ネットショップ担当者フォーラム

ギフティの2022年通期売上は27%増の47億円。経常利益は41%増の3.5億円

3 years 2ヶ月 ago

デジタルギフトサービス「eギフト」を手がけるギフティの2022年1~12月期(通期)決算は、売上高が前期比26.8%増の47億2300万円、営業利益は同17.6%増の3億6200万円、経常利益は同41.7%増の3億5200万円だった。

法人向けの「giftee for Business」の利用企業(DP)数と案件数が高い成長率で伸長し、業績をけん引した。利用企業(DP)数は1456社(前期比45.6%増)、案件数は1万185件(同29.5%増)。eギフト発行企業(CP)数も堅調に増加している。

eギフトの利用企業数、案件数とともに伸長が目立っている(画像はギフティのIR資料から編集部がキャプチャ)
eギフトの利用企業数、案件数とともに伸長が目立っている(画像はギフティのIR資料から編集部がキャプチャ)
eギフトを発行する企業数も堅調に推移した(画像はギフティのIR資料から編集部がキャプチャ)
eギフトを発行する企業数も堅調に推移した(画像はギフティのIR資料から編集部がキャプチャ)

当期純利益は前期比92.7%減の1000万円と大幅減。期初予想(2億1500万円)を大幅に下回った。出資先複数社の株式の減損損失(合計1億8600万円)、業務提携先との開発継続見合わせに伴う無形固定資産の除却損(2100万円)による特別損失の計上が影響した。

2023年12月期の成長戦略は?

2023年の通期業績は売上高67億8800万円(前年同期比43.7%増)、営業利益8億1300万円(同124.1%増)を見込む。

eギフトプラットフォームの拡大、地理的な横展開、M&Aによるそれらの実現の強化・加速を図る。新たなコンテンツ・用途・領域の開発による潜在市場の拡大、新規サービスの提供にも取り組む。M&Aに加え、スタートアップへの出資も引き続き積極的に行う。

なお、純利益の予想数値は非開示。減損損失・法人税等調整額などの精緻(せいち)な見積もりが困難であることを理由としている。

2023年通期の業績予想一覧(画像はギフティのIR資料から編集部がキャプチャ)
2023年通期の業績予想一覧(画像はギフティのIR資料から編集部がキャプチャ)

ただ、流通額、売上高は高い成長性を継続すると予想する。EBITDAマージン(売上高に占めるEBITDAの割合。EBITDAは減価償却前の営業利益)は、単体ベースでは伸長するものの、収益構造が異なりかつ投資先行フェーズである子会社の売上高・費用の増加で、連結ベースでは微増にとどまる見通し。

2023年通期は売上高、流通額、EBITDAともに大きな飛躍を見込む(画像はギフティのIR資料から編集部がキャプチャ)
2023年通期は売上高、流通額、EBITDAの予想(画像はギフティのIR資料から編集部がキャプチャ)
高野 真維

ZOZOTOWN、Amazon、楽天よりもNPSが高いファッションECサイトはMAGASEEK、その理由は?

3 years 2ヶ月 ago

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門」によると、顧客ロイヤルティを測る指標の「NPS(ネットプロモータースコア)」が最も高いのは「MAGASEEK(マガシーク)」だった。

調査対象は、Amazon Fashion(アマゾンファッション)、MAGASEEK 、Rakuten Fashion(楽天ファッション)、SHOPLIST.com by CROOZ(ショップリスト)、ZOZOTOWN、マルイウェブチャネル(マルイのネット通販)。

NPSのトップはMAGASEEKで-13.7ポイント。2位はZOZOTOWNで-15.6ポイント、3位はSHOPLIST.com by CROOZの-16.5ポイント。対象6社の平均NPSは-20.1ポイント。トップ企業とボトム企業の差は15.5ポイントだった。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門」
NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門

アパレルECサイトのロイヤルティの要因を19の項目別に分析。業界全体では「ブランドや商品の品揃えの豊富さ」「サイズ表記や身長別の着丈など商品の掲載情報の詳細さ・正確さ」「自分に合ったサイズ・大きさの商品がある」といった商品の品ぞろえや掲載情報に関連する項目、「コストパフォーマンスの良さ」がロイヤルティ醸成に寄与している。

一方、ロイヤルティを向上させるために今後改善が期待される項目として、生地感や着用感といった「写真から実際の商品イメージがつきやすいこと」、「おすすめ機能・レコメンデーションの適切さ」「欲しい商品の探しやすさ・検索のしやすさ」といったサービス・機能面がロイヤリティー醸成ポイントにあがっている。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門」 ロイヤルティの要因を19の項目別に分析
ロイヤルティの要因を19の項目別に分析

マガシークは「公式アプリの使いやすさ」で評価が高かったほか、業界全体の課題項目であった「写真から実際の商品イメージがつきやすいこと」「欲しい商品の探しやすさや検索のしやすさ」、レコメンデーションの適切さといった機能面でも高い評価を獲得した。
2位のZOZOTOWNは「ブランドや商品の品ぞろえの豊富さ」、3位のSHOPLISTはコストパフォーマンスの良さがそれぞれ評価された。

公式アプリの利用経験、アパレルECサイトを使う目的、求める機能などは?

