ネットショップ担当者フォーラム

【2023年の通販市場予測】半数超が市場は「拡大する」。足元の消費動向は「下がっている」が約6割 | 通販新聞ダイジェスト

3 years 2ヶ月 ago
通販新聞社が実施した調査では、通販の市場予測で「拡大する」と回答した企業の割合が半数超を占めた。アンケートの調査結果を踏まえて、今後の市場について各社から寄せられた声をみていく

通販新聞社は通販実施企業を対象に、今年の通販市場の予想および景況感についてアンケート調査を行った。その結果、市場予測について「拡大する」と回答した企業の割合は53%で2022年7月に実施した前回調査より13ポイント上昇した。コロナ禍による通販利用の定着化を理由にあげる声が多かった。

一方、足元の消費動向は「下がっている」が約6割を占めた。今後の市場はどうなっていくのか、各社から寄せられた声をみていく。

【今後の予想】通販利用の定着化による「拡大」が5割超

通販新聞は、主な通販実施企業約600社を対象に実施した“通販通教売上高調査”に合わせてアンケートを実施した。まず、「2023年以降の通販市場について、どう予想していますか」と質問し、「拡大する」「横ばい」「縮小する」から選んでもらった。その結果、有効回答数のうち、「拡大する」と回答した企業は53%を占めた。「横ばい」は37%で「縮小する」は7%だった。

これからの通販市場は「拡大する」と予測する通販企業が大半を占めている
これからの通販市場は「拡大する」と予測する通販企業が大半を占めている

「拡大する」と回答した企業の意見で目立ったのは、コロナ禍で通販利用が増加・定着し、今後もその傾向が継続するという見解だ。主な回答は次の通り。

  • コロナによって通信販売の利便性、安全性が評価され、今後も一定は定着すると想定される(ジュピターショップチャンネル)
  • コロナ禍で通販市場の存在感が拡大し、消費者の生活にも定着してきた(新日本製薬)
  • コロナ禍で通販利用者が増加した際の新規顧客が継続利用するため(白鳩)
  • ここ数年のコロナの影響による店頭販売の急減、通信販売の急伸といった急激な変化は生じないと捉えている。一方で、コロナ以前からのデジタル化の波は続いており、通販市場の拡大が続くと想定(ファンケル)
  • 共働き世帯の増加による時短ニーズの増加、通販での購入体験増加による普及の進化など(mighty)

消費者の傾向を加味した視点としては、次のような声があがった。

  • 一般消費者の出費の傾向は旅行・観光分野が増えると思われ、自己需要品の購入は前年度、前々年度と比べて落ちるとは予測するが、日本のEC市場の伸びはまだ頭打ちの状況にはないと考える(田中貴金属ジュエリー)
  • 消費活動が実店舗に戻りつつはあるが、店舗とECの融合の進化は継続する為、持続的な成長は維持(マガシーク)
  • 世の中が活気づいてくる時期に入った(テレビショッピング研究所)

このほか、「化粧品の通信販売は今後も成長が期待される業界であり、競争の激化も起こりえる」(アプロス)、「異業種による新規参入が多いから」(世田谷自然食品)など、業界ごとの展望を交えた意見も見られた。

「横ばい」と予測の企業は約4割。先行きへの不安が表れた結果に

「横ばい」と回答した企業の回答では、通販市場の伸長は実感しているものの、昨今の物価高や円安の影響を懸念する声が目立った。「横ばい」と回答した企業の主な回答は次の通り。

  • 需要低下はないと思うが、今般の物価高により、消費の低迷も見込まれるため(GSTV)
  • 通販市場の伸びは引き続きあると思うが、原価高騰による値上げなどの影響で日本国内の消費は冷え込むのではないか(ヤマサキ)
  • 販売チャネルとして定着してきたが、一方で景気悪化の影響も看過できない(ニッピコラーゲン化粧品)
  • 円安やコスト高騰など不安要素は引き続き残るが、消費マインドの回復は期待できる(ロッピングライフ)

このほか、次のような意見もみられた。

  • 外出意欲の高まりもあり店舗での購入を楽しむ消費者も増える一方、新型コロナの先行きは不透明なことに加え、コロナ渦で今までECを利用していなかった人も通販を利用するようになり、客層が増えると考えるため(全日空商事)
  • 外出時間が増え、店舗での購入は増加すると予測されるが、ECは伸びていることから通販市場としては横ばいと予測(ヒラキ)
  • 20年は新型コロナ拡大に伴う巣ごもり消費の影響で大幅に通販市場規模は拡大したが、21~22年の伸び率は鈍化しており、その傾向が今後も続くのではないか(アイム)

また、「その他」として「長く続いたコロナによる外出自粛からの解放、実店舗回帰が活発化する一方、ECのデジタル接客、UI、UXの進化によるECサイトの進化も進んでおり、正しい予想ができない」(ユナイテッドアローズ)などの率直な声も寄せられた。

【消費動向】物価上昇が足かせに? 約6割が「下降」

アンケートでは次に「現状の消費の動向をどう捉えていますか」と質問し、各社に「上向いている」「下がっている」「横ばい」の3択で回答してもらった。その結果、「下がっている」が57%と最も多く、「横ばい」は30%、「上向いている」が13%となった。

現状の消費動向は「下がっている」と感じる企業が多い結果になった
現状の消費動向は「下がっている」と感じる企業が多い結果になった

物価高による消費意欲の低迷を指摘する企業多数

「下がっている」と回答した企業の回答では、物価高による消費意欲の低迷をあげる声が圧倒的多数を占めた。主な回答は次の通り。

  • 物価上昇により消費動向が下降傾向にあるため(タキイ種苗)
  • 物価の高騰(ディーエムジェイ)
  • 物価が高騰しているため(山田養蜂場)
  • 原材料費や燃料費高騰による値上げが影響するため(白鳩)
  • 円安による物価の上昇・値上げにより、消費動向が下がっている(アイム)
  • 物価高騰により、消費意欲が減退している(ニッピコラーゲン化粧品)
  • 近頃の物価上昇に対する警戒で、旅行以外の消費には消極的になっている(ちゅら花)
  • 物価高による消費の低下(GSTV)
  • 国際紛争による消費マインドの低下と、コロナ特需の反動は影響が大きかった(ロッピングライフ)

また、「物価高騰と先行きの社会保障含めた経済に対する不安から全体的に縮小。より良い物への選別が厳しくなる。人口減少は国内的には更に進んでいく」(mighty)、「各種生活関連商品や光熱費等、生活に直結するものの値上げが続いており、節約志向が高まっている」(ヒラキ)などの不安材料をあげる声もあった。

“自粛”の雰囲気継続を理由に「横ばい」とみる意見も

次いで多かった「横ばい」では、次のような意見があがった。

  • 日用品などの値上げを実感するものは抑制する傾向にあるものの、コロナ感染者数の増加、減少の傾向に応じて、旅行などの消費は上向いていることから全体としては横ばいとみている(ジュピターショップチャンネル)
  • 20年からのコロナ影響による急伸に比べると横ばい傾向にあると捉えている。ただし、デジタル化の進展による社会変化、通販市場の拡大基調は続いており、当面は微増傾向にある。期待は薄いものの、急激にコロナ感染が落ち着いた場合、“外出が増える=メイク消費の拡大”などは考えられる(ファンケル)
  • 物価高騰により生活主体の買い物中心になり、必需品以外の買い物に慎重になっている(テレビショッピング研究所)
  • 全体の消費マインドは上がっているが、アパレルについてはコロナ禍収束に伴う「リベンジ消費」はほぼ無く、社会全体の半強制的な自粛の雰囲気が継続、コロナ禍以前の生活に完全には戻らないことから良くて横ばいと想定(マガシーク)

一方で、「上向き」とした企業の回答の中では良好な景況感をあげる声も多く、業界による状況の違いがうかがえる結果となった。主な回答は次の通り。

  • 最近の物価高によって生活必需品の消費に逆風が吹いているが、高付加価値商品は好調(インペリアル・エンタープライズ)
  • 外出意欲が高まっていることで、今まで抑えていた消費意欲が増幅すると考えられる(全日空商事)
  • コロナ禍の抑制から解放され、反動が大きく出ていると感じる(田中貴金属ジュエリー)
  • 衣料品の消費傾向としては、外出機会の増加により上向いている(ユナイテッドアローズ)

コロナ禍3年間、通販各社は「巣ごもり反動減」に苦戦

新型コロナウイルス影響下における3年間の状況について各社はどのように総括しているのか。アンケートでは「コロナ禍1年目の20年度および21年度と比較して、22年度の市場動向や消費者の購買動向などに相違点はありましたか」と質問した。各社の回答は次の通り。

消費者の節約志向強まる。各社は冷え込みを懸念

各社からの回答で多かったのは、巣ごもり需要の反動減や物価高による消費者マインドの冷え込みを危惧(きぐ)する声だ。主な回答では、次のような意見がみられた。

  • 20年度、21年度の巣ごもり需要拡大から、コロナ対策規制緩和により明らかに内向きから外向きに購買動向が変化し、その上物価高による値上げの影響で買い控え傾向による向かい風が収まらない状況(タキイ種苗)
  • コロナ禍1年目は健康食品通販にとっては追い風もあったが、2年目は新規参入も増えて競争が激しくなった。さらに22年は物価高での購買欲の減少に加えて小売業者も値上げせざるを得ず、売価の上昇により購入を控える客もいる(ちゅら花)
  • コロナ禍1~2年目は巣ごもり需要があり衣類や雑貨類の需要が伸びた。3年目は巣ごもり需要も落ち着き、生活用品の値上げも相まり購買意欲は高まっていない(ヒラキ)
  • 20年をピークに新規獲得効率が下がっている。20年はネットでの新規獲得が好調だったが年々競争が激化し、獲得が不安定になっている。その分、既存顧客の安定化(定期誘導)により売り上げを維持している(ヤマサキ)
  • 衝動買いがなくなり、考え、比較しながらの購買傾向になった(テレビショッピング研究所)
  • 物価高により選別志向、節約志向が強まっている(mighty)

売れ筋商品に変化も? 消費者ニーズの変化を感じる企業が多数

購買行動では、売れ筋の変化を指摘する意見も目立った。

  • オンラインショッピングやテレワークなどの需要は継続しているが売れ筋商品に若干の変化が見られる。インドア、機能重視、自己投資などの傾向は変わらないが、新しい商品、満足度の高いチョイス、便利な決済方法など一定のこだわりが感じられる(ロッピングライフ)
  • 外出制限やイベント中止などにより支出を抑えていた人々がようやくお金を使いだしてきた感じがする(インペリアル・エンタープライズ)
  • ウィズコロナが定着し、コロナ感染者数の増加、減少に応じた消費を行っている(ジュピターショップチャンネル)
  • コロナ禍ではレジャー産業が低迷した反面、高級車や宝飾品など高価な嗜好(しこう)品への需要が明らかに増えた。コロナは収束していないが対策緩和によりレジャー産業が息を吹き返したと同時に当社の売り上げ低下の傾向は表れていると感じている(GSTV)

このほか、次のような意見も寄せられた。

  • 21年度まではECへのシフトが明確にあったが、22年度は実店舗への来店が大きく回復し、ECサイトで商品チェック後に来店して購入するという流れが増加した(田中貴金属ジュエリー)
  • 1年目は「巣ごもり」需要で増加、2年目は通販利用における電子決済などの普及とプロモーションによる増加(白鳩)
  • 化粧品に関する動向は大きな変化はない。しかし、生活様式も変化しており、実態にあわせた購買環境があげられる(アプロス)
  • 外出、旅行などの機会増加により衣料品の消費は上向いている(ユナイテッドアローズ)
※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

「通販新聞」について

「通販新聞」は、通信販売・ネット通販業界に関連する宅配(オフィス配)をメインとしたニュース情報紙です。物品からサービス商品全般にわたる通販実施企業の最新動向をもとに、各社のマーチャンダイジング、媒体戦略、フルフィルメント動向など、成長を続ける通販・EC業界の情報をわかりやすく伝え、ビジネスのヒントを提供しています。

このコーナーでは、通販新聞編集部の協力により、毎週発行している「通販新聞」からピックアップした通販・ECのニュースや記事などをお届けしていきます。

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通販新聞

ヤフーとLINE、ZHDの合併で、eコマースは「ポイント・販促中心」から「成長と収益性のバランスを両立」にシフトへ

3 years 2ヶ月 ago

Zホールディングス(ZHD)は2023年2月2日開催の取締役会で、ZHD、完全子会社であるLINEとヤフーを中心とした3社の合併方針を決議した。

2023年度中をめどに、ZHD、LINE、ヤフーを合併。グループ経営の意思決定のさらなる迅速化を図り、重複機能やサービスの統廃合と併せてコストをコントロールする。

Zホールディングス(ZHD)は2023年2月2日開催の取締役会で、ZHD、完全子会社であるLINEとヤフーを中心とした3社の合併方針を決議
合併の対象会社(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

