナのスター選手である)メッシやネイマール(編注:ネイマール選手は8月、フランスのPSGに移籍することが発表された)であり、イエニスタであるといった発想で事業を運営している。

このFCバルセロナのブランディングは世界的に、もちろん日本でも大きなものになる。

FCバルセロナは、「More than a Club(クラブ以上の存在)」というスローガンの下、地域と共に発展し、世界中から愛される存在となっているサッカーの名門クラブ。メッシ、ネイマール、イエニスタといったイメージが強いが、高い志を持ったチームである。社会貢献活動、バスケットボールなど他のスポーツなども手がける社会団体。ぜひ認識してもらいたい。

楽天も創業時から、「More than a Company(企業の枠を越えた存在)」を掲げている。だからこそ、(出店者である)皆さんが成功していくことが需要だ。改めて宣言させていただく。

楽天・三木谷社長が語るバルサへの投資、「楽天市場」への想い、店舗へのメッセージとは? FCバルセロナへの想いなどを三木谷社長は熱く語った
三木谷社長はFCバルセロナへの想いなどを熱く語った

思い起こせば21年前、株式会社MDMが運営するのが「楽天市場」だった。なんで社名とサービス名が一緒ではなかったのか――それは自信がなかったから。漢字のロゴからスタートし、今回のロゴ刷新でアルファベット表記にして7色に統一。なんでこうしたことをやっているか?

楽天・三木谷社長が語るバルサへの投資、「楽天市場」への想い、店舗へのメッセージとは? ロゴの変遷
ロゴの変遷
楽天・三木谷社長が語るバルサへの投資、「楽天市場」への想い、店舗へのメッセージとは? 金融サービスを除くすべてのサービスでロゴを統一した
金融サービスを除くすべてのサービスでロゴを統一した

人間が覚えることができるブランドの数は限られている。楽天は「Google」「Apple」「Facebook」といった世界的な企業のようにブランドレベルを高めていきたい。

単純に有名ということではなく、ブランドには哲学がしっかり存在していることが重要だと思っている。Appleであれば「シンプル」。Facebookは「つなげていく」。

楽天のコンセプトは「店舗」。More thanなサービス、More thanなカンパニーとして推進していく。繰り返しになるが、店舗さんが成功していく、笑っていただき幸せになること、これが重要だと思っている。

メンバーシップ

人工知能(AI)などの活用も重要だが、楽天は「ブランドメンバーシップ」を強烈に推進していきたい。

ブランドに何百億円も投資して終わりではない。それをビジネスに巻き込んでいく仕組みを作り、(出店者である)皆さんの商売のサイズを2倍、3倍にしていく。

ただ、「楽天市場」というスタンドアローンのサービスだけではその実現は難しい。楽天のサービスがAmazonさんやヤフーさんと異なるのは、総合的にさまざまなサービスを提供していることだ。

楽天・三木谷社長が語るバルサへの投資、「楽天市場」への想い、店舗へのメッセージとは? 楽天のエコシステム
クロスユースなど、提供するさまざまなサービスとの連携を進めていく方針

その中心となるのが楽天スーパーポイントだ。スーパーポイントを軸に楽天のさまざまなサービスとの連携を進めていきたい。

累計付与ポイント数は1兆ポイントを突破。年間発行数は約2000億ポイントで、利用可能店舗は約66万店に広がっている。

「楽天市場」店舗でのポイント付与率は全体の26%。だが、「楽天市場」店舗におけるポイント利用率は全体の81%となっており、グループ全体で見てもポイントは主に「楽天市場」で利用されていることがわかる。

楽天・三木谷社長が語るバルサへの投資、「楽天市場」への想い、店舗へのメッセージとは? 「楽天市場」店舗におけるポイント利用率は全体の81%
「楽天市場」店舗におけるポイント利用率は全体の81%

スマホの分野では特に強い。他社とのシェアは広がっていると思っている。

楽天・三木谷社長が語るバルサへの投資、「楽天市場」への想い、店舗へのメッセージとは? 楽天市場におけるスマホ経由の数値
スマホ経由の流通額などが伸びている

データ

いま世界中のIDがバラバラ。それを1つにしていくのが「Global ID Platform」。海外販売などがより手軽に行えるようになるだろう。楽天ユーザーは、楽天が提供するさまざまなサービスを1つのIDで利用できるようになる。