公式アプリの利用経験を調査したところ、全体の51.9%が公式アプリを利用。公式アプリの利用有無別にNPSを分析したところ、公式アプリ利用者のNPSは-10.4ポイントで、公式アプリ非利用者よりも高くなった。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門」 公式アプリの利用経験
公式アプリの利用経験

公式アプリ利用有無別に、ECサイトやアプリでの商品検索や購入といった機能に関連する5つの項目ごとに満足度平均を比較した。最も差が大きくなったのは「おすすめ機能・レコメンデーションの適切さ」。「欲しい商品の探しやすさ・検索のしやすさ」が続いた。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門」 機能に関連する5項目ごとの満足度平均
機能に関連する5項目ごとの満足度平均

対象となったアパレルECサイトを利用する目的を調査した結果、「店員の接客がなく、じっくりと商品を探して購入できるため」が43.4%。「自分が必要としている商品だけを購入することができるため」(42.8%)、「実店舗に比べて商品が探しやすいため」(35.2%)が続いた。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門」 アパレルECサイトの主な利用目的
アパレルECサイトの主な利用目的

今後求める機能について、「自分の体形やサイズを簡単に測定できる機能」が最多の31.1%。「オンライン上で自分が試着したイメージをできる機能」が25.9%、「過去の購入履歴から、自分の好みやサイズをお薦めしてくれる機能」が22.1%。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門」 アパレルECサイトに求めている機能
アパレルECサイトに求めている機能

今後の継続利用意向を0~10の11段階で聞いたところ、「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者)は平均9.4ポイント、「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)7.8ポイント、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は5.6ポイント。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが実施した「NPSベンチマーク調査2022 アパレルECサイト部門」 推奨セグメント別継続利用意向
推奨セグメント別継続利用意向

調査概要

  • 調査対象企業:Amazon Fashion(アマゾンファッション)、MAGASEEK 、Rakuten Fashion(楽天ファッション)、SHOPLIST.com by CROOZ(ショップリスト)、ZOZOTOWN、マルイウェブチャネル(マルイのネット通販)
  • 調査対象者:インターネットリサーチモニターのうち上記アパレルECサイト利用者
  • 調査方法:NTTコム リサーチによる非公開型インターネットアンケート
  • 調査期間:2023年1月12~18日
  • 有効回答者数:2159人
  • 回答者の属性:性別は男性が38.0%、女性が62.0%。年代は20代以下が17.8%、30代が23.3%、40代が28.9%、50代が15.0%、60代以上が15.1%

NPSとは?

推奨度が高ければ高い顧客ほどリピート率が高く、クチコミによる新規顧客の獲得にもつながるため、企業はNPSを向上させることで収益を上げることができるとされている。

NPSは次のように計測する。

「友人に(特定商品などを)すすめたいと思いますか?」と顧客に質問し、0~10点で推奨度を計測。次のように分類する。

  • 0~6点を付けた人 → 「批判者」
  • 7~8点を付けた人 → 「中立者」
  • 9~10点を付けた人 → 「推奨者」
ネットショップ業界(EC業界)のNPSに関する調査結果
NPSの計測方法

NPSは、「推奨者」の割合(仮に40%)から「批判者」の割合(仮に25%)を引いた数値(40%-25%=15%)のことを指す。「推奨度」を聞くことで、顧客がどれほど企業・ブランドに対してロイヤルティがあるかを数値化する。

石居 岳

ヤフー、ポイント戦略大転換の反響は?/アダストリアが語るメタバース市場【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

3 years 2ヶ月 ago
2023年2月17日~2023年2月22日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. ヤフー、ポイント戦略大転換の反響は? 日曜日の高還元施策の廃止に「売れない」の声

    2022年10月にヤフーは「PayPayモール」と「ヤフーショッピング」を統合。これに伴うポイント戦略の大きな方向転換に「売れない」となげく出店者も多くみられている