経営目標も変更。「2020年代前半に国内物販EC取扱高No.1」と設定していたeコマース取扱高について、従来の「ポイント・販促中心」から、「グループアセットを最大限活用することに注力し、成長と収益性のバランスを両立」に変える。

理由はネット広告市場を取り巻く環境が2022年度後半に入り、急速に悪化しているため。業績を牽引してきた広告の収益が急激に減退。広告商品としての競争力の低下も一因となりつつあるとしている。

「2023年度に調整後EBITDA3900億円」としていた目標も、「2023年度の調整後EBITDA プラス10%程度の増益」をめざすとした。

Zホールディングス(ZHD)は2023年2月2日開催の取締役会で、ZHD、完全子会社であるLINEとヤフーを中心とした3社の合併方針を決議
経営目標の変更(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

 

石居 岳

国内EC市場活性化に向けた“4つのシナリオパターン”とは? 日本のBtoC-EC市場「2024年にはEC化率が10%に到達する」

3 years 2ヶ月 ago

オンラインマーケットプレイスの構築・運用支援サービスのMirakl(ミラクル)は、レポート「国内BtoC-EC市場の近未来予想と活性化への期待」を公開した。

レポートは経営者層、新規事業開発者、DX推進者、新規事業開発者、EC責任者向けの内容で、デジタルコマース総合研究所の協力の下、国内EC市場活性化に向けた4つのシナリオパターンなどを提示している。

“国内EC化率10%”の未来が間近に

Miraklが実施した記者発表会には、ゲストとしてデジタルコマース総合研究所代表取締役の本谷知彦氏が登壇。「国内BtoC-EC市場の近未来予想と活性化への期待」を踏まえながら、EC市場の概観、国内EC市場の見直し、国内EC市場活性化のシナリオパターンなどを解説した。

物販系のBtoC-EC市場について、本谷氏は「コロナによるEC市場規模の押し上げ効果は1兆3676億円」(※デジタルコマース総合研究所推計)と説明。「このままのペースだと2024年にはEC化率が10%に到達する」(本谷氏)と分析している。

国内EC化率は10%に向かって着々と成長し続けている(画像はMiraklが開催した記者発表会の配布資料から編集部が抜粋。以下同)
国内EC化率は10%に向かって着々と成長し続けている(画像はMiraklが開催した記者発表会の配布資料から編集部が抜粋。以下同)

また、EC化率はカテゴリーごとに偏りが大きいことを指摘。事前探索で製品の特性が理解できる家電などの「探索材」はネットとの親和性が高く、EC化率が高いようだ。

生活家電やAV機器といった「探索材」のEC化率は突出して高い
生活家電やAV機器といった「探索材」のEC化率は突出して高い

プラットフォーマーへの依存度は依然高く

国内EC市場の特性については、主要ECプラットフォームが市場規模全体に占める比率は7割に達すると説明。EC売上高の上位500社であっても、プラットフォーマーへの依存度が高いことを指摘した。

カテゴリーの種別は三大プラットフォームが関わるものが多い
カテゴリーの種別は三大プラットフォームが関わるものが多い
EC事業者の多くは三大プラットフォームに依存する傾向が大きい
EC事業者の多くは三大プラットフォームに依存する傾向が大きい

やがてくるピークアウトをいかに乗り切るか?

本谷氏は、ECはコンビニより参入障壁が低いことから「コンビニ市場よりも早くピークを迎える」と想定。EC市場は成熟期へと変化しているとし、「市場に大きな変革が生じなければ2030年前後に20兆円で第1次ピークアウトが到来する」と予想している。

それを踏まえ、「これまでの延長線上ではない新たなステージへ切り替えるために、より大胆な施策が重要な時代になった」(本谷氏)と提唱している。

これまで右肩上がりに推移してきた国内EC市場。本谷氏は2030年ごろにはピークアウトが懸念されると予想
これまで右肩上がりに推移してきた国内EC市場。本谷氏は2030年ごろにはピークアウトが懸念されると予想

市場活性化に向けた4つのシナリオとは?

本谷氏が予想する国内EC市場活性化のシナリオパターンは次の4つ。

  • シナリオ1:既存大手ECプラットフォームのさらなる流通総額拡大による市場規模拡大
  • シナリオ2:新たな大型プラットフォームの出現による市場規模拡大
  • シナリオ3:DtoC-ECの隆盛による市場規模拡大
  • シナリオ4:ミディアムサイズプラットフォームの台頭による市場規模拡大

シナリオ1は大手プラットフォームの存在感が今後も継続するイメージ。「楽天市場」、Amazon、「Yahoo!ショッピング」などの既存大手プラットフォームの流通総額がさらに拡大し、EC市場全体が活性化する想定だ。

大手プラットフォームの存在感が続くシナリオは現実味が強いように思われる
大手プラットフォームの存在感が続くシナリオは現実味が強いように思われる

シナリオ2は、大手プラットフォームを超えるような新たな大手プラットフォームが出現し、大型ECプラットフォーム同士の競争が激化するイメージ。既存のECプラットフォームが大型化し、新たな巨大勢力として台頭する場合もこのシナリオに含まれる。

既存の大型プラットフォームを上回るプラットフォームの台頭をイメージしている
既存の大型プラットフォームを上回るプラットフォームの台頭をイメージしている

シナリオ3は、大手を含むECプラットフォームへの出店・出品から、DtoCによる独自路線へ切り替えるメーカーが続出するイメージ。このシナリオの背景には、スマートフォンやSNSの普及によって、メーカー自身が消費者と直接的につながることができるようになってきたことがある。

DtoC-ECの傾向はコロナ禍で加速しており、さらなる市場規模の拡大が期待される
DtoC-ECの傾向はコロナ禍で加速しており、さらなる市場規模の拡大が期待される

シナリオ4は、従来にない商材を新たに加えることで、プラットフォーム化を推進し、販売力を向上するイメージ。“目利き”の力が重要になることや、全体的なブランディングをどのように構築するかが課題要素としてあげられる。

シナリオ4ではマーチャンダイジング(MD)の目利き力が試される
シナリオ4ではマーチャンダイジング(MD)の目利き力が試される

本谷氏は、シナリオ1とシナリオ4について実現性が高いと指摘。特に、「ミディアムサイズプラットフォームの台頭は商材の提供側、販売側双方にとってメリットがあると想定され、仕組みやソリューションが整備されれば現実的な選択肢になり得る可能性が高い」(本谷氏)と話している。

高野 真維

転売屋などの不正利用から自社を守る方法とは? D2C(ネット通販)事業者が取るべき対策を解説

3 years 2ヶ月 ago
年々巧妙化する不正利用の影響と取るべき対策を、売れるネット広告社の加藤公一レオ氏が解説!

近年、転売目的の購入といった「不正注文」が大きな問題となっているD2C(ネット通販)業界。“転売屋”や“初回ピッカー”の手口も年々組織化・巧妙化してきており、不正注文による被害がD2C(ネット通販)企業の利益を圧迫している。D2C(ネット通販)を手がける企業はどんな対策を採用すればいいのか? 不正注文の実態に触れながら、不正注文への対策を解説する。

D2C(ネット通販)をターゲットにした不正注文の実態

D2C(ネット通販)業界では、定期コース(サブスク)を主体としたビジネスモデルを設計している企業も多い。そのため、初回申し込みのハードルを下げ、まずは1度試してもらうために、新規顧客に「初回特別価格」をオファーするのが慣例になっている。「初回70%OFF、2回目以降10%OFF」のように、初回価格と2回目以降の価格に大きく差をつけているのが特徴だ。

D2C ネット通販 不正利用対策 初回申し込みと2回目以降の価格差を付ける

一時期は、規定の回数に満たないタイミングで解約するとペナルティを科す、いわゆる“定期縛り”を設けるD2C(ネット通販)企業が多かったが、詐欺的な定期購入商法の社会問題化による法整備などで、“定期縛り”を設ける企業は少なくなってきている。

つまり、最近のD2C(ネット通販)商材の多くは、初回と2回目以降の価格差が大きく、かつ初回で解約してもペナルティがない。そのため、この価格差を利用して利益を得ようとする不正注文のターゲットになってしまうのだ。

初回価格が極端に安い商材の場合、販売手数料などを差し引いても利益が出るため、フリマアプリなどへの出品を前提に商品を購入する“転売屋”に狙われる。さらに「初回特別価格」目当てで商品を購入し、すぐに解約する“初回ピッカー”にも狙われてしまう。

“初回ピッカー”は転売屋ほど悪質ではないと思われがちだが、個人情報の一部を変えるなどして何度も「初回特別価格」で申込もうとする手口も存在し、詐欺に近いものもある。

こうした“転売屋”や悪質な“初回ピッカー”による不正注文は、D2C(ネット通販)企業の悩みの種になっており、不正注文による利益圧迫やブランド価値の棄損は、D2C(ネット通販)業界にとって、決して無視できないものになっている。

これが“転売屋”の手口だ!

D2C(ネット通販)商材の転売が問題になり始めた頃は、個人があちこちのD2C(ネット通販)商材を購入し、「初回特別価格」と2回目以降の価格差を利用して小遣い稼ぎをするというレベルだった。しかし最近では転売の手口も組織化・巧妙化し、D2C(ネット通販)企業が被る被害も拡大している。

こうした転売の実態を明らかにするため、売れるネット広告社は、実際に使われている「転売マニュアル」を極秘ルートで入手した。

この“転売屋”は、大勢のアルバイトを使って組織的に商品購入と転売を行っている。「転売マニュアル」には、ターゲットとなる商品名や購入URLはもちろん、フリマアプリでの販売価格、仕入額、利益率、解約のタイミングまで記載されている。これを見れば、転売が個人の小遣い稼ぎというレベルではないことがわかるだろう。

D2C ネット通販 不正利用対策 転売屋のリスト

このような“転売屋”の場合、手元に在庫がない状態でフリマアプリに出品し、フリマアプリで商品が購入されると購入者の個人情報を使って、D2C(ネット通販)企業のサイトで商品申し込みを行い、直接購入者の元に届くようにしていることもある。そして、“転売屋”はフリマアプリの購入者に商品が届いたことが確認できた時点で定期購入(サブスク)を解約する。

こうした転売をはじめとする不正注文を放置すると、D2C(ネット通販)企業の利益が圧迫されるだけでなく、フリマアプリに安く大量に出品されてしまうことによって、ブランドイメージの低下にもつながってしまう。当然、これまで自社サイトで購入していた顧客が、より安く買えるフリマアプリに流れてしまうというケースもあるだろう。

規模の大小を問わず、不正注文対策はあらゆるD2C(ネット通販)企業にとって、喫緊の課題になっているのである。

どのような不正注文の対策があるか?

不正注文に頭を悩ませ「なんとか撲滅したい」と考えているD2C(ネット通販)関係者は多いはずだ。そこで、具体的な不正注文対策を紹介していく。

対策①:半永久的に〇%OFF

最も効果的な不正注文対策の1つが、「半永久的に〇%OFF」だ。つまり、「初回も2回目以降もずっと、半永久的に20%OFF」のように、定期コース(サブスク)の割引率を固定してしまうことである。

D2C(ネット通販)の定期商品が“転売屋”や“初回ピッカー”に狙われるのは、「初回特別価格」と2回目以降の価格差が大きいからだ。そこで、この価格差をなくして、初回も2回目以降もずっと同じ価格にすれば、“転売屋”や“初回ピッカー”にとってうまみがなくなるので、不正注文が激減するだろう。

初回と2回目以降の価格差をなくすと、結果的に初回申し込みのハードルが上がるため、コンバージョン率が下がる。しかし、不正注文が排除できる上、本気度の高い人しか申込まなくなるため、LTVが最大1.54倍アップしたケースもある。

対策②:ツーステップマーケティング

不正注文の被害が多いのは、新規獲得用のランディングページでいきなり本商品の定期コース(サブスク)をオファーする「ワンステップマーケティング」を採用しているD2C(ネット通販)企業である。

誰もが目にするランディングページでいきなり「初回70%OFF!」など、破格のオファーを見せているため、不正注文のターゲットになりやすい。

D2C ネット通販 不正利用対策 ワンステップマーケティングとツーステップマーケティングの違い

一方、まずは「500円モニター」のような低価格/無料のモニター商品をフックに見込み客を集め、その後本商品の定期コース(サブスク)にアップセルさせる/引上げる「ツーステップマーケティング」は不正注文のターゲットになりにくい

なぜなら、「初回特別価格」を設定している場合でも、誰もが目にするランディングページにはその情報を記載していないからである。ランディングページに記載されているのは、あくまでも本商品の定期コース(サブスク)に誘導する前段階となる、モニター商品の価格だけだ。

D2C ネット通販 不正利用対策 低価格・無料のモニター商品施策

「ツーステップマーケティング」で「初回特別価格」を記載するのは、アップセルを狙う「申込確認画面」や、モニター申し込み者が後日目にする「引き上げメール」「引き上げ専用ランディングページ」などである。