システムの統合、組織の統合もあわせて進めていく方針だ。

楽天・三木谷社長が語るバルサへの投資、「楽天市場」への想い、店舗へのメッセージとは?
ID連携を通じて顧客の利便性の向上などを進めていく

*この日(7月27日)の午後3時、楽天と電通は、楽天グループのビッグデータと電通グループ保有のマスメディアといった独自のデータ・知見を融合した新たなマーケティングソリューションの提供を手がける新会社「楽天データマーケティング株式会社」を設立し、10月から営業を開始すると発表した。

「楽天市場」における企業向けのブランドタイアップ企画の提供を強化する。楽天グループのビッグデータを活用した顧客分析に基づくパーソナライズされた広告商品を開発、企業のプロモーション展開を支援する。

また、ブランドの顧客戦略立案の支援や統合メディアプランニングサービスを提供する予定。

たとえば、テレビの視聴データと楽天の購買データ、または実店舗での利用データがIDを介してつながり、CMを観た人が商品を買ったのかといったことも検証可能になるという。

会見に登壇した三木谷社長は、「電通と楽天の強みを最大限に生かし、今までにない革新的な取り組みで広告業界をけん引していきたい。10年後には業界をリードするようなインテリジェントな組織になると思っている」と説明した。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

楽天の国内EC流通総額は14%増の約1.6兆円【2017年中間期まとめ】

9 years 2ヶ月 ago

楽天の2017年1~6月期(中間期)連結業績における国内EC流通総額は、前期比14.0%増の1兆5907億円だった。

4~6月期(第2四半期)の国内EC流通総額は8166億円で前年同期比15.2%。前四半期(第1四半期)と比べると成長率は2.2ポイント上昇している。

楽天の国内EC流通総額は14%増の約1.6兆円【2017年中間期まとめ】 国内EC流通総額の推移
国内EC流通総額の推移

国内EC流通総額は「楽天市場」「楽天トラベル」「楽天ブックス」「楽天マート」「楽びん」「フリル」「ラクマ」などのほか、ケンコーコムと爽快ドラッグの合併会社「Rakuten Direct)などの流通額を合算した金額。

楽天の国内EC流通総額は14%増の約1.6兆円【2017年中間期まとめ】 登壇した三木谷浩史社長
三木谷社長は国内ECの流通総額が堅調に伸びていると説明した

楽天市場トピック① 注文件数やユニーク購入者の増加

「楽天市場」を担当する河野奈保執行役員は成長要因を次のように説明した。

2016年にスタートした「スーパーポイントアッププログラム」(SPU、エントリー不要でポイントを最大7倍付与する施策)が大きく寄与した。

「R-Karte」(過去のレビュー評価を図表化し、サイトの問題点を可視化するサービス)を通じた改善施策といった施策も寄与している。

注文件数、ユニーク購入者数は安定的に増加。注文件数は前年同期比11.4%、ユニーク購入者数は同7.6%増だった。

楽天の国内EC流通総額は14%増の約1.6兆円【2017年中間期まとめ】 注文件数及びユニーク購入者数の増加
注文件数、ユニーク購入者数の増加

楽天市場トピック② 直販ビジネス(日用品)の売上収益規模が拡大

7月1日付けでケンコーコムと爽快ドラッグが合併し、楽天の完全子会社「Rakuten Direct株式会社」の収益規模を公表。

Rakuten Directの4~6月期における売上収益は191億円で、競合大手としてあげた「LOHACO(ロハコ)」を約2.7倍上回っているとした。

楽天の国内EC流通総額は14%増の約1.6兆円【2017年中間期まとめ】 直販ビジネス(日用品)の売上収益規模が拡大
直販ビジネス(日用品)の売上収益規模が拡大

楽天市場トピック③ CtoCビジネスの拡大

楽天グループとして手がけるCtoCサービス「ラクマ」「FRIL」は順調に流通総額が拡大。「年間換算で1000億円が視野に入った」と三木谷社長は説明。成約手数料は無料とするキャンペーンを継続しており、「まだ規模を拡大する段階」(三木谷社長)と言う。

楽天の国内EC流通総額は14%増の約1.6兆円【2017年中間期まとめ】 「ラクマ」「FRIL」のCtoCビジネスが拡大
年間流通総額は1000億円規模が視野に入った「ラクマ」「FRIL」のCtoCビジネス