    2023/2/20
  2. 「メタバースは大きなビジネスチャンスになる」「先行者利益を得るなら2023年がカギ」。アダストリアが語るメタコマースの可能性と描く未来

    アダストリアは新たなマーケットとしてメタバース市場に注目。EC業界の“メタコマース”を先導している。メタバース市場の魅力や取り組み、将来像をアダストリアのメタバースプロジェクトマネージャーに聞いた

    2023/2/21
  3. 東武鉄道がネット通販事業に進出、グループ共通ポイント「TOBU POINT」会員向けにECサイト「TOBU MALL」を展開

    東武バス、東武百貨店、東武トップツアーズ 東武ホテルマネジメント、日光金谷ホテル、東武商事、東京スカイツリー、東武動物公園などが出店する

    2023/2/21
  4. 最も利用しているスマホ決済サービスのトップは「PayPay」で2位は「楽天ペイ」。利用サービス数の平均は2.7個

    MMD研究所が実施した「2023年1月スマートフォン決済利用動向調査 第1弾」によると、スマホ決済サービスを併用している割合は62.6%だった

    2023/2/22
     
  5. 楽天の国内EC流通総額は12.3%増、アマゾン日本事業の売上高は5.7%増。勢いはどっちにある?【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2023年2月13日~2月19日のニュース

    2023/2/21
     
  6. 2023年の家計状況は6割が「悪くなる」。理由は「値上げ」「期待できない賃上げ」など

    家計対策では「節約」が最多。年代別・世帯年収別でも「節約」と回答する割合が多い。400Fは「物価上昇による家計圧迫から消費に消極的な姿勢が強く、2023年は消費の低迷が予想される」とコメントしている

    2023/2/22
     
  7. オルビスが流通センターに導入した最新のAMR(自律走行搬送ロボット)とは?

    国内では事例が少ない倉庫ピッキング作業におけるAMRの本格実用化で、省人化&効率化を達成し、倉庫内出荷作業の生産性および顧客利便性のさらなる向上をめざす

    2023/2/21
     
  8. 商品を知ったきっかけの多くは「TV・ラジオ」、買える場所を調べる方法は「Google・Yahoo!検索」

    調査対象の半数以上のユーザーが商品を探し回って店舗をハシゴした経験がある。「食品・健康食品」はTVで知ったモノを、「化粧品」はSNSで知ったモノを探したことがあるユーザーが多く、売っている場所をネットで検索する人が多いこともわかった

    2023/2/22
     
  9. 注目を集めるEX(従業員体験)とは? EXを高める方法や効果を事例を交えて解説

    従業員の満足度、エンゲージメントを高めることを目的としたEX。日本企業に応じたEXとはどのようなものでしょうか?

    2023/2/20
     
  10. ecbeing、「LINEミニアプリ部門」のパートナーに認定

    「LINEミニアプリ部門」は「LINEミニアプリ」のサービス導入実績、アクティブに活用されている店舗数を基準に認定されるパートナー制度。ecbeingは2021年から、EC事業者向けにLINEミニアプリの提供・導入支援を始めている

    2023/2/20
     

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    藤田遥

    資生堂の2022年グループEC売上は3500億円規模。EC化率は33%で2025年に4割が目標

    3 years 2ヶ月 ago

    資生堂の2022年12月期決算におけるEC売上高は約3522億円規模で、為替影響と事業譲渡の影響を除いた数値から算出した売上成長率は同1%増だった。

    連結売上高は前期比0.9%増の1兆674億円。EC化率は前期比1ポイント減の33%だった。

    中国市場のダブルイレブン鈍化が影響したものの、ハイプレステージブランド・製品ラインを中心に健闘、全体でのプラス成長を維持した。

    国内におけるEコマース売上高は、1ケタ台半ばの伸長率だったという。2022年9月にローンチした新会員サービス「Beauty Key」の会員獲得数は目標を超えて推移、アプリやCRMによる購買が寄与しているという。

    中国におけるEコマースは、第4四半期(2022年10-12月期)において、ダブルイレブン市場の成長が鈍化したものの、年間ではプラスを維持した。

    2025年にはグローバルEコマース売上比率40%をめざす。媒体費に占めるデジタル比率は引き続き90%で、特に日本と欧州事業にフォーカスしていく。

    日本市場ではアプリダウンロード数を伸ばす活動に注力し、愛用者基盤の構築、OMOの進化へとつなげていく。

    資生堂の2022年12月期決算におけるEC売上高は約3522億円規模で、為替影響と事業譲渡の影響を除いた数値から算出した売上成長率は同1%増
    今後の目標値(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

     