D2C ネット通販 不正利用対策 初回特別価格の記載ページ

モニター商品を申込むつもりで申し込みフォームに入力した人にしか「初回特別価格」を見せないことから、“転売屋”や“初回ピッカー”の目にふれにくいため、転売被害に遭いにくくなるのだ。

対策③:申し込みフォーム手前にチェックボックスを追加

申し込みフォームの手前に、回答必須のチェックボックスを追加することも不正注文の削減に効果がある。

具体的には、モニター商品の申込フォームの手前に、以下のようなチェックボックスを設け、これらにチェックを入れないと商品申し込みができないようにするのである。

D2C ネット通販 不正利用対策 申し込みフォーム手前にチェックボックスを追加

□ 本気でシミをケアして“潤う美白”肌を手に入れたい方
□ もし半永久的に20%OFFであれば、美白美容液の本商品(税込4000円)を定期便で申込んでもいいという方
□ 定期便で、最低でも1年以上は続けたいと思っている方

こうしたチェックボックスを設けることで、申し込み意向の高いユーザーが集まるようになる。モニター商品から本商品の定期コース(サブスク)へのアップセル率が最大2.02倍アップした事例もある。

対策④:申込確認画面に転売対策の文言

商品申し込みが完了する一歩手前の「申込確認画面」に、転売やポイント目的の購入を禁止する文言を追加するのも効果的だ。

D2C ネット通販 不正利用対策 申し込み確認画面に転載対策の文言を掲載

具体的には次のような文言を記載する。

  • 副業としての申し込みが発覚した場合、警察に届出します
  • 転売目的での申し込みが発覚した場合、警察に届出します
  • ポイント目的で申し込みして即解約した場合、ポイントを無効とします

こうした文言を追加することで、不正注文の抑止力となり、アップセル率が最大1.46倍上がったケースもある。

対策⑤:検知ツールの導入

不正注文を排除するには、「O-PLUX(オープラックス)」「Spider AF(スパイダーエーエフ)」などの不正検知ツールの導入も効果的だ。

不正検知ツールにもそれぞれ強みがあるが、「初回特別価格」を悪用した転売目的の不正注文対策に特に効果的だといわれているのが、Spider Labs(スパイダーラボズ)の「Spider AF」という不正検知ツールだ。

2022年10月に「不正コンバージョンブロッカー」をリリースしており、リダイレクタや不正判定APを活用することで、不正なユーザーや申し込みなどをリアルタイムに検知、ブロックすることができるようになっている。

D2C ネット通販 不正利用対策 不正検知ツール Spider AF
画像は「Spider AF」のサイトから編集部がキャプチャ
◇◇◇

D2C(ネット通販)企業を悩ませる不正注文は、年々手口が組織化・巧妙化してきている。また、それに対抗する策もオファー設計の変更からシステム的な対応まで多数存在する。

不正注文の撲滅には、今回紹介した5つのうち2つ以上の対策を併用すると効果的だ。現時点ではそれほど大きな被害が出ていない企業でも、1度目を付けられるとあっという間に被害が拡大することもある。

不正注文対策が十分でないD2C(ネット通販)企業は、“転売屋”と“初回ピッカー”から大切なブランドを守るためにも、早急に不正注文対策に取り組んでほしい。

加藤 公一 レオ

アマゾン日本事業の売上高は約3.2兆円、ドルベースは243億ドル(前期比5.7%増)【Amazonの2022年実績まとめ】 | 大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ

3 years 2ヶ月 ago
アマゾン日本事業の2022年(2022年1~12月)売上高は円ベースで3兆1958億7600万円。ドルベースでは243億9600万ドルで前期比5.7%増

アマゾン日本事業の2022年(2022年1~12月)売上高は円ベースで3兆1958億7600万円だった(2022年の平均為替レートを1ドル=131円で換算)。米Amazonが公表した「年次報告書」などから、2022年のAmazon日本事業、米Amazonの状況をまとめた。

アマゾン日本事業について

日本事業のドルベースでの売上高は243億9600万ドルで前期比5.7%増(2021年の日本事業売上高は230億7100万ドルで前期比12.8%増)。2016年から続いていた2ケタ増収から、2022年は1ケタ増収に鈍化した。全売上高に占める日本事業の割合は4.7%。

アマゾン日本事業の売上高推移
アマゾン日本事業の売上高推移(ドルベース)

日本銀行が参考計数として公表している「東京外為市場における取引状況(2022年中)の2022年平均レート「1ドル=131.57」を参考に、1ドル=131円で換算した場合、日本円ベースによる日本事業の売上高は3兆1958億7600万円となる。

2022年は円安・ドル高が急伸したため、日本円ベースの売上高は大幅に増えた。なお、1ドル=110円で換算した2021年の日本円ベースによる日本事業の売上高は2兆5378億1000万円。

アマゾン日本事業の日本円ベースの売上高推移(年間平均為替レートで円換算)。平均為替レートは、2010年が87円、2011年は79円、2012年は79円、2013年は97円、2014年は105円、2015年は120円、2016年は108円、2017年は112円で換算、2018年は111円で換算、2019年は109円で換算、2020年は107円で換算、2021年は110円、2022年は131円で換算)
アマゾン日本事業の日本円ベースの売上高推移(年間平均為替レートで円換算)。平均為替レートは、2010年が87円、2011年は79円、2012年は79円、2013年は97円、2014年は105円、2015年は120円、2016年は108円、2017年は112円で換算、2018年は111円で換算、2019年は109円で換算、2020年は107円で換算、2021年は110円、2022年は131円で換算)

アマゾン日本事業の売上高は直販ビジネスのほか、第三者による販売(マーチャント売り上げ)の手数料収入、定期購入サービス、AWS(Amazon Web Service)などが含まれる。

米Amazon、アマゾンジャパンともに流通総額は公表していないが、「Amazon」グローバル流通総額に占める販売事業者経由の割合は6割程度に達しており、日本も同様の流れにあると見られる。

全体の流通総額のうち第三者による販売は6割程度、手数料収入は平均して第三者販売額の約10%という推定を前提に、円ベースの売上高から「Amazon.co.jp」の流通総額を算出すると6兆円程度に達していると推測される。

グローバルの販売状況

2022年(2022年1-12月)決算によると、売上高は前期比9.4%増の5139億8300万ドルだった。なお、為替レートの前年比変動のマイナス影響を除いた場合の伸び率は13%増という。

売上高の内訳は次の通り。

  • 仕入れ商品などによる製品売上(直販売上、デジタルメディアコンテンツなど含む)
    → 2200億400万ドル(前期比前0.1%減)
  • 第三者販売サービス売上など(第三者が販売するサービスに関する手数料売上など)
    → 1177億1600万ドル(同13.9%増)
  • 定期購入売上(サブスクリプションサービス売上)など(「Amazon プライム」の会員費など)
    → 352億1800万ドル(同10.9%増)
  • AWS(Amazon Web Service)
    → 6800億9600万ドル(同28.8%増)
  • 実店舗売上(主にホールフーズの売り上げ)
    → 189億6300万ドル(同11.1%増)
  • 広告サービス
    → 377億3900万ドル(同21.1%増)
  • その他(クレジットカード契約などの売上高)
    → 42億4700万ドル
Amazonの売上高の内訳(2022年)仕入れ商品などによる製品売上(直販売上、デジタルメディアコンテンツなど含む) → 2200億400万ドル(前期比前0.1%減) 第三者販売サービス売上など(第三者が販売するサービスに関する手数料売上など) → 1177億1600万ドル(同13.9%増) 定期購入売上(サブスクリプションサービス売上)など(「Amazon プライム」の会員費など) → 352億1800万ドル(同10.9%増) AWS(Amazon Web Service) → 6800億9600万ドル(同28.8%増) 実店舗売上(主にホールフーズの売り上げ) → 189億6300万ドル(同11.1%増) 広告サービス → 377億3900万ドル(同21.1%増) その他(クレジットカード契約などの売上高) → 42億4700万ドル
Amazonの売上高の内訳(2022年)。カッコ内の数値は全体売上高に占める割合

地域別の売上高は次の通り。Amazon全体の売上高に対して日本事業が占める割合は4.7%。2021年比で0.2ポイント減った。

  • アメリカ → 3561億1300万ドル(前期比13.4%増)
  • ドイツ → 335億9800万ドル(同10.0%減)
  • イギリス → 300億7400万ドル(同7.7%増)
  • 日本 → 243億9600万ドル(同5.7%増)
  • その他 → 698億200万ドル(同9.9%増)
Amazonの地域別売上高 アメリカ → 3561億1300万ドル(前期比13.4%増) ドイツ → 335億9800万ドル(同10.0%減) イギリス → 300億7400万ドル(同7.7%増) 日本 → 243億9600万ドル(同5.7%増) その他 → 698億200万ドル(同9.9%増)
Amazonの地域別売上高(2022年)。カッコ内の数値は全体売上高に占める割合
瀧川 正実

成長しているサイトは何をしているのか? BEAMS(ビームス)、ヤッホーブルーイングが選んだツールと戦略のポイント

3 years 2ヶ月 ago
EC構築プラットフォーム、パーソナライゼーション、メディアコマース、SNS活用、オムニチャネル、顧客分析・CRMなど多彩なソリューションを提供するecbeingが、導入事例を紹介
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ECサイト構築パッケージ「ecbeing」の提供を1999年に開始したecbeing。現在では1500以上のサイトに導入され、年間流通総額は6000億円を突破するまでに成長している。ecbeingで代表取締役社長を務める林雅也氏によると、これからのECビジネスに必要なのは、①ブランドプロミス ②顧客の価値体験 ③顧客タッチポイント ④データ/システム――という。

ecbeingでは「ecbeing」を中心に、それぞれの分野をサポートするソリューションを提供することで、導入先のビジネスの成長をサポートしている。代表的な2つの事例と、その成長を支えるソリューションについて解説した。

ecbeing 代表取締役社長 林雅也氏
ecbeing 代表取締役社長 林雅也氏

認知からファン化までをトータルにサポート

集客・認知についてはSNSなどと連携する「visumo」、自社をメディア化していくところはCMSルーツ「Site MiraiZ」、購入の段階では「ecbeing」、さらに購入者が他のユーザーに推奨するためのレビューについては「Revico」というように、ecbeingでは認知からファン化までの一連の流れを、同社およびグループ会社が提供する各サービスでカバーしている。

顧客の体験とecbeingのソリューション
顧客の体験とecbeingのソリューション

中心となるのがカスタマイズ可能なECサイト構築パッケージ「ecbeing」。ここを起点にそれぞれの顧客に合わせて作り込んでいく。

ecbeingのソリューションマップ
ecbeingのソリューションマップ

カスタマイズできるプラットフォームとSaaSのサービスをハイブリッドで提供しているのが我々の特色。(林氏)

速いスピードで進化するデジタルマーケティングに対応するため、オプションのサービスをSaaS(Software as a Service)で提供している。

たとえば、マーケティングの戦略を立案するためのプラットフォーム「SechstantCDP」や、MAを担う「SechstantCRM」のほか、検索、アプリ、SNSとの連携、レビューなど、多数のマイクロサービスを用意している。SaaSの特徴として自動的にバージョンアップされるため、ユーザーは常に最新のテクノロジーを利用できる

ecbeingの導入事例 ①BEAMS

ここからは数多くのecbeingの導入先のなかから、代表的なECサイトの取り組みと、それを支えるecbeingのソリューションについて紹介する。

セレクトショップを全国で展開するBEAMSでは、単に商品を買えるだけではなく、魅力的なオウンドメディアとしてECサイトを機能させている。具体的には季節を意識した特集や先行予約、ニュースやスタイリング、ビデオ、ブログ、フォトログといったさまざまなコンテンツが、すべて高いクオリティで提供されている。

BEAMSでは顧客に寄り添う機能の充実も図っている。たとえば検索機能では、色やサイズといった通常の検索項目だけでなく、素材や形状などディテールに関しても検索項目に盛り込んでいる。これは商品マスターのメンテナンスの質が高くないと実現が難しい施策だ。

BEAMSのECサイトにおける「顧客に寄り添う機能」
BEAMSのECサイトにおける「顧客に寄り添う機能」

商品詳細ページでは商品の機能や仕様の説明が充実しており、さまざまなアングルからのスタイリング提案、試着への導線まで用意されている。会員の好みに合わせたタイムライン表示など、パーソナライゼーションも実現できている。

BEAMSではライブ配信も行っており、ecbeingがログイン連携や視聴中のカートインなど、ライブ配信中に使う細かい機能の実装を担当した。ライブ配信には高い技術が必要だが、BEAMSでは2016年からスタッフがECサイトの構築や運営に参画し、コンテンツを提供し続けているため、スタッフのレベルが上っているという。