楽天市場トピック④ 店舗支援策の寄与

店舗支援とユーザビリティの向上といった施策で取り組んでいるのが「VOM(Voice of Merchants)」「VOC(Voice of Customers)」。「ユーザーの声と店舗の声を聞く施策」(河野奈保執行役員)である。

たとえば、2016年11月にリリースした「R-Karte」(過去のレビュー評価を図表化し、サイトの問題点を可視化するサービス)。「R-Karte」を使った日々の改善活動による施策などが流通総額の伸長につながったとしている。

「上位店舗ほど『R-Karte』を使ってマーケティング活動をしている」と河野執行役員は説明。売上上位店舗における利用率は全体平均の2.3倍となっているという。

楽天の国内EC流通総額は14%増の約1.6兆円【2017年中間期まとめ】 「R-Karte」を使った顧客分析が進んでいる
上位店舗ほど「R-Karte」を利用しているという

2年目に突入した、有力店舗によるコンサルティングサービス「R-Nations(アールネーションズ)」も流通額の増加に寄与した。

第2期の参加店舗による4~6月期の平均月商は前年同期比で77%増。有力店舗のコンサルティングが大きな成果をあげているようだ。

楽天の国内EC流通総額は14%増の約1.6兆円【2017年中間期まとめ】 店舗向け・ユーザー向け施策を行い、低レビューの割合が半減
低レビューの割合が半減し、「楽天市場」のクオリティが向上したという

楽天市場トピック⑤ 楽天カード決済の拡大

楽天グループの各種サービスのクロスユースを促進していることを受け、「楽天市場」流通総額における楽天カード決済比率は右肩上がり。2017年6月度は52.4%に拡大している。

楽天の国内EC流通総額は14%増の約1.6兆円【2017年中間期まとめ】 「楽天市場」の流通総額における楽天カード決済比率
「楽天市場」の流通総額における楽天カード決済比率

楽天市場トピック⑥ モバイル比率の拡大

「楽天市場」のモバイル流通総額比率は前年同期比4.7ポイント伸び63.3%。

楽天の国内EC流通総額は14%増の約1.6兆円【2017年中間期まとめ】 楽天市場モバイル流通総額比率
楽天市場モバイル流通総額比率(2Q)

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

第8回「通販エキスパート検定」9月1日(金)より開始

9 years 2ヶ月 ago

一般社団法人 通販エキスパート協会が主催する「通販駅スパー検定」3級・2級・1級の検定試験が9月1日から開始される。

通販エキスパート検定とは、通信販売事業の各ステージに合わせた業務知識、関連法規、マネジメント力を身に付け、ダイレクトマーケティングのスペシャリストを目指すための資格。

9月1日(金)から9月30日(土)までの1か月間、全国200個所のWeb試験会場で受験できる。受験資格は特にない。申し込み締め切りは希望する受験日の3日前まで。試験内容と受験料は下記のとおり。

3級(基礎編)

対象:
  • 通販企業の実務担当者
  • 広告代理店で通販を担当している方
  • 通販広告の制作をされている方
  • ネットショップの担当者
  • 通販企業への就職を考えている方
検定内容:
  • 通販の仕組みと基本的フロー
  • 通販の媒体と広告戦略
  • ネット&モバイル通販の基礎知識 など
受験料:

6,000円(税込)

2級(実践編)

対象:
  • 通販企業のマーケティングに携わる方
  • 通販企業の商品開発に携わる方
  • 通販企業の物流に携わる方
  • 通販企業の法務に携わる方
  • ネットショップ運営責任者
検定内容:
  • 通販のマーケティング戦略  
  • ネット通販の実務戦略  
  • 通販にかかわる専門法律知識 など
受験料:

7,800円(税込)

1級(通販マネジメント編)

対象:
  • 通販企業のマネージャークラスの方
  • 通販企業の経営戦略に携わる方
  • 通販をより深く理解したい方
  • 通販のリスクマネジメントに携わる方
  • 通販コンサルタント
検定内容:
  • 通販ビジネスの経営戦略
  • 顧客マネジメント
  • 組織変革
  • 人材育成マネジメント など
受験料:

10,000円

10名以上の場合は10%オフの団体割引がある。詳細・受験申込はこちらから。

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楽天の下期戦略、モール内の検索で優良店舗の商品露出を優遇する「優良店制度」とは? | 通販新聞ダイジェスト