    石居 岳

    コンバージョンUPに直結する施策、EC事業者が課題解決のために投資する領域とは? | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    3 years 2ヶ月 ago
    ある調査では、カスタマーエクスペリエンスやデジタルマーケティングなどへの投資が、小売事業者が2023年に取り組む項目の上位になっています。その他、調査結果から小売事業者の考えや傾向を解説します。

    オンライン通販事業者が 2023 年の成長計画を達成するためには、よりコンバージョンに力を入れる必要があります。

    米国のEC業界誌大手『Digital Commerce 360』が実施した「2023年パフォーマンスとコンバージョンに関する調査」には、小売事業者73社が回答。年末年始の業績、KPI、投資戦略、成長機会、潜在的な課題、年間を通じたコンバージョン促進要因などを探った調査結果から、自社ECサイトのコンバージョン率を向上させるためのヒントを見つけてください。

    記事のポイント
    • コンバージョン率は2022年比で上昇
    • オンライン通販事業者は、ユーザーエクスペリエンスと、2023年の目標との乖離(かいり)を縮小するために尽力している
    • カスタマーエクスペリエンス、Eコマース、プラットフォーム、デジタルマーケティングへの投資が、2023年の取り組みリストの上位にあがっている

    コンバージョンなど収益に関する数値の現状と傾向

    ホリデーシーズンの売上成長と成果

    コンバージョンは、オンラインにおける収益創出の要です。アクセス解析ツール「Adobe Analytics」によると、オンラインの2022年ホリデーセールスは、前年比3.5%上昇にとどまっているため、コンバージョン改善に向けたさらなる取り組みが必要のようです。

    『Digital Commerce 360』が実施した「2023年パフォーマンスとコンバージョンに関する調査」によると、小売企業の57%がホリデーシーズンの売り上げを伸ばした一方、22%は「横ばい」、21%は「売り上げが減少した」と答えました。

    2022年ホリデーシーズンの売上伸長率(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)
    2022年ホリデーシーズンの売上伸長率(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)

    回答した小売事業者によると、カスタマーサービスの向上(29%)、サイトパフォーマンスの改善(22%)などカスタマーエクスペリエンスに関する成果をあげた企業が目立ちました。

    カスタマーエクスペリエンスに関する成果

    • カスタマーエクスペリエンスの最適化:15%
    • 顧客満足度の向上:10%
    • パフォーマンスを含むサイト体験の向上:8%
    • モバイル体験の向上:5%

    成長性に関しては、27%が「トップラインの成長と収益の増加」、「マーケットプレイスの売上成長」は25%に達しました。「収益性の向上」(18%)、「モバイル販売の拡大・浸透」(14%)と回答した事業者は、それほど多くありませんでした。一方、「厳しい環境下での労働力管理による生産性向上」(21%)は大きな効果と言えるでしょう。

    また、マーケティングの成果も注目されています。小売企業の26%が「新たなマーケティング施策」、22%が「マーケティング費用の効率化」をあげています。また、15%が「顧客獲得の成功」「顧客維持率の向上」につながったとしています。

    サプライチェーンについては、23%が「サプライチェーンの課題への対応」を、物流面で「フルフィルメントの迅速化」(18%)、「倉庫業務の改善」(11%)、「新規サプライヤーの獲得」を成果にあげています。

    「2022年のホリデーシーズンにおけるEコマースの最大の成果は何か」(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)出典:Digital Commerce 360による小売事業者73社への調査(2023年1月)
    「2022年のホリデーシーズンにおけるEコマースの最大の成果は何か」(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)出典:Digital Commerce 360による小売事業者73社への調査(2023年1月)

    コンバージョン率や平均注文金額などの各種KPIについて

    KPI(重要業績評価指標)は、小売事業者が同業他社と比較して自社のパフォーマンスをベンチマークするのに役立ちます。コンバージョン率は、「ウェブサイトの収益」(57%)、「収益性」(51%)とともに、64%の小売事業者が2021年よりも上昇しました。

    調査対象となった小売企業の半数弱は、「平均受注額(AOV)」が47%増加し、「マーケットプレイスのパフォーマンス向上」は44%でした。

    各種KPIの達成度合いについて (出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)
    各種KPIの達成度合いについて(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)