BEAMSのライブ配信
BEAMSのライブ配信

また、BEAMSが台湾で公式サイトをオープンした際も、ecbeingがサポートを行った。「言語対応も必要だが、台湾で特徴的なのはレシートにクジを実装しなければいけない点」と林氏。国境を越えたオムニチャネル展開は今後のトレンドとなっていくだろう。

ecbeingの導入事例 ②ヤッホーブルーイング

ヤッホーブルーイングのマーケティングの目標は「ファンとの絆を強くしていく」ことだ。ファンを増やすために重要なのは「学び」「交流」「共創」のサイクルを回すことだと林氏は言う。サイトにはクラフトビールの紹介だけではなく、おいしいクラフトビールの飲み方、おいしい食べ物との組み合わせなどさまざまな読み物が用意されている。

コンテンツはecbeingが提供するCMS「SiteMiraiZ」を使って、ヤッホーブルーイングのスタッフが直接更新している。データ連動により商品の価格などが自動で表示されるため、ミスも少ないという。

ヤッホーブルーイングにおける「SiteMiraiZ」の活用
ヤッホーブルーイングの通販サイト「よなよなの里」における「SiteMiraiZ」の活用

ファンを大切にするヤッホーブルーイングが作ったのは定期購入に特化したECサイト。限定ビールの先行販売や醸造所見学イベントの先行予約、ヤッホーが展開するビアレストランの優待や会報誌などを会員限定で提供している。

届く製品についてもユーザーが選べる。定期購入のユーザーしか買えない限定製品を販売するなど、ロイヤルカスタマーに特化したサイトとなっている。

定期会員限定のLINEチャネルを開設し、ステータスに応じたLINEのプッシュ配信や情報配信も行なっている。

ヤッホーブルーイングにおけるLINEアカウント連携
ヤッホーブルーイングにおけるLINEアカウント連携
◇◇◇

ここで紹介した事例以外にも、ecbeingではさまざまなサイトの構築を行っている。これは開発体制500人以上、マーケティング支援体制200人以上といった体制の成果だという。

常にエンジニアが不足していると言われているEC業界において、「エンジニアを増やしていくということも、会社のミッションとして重要だと思っている」と林氏は語る。2022年も50人を越える開発者を採用しているという。

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田口和裕

メタバースECなどバーチャルショップ認知度は3割。認知しているユーザーの約半数は利用経験

3 years 2ヶ月 ago

NTTデータ経営研究所は、20~40代の国内の生活者を対象に「バーチャルショップに関する意識調査」を実施し、その結果を発表した。バーチャルショップは、3Dスキャン・モデリングやVR・ARなどを活用したWeb上の仮想店舗で、アバターを用いて店舗回遊や商品購入をするサービスの総称、と今調査では定義している。

バーチャルショップの認知度・利用率

「知っている」と回答したのは27.4%、「知らない」は72.6%。

NTTデータ経営研究所「バーチャルショップに関する意識調査」 バーチャルショップの認知有無
バーチャルショップの認知有無

ただ、バーチャルショップを認知しているユーザーの44.2%がバーチャルショップを「利用したことがある」と回答している。内訳は「利用し、商品を購入した」が28.4%、「商品の購入をしたことはないが、サービスを利用したことがある」が15.8%。

NTTデータ経営研究所「バーチャルショップに関する意識調査」 バーチャルショップの利用状況
バーチャルショップの利用状況

SNSやメディアなどで情報収集、情報発信行っている頻度別にバーチャルショップの認知度を聞いたところ果、情報収集・情報発信とも「1日に1回以上行っている人」の認知度は64.4%。情報収集・情報発信の「どちらか一方が1日に1回未満の層」の認知度は30.7%。情報収集・情報発信の「どちらも1日に1回未満の層」の認知度は6.7%だった。

NTTデータ経営研究所「バーチャルショップに関する意識調査」情報収集・発信頻度別バーチャルショップの認知有無
情報収集・発信頻度別バーチャルショップの認知有無

バーチャルショップの男女別認知度を見ると、男性は20代43.2%、30代29.9%、40代35.2%。ただ、女性は30~40代で2割程度(30代23.8%、40代23.6%)にとどまっているほか、20代女性は16.7%と全年代で最も低い。

認知層に実施した利用状況調査では、20代女性は購入まで至っている割合が52.9%で、他の性別、世代と比較しても確率が高い。男性は、20代が50%、30代が57.5%、40代が48.2%と、どの世代も約半数まで利用している。

NTTデータ経営研究所「バーチャルショップに関する意識調査」性別・年代別バーチャルショップの認知有無
性別・年代別バーチャルショップの認知有無
NTTデータ経営研究所「バーチャルショップに関する意識調査」性別・年代別バーチャルショップの認知有無
性別・年代別バーチャルショップの利用状況

バーチャルショップ利用者の利用頻度は、モール型(仮想空間内に出店された複数の店舗)が69.0%、他メタバースサービス出店型(メタバースサービスに出店した店舗)が77.4%で、約7割のユーザーが月に1回以上利用している。

NTTデータ経営研究所「バーチャルショップに関する意識調査」サービス分類別バーチャルショップの利用頻度
サービス分類別バーチャルショップの利用頻度

バーチャルショップで購入・購入を検討した商品

「食品・飲料・生活用品」「衣類・ファッション・装飾品」の購入が多い。

バーチャルショップの分類別で見ると、イベント型バーチャルショップ(仮想空間内で開催されているバーチャルイベント)では「家具・インテリア・家電」が33.3%。他メタバースサービス出店型バーチャルショップでは、「衣類・ファッション・装飾品」の他に「ビューティ・コスメ・ヘルスケア」「スポーツ・楽器等の趣味雑貨」の割合が高い。

NTTデータ経営研究所「バーチャルショップに関する意識調査」サービス分類別バーチャルショップで購入・購入検討した商品
サービス分類別バーチャルショップで購入・購入検討した商品

バーチャルショップの利用意向とその理由

どのサービスも利用未経験者の7割以上(モール型74.3%、イベント型72.6%、他メタバースサービス出店型74.5%)が、「利用してみたいとは思わない」という結果に。

理由は「通常のECサービスで十分」「サービスの使い方や利用しているイメージが沸かない」などがトップとなっている。

NTTデータ経営研究所「バーチャルショップに関する意識調査」バーチャルショップの利用意向(利用未経験者)
バーチャルショップの利用意向(利用未経験者)
NTTデータ経営研究所「バーチャルショップに関する意識調査」サービス分類別バーチャルショップを利用したいと思わない理由(利用未経験者)
サービス分類別バーチャルショップを利用したいと思わない理由(利用未経験者)

一方、利用経験者においては、モール型が94.4%、イベント型が95.1%、他メタバースサービス出店型が90.3%。9割以上が「引き続きサービスを利用したい」と回答している。その理由は「VR、ARなどによって商品のイメージが沸きやすい」が上位にあがっている。

また、「多数の商品が陳列されており、ショールーミングを楽しめる」こともメリットのようだ。一方、「商品・サービスが気に入ったため」と回答したユーザーは2割弱にとどまっており、ユーザーは商品・サービスよりもバーチャルショップを利用する体験を求めているようだ。

NTTデータ経営研究所「バーチャルショップに関する意識調査」バーチャルショップの利用意向(利用経験者)
バーチャルショップの利用意向(利用経験者)
NTTデータ経営研究所「バーチャルショップに関する意識調査」サービス分類別バーチャルショップを利用したいと考える理由(利用経験者)
サービス分類別バーチャルショップを利用したいと考える理由(利用経験者)

バーチャルショップの改善点としては、「オンライン接客品質の改善」と回答したユーザーが最多。いかにメタバースへの没世界観を高められるような感情的価値の訴求や、ライフスタイルの提案等を行うことができるかが重要だと考えられる。

NTTデータ経営研究所「バーチャルショップに関する意識調査」サービス分類別バーチャルショップの改善点
サービス分類別バーチャルショップの改善点
石居 岳

ANA Xが公式ECモール「ANA Mall」にEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」を導入

3 years 2ヶ月 ago

ANA Xは、公式ECモール「ANA Mall」のグランドオープンに合わせて、EC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」を導入した。

「もしかして機能」などを導入

「ANA Mall」はANAグループが運営するECモール。直営店に加え国内有数のショップも数多く出店するほか、食品・家電・家具などさまざまな商品を展開している。

「ZETA SEARCH」の「もしかして機能」により、検索時の入力ミスの訂正や近しいキーワード候補の表示、該当商品が見つからない際のサイト離脱防止につなげる。

ANA X ANAグループ ANA Mall ZETA SEARCH もしかして機能
「もしかして機能」でサイト離脱を防止

また、絞り込み件数が表示されていることにより、少ないアクションで目的の商品にたどりつくことができ、UX向上をサポートしている。

ANA X ANAグループ ANA Mall ZETA SEARCH ファセットカウント
「ファセットカウント」により、ユーザーのアクションを軽減する

「ZETA SEARCH」とは

ECサイト内の検索における「絞り込み」「並び替え」の設定の自由度・柔軟性を追求したEC商品検索・サイト内検索エンジン。

キーワード入力時のサジェスト機能や、もしかして検索、ドリルダウン式の絞り込み、事前に検索結果の該当数を表示するファセットカウントなど、多数の検索機能を有している。

JRE MALL ZETA SEARCH サイト内検索 EC商品検索
「ZETA SEARCH」の基本機能(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)
藤田遥

「2020年代前半 国内物販EC取扱高No.1」は修正。「Yahoo!ショッピング」はどうなる?【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

3 years 2ヶ月 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2023年1月30日~2月5日のニュース

ZHDとヤフーLINEの合併が発表されました。「2020年代前半 国内物販EC取扱高No.1」は修正ということで、仕切り直しとなりそうです。ポテンシャルはあるだけに、全体をまとめられるかがポイントになってきそうです。

「Yahoo!ショッピング」で大きな動きがあるかもしれません

ZHDとヤフーLINEが合併へ ー 「2020年代前半 国内物販EC取扱高No.1」の目標は修正 | ST
https://shopping-tribe.com/news/shopping/57374/

Zホールディングスは、同社と完全子会社であるLINE、ヤフーの3社による合併方針を決定したことを発表した。

グループ経営の意思決定の更なる迅速化を図ることを目的に2023年度中を目処に合併を進める方針。また、2023年4月より代表取締役会長に川邊氏、代表取締役社長 CEOに出澤氏、代表取締役 GCPOに慎氏とする新体制へ移行する。

Zホールディングス、LINE、ヤフーの大型合併が進んでいるようです。色々な分野に影響がありそうな合併ですが、EC事業での動きについて取り上げます。

私が社長に就任してから5年間。2020年代前半でのEコマースNo.1を標榜してきた。その上で、まず自社サービスであるYahoo!ショッピングやPayPayモールの品揃えを増やし、使い勝手を良くし、たくさんポイントを付与する施策を行なってきた。また、ZOZOの買収も行なった。これらの策は奏功して、取扱高では5年間で倍になっており、一つの成果だと認識している。(川邊氏)

確かにECの売り上げは伸びました。ZOZOの買収もインパクトが大きい出来事でした。最近では「Yahoo!ショッピング」と「PayPayモール」の統合もありますが、「Amazon」と「楽天市場」も伸びているので、なかなか追いつけない状況です。

これまで強めてきた部分は有効活用しながらも、グループ内アセットを活用した競合に負けないオリジナリティの高いEコマースを提供することで、収益のバランスも意識しながら、新たな我々ならではのEコマースでシェアを伸ばしていきたい。

グループ内のアセットの活用が肝だと思います。決済もモバイルもポイントも持っているのに、それらの連携がいまひとつ。ユーザーからするとバラバラに見えるので力が分散してしまっています。

ZHD、ヤフー・LINEと合併へ 社長に出沢剛氏・会長に川辺氏 | 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC0254Q0S3A200C2000000/

ZHDとLINEの統合直後にはLINE側のずさんな個人情報の管理体制が明るみに出て、個人情報管理の改善策を優先。統合の肝となるはずだったヤフー・LINEによるID連携も23年以降にずれ込んでいる。

力が分散してしまったのはこれが原因でしょう。もう一度統合の効果を出すためにも会社をまとめてしまおうということなのかもしれません。いかに早く束ねることができるのかがポイントになってきそうですね。

今週の要チェック記事

【ECモール 2023年の展望】『アマゾン』露木一帆事業本部長「日本の中小企業を支える存在に」 | 日本ネット経済新聞
https://netkeizai.com/articles/detail/7970

【ECモール 2023年の展望】『楽天市場』常務執行役員 松村亮氏「品質向上、グループ連携さらに加速」 | 日本ネット経済新聞
https://netkeizai.com/articles/detail/7973

【ECモール 2023年の展望】『ヤフーショッピング』畑中基執行役員「モール統合を機にさらなる新規顧客獲得へ」 | 日本ネット経済新聞
https://netkeizai.com/articles/detail/7982

3大モールの2023年の展望です。大きな流れは知っておきましょう。

EC運営の円滑化、ブランド成長を手助け 創業10年のBASEが振り返る市場と売りかたの変化 | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/12262

Unleash | Mercari’s 10th Anniversary | メルカリ
https://about.mercari.com/unleash/

あっという間にBASEさんとメルカリさんが10年。格安カートとCtoC市場を作ったのはすごい。

佐川急便、送料を値上げへ。「飛脚宅配便(飛脚クール便含む)」「飛脚特定信書便」「飛脚ラージサイズ宅配便」の運賃改定 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10581