9 years 2ヶ月 ago

楽天は7月26日、出店者向けのイベント「楽天 EXPO2017」を都内で開催した。当日は、三木谷社長の講演のほか、楽天市場における下期の事業戦略を公開。同社が認定した優良店舗の商品を、仮想モール内検索で優遇する制度を始めたことを明らかにした。

三木谷社長は「ブランド」をテーマに講演した。「突き詰めるとインターネットもブランディングが重要。自分の店舗や商品のブランドを深く深く深く深く考えるいいチャンスではないかと思い、このテーマにした」(三木谷社長)。

同社では7月、グローバルにおけるブランド浸透を図るため、コーポレートロゴを刷新するとともに、国内外で展開するグループサービスのロゴを「Rakuten」ブランドを核としたものに変更。スペインのサッカークラブ「FCバルセロナ」とのグローバルパートナーシップを展開する中で、各サービスロゴの共通性を高めるなど、一体的なブランド構築・強化を行っていくことで、国内外における楽天ブランドの一層の認知向上を図るのが目的だ。

三木谷社長は「FCバルセロナと楽天の目指す方向性は近い。アマゾンは自分たちが売り、足りない部分を店舗が補う形だが、当社は店舗の皆さんに盛り上がってもらうやり方だ。つまり、皆さん一人ひとりが(FCバルセロナのスター選手である)メッシでありネイマールであるという発想で運営している」と店舗が主体である点を強調。FCバルセロナとの協業の意義については「チームを使ったブランディングをしていく予定で、海外でも楽天ブランドの認知は進むだろう」とした。

これまで国内でも、プロ野球の楽天イーグルスやJリーグのヴィッセル神戸などを通じ、ブランド力強化を進めてきた同社。「楽天ブランドをグーグルやフェイスブック、アップルのレベルまで高めていく。単純に有名というだけでなく、哲学がしっかりあることが重要。モアザンなカンパニー、モアザンなサービスを推進していきたい。店舗が成功し、幸せになってもらうことが一番重要なポイントだ」(三木谷社長)。

河野奈保常務執行役員は流通ランク上位の店舗数を公開。今年6月時点の月商1億円以上の店舗は159(昨年6月は135)、3000万円以上は735(同635)、1000万円以上は2236(同2162)、300万円以上は6033(同5863)で、成長が続いている。

野原彰人執行役員と黒住昭仁執行役員は楽天市場における下期の事業戦略を説明した。同社では、店舗向けの「満足度アンケート」の結果を取り入れたサービス改善を進めており、下期はRMS(店舗管理システム)における商品情報更新の効率化や、無料通話アプリ「バイバー」を利用した新たなログイン方法の追加などを行う。

出店店舗向けの電子掲示板「RON会議室」を刷新。楽天からメールで配信されたサポートニュースをウェブから確認できるようにしたほか、興味やジャンルが共通する店舗同士で集まって話し合うことができるよう、コミュニティー機能を追加。また、運営上の悩みや疑問点を解決するために、質問コーナーを設けている。

昨年9月に導入した、店舗がルール違反を犯した際に点数を付与し、累積点数で違約金などの罰則を課したりする「違反点数制度」については「違反点数を加点された店舗は年間で2%に満たない。それも、意図して権利侵害品売るようなケースや、薬機法違反をするといったものだ。楽天市場のクオリティーは上がっている」(野原執行役員)。制度開始移行、低評価レビュー率は半減したという。

一方で3月に「月間優良ショップ」制度を開始。これは、同社が認定した店舗(上位1%)の商品については、パソコン検索すると「月間優良ショップ」アイコンが表示されるというもの。今後はスマートフォン経由やスマホアプリ経由の検索でもアイコンが表示されるようにする。また、不審ユーザーの楽天への通報フォームの導線を強化しており、不審ユーザーからの注文については、受注画面で警告表示が出るようにした。

店舗向け決済代行サービス「楽天ペイ(楽天市場決済)」については、4月から一部の新規店舗で運営を開始しており、8月からは既存店舗での導入が始まる。今後のスケジュールとしては、11月に導入を拡大、12には受注APIの仕様を公開する予定だ。

スマホでの注文が多くなっていることから、商品情報の最適化を進める。これまではパソコンでの表示を前提としていたため、商品名の前に【3000円以上送料無料】【店内全品ポイント5倍】など、モール内検索で有利になるような販促がらみの情報を付加することが多かった。ところが、画面の小さいスマホで閲覧すると商品名が表示されず、離脱の原因となっていた。