    コンバージョン率は、小売事業者の57%が、2%もしくはそれ以下であることが判明。一方、2%以上のコンバージョン率だったのは43%でした。その内訳は次の通りです。

    • 1%から5.0%:21%
    • 5%以上:13%
    • 該当なし:9%

    Amazonを含むマーケットプレイスのコンバージョン率を見てみると、自社サイトよりも低いことがわかります。

    ECサイト別コンバージョン率の結果

    • 0%~1%
      • 小売事業者の自社サイト:25%
      • Amazon:30%
      • その他のマーケットプレイス:30%
    • 1.1%~2.0%
      • 小売事業者の自社サイト:31%
      • Amazon:28%
      • その他のマーケットプレイス:20%
    •  2.1%~5.0%
      • 小売事業者の自社サイト:20%
      • Amazon:6%
      • その他のマーケットプレイス:8%
    • 5.1%以上
      • 小売事業者の自社サイト:13%
      • Amazon:6%
      • その他のマーケットプレイス:9%
    • 該当なし
      • 小売事業者の自社サイト:9%
      • Amazon:36%
      • その他のマーケットプレイス:33%
    コンバージョン率について(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)
    コンバージョン率について(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)

    小売事業者のオンライン平均注文金額(AOV)は、100ドル以上が54%、100ドル以下が46%とほぼ同率。もちろん、これは商品の品ぞろえや消費者の購買行動に直接関係しています。

    AOV率について(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)
    AOV率について(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)

    2023年にオンライン通販事業者が投資するポイント

    ユーザーエクスペリエンスの向上に努める傾向が顕著

    賢い投資をするためには、常に自社の状況を確認することが賢明です。最適なユーザーエクスペリエンスを「10」と設定して、1から10までで自社の評価をしてもらったところ、「9」または「10」と評価したのは9%。57%のオンライン通販事業者は「6」から「8」の間で評価しました。残りの34%は6点以下です。

    裏を返せば、オンライン通販事業者は向上心にあふれていると言えるでしょう。8点以上のユーザーエクスペリエンスを実現したいと考えている通販事業者は67%。8点未満はわずか33%でした。次のグラフが示すように、小売事業者はユーザーエクスペリエンスに関するギャップを縮めようと努力しています。

    最適なユーザーエクスペリエンスを「10」とした場合の自社評価

    • 8~10点
      • ​​​​​​​現在:24%
      • 2023年目標:67%
    • 6~7点
      • ​​​​​​​現在:42%
      • 2023年目標:23%
    • 5点以下
      • ​​​​​​​現在:34%
      • 2023年目標:10%
    自社ユーザーエクスペリエンスの評価(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)
    自社ユーザーエクスペリエンスの評価(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)

    カスタマーエクスペリエンスへの注力が最多

    Eコマースへの投資は、「カスタマーエクスペリエンス」「Eコマースプラットフォーム」「デジタルマーケティング」「パーソナライゼーション」が優先順位の上位を占め、軒並み上昇しています。

    「カスタマーエクスペリエンス」は71%に達し、また、2023年に「増える」と予想される投資のトップもカスタマーエクスペリエンスで、71%でした。

    「パーソナライゼーション」(51%)、「Webデザイン」(45%)、「カスタマーサービス」(45%)が続きました。

    デジタルマーケティングに注力する事業者の割合は55%に達しており、マーケティング費用は増加するでしょう。「ソーシャルメディア」は49%、「SEO」も44%が投資すると回答しています。

    チャネルの観点では、49%が「マーケットプレイスの成長」に期待しており、マーケットプレイスへの取り組みが進んでいます。一方、「オムニチャネル」は18%にとどまりました。

    「オペレーション」への投資は43%が増加しており、「倉庫やフルフィルメント管理などのロジスティクス」は39%。倉庫業務を含むロジスティクスは31%で、18%のサプライチェーンとともに増加しており、いずれも重要な改善がもたらされるはずです。

    2022年比で2023年に投資増を見込んでいるテクノロジー分野 (出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)
    2022年比で2023年に投資増を見込んでいるテクノロジー分野(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)

    コンバージョンを促進するためには、カスタマーエクスペリエンスに重要な投資を行う必要があり、66%がその重要性を認めています。他にも、「カスタマーサービス」(46%)、「パーソナライゼーション」(27%)、「返品無料」(14%)などがあげられています。

    コンバージョン促進には、テクノロジーの役割も非常に重要です。「Eコマースプラットフォームへの投資」が54%でトップ、「Webサイトのパフォーマンス/スピード」が45%で上位にランクインしています。また、「Web解析/データ」も38%が重要視しています。

    物流は「倉庫管理」を重視する傾向に

    デジタルマーケティングは、コンバージョンを促進する上で重要であると40%が回答。コンバージョンを物流の観点から考えた場合、37%が「倉庫管理」、23%が「サプライチェーン」、19%が「マーケットプレイスでの取り組み」をあげています。