【独自調査】個人配送ドライバーの就労状況実態調査!2024年施行の法改正で業務委託ドライバーへの影響は | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/30329

配送関連の記事を2つ。送料の値上げは他社でも出てきそうですね。無料ラインの見直しにもつながってきそうです。

「3Dセキュア2.0」が抱える課題とは? 導入メリットを最大限生かすために押さえておきたいポイント | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10538

こちらはセキュリティ。かご落ちが増える可能性がありますが、不正利用されるよりはいいですね。

カスタマーサポートへの問い合わせ、返信は「1時間以内を期待」が過半数【Tayori調べ】 | Web担当者Forum
https://webtan.impress.co.jp/n/2023/02/01/44210

問い合わせ率が3年間で半分になった | thirayu
https://thirayu.net/blog/toiawase-hanbun

素早いレスポンスのためにサービス改善。こういった活動がブランドイメージを良くしていきます。

ANAのマイルが貯まる・使える新たなECモール 「ANA Mall(エイエヌエーモール)」が開店! | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/30358

「貯まったマイルをどうしよう?」となったときに「ANAモール」となれば伸びそうです。

「四角くしただけ」ガムテープがバズった納得の訳 | 東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/646964

ちょっとした工夫で売れるという話。固定概念を打ち破ってみましょう。

今週の名言

前年比20%増の利益で黒字転換を達成したユナイテッドアローズ、好調の背景とは?【CDO 藤原義昭氏インタビュー】 | Agenda note
https://agenda-note.com/brands/detail/id=5385

普段から値下げをしないでお客様に来店してもらうためには、それだけ商品やサービスに付加価値を付けなければいけません

誰もがわかっていますがなかなかできないこと。安易な値下げは楽をしているだけです。商品やサービスの付加価値向上に真正面から取り組みましょう。

筆者出版情報

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ヤマト運輸「年度ごとに運賃を見直す」。「宅急便」「EAZY」「宅急便コンパクト」「国際宅急便宅急便」は10%値上げへ

3 years 2ヶ月 ago

ヤマト運輸は4月3日(月)から、宅急便、宅急便コンパクト、EAZY、国際宅急便の運賃を値上げする。サイズ、届け先などで値上げ率は異なるが、約10%という。

資源・エネルギー価格や原材料価格の上昇に伴うインフレ傾向、労働力減少による賃金や時給単価の上昇、2024年問題を控えた物流事業者を取り巻く外部環境などの変化・対応のため、値上げに踏み切る。

運賃料金を運輸局に提出する届出運賃などは今後、年度ごとに見直す。外部環境の変化による影響を適時適切に運賃などへ反映させるためという。

物流事業者は、これまでも生産性向上などさまざまな取り組みを進めてきたが、物流に必要なコストを、運賃やサービス料金に適切に反映できていないことに加え、コスト上昇を吸収することが極めて難しくなっている。(ヤマト運輸)

ヤマト運輸は4月3日(月)から、宅急便、宅急便コンパクト、EAZY、国際宅急便の運賃を値上げする
宅急便・宅急便コンパクトの運賃例(関東から関東で現金決済)

ヤマト運輸は4月3日(月)から、宅急便、宅急便コンパクト、EAZY、国際宅急便の運賃を値上げする
宅急便・宅急便コンパクトの運賃例(関東から関西で現金決済)

送料値上げを巡っては、SGホールディングスグループの佐川急便が「飛脚宅配便(飛脚クール便含む)」「飛脚特定信書便」「飛脚ラージサイズ宅配便」の運賃を4月1日に値上げすると発表している。

瀧川 正実

越境ECで1.75億円超えの日本企業は180店舗。ヤーマン、資生堂、任天堂が人気【2022年の中国「独身の日」まとめ】 | 上海で働く駐在員の中国EC市場リポート

3 years 2ヶ月 ago
2022年の「W11(独身の日)」について、天猫(Tmall)での結果をレポートします(vol.40)

2022年11月11日の中国「独身の日(W11)」について、「天猫(Tmall)」の推定取扱高、日本商品の売上ランキング、ライブコマースなどの最新情報をお伝えします(2022年との比較をわかりやすくするため、数字は1元=17.5円で換算。データはエフカフェが試算、監修、予測)。

2022年の取扱高は前年比103%の9.8兆円

2022年から、アリババの公式発表がなくなりました。そのため、数字はエフカフェが「W11」全体の取扱高、物流データなどから予測したものになります。

2022年の取扱高は9.8兆円で、成長率は103%でした。2021年の成長率は108%でしたから、ほぼ横ばいです(中国元での比較)。2020年までの成長率は125%以上だったので、ここ2年間は成長が鈍化しています。

中国 独身の日 W11 天猫 Tmall 越境EC Tmallにおける独身の日の取扱高の推移
天猫(Tmall)における「独身の日」取扱高の推移(2016年~2022年)※1元=17.5円で換算。監修・作成:エフカフェ
  • 2022年…9.8兆円(5604億元)
  • 2021年…9.45兆円(5403億元)
  • 2020年…7.72兆円(4982億元)
  • 2019年…4.16兆円(2684億元)
  • 2018年…3.62兆円(2135億元)
  • 2017年…2.85兆円(1682億元)
  • 2016年…2.05兆円(1207億元)

2020年、2021年と同様、2022年も11月11日だけの取扱高データは「Tmall」から公表されていませんが、エフカフェ調べでは3.7兆円となっています(2022年からイベント期間が変更され、11月10日20時~11月11日24時。2021年までの期間は、11月11日0時~11月11日24時)。

また、2021年と2022年はイベント日数が異なります。

2021年:2回のセール

  • 1回目:予約期間 10月20日~10月31日、セール期間 11月1日~11月3日
  • 2回目:予約期間 11月4日~11月10日、セール期間 11月11日

2022年:1回のセール

  • 1回目のみ:予約期間 10月24日~10月31日、セール期間 11月10日20時~11月11日24時

取扱高の伸び悩みは、コロナやライブコマースによる影響あり

2022年の「W11」の取扱高がなぜ伸び悩んだのか。筆者が思う理由は以下の3つです。

  1. コロナの影響で物流の配送停止地域が多発。注文を受けられない状況になった
  2. ゼロコロナ政策のなか、マンションごとの共同購入が定着。これまでにない新しい購入方法が増えたことで、取扱高が分散した
  3. KOL(キーオピニオンリーダー)のを中心に毎日行われているライブコマースの影響、新興SNS(快手、TikTok)の売り上げが爆増。それにより取扱高が分散した

2021年からの大きな違いとして、物流が停止している問題がここ数か月続いており、売上低下の大きな要因となっています。共同購入は、中国におけるネットでの購入方法の文化を大きく変えたといえます。おそらく、コロナが収束しても、マンション単位での共同購入は続いていくと予想しています。ライブコマースについてはのちほど触れますが、2021年から大きく成長し続けています。

中国 独身の日 W11 天猫 Tmall 越境EC 共同購入

前年比147%UP! 越境ECで1.75億円以上の店舗は180店舗

越境ECプラットフォーム「Tmall Global(天猫国際)」では、取扱高が前年比147%UPしました(エフカフェ調べ)。日本は国別ランキングで6年連続人気1位を獲得しています。

日本企業の商品売上ランキング1位はヤーマン

日本企業の「W11」商品売上ランキング商品ベスト3を見ていきましょう(あくまでWeb検索から判断したエフカフェの予想です。同じ会社の商品は避けています)。

第1位:ヤーマン「Bloom 5(ブルーム ファイブ)」

中国 独身の日 W11 天猫 Tmall 越境EC Tmall Global 天猫国際 日本企業売り上げ1位の商品 ヤーマン
ブランド名:ヤーマン
商品名:ヤーマン Bloom 5(ブルーム ファイブ)
売上:35.6億円

第2位:資生堂「バイタルパーフェクションセット」

中国 独身の日 W11 天猫 Tmall 越境EC Tmall Global 天猫国際 日本企業売り上げ2位の商品 資生堂
ブランド名:SHISEIDO
商品名:資生堂 バイタルパーフェクションセット
売上:17.6億円

第3位:任天堂「Nintendo Switch」

中国 独身の日 W11 天猫 Tmall 越境EC Tmall Global 天猫国際 日本企業売り上げ3位の商品 任天堂
ブランド名:任天堂
商品名:Nintendo Switch
売上:15.3億円

2022年度もユニクロは店舗としての売り上げは大きいですが、商品数が多く分散していたため、エフカフェ調査のベスト3にはランクインしていません。

ライブコマースの各プラットフォームが急成長! 売上ランキングは「TikToK」「diantao」「快手」

上の図は数年前から中国のネット通販に大きな影響を与えているインフルエンサーのライブコマースの表です。

2022度は活動休止から復活した李佳琦氏が5880億円(336.2億元)の売り上げを達成しました。視聴者数は4.56億人、1日で中国人口の約3分の1、日本人口の約4倍が視聴しています。

また、マーケットプレイスごとの売上ランキングでは1位「TikTok(douyin)」、2位「点淘(diantao)」、3位「快手(kuaishou)」でした(エフカフェ調べ)。

2022年は、これまで2強だった「Tmall」「JD」に続き、ライブコマースを中心とした新興SNSが大きく飛躍している一年となりました。

◇◇◇

コロナによる物流の停止や共同購入による新たな購入方法など、状況が変化し続けるなかで2023年1月8日には従来までの隔離がなくなり、物理的な人の移動もスタートしました。これにより、以前のインバウンド需要が間違いなく訪れるでしょう。

その結果、次の越境ECのブームがくると予測しています。2023年は、どのマーケットプレイスを選択し仕掛けていくのか、次の一手が今後に大きく影響する1年になりそうです。

高岡 正人

日本航空がECモール事業に進出。グループの「JALショッピング」は営業終了、通販モールへ完全移転

3 years 2ヶ月 ago

日本航空(JAL)はECモール事業に進出する。約3000万人のJALマイレージバンク(JMB)会員に向けて、物販を手がける出店企業の商品を購入できる“買い物の場”を提供。全店舗でマイルが貯まり、使えるようにする。

2023年初夏頃にECモールを立ち上げる。運営主体は日本航空と子会社で通販事業などを手がけるJALUXと見られる。JALオリジナル商品のほか、グルメ、ワイン、ファッション、生活雑貨、家具・家電など幅広い商品を取りそろえる。

ECモール開設のお知らせ(画像はJALUXのHPから編集部がキャプチャ)

ECモールの立ち上げに合わせて、JALグループの通販サイト「JALショッピング」は、2023年10月をめどに営業を終了。ECモールでの運営に完全移転する。

マイルから「JALショッピングポイント」へ交換できる「特典交換サービス」は5月15日で終了する。

なお、ECモールでは、「JALショッピングポイント」とは異なる新たなポイントプログラムの運用を予定。「JALショッピングポイント」はECモールでは利用できない。

競合の全日空は「ANA Mall」を展開

航空系企業のECモール進出を巡っては1月末、ANAグループがECモール「ANA Mall」を開設。アンファー、九南サービス、ストリーム、成城石井、髙島屋、ツインバード、DINOS CORPORATIN、ドウシシャ、日テレ7、ハースト婦人画報社、リンベル、全日空商事などが出店した。

ANAのマイルが貯まる・使えるECモールとして展開。約3800万人のANAマイレージクラブ会員向けに展開する。ECモールは、ANAグループのグループ会社のANA Xが運営を手がける。

瀧川 正実

食品メーカーの2023年値上げは前年比2倍ペース。月間2000品目超の値上げ、夏まで常態化の可能性

3 years 2ヶ月 ago

帝国データバンクは、上場する食品メーカー主要195社における価格改定動向について調査を行った。

2023年1月31日までに決定した2023年中の飲食料品値上げ品目数は1万2054品目。上場する主要105社で1万482品目、非上場の主要90社で判明した値上げは1572品だった。このうち4月1日までの累計で1万品目を突破する。

帝国データバンクは、上場する食品メーカー主要195社における価格改定動向について調査 値上げ
食品の値上げ動向

2022年の値上げは1万品目到達までに約7か月を要したが、2023年は実施ベースで3か月早く到達する予定。前年と同じ時期(2022年1-4月:5573品目、対象計195社)と比べても倍増ペースで推移する。今後、春から夏頃にかけて1か月当たり2000~3000品目前後の値上げが常態化する可能性がある。

2023年の値上げは加工食品(6657品目)が最多で、チルド麺や缶詰製品のほか、ウィンナー製品の大規模値上げが予定されている。嗜好性の強い菓子(944品目)も、3月には最も多かった2022年9月の水準を上回る規模となる見通し。

クッキーやチョコレートなどが中心で、本体価格の引き上げのほかに内容量の減少による価格維持、つまり「実質値上げ」の傾向が目立つ。ドレッシングや醤油、ポン酢製品を中心とした調味料(2236品目)、焼酎や輸入ワイン・ウイスキーなど酒類を中心とした酒類・飲料(1810品目)が続いている。