そこで同社では、データ最適化やサーチロジック強化などを進めている。商品登録ガイドラインを9月に公開する予定で、今後はこのガイドラインに沿った商品登録を進める。「商品登録の際に、どういった情報をどの項目に入力すべきかを明確にした」(黒住執行役員)。「送料無料」や「ポイント5倍」といったプロモーションの情報については入力する欄を分けるようにした。

サーチロジック強化については、ガイドラインが守られた商品を検索結果の上位に表示する。商品とは無関係なキーワードの記載や商品ページでの隠し文字などを禁止し、表示する順位を大きく下げる。黒住執行役員は「買い物しやすいサイトにすることで、途中で離脱するユーザーのうち、少なくとも3割は購買に転換できるのではないか」と説明している。

野原執行役員に聞く「楽天市場の戦略」

「品質向上で流通増額」、不審ユーザー対策を強化

楽天の野原彰人執行役員
楽天の野原彰人執行役員

楽天の野原彰人執行役員に、楽天EXPOで公開した楽天市場の下期戦略などについて、狙いを聞いた。(聞き手は通販新聞記者・川西智之)

――違反点数制度の導入で低評価レビューが減った。

「店舗からはいまだに『罰金を取るのはどうか』という意見がある。ただ、結果としてクオリティーが上がったのは確かだ。一方で『処分が重すぎる』と意見があった違反については付与する点数の見直しを進めたり、新たルールを設ける際は一定の猶予期間を設けたり、現実的な着地を目指している。低レビュー減少とともに流通額も伸びているという事実もある」

――点数の累積で強制退店につながったケースは。

「月1件あるかないか。ただ、意図的に違反をする店舗は前からあったわけで、当社はクレジットカード売り上げを抑えることができるため、制度導入でこうした店舗が儲からなくなったのは大きい」

――月間優良ショップ制度導入の狙いは。

「アメとムチではないが、違反点数制度とは逆に、クオリティーの高い店舗についてはどんどん露出してもらう。何をもって『優良』とするかだが、基本的にはデータ分析ツール『R―Karte』の項目にある、顧客対応やレビュー数、配送遅延状況などの評価点による。月ごとに店舗は入れ替わるが、選ばれれば励みになるのではないか。R―Karteの評価点を見れば、どこを改善すれば良いのかが分かるので良い循環が生まれる」

――優良ショップに選ばれたことで、売り上げ増につながるケースもあるのか。

「そうだ。認定されたことでキャンペーンをする店舗もあったし、差別化の大きなポイントになるのでは。何よりも、店舗がクオリティー向上への意識が向く点が大きい」

――不審ユーザー対策強化について、代引き注文したのに商品を受け取らないなど、悪質ユーザーの排除は店舗にとって重要なテーマだった。

「店舗からは『配送業者から情報をもらえば規制できるだろう』との声もあったが、それは個人情報なのでできない。店舗が通報しやすい仕組みを作ることで、例えば複数店舗から同一ユーザーに関する苦情があれば、不審ユーザーと定義することができる。『楽天は店舗は取り締まってもユーザーは全然取り締まらない』というような声が出ることもあるが、そうではないことをメッセージとして示したい」

「ここ数年、店舗の声を吸い上げる努力が弱かった部分はあると思う。RON会議室の刷新もその一環だが、店舗の声をきちんと取り入れていきたい」

――7月から象牙製品の販売を禁止した。

「グローバル戦略を考えてのものだ。確かに、日本では街中で象牙の印鑑を買えるのだが、その説明では世界的には納得してもらえないだろう」

――有名店舗が他の店舗をコンサルティングする企画「R―Nations」も2年目に入った。初年度、月商1000万円という目標を達成した店舗はどの程度だった。

「ほぼ半数はコミットラインを超えた。しかも、企画が終わってからも成長し続けている。ノウハウを得たことはもちろん、企画によるコミュニティーが生まれたことで、店長同士が刺激しあって伸びているのではないか」

――スーパーポイントアッププログラム(SPU)は流通額の伸びへの効果はあるか。

「リテンション(既存客の維持)に効いている。SPUは楽天のヘビーユーザーならすぐ分かるが、ライトユーザーや新規ユーザーがメリットを理解するには時間がかかる。三木谷は漢方薬に例えているが、ようやく浸透してきたのではないか。ただ、新規ユーザーや会員ランクの低いユーザーに対する認知をいかに上げていくかは今後も課題となる」

通販新聞
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