    コンバージョンの最適化において、2023年に投資が重要だと思うデジタルマーケティング (出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)
    コンバージョンの最適化において、2023年に投資が重要だと思うデジタルマーケティング(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)

    コンテンツの観点からは、オンライン通販事業者の3社に1社が、2023年にコンバージョンを最適化するためには、Webデザインとブランド価値の紹介が重要であると考えています。

    その他の要素では、「動画/ライブストリーミングコンテンツ」(21%)、「ロイヤルティプログラム」(19%)、「ブログ/編集コンテンツ」(16%)、「企業情報ページ」(14%)は、調査対象の5社に1社のみがあげています。

    コンバージョンの最適化において2023年に投資が重要だと考えるコンテンツやデザインの項目 (出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)
    コンバージョンの最適化において2023年に投資が重要だと考えるコンテンツやデザインの項目
    (出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)

    マーケティング施策は「SEO」「Eメール」が上位

    コンバージョン率を向上させるためには、戦術に加え、マーケティング施策が最も重要です。「SEO」(48%)、「Eメール」(39%)、「ソーシャルメディア」(18%)がその代表施策です。

    商品面では、「在庫水準の最適化」(36%)、「プライベートブランド/独占販売商品」(26%)があげられています。「チャネルを超えた一貫した体験」は36%、「物流」は34%で引き続き重要な役割を果たし、「ユーザーテスト」も22%でした。

    カスタマーサービス関連の数字は低く、「ライブチャット」が19%、「バーチャル相談/予約」が8%と、おそらくアフターコロナの影響を受けているようです。

    コンバージョン率を向上させるために投資が重要だと考えるマーケティング施策 (出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)
    コンバージョン率を向上させるために投資が重要だと考えるマーケティング施策(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)

    コンバージョン率を向上させるWebサイトの施策とは?

    小売事業者は、コンバージョン率を向上させるために多くの戦術を重要視しています。オンライン通販事業者の47%は「サイト内検索」、「主要ページのアップグレード」(44%)、「モバイルサイトの改善」(38%)を重要視。また、21%は「コール・トゥ・アクションボタン(編注:自社のWebページを訪れたユーザーに、購入など、何かしらの行動を起こしてもらうための要素)の改善」も要因としてあげています。

    商品に目を向けると、「情報と画像の向上」が42%、「画像の洗練度」が37%と、圧倒的な支持を得ています。

    チェックアウトに関しては常に改善の余地があり、29%がステップ数を減らすことを提案し、同数が「サインアップとチェックアウトの簡素化」をあげています。

    商品マッチングツールなど、コンバージョンを促進するためのインタラクティブツールは21%に上りました。この方法はニッチな傾向があり、家庭用品やアパレルなどのカテゴリーで有効なため、普及率は低くなっているようです。

    また、同じ数の小売事業者が、ソーシャルメディアの投稿からのリンクの埋め込みをあげています。ソーシャルメディアの場合、その魅力と利用は若い消費者により浸透しており、その層をターゲットとする特定の小売事業者にとってより価値のあるものとなっています。

    コンバージョン率を向上させるために投資が重要だと考えるECサイトの施策(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)
    コンバージョン率を向上させるために投資が重要だと考えるECサイトの施策(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)

    2023年にオンライン通販事業者が直面する課題とは?

    2023年にオンライン通販事業者が直面する重要な問題は、インフレや消費者行動の変化に対応しながら、費用対効果の高いマーケティング、UXの改善などを通じて、計画的な成長を実現することです。

    2023年に小売事業者が自社のビジネスにプラスの影響を与えるために取るべき最も重要な行動について、寄せられた回答のいくつかを統合することで、今後の展望を示すことを試みてみました。

    調査対象社の62%が回答した第1位の回答「収益性」を中心に、今後の展望を考えてみます。収益性に関しては、「収益性の向上」「収益性のKPIと一致するような流通戦略の見直し」などがありました。

    これまでに続き、2023年に取り組むべきだと考える課題(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)
    これまでに続き、2023年に取り組むべきだと考える課題(出典:『Digital Commerce 360』による小売事業者73社への調査)

    収益に貢献するものとして、「費用対効果の高いマーケティング」との回答が60%に上りました。何が最も重要な活動になるかに関しては、マーケティング費用や顧客セグメンテーションの最適化から、収益性の高い売上の拡大まで多岐にわたりました。

    ある企業はマーケティングの強化、また別の企業はデジタルマーケティングのコスト削減をあげています。いくつかの小売事業者は、検索マーケティングへの投資や、新たなマーケティング施策への注力をあげました。