品目数別にみると、加工食品が6657件、調味料が2236件、酒類・飲料が1810件、菓子が944件、原材料・パンほか407件となっている。

帝国データバンクは、上場する食品メーカー主要195社における価格改定動向について調査 値上げ 主な食品分野の価格改定動向
主な食品分野の価格改定動向

2023年の値上げ要因は、原材料高が99.5%で最多だった。それに続くのが原油高などのエネルギーが88.0%、プラスチック容器などの包装・資材が71.0%、物流が56.0%。

帝国データバンクは、上場する食品メーカー主要195社における価格改定動向について調査 値上げの原因
値上げの原因

2023年2月の値上げは加工食品を中心に5463品目で、前年同月(1420品目)に比べて3倍規模に達した。2022年以降の単月では最多の2022年10月(7864品目)に次ぐ2番目の多さで、2023年中では最多となる。

今後は、4月に控える輸入小麦の価格改定動向が注目される。小麦の国際相場はピークから下落しているが2021年に比べると高止まりの状態が続いている。改定幅次第では値上げの動きが比較的沈静化しているパンなどの製品価格に波及する可能性がある。

石居 岳

【ステマ規制】消費者庁が公表した運用基準案とは?判断基準は第三者の「自主的な意思」の有無 | 通販新聞ダイジェスト

3 years 2ヶ月 ago
消費者庁は今年1月、ステルスマーケティング規制に対する事業者の予見性確保のため、運用基準案を公表。運用基準は、ステマを「事業者による表示内容への関与」で整理する

年内にもステルスマーケティング規制が始まる。だが、規制をめぐり、事業者の不満が蓄積している。規制は、多様な類型に広く網をかける「包括的規制」。そのために、事業者の予見性確保を目的に示すガイドラインの「問題事例」も抽象的であるためだ。市場にあたえる影響は大きく、本来、慎重な検討が求められるが、導入は行政主導で性急に進む。

「規制ありき」で進む検討

ステマ規制は昨年4月、自民党・消費者問題調査会で、景品表示法に基づく対応を求める提言が示された。9月に「景品表示法検討会」から独立して検討会を設置。ハイペースで計8回の会合を終え、12月28日、報告書をまとめた。告示への指定は来年度を想定していたが、河野太郎大臣が年度内の前倒しを指示。過去の告示は、施行まで3~6カ月。早ければ、今秋にも規制がスタートする

ステルスマーケティング規制 指定告示案
告示の案

そもそも、ステマ規制は当初から一般紙で「指定告示」を念頭に置いた規制であることが報じられ、消費者庁は規制ありきの“決め打ち“を否定したが、結果は告示規制。検討会会期中にパブリックコメントの募集を並行して開始するなど、必要なプロセスを駆け足でさばきつつ、規制ありきで進んだ。

ステルスマーケティング規制導入スケジュール
ステルスマーケティング規制の導入スケジュール

処分のハードル下がる可能性も

ステマ規制は、これまでの景表法規制と大きく性質を異にする。従来、景表法は広告の「優良・有利誤認」、商品の品質や性能、取引条件など“中身”を評価し執行してきた。だが、ステマ規制は、優良・有利性を問わず、広告であることを“隠す行為”それ自体を規制する。その意味で、措置命令のハードルは著しく下がる可能性がある。「調査過程で優良性の評価が難しい事案でも、ステマであれば措置命令できる」(公取OB)からだ。違反の構成要件がシンプルであるだけでなく、制裁効果は強力だ。

影響の大きい規制であるにも関わらず、立法根拠は貧弱だ。検討会で消費者庁が示したのは、ステマをめぐる学術研究と、インフルエンサーの5割が「悪いこと」と認識しているとの印象を示す調査のみ。消費者被害の実態は示されず、規制を急ぐ理由は不明だ。

予見性確保目的に「運用基準」策定

ステマには、事業者自身が第三者を装う「なりすまし」、利益提供を通じて第三者に表示させる「利益提供秘匿型」がある。形態もレビューやSNS投稿、アフィリエイト広告など多様だ。消費者庁は法の隙間を突く新たな手法など後追い型の立法を避けるため、これを広く包含する「包括的規制」を想定する。一方で、事業者の予見性確保を目的に具体的な問題事例を「運用基準」を示すとしていた。

ただ、間口を広くとる抽象的規制であるために、運用基準も抽象的。これに事業者の不満が蓄積している。

運用基準は、ステマを「事業者による表示内容への関与」で整理する

「関与しないもの」は明快だ。判断基準は、第三者の「自主的な意思」の有無。自らのし好に基づき、自主的な意思で行う表示がこれにあたる。アフィリエイトにしろ、SNSやレビュー投稿にしろ、事業者と一切の情報のやり取りなく行われた表示であれば問題ない。当然といえば当然だが、事業者が投稿の謝礼として割引クーポンを配布したり、懸賞の条件としていても、自主的な意思による投稿であればよい。

「関与するもの」ののうち、事業者が第三者を装う「なりすまし型」は明確だ。問題は、事業者が第三者をして行わせる表示事業者による明示的な依頼・指示がなくても、内容を決定できる程度の関係性、第三者の自主的意思と認められない関係性がある場合は「事業者表示」と判断される関係性は、「両者の具体的なやり取り」、「商品の提供理由(宣伝目的の有無など)」、「提供商品の内容」、「関係性(過去から将来に渡る対価の提供、期間など)」から判断する

ステルスマーケティング規制の概要
ステルスマーケティング規制の概要

問題事例「抽象的で分からない」

運用基準は、第三者への「商品提供」を例にこれを説明する。ただ、第三者の自主的な意思と認められないものとして、「商品等の無償提供の結果、事業者の目的に沿う表示を行う」ことを例示する一方、第三者の自主的な意思と認められる例として、「不特定、特定の第三者に試供品配布の結果、自主的な意思に基づき表示を行う場合」を示す

事業者からは、「読みにくく、具体的にどのようなケースが問題か分かりにくい」、「自主的な意思の客観的評価を厳密にできるものなのか。消費者庁の主導、担当者の裁量で、いかようにも判断できてしまう」などの声がある。

例えば、「しっとりした使用感を投稿してね」と、キャンペーンで投稿を呼び掛けたとする。消費者の受け取りようは多様だ。「意図に沿う投稿を」と思う者もいれば、「本当にしっとり」と思う者もいる。何者の影響も受けず、厳密に意思決定をすることは現実的ではない。影響が悪とも言えない。「どの程度のサジェストまで許容されるのか分からない」(事業者)。

一方で、第三者の自主的な意思の判断は、消費者庁の側に握られている。顧客や消費者とのこうしたやり取りも予測不可能な“ステマリスク”に晒されるとすれば、事業者の過度な委縮を招き、本来メリットもある企業と消費者の関係を必要以上に遮断し、希薄なものにするだろう。

ステマ規制は、憲法が保障する「表現の自由」と鋭く対立する規制。過剰規制となれば、「広告」それ自体を悪と捉える規制に発展しかねない。

ステルスマーケティング規制 運用基準
運用基準について
◇◇◇

性急な規制導入は、河野大臣の担当大臣就任の影響もある。民主党政権の野党時代には、当時、消費者庁が入居していた山王パークタワーの高額家賃を問題視。合同庁舎への移転につなげた。15年、消費者庁担当大臣に就任した際には、同庁の徳島移転を推進。そして昨年、再び担当大臣に就任してすぐ取り組んだのが「霊感商法」と「ステマ」だ。

性急な規制導入も、「消費者庁がアグレッシブに施策を進める河野大臣の顔色を窺った結果」とみる関係者もいる。国会決議を経ず、導入できる「指定告示」の選択も、これを念頭に置いたのではないか。

ただ、規制は、事業者への十分な周知と理解が必要なもの。河野大臣も「しっかりどれがステマか分かるようにしないと混乱する」と会見で説明している。提言を行った自民党部会でも丁寧な説明と議論が求められる。

「運用基準」の評価、影響大きく混乱も

消費者庁は今年1月、ステルスマーケティング規制に対する事業者の予見性確保のため、運用基準案を公表した。

ステルスマーケティング規制
消費者庁が公表した運用基準案(※クリックすると消費者庁が用意したページにジャンプします。画像はネッ担編集部が公表資料をキャプチャして追加)

事業者が「表示の決定に関与した」と判断されるもののうち、「なりすまし型」は容易に理解できる。ただ、「事業者が第三者に行わせる表示」が分かりにくい。

運用基準では、(1)商品等の表示をしてもらうことを目的に、商品等を無償提供する結果、第三者が事業者の目的に沿う表示を行うなど、自主的な意思による表示と認められないもの、(2)商品等の表示を行うことが経済上の利益をもたらすことを言外から感じさせたり、言動から推認させたりするなどの結果として表示を行うなど、第三者の自主的な意思による表示と認められないもの――を例示する「第三者の自主的な意思」が可否を分ける

ただ、レビュー投稿などのキャンペーンや懸賞では、事業者と消費者の間に何らかの情報のやり取りや関係性が生じるのが通常だ。そうであっても消費者自身の意思で投稿内容を決定していることはよくある。

どこまでがセーフで、どこからがアウトなのか、運用基準には示されていない。事業者からは「規制範囲が不明確だと、プロモーションに過度な委縮効果が生じる」、「どのレベルをステマと感じるかは、人により認識が異なる。認識を共有できる定義を定めるべき」との声がある。

行政のガイドラインでは、よく同様の問題が生じる。問題とならない事例は示せても、問題事例は解釈の余地を広く残す意図が働く。禁止行為を明確にすると、これを避け、脱法的な手法でプロモーションを行う事業者も現れるためだ。

すでに景表法で示されている二重価格や将来価格のガイドラインなども同様に、セーフティゾーンは明確だが、問題事例は個別事案ごとに判断の余地を残す。そこにこうした規制の難しさはある。ステマ規制が抽象的規制を念頭に置くため、ガイドラインも抽象的にならざるを得ない。

ただ、どのような事例を問題と想定しているか分からなければ事業者の混乱を招く。「もう少しブレークダウンする必要があるのでは」(公取OB)と指摘する関係者もいる。

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通販新聞

あなたの事業はなぜ上手くいかないのか? EC・D2Cビジネスで陥りがちなポイントを徹底解説

3 years 2ヶ月 ago
ECプラットフォーム「ecforce」を提供するSUPER STUDIOがEC/D2Cにおけるサブスク(定期購入)事業の勘所を公開
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近年注目度の高いD2Cビジネス。製造者が消費者と直接取引するD2Cは利益率が高く、消費者のニーズを的確に捉えられるビジネスモデルとして急速に拡大している。数多くのD2Cブランドの立ち上げや売上拡大を実現したSUPER STUDIOの飯尾元執行役員CMOは、「D2Cは最も効率的にメーカービジネスを立ち上げて運用するためのマーケティングおよびチャネル戦略」と語る。

しかし、成功事例が数多く紹介される一方、失敗や撤退も少なくない。飯尾氏がD2C事業を成功に導くポイント、ありがちな失敗要因とその解決策などを解説した。

SUPER STUDIO 執行役員 CMO 飯尾元 氏
SUPER STUDIO 執行役員 CMO 飯尾元 氏

D2Cとモールでのビジネスとの違い

D2Cは新しいビジネスモデル、新しいコミュニティなどと表されることもあるが、直販ECに軸足を置き、主にデジタルマーケティングを活用して独自の強みを活かしながら、最も効率化された状態で認知から購入までの新しい販路を構築できる手法

ECはかつてネット上の一店舗というサブチャネル的な位置づけだったが、現在では最初に作る旗艦店、最も注力して運用する店舗というようにメインチャネルになっている。よりニッチな層をターゲットにユニークさや限定性、共感性などが重視されるようになってきた。商品もコモディティ化したものではなく、独自性の高いものが開発、販売される傾向にある。(飯尾氏)

大手モールでの販売と異なり、D2Cでは売価設定やLTVを上げる手段の自由度が高い。つまり、見込み顧客を効率よく集めて自社商品の必要性や購入意欲をいかに喚起できるかが重要となる。飯尾氏がD2Cの強みと語るのが「データを自ら取得し、顧客と直接つながれること」。D2Cでは戦略を立てるためのデータも自ら取得することができ、継続的な購入を促す関係作りも含め、長期的なマーケティング戦略を立てることができる

大規模チャネルとD2Cの違い
大規模チャネルとD2Cの違い

D2Cに必要な「売れる仕組み」とは

D2Cの売上・利益は、集客による購入者数(集客×CVR)とLTV(客単価×購入回数または継続率)で決まる。「許容可能なコストのなかで、①集客、②初回購入、③客単価向上、④購入回数向上のサイクルを、いかに回転させ続けるかに尽きる」と飯尾氏は語る。