    また、「ソーシャル広告の拡大」「Facebookのオーディエンステスト」「販売アフィリエイトの強化」など、より具体的なターゲットへのアプローチも回答に上りました。ある企業は適切な顧客の発掘に注力し、別の企業はロイヤルティプログラムと顧客維持の拡充に期待を寄せています。

    さらに、53%が「計画的な成長の達成」、21%が「マーケットプレイスの売上拡大」と回答しました。

    ユーザーエクスペリエンスの向上に課題をもつ事業者が多い結果に

    カスタマーエクスペリエンスの観点からは、「ユーザーエクスペリエンスの向上」が55%に上りました。さらに、「カスタマーサービスポリシーの調整」も21%があげています。

    カスタマーエクスペリエンスは、最も重要なものとして注目されている項目の1つですが、他にも注目されている課題は以下の通りです。

    • チームの再編成
    • オンライン体験の改善
    • カスタマージャーニーの変更
    • 顧客エンゲージメントの強化

    人材については「スタッフの増員」「プラットフォームとインテグレーションのアップグレード」「採用プロセスの改善」「無駄のない経営」「チームと目標の編成」「従業員のスキルアップ」などがあげられています。

    戦略面では、調査対象の小売企業の約半数が「今後もインフレとの戦いに直面する」と回答しており(49%)、約同数の小売企業(44%)が「消費者行動の変化に直面している」と回答しています。

    インフレの時代にあって、「商品価格の調整」(27%)と「在庫商品の最適化」は、「オムニチャネルの提供」(23%)と同様、25%の要因として残っています。ある企業は在庫の絞り込みを、他の企業は平均単価の引き下げや引き上げを指摘しました。

    さまざまな計画があげられましたが、ポジティブなものもあれば、ネガティブなものもありました。その内容は、流通の拡大、事業への資金投入の増加、異なる方向への転換など多岐にわたっています。

    いくつかの企業は、重要なチャネルとしてEコマースへの移行、消費者への直接販売(DtoC)、WalmartやTarget(編注:ウォルマートとターゲットは米国のスーパーマーケットチェーン)を含むより多くのマーケットプレイスへの参入を検討しています。

    また、「低業績を解消する必要がある」「企業再編が必要である」「克服できない不正行為により既存のEコマースサイトを閉鎖することになるだろう」と考える企業もありました。

    サプライチェーンとロジスティクスも、小売事業者にとって依然として最重要課題となっており、以下のような懸念があげられています。

    サプライチェーンとロジスティクスに関する懸念

    • 輸送業者による配送の遅延:27%
    • サプライチェーンに関する懸念:23%
    • フルフィルメントの需要に応えること:22%
    • 当日配送の可能性:15%
    • 倉庫業務の適応:12%

    小売事業者は、倉庫のアップグレードや複数輸送業者による配送システムへの移行を、プライオリティの高い計画としてあげています。

    また、直接的には取り上げられていませんが、多くの小売事業者が以下のようなテクノロジーにも言及にしています。

    • 新しい Eコマースプラットフォーム
    • アナリティクスの改善
    • サイト内検索
    • AIとディープラーニング
    • プロセスおよびワークフローの改善

    課題は無限にあり、2023年にECを成長させるためには、小売事業者の決意が必要です。増加するKPIを継続的にクリアしていくためには、ユーザーエクスペリエンスのモニタリングが不可欠です。資金は常に限られているため、賢い投資をすることが重要な結果をもたらすでしょう。

    サイトエクスペリエンスからマーケティング、基盤となるテクノロジーに至るまで、コンバージョン率と収益性の向上を目標とする小売事業者にとって、やるべきことはまだまだ沢山あるのです。

    この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

    Digital Commerce 360

    2023年の家計状況は6割が「悪くなる」。理由は「値上げ」「期待できない賃上げ」など

    3 years 2ヶ月 ago

    お金のオンライン相談サービス「お金の健康診断」を運営する400F(フォーハンドレッド・エフ)が実施した物価上昇と賃上げに関するアンケート調査によると、物価上昇を実感していると回答した割合は約98%に達した。

    なかでも「非常に感じる」と回答した割合は約76%で、2021年7月の調査と比べると約20ポイント上昇した。

    「お金の健康診断」を運営する400F(フォーハンドレッド・エフ)が実施した物価上昇と賃上げに関するアンケート調査 物価上昇を実感している割合
    物価上昇を実感している割合

    値上げによる家計への影響を聞くと、約半数が「値上がりによる家計への負担を非常に感じている」と回答。「やや負担に感じている」も含めると約90%が負担を実感している。