EC/D2C事業におけるチェック要素
EC/D2C事業におけるチェック要素

D2Cのビジネスルールとは「粗利LTV(売上LTVから変動コストを抜いた分)−CPA(初回購入の費用)」がプラスになること。これを実現するには、売れる仕組みの「型」をおさえたECサイトを構築・運用する必要がある。具体的には、

  1. 再現性のある新規獲得施策
  2. 獲得した顧客のLTVを上げ続けられる仕掛け
  3. 売上が増えても運用効率やコストが悪化しない仕組み

といったことがポイントとなる。

売れる仕組み備えたECサイトの条件
売れる仕組み備えたECサイトの条件

顧客を最小コストで獲得でき、商品やCS(カスタマーサポート)など顧客満足度を高める要素に適切に投資配分することで、LTVを高める仕組みが整っている状態が望ましい。(飯尾氏)

D2Cが成功しない原因とその解決策

一方で「売れる仕組みづくりに失敗した例」にはどのようなものがあるのか。飯尾氏は、自社D2Cおよび顧客の分析から、自らも陥った経験のあるよくありがちな失敗について、戦略/ファイナンス、商品、マーケティング、オペレーション/フルフィルメント、ECサイト/システムの5分野24項目からなるチェック表を提示した。

D2Cにありがちな失敗要因

立ち上げた後にうまくいかない場合は、これらのいずれかに該当することが多い。ありがちな失敗を可能な限り事前に把握し、活用していただきたい。(飯尾氏)

①戦略/ファイナンス

計画用に作成したPLが事業構造として破綻している

PLのマーケティング費やLTVが理論上達成できない数字だったり、必須コストが欠けていたりすることがある。PLには知見を持つ人の目を入れ、実際の相場をふまえて設計することが大切。達成不可能な数字ではスタッフのモチベーションや期待値も下がる。マインド面からも最初の計画作りは非常に重要

情熱を持った担当者がおらず、コンサルに頼り切り

網羅的に把握し、課題を解決できる担当者は必要。情熱を持ってチームとして事業の成功に向けて動くことが求められる。知見がない領域で人はコンサルにマジックを期待しがちだが、情熱ある推進役は社内でしか持てない

成功企業の外側だけを真似る

他社の成功事例は目に入る頃には時期が遅かったり、見栄えだけだったりすることが多い。参考にする際は「なぜそれが上手くいったのか」を論理的に理解し、「その情報の肝になる部分」がわかっていることが大切。

売り上げのためではなく、自己満足や自分の美学による「こだわり」が強い

「神は細部に宿る」とはいえ、自分だけの主観や他者に共感されない美学に固執するケースはよくあり、D2Cではなぜかそれが過剰に肯定される。売り上げを作るためには顧客視点での「こだわり」に切り替えるべき。

何を強みとする事業なのか定義できていない

D2Cはターゲットを広く取るよりも、狭く取って効率よく成長させるのが理想。初期はマイクロターゲットに刺さりやすい事業や商品にできていることが肝心。どこにでもあるものではなく、自社ならではの商品やサービスを定義する。

②商品

在庫過剰/初期から商品ラインアップを充実させすぎる

初期から在庫リスクを上げてしまうと機動力を損ねてしまう。売れないものを無理やり売らなくてはならない状況に陥らないよう、商品の種類や量をできるだけ絞って作った方が良い。仮に売り切れても受注できるのがECであり、売り切れ状態が次の顧客を呼ぶこともある。作ってしまった商品が事業の足かせにならないように注意したい。

顧客の価格相場感と外れた商品を作ってしまう

プレミアムな商品が成功するのは、市場浸透率が高いカテゴリで一般化が相当進んでいる商材や、購買要因として情緒性が強い商材などの場合。「プレミアム=高単価」ではなく、一般化している商材における差別化の手段と考える。一般化してない商品や通常の価格相場感から外れすぎた商品は、ほとんどの場合魅力にならない

特徴のない商品、競合との差別化ができない商品を作ってしまう

強みの定義に関する失敗と同様、競合との差別化がなされてない商品は弱い。商品的なスペックだけでなく、特徴や独自性を持たせることは購買動機につながり、競合の模倣を困難にする。

継続性のない商品や単価が低すぎる商品を作ってしまう

クロスセルやアップセルがある場合は考え方が異なり、あくまでメイン商材についての話だが、継続性の高い商品で繰り返し購入してもらうことができればLTVを高められ、高単価商品をECで販売することでマーケティングコストなど変動費の一発回収が可能になる。そうしたEC向きの商品が望ましい。年間消費量が低いものや数年に1回しか買わないもの、さらにそれが安価な場合、ECのみで継続していくことは困難。

原価率が高すぎる

粗利率が6割〜7割を切る場合は、商品がECに適してない可能性が高い。ただし、5%〜10%程度粗利を下げる(原価を上げる)ことで独自の強みを創出でき、マーケティングコストを下げられる場合は、結果的に購入率(CVR)やLTVが上がるため許容可能と考えることもできる。

③マーケティング

新規獲得にばかり目が向き、既存顧客の再購入や購入単価の向上に目が向かない

D2Cの初期の壁は新規顧客の獲得だが、事業が進行するにつれて繰り返しの購入が重要となる。デジタルトレンドとしてCPA(新規顧客獲得単価)が高騰しているため、いかにLTVを稼げる事業に育てるかがカギとなる。新規獲得の時点からLTVを上げることを事前に設計しておくと、マーケティングコストの許容範囲内で効率良く成長させることができる。

流行の施策にお金をかけてしまう

新しく誕生した施策は、メジャーになった頃にはボーナスタイムが終わっていることが多い。流行の施策にお金をかけるよりも、基礎的な施策も含めて優先順位を考え、しっかりと費用対効果を見据えることが大切。

売ることは広告代理店の仕事だと思っている

販売を広告代理店に任せきりにするのは、失敗するD2Cの典型的なパターン。広告は集客しか担っていない。商品力やサイトでの購入率を高める工夫、初回購入後にLTVを上げる仕掛けがあって、初めて売り上げが成り立つことを忘れないようにする。そこをないがしろにして集客目的の広告だけを広告代理店に任せても、魅力的な広告でボロボロのお店に人を集めるようなもの。

広告を回して数字を見ることが目的になっている

A/Bテストは本来、極限まで突き詰めて考え抜いた2つのパターンを試してどちらが良いのかを試すもの。「とりあえずやってみる」ではない。

たまたま見かけた新しい施策を重視してしまう

昔からある鉄板施策は必ず一定の効果があるのでPDCAを継続するべき。たまたま見かけた新しい施策を試したくなる気持ちはわかるが、まずは集合知が蓄積された鉄板施策を網羅的にブラッシュアップする方が効率が良い。

ブランディングが目的になっている

ブランディングは目的にするものではなく、結果として積み上がるもの。ブランディングではなく、定めた提供価値に対する顧客認識を強め、購入率を高めることを目的として施策を設計しKPIやKGIを検討していく。

④オペレーション/フルフィルメント

送料を削減する工夫をしていない

ECにとって配送コストは売り上げを作るために必ずかかるコスト。ポスト投函できる配送方法にするなど、可能な限り下げる工夫をするべき

極端な外注/内製

極端に外注または内製するのは禁物。事業のコアとなる改善やディレクションなどは必ず内製化して社内にノウハウを蓄積させ、ルーティンワークはなるべく外注して自社リソースでやるべきことに集中するといった切り分けが大切。

顧客の意見を聞かない

D2Cは顧客のデータを持てるのが強みであるにも関わらず、活かしきれていない企業は多い。顧客に直接アプローチして生の声を聞き、事業のヒントにする機会を定期的に作るべき

配送箱や化粧箱、同梱物に原価をかけすぎる

「アンボクシング(Unboxing/開封)体験」の事例が海外で有名になったため、良い箱を作ることがブランディングとして拡大解釈されている。簡単な箱でも継続率が長い商品も多く、箱が良くてもプラスにならないことも多い。商品価格から妥当なコストを見極めるようにする。

⑤ECサイト/システム

商売よりも芸術性重視のサイト構築

ECサイトはお店であり、マーケティングメッセージやセールスライティングをしっかりと反映させるべき。アート作品として世界観やグラフィックに力を注ぐよりも、顧客の興味関心を引いて購入を促す表現や機能を優先させる

「ブランディング=クリエイティブにお金をかけること」と勘違いしている

ブランディングはこの商品に「固有の要素」があると顧客に認識してもらい、他ではなくこの場所で買う理由付けを行なうもの。クリエイティブに高い費用を出せば実現するものではないと考える。

サイトの導線をおろそかにしている

ECサイトは導線次第でマーケティング費用のリターン効率が数倍から数十倍にもなることを心得えておく。最も効率が良いサイト構成がLP。マーケティング費を効果的に活用するためにメインの集客経路として活用するべき。

「予算がないからまずは無料のカート」

ECは売れない時のコストが一番高いことは意外に目を向けられていない。その内訳は、システム以外の人件費を含む固定費やマーケティング費用がほとんど。「お金がないから安いシステムで」としてしまうと、目に見えないコストがかさむことになる。「とりあえず立ち上げ」ではなく、再現性のある成長を実現できる機能を持ち合わせているかどうかでシステムを選んでほしい。

持続的な成長を見据えたECプラットフォーム「ecforce」

SUPER STUDIOは「コト、モノにかかわる全ての人々の顧客体験を最大化する」をミッションに掲げ、ECのトータルソリューションカンパニーとしてあらゆるビジネスのEC化に取り組んできた。ECプラットフォーム「ecforce」を提供するベンダーでありながら、自社でD2C事業も数多く手掛けていることから、失敗も含めてさまざまな経験・知見を蓄積し、商品製造からフルフィルメント、マーケティングなどをトータルでサポートしている。

「ecforce」は最新のビジネストレンドを踏まえた機能を都度開発・実装しており、常に最新の環境で活用できることが魅力。システム面だけでなく、事業のすべてのフェーズや領域におけるノウハウも提供しており、ecforce公認のビジネスパートナーとのビジネスマッチングも可能。

SUPER STUDIOが提供するサービスの概要
SUPER STUDIOが提供するサービスの概要

ECの立ち上げを容易にするシステムが多いなかで、「ecforce」は売り上げがきちんと上がり、事業が成長するところまでを仕組みとして提供している。ただ立ち上げるだけでなく、売り上げが継続することをゴールとしており、初年度から数億円の規模の事業を複数立ち上げている。

その結果、ユーザーの平均年商は2億円以上、平均売上成長率は265%と数字にも現れている。自社の実体験に加えて、数多くのユーザーの知見をシステムに反映させるというハイブリッドな開発環境が、売り上げの上がるシステムを実現させている。(飯尾氏)

2022年10月末時点で約1000ショップが「ecforce」を導入しており、もともと得意としていたヘルスウェルネスやパーソナルケア、美容などの領域から、ペットグッズやファッション、食品飲料関係などの事業領域にも導入が拡大している。

また、未来に向けた「次世代EC構想」では、自社ECとプラットフォーム系EC、物販ECとサービス系ECなど、各々の販売チャネルを統合管理し、それらの統合データから最適なマーケティングアクションを自動で提案できる世界観をめざしている。

SUPER STUDIOの「次世代EC構想」
SUPER STUDIOの「次世代EC構想」
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伊藤真美

【カスタマーサポート調査】51%が“1時間以内の回答”を期待。満足度が高い対応で「利用頻度が上がった」が3割

3 years 2ヶ月 ago

PR TIMESが実施したカスタマーサポート調査によると、問い合わせをした人の51%が1時間以内の返信を想定していることがわかった。

不満が残る対応、65%が利用頻度が減少と回答

問い合わせをした経験がある20~59歳の男女ビジネスパーソン1万2000人に、問い合わせ返信の期待やその後のサービス利用における継続傾向について調査。問い合わせ後の返信の想定時間として、「1時間以内」は51%、「24時間以内」は82%だった。

対応の満足度による継続傾向への影響を聞いた質問では、問い合わせの対応に満足度が高かった場合、サービスの利用頻度があがったと回答したのは30.7%。一方で、対応品質の満足度が低かった場合に「利用頻度が下がった」もしくは「利用しなくなった」と回答したユーザーは65.9%となった。

PR TIMEは、「問い合わせ対応は、満足度を高める品質の高い対応と同時にスピーディーな対応が求められる」と分析している。

Q. どれぐらいの時間で返信が返ってくることを想定していますか?

問い合わせに対する1時間以内の返信を期待する声は半数以上を占めており、レスポンスの速さの重要性がうかがえる結果となった
問い合わせに対する返信時間について
問い合わせに対する対応品質の違いはその後の継続率に大きく響くことがわかる
対応品質と継続率について

ユーザーの声が経営層まで届くケースは14%のみ

カスタマーサポートや問い合わせ業務に従事する300人に調査を行ったところ、VoC(ユーザーの声を生かす活動)を実施しているカスタマーサポート従事者は53.1%。また、VoCで得たデータの活用や社内共有において、32.4%は定常的なフィードバックが行えておらず、経営層まで届いているケースは14.2%にとどまった。

VoCの実施は「定期的におこなっていない」という回答が半数近くを占めた
VoCの実施状況
VoCで得られたデータの活用やフィードバックは経営層まで届いていないケースが多いようだ
VoCで得たデータの活用について

“対応する側”は、顧客満足度よりも効率重視?

カスタマーサポート従事者のKPIは「1位:満足度(36.1%)」と「2位:問題解決率(34.8%)」と問い合わせ対応における品質を重視した項目が上位に。「3位:メール着信数(29.3%)」「4位:メール作成時間(25.5%)」「5位:1次返信時間(25.2%)」と業務工数や効率を気にする項目が続いた。

一方で、カスタマーサポート従事者が抱える課題では「1位:業務の効率化(44%)」「2位:対応品質(43.3%)」「3位:対応速度(37.5%)」。対応品質よりも効率化がわずかに上回っている。

PR TIMESはこのことから、「問い合わせにおいて、対応品質を重視しながらも業務効率における課題を抱えていることがわかった」と解説している。

顧客ロイヤリティをはかる手法として重要とされる「NPS(Net Promoter Score:顧客ロイヤリティをはかる手法)」をKPIとしているユーザーは17.7%。KPIと課題のギャップが示すように、問い合わせへの対応品質は効率化よりも手前の状況にあるようだ。

KPIは「満足度」が1位にあがっているものの、顧客ロイヤリティをはかる手法のNPIの数値は低い
KPIに設定する指標について。CESはCustomer Effort Scoreの略で、顧客がサービス利用時にどの程度努力したかを意味する
課題は効率化をあげる意見が多く、僅差だが対応品質は二番手に回っている状況がうかがえる
部署の課題

システム投資は増加傾向

課題にもあった業務の効率化を推進する手段となり得るシステム投資は増額傾向にあるようだ。47%が「増額」、20%が「減額」という回答になった。具体的な投資先計画では「1位:フォーム作成(46.6%)」「2位:チャット(27.4%)」「3位:FAQシステム(26.2%)」。

カスタマーサポート用のシステムへの投資は増額を検討している傾向が強いようだ
システムへの投資計画
フォーム作成サービスの導入を検討している意見が多くみられた
導入を検討しているITサービス

調査概要

  • 調査内容:カスタマーサポート調査
  • 集計対象①:20~59歳の男女で問い合わせ経験のあるビジネスパーソン1万2000人
  • 集計対象②:カスタマーサポートあるいは問い合わせ対応業務に従事する300人(※①は②の回答者を含む)
  • 調査期間:2022年12月9日〜同年12月11日
高野 真維

Amazonの2022年売上高は5139億ドルで9%増。アマゾンの直販ECは前年割れに

3 years 3ヶ月 ago

米Amazonが2月2日(現地時間)に発表した2022年度(2022年1-12月)決算によると、売上高は前期比9.4%増の5139億8300万ドルだった。なお、為替レートの前年比変動のマイナス影響を除いた場合の伸び率は13%増という。

営業利益は同50.8%減の122億4800万ドル。当期純損益は333億6400万ドルの黒字から、2022年度は27億2200万ドルの損失に転落した。出資する電気自動車メーカー・リビアンの株価低迷による評価損128億ドル(2021年は118億ドルの評価益)を計上したことが影響している。

日本銀行が参考計数として公表している「東京外為市場における取引状況(2021年中)の2021年平均レート「1ドル=131.57」を参考に、1ドル=131円で換算した場合、日本円ベースの売上高は約67兆3317億円。

セグメント別売上高では、直販にあたるオンラインストア売上は2200億400万ドルで同0.1%減。直販ECの前年割れは為替変動が影響したようだ。国際セグメントの売上高は同8%減だが、為替変動の影響を除くと4%伸びているという。

ホールフーズ店舗が大部分を占める実店舗売上は189億6300万ドルで同11.1%増だった。

第三者販売サービス売上(マーケットプレイスを通じた第三者が販売するサービスに関する手数料売上など)は1177億1600万ドルで同13.9%増えた。

サブスクリプションサービス売上(「Amazonプライム」の会員費、デジタルビデオ、オーディオブック、デジタル音楽、電子書籍などのサブスクリプションサービス)は、同10.9%増の352億1800万ドル。

広告サービスの売上高は377億3900万ドルで同21.1%増。AWS(アマゾンウェブサービス)は800億9600万ドルで同28.8%増。その他は42億4700万ドル。

瀧川 正実

楽天・三木谷社長が語った「モバイルに注力」/2022年度の「楽天市場」流通総額は「6兆円に近い」【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

3 years 3ヶ月 ago
2023年1月27日~2023年2月2日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. 楽天・三木谷社長が語った「モバイルに注力」「国内EC流通総額10兆円計画」【2023年新春カンファレンス講演要旨】

    楽天グループ・三木谷浩史会長兼社長の講演によると、2022年における楽天グループの国内EC流通総額は約5兆6000億円で前期比11.2%増

    2023/2/1
  2. 楽天・三木谷会長、2022年度の流通総額は「6兆円に近い」

    楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は「楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤー2022」で、「楽天市場」の流通総額が6兆円に近いことを明かした

    2023/1/26
  3. 佐川急便、送料を値上げへ。「飛脚宅配便(飛脚クール便含む)」「飛脚特定信書便」「飛脚ラージサイズ宅配便」の運賃改定

    物価高騰などの影響を受け、佐川急便は宅配便のインフラとその品質を維持・向上することを目的に運賃の改定を決めた

    2023/1/30
  4. 楽天が「配送品質向上制度」導入を発表。その前にSKU対応も必要で忙しくなりそう【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2023年1月23日~1月29日のニュース

    2023/1/31
     
  5. メイン利用しているECサービスの1位、Webは「楽天市場」、アプリは「Amazon」

    MMD研究所が行った「ECサイトとアプリに関する利用実態調査」によると、アプリのみ利用者は「Amazon」(44.0%)、併用利用者は「楽天市場」(32.2%)がそれぞれトップだった

    2023/2/1
     
  6. わかさ生活が基本給アップ、社員は平均15%給与増。ベア実施で従業員の生活を支援

    わかさ生活はこれまで、全従業員を対象に複数回の生活応援手当を支給してきた。従業員が経済的に安心して勤務できるよう、一時的な支援ではないベアの実施を決めた

    2023/1/31
     
  7. 老舗通販「ディノス」とスタートアップ「KANADEMONO」に共通する課題とは? ECプラットフォーム「Shopify」と語る

    創業50年超の「ディノス」と創業間もない「KANADEMONO(カナデモノ)」。両社に携わる石川森生氏が、顧客との関わり方、マーケティングのあり方を語る

    2023/2/1
     
  8. ANAグループがECモール事業に参入。成城石井、髙島屋、ディノス、全日空商事、日テレ7など出店する「ANA Mall」とは

    約3800万人のANAマイレージクラブ会員を有するANAグループが立ち上げたのは「ANA Mall」。グループ会社のANA Xが運営を手がける

    2023/2/2
     
  9. 約半数が「値上げの影響を受け、ECで食品を買うことが増えた」。“お得に買いたい”ニーズの上昇でECの引き合い増加

    クラダシは自社が運営する食品ECサイトの利用者を対象にアンケート調査を実施。相次ぐ食品の値上げを受け、6割超の回答者が「よりお得に購入できる方法や場所で食品を購入するようになった」と回答した

    2023/1/30
     
  10. 「3Sセキュア2.0」が抱える課題とは? 導入メリットを最大限生かすために押さえておきたいポイント

    国内の全EC加盟店に導入義務化検討の方針が発表された「3Dセキュア2.0」。「3Dセキュア2.0」導入メリットを得るために、把握しておきたい課題を解説

    2023/1/30
     

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    藤田遥

    【小林製薬のコールセンター改善施策】AI検索と音声認識を連携し、マニュアルやFAQの自動検索で業務効率化を実現

    3 years 3ヶ月 ago

    小林製薬は通販のコールセンターに、電話内容を音声認識したテキスト文から自動でFAQやマニュアルをAI検索する技術を導入した。

    コールセンターのクラウドシステムの1つの画面内に、顧客とオペレーターの電話会話内容をリアルタイムに音声認識・テキスト化し、チャット表示する。

    小林製薬は通販のコールセンターに、電話内容を音声認識したテキスト文から自動でFAQやマニュアルをAI検索する技術を導入した
    オペレーター画面のイメージ

    テキストをオペレーターがクリックすると、既存のFAQやマニュアルをAI検索して検索結果を表示する仕組み。複雑・完全ではない文章のキーワードから、即座にFAQやマニュアルを表示するという。

    これにより、オペレーターは質問内容への回答が不明な場合、電話応対しながら検索文を考え、キーボードに検索文を入力、FAQやマニュアルを検索する負荷と時間が省ける。

    また、AI検索の機能により、オペレーターごとにさまざだった検索文や言葉の揺らぎを吸収。スキルレベルが異なるオペレーターでも精度の高い検索結果が得られ、顧客対応品質の平準化を図ることができる。

    コールセンターのオペレーター業務は、顧客の電話応対時に顧客情報や購入履歴・問い合わせ履歴を参照。回答が不明な場合はFAQやマニュアルを検索・参照して回答したり応対内容の記録したりするなど、電話応対以外にも複数の同時作業が必要となる。

    このため業務負荷が高く、高度なITスキルや製品・商品知識が求められる。そのほか、コロナ禍、労働人口の減少などの社会的要因もあり、オペレーター人材の確保と教育、顧客対応水準の向上はコールセンター業務の大きな課題となっている。

    一方、電話内容を音声認識でテキスト化するコールセンターのシステムは、応対分析・評価や教育、FAQ改善を目的とした後工程のシステムで、一般的に電話応対時のリアルタイムで活用できなかった。

    AI検索を提供するアイアクトと、コールセンター向けクラウド型CTIを提供するコムデザインと技術連携。電話内容を音声認識したテキスト文から自動でFAQやマニュアルをAI検索することを実現した。

    石居 岳

    電子帳簿保存法「対応済み」企業は21%。2023年度税制大綱で「電子取引のデータ保存」の宥恕措置は2023年12月末で廃止

    3 years 3ヶ月 ago

    ラクスはが全国の経理担当者907人を対象に実施した電子帳簿保存法に関する調査によると、「電子取引データの保存」について「則して運用している」と回答した企業は21.9%にとどまった。

    2022年9月に実施した調査結果から0.5ポイント増のほぼ横ばいだった。

    このほか、「電子帳簿保存法に即した運用の導入を検討している」が28.0%、「いずれは電子帳簿保存法に即した運用も検討したい」が28.9%、「電子帳簿保存用に即した運用の導入は見送った」が7.7%、「電子帳簿保存法を知らない」が13.5%。

    電子帳簿保存法への対応状況
    電子帳簿保存法への対応状況

    改正電子帳簿保存法

    電子帳簿保存法は保存が義務付けられている帳簿・書類を電子データで保存するためのルールなどを定めた法律。改正電子帳簿保存法の主な保存区分は、「電子取引」に関するデータ保存の義務化を盛り込んだ。電子帳簿等保存(電子的に作成した帳簿・書類をデータのまま保存)、スキャナ保存(紙で受領・作成した書類を画像データで保存)、電子取引(電子的に授受した取引情報をデータで保存)――の3種類にわけられる。

    従業員規模別に「電子帳簿保存法に則して運用している(電子取引データの保存)」と回答した企業を見てみると、300人以上の企業が30.8%に対し、299人以下の企業(一般的に言われる中小企業)は19.1%で11.7ポイントの差が生じている。

    従業員規模別の電子帳簿保存法への対応状況
    従業員規模別の電子帳簿保存法への対応状況

    受け取った請求書・領収書を電子帳簿保存法へ対応する場合、検討から運用開始までに要するであろう期間を調査したところ、「4~6か月以内」と回答した企業が30.8%で最多。「7~12か月以内」が18.4%、「12か月以上」が11.9%で続いた。

    電子帳簿保存法への対応に要すると想定する期間
    電子帳簿保存法への対応に要すると想定する期間

    2022年12月に2023年度税制改正大綱が発表され、電子帳簿保存法「電子取引のデータ保存」は2023年12月末で宥恕期間が終了となる。宥恕終了まで約1年前となった現在、想定準備期間を考慮すると対応に動き出す必要がある。2023年10月にはインボイス制度の開始も控えており、早めの準備開始が必要だ。

    2022年12月に2023年度税制改正大綱が発表され、電子帳簿保存法「電子取引のデータ保存」は2023年12月末で宥恕期間が終了となる
    各種手続きや法令施行のスケジュール

    インボイス制度

    インボイス制度は、すべての企業が対応しなくてはならない制度。売り手側・買い手側の双方に関わるのが保存要件で、請求書を発行する側も受け取る側も、請求書を7年間保存しなければならない。税計算もこれまでと形式が変わり、納品単位か請求単位かを選ぶ必要がある。請求書を提出する側は、適格請求事業者として税務署へ事前登録をしなければならない。

    石居 岳
    確認済み
    35 分 41 秒 ago
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