    「お金の健康診断」を運営する400F(フォーハンドレッド・エフ)が実施した物価上昇と賃上げに関するアンケート調査 値上げりによる家計への影響
    値上げりによる家計への影響

    値上がりによって減らそうと考えている消費の第1位は「食費」、2位は「水道光熱費」、3位は「趣味費」。世帯年収別の回答結果を見ると、世帯年収1000万円未満は約53%が「趣味」の消費を減らすと回答している。

    「お金の健康診断」を運営する400F(フォーハンドレッド・エフ)が実施した物価上昇と賃上げに関するアンケート調査 値上がりによって減らそうと考えている消費
    値上がりによって減らそうと考えている消費

    大企業を中心にベアを含む賃上げの動きが活発化しているが、「自身が勤める会社において賃上げの予定はない」と回答した割合は約53%。「賃上げされた、または賃上げの予定がある」と回答したのは11%にとどまった。

    「お金の健康診断」を運営する400F(フォーハンドレッド・エフ)が実施した物価上昇と賃上げに関するアンケート調査 勤務先の賃上予定について
    勤務先の賃上予定について

    こうした状況を踏まえ、2023年の家計状況を聞いたところ、約63%が「非常に悪くなると思う」または「少し悪くなると思う」と回答。その理由として「止まらない値上げ」「ウクライナ情勢」「原発再稼働の見送り」「賃上げは期待できない」などがあがった。

    「お金の健康診断」を運営する400F(フォーハンドレッド・エフ)が実施した物価上昇と賃上げに関するアンケート調査 2023年の家計状況について
    2023年の家計状況について

    家計対策では「節約」が最多。年代別・世帯年収別でも「節約」と回答する割合が多い。400Fは「物価上昇による家計圧迫から消費に消極的な姿勢が強く、2023年は消費の低迷が予想される」とコメントしている。

    「お金の健康診断」を運営する400F(フォーハンドレッド・エフ)が実施した物価上昇と賃上げに関するアンケート調査 今後の家計対策
    今後の家計対策

    調査概要

    • 調査方法:Webアンケート
    • エリア:全国
    • 回答者:「お金の健康診断」ユーザー663人
    • 調査期間:2023年1月31日(火)〜2月2日(木)
    瀧川 正実

    「猫様の飼い主にとって買いやすく続けやすいサービスにする」。IoTデバイス+EC+データで“猫と一緒の生活”を支えるビジネスとは

    3 years 2ヶ月 ago
    猫の健康を管理する「Catlog」を普及させ、継続的に利用してもらうには、まず飼い主にとっての利便性を高めなければいけない。そのために決済を重視し、「Amazon Pay」を導入したRABOに話を聞いた
    [AD]

    猫を飼う人にとって、猫は家族の一員であり、大切な存在だ。そんな家族と長く一緒にいられる世界をめざし、飼い主や猫自身も気付かないようなわずかな変化を検知して日々の健康を管理する「Catlogシリーズ」を開発したRABO。多くの飼い主や獣医師からの注目を集め、利用する猫の数は拡大し続けている。飼い主にとって、購入しやすく継続して使いやすいサービスにするために、自社ECでは買い物体験を重視する。伊豫愉芸子社長に、「Catlogシリーズ」や自社ECの取り組み、RABOの今後の目標について聞いた。

    RABO 代表取締役社長の伊豫愉芸子氏
    代表取締役社長の伊豫愉芸子氏

    猫の体調のわずかな変化も早期検知する「Catlogシリーズ」

    「世界中の猫と飼い主が、1秒でも長く一緒にいられるように 猫の生活をテクノロジーで見守る。」をミッションに、猫の体調や生活を見守る「Catlogシリーズ」を展開しているRABO。

    RABOが登場したAmazonのテレビCM(詳細はこちら

    猫専用の首輪型ウェアラブル端末「Catlog(キャトログ)」や、猫用トイレに敷くだけで排泄物の量や回数、体重などを記録する「Catlog Board (キャトログボード)」から得たデータを、飼い主がスマートフォンアプリで見られるサービスを提供している。

    「Catlog」を付けていれば、飼い主が留守中でも猫の様子がリアルタイムで把握できるほか、運動量や食欲などのデータから、不調の兆候や給餌量の目安もわかるようになる

    「Catlog」は、首輪に内蔵した超小型の加速度センサーで猫の行動データを24時間計測。首元の微細な振動がどの行動に当てはまるのか機械学習で判定し、健康を管理する
    「Catlog」は、首輪に内蔵した超小型の加速度センサーで猫の行動データを24時間計測。首元の微細な振動がどの行動に当てはまるのか機械学習で判定し、健康を管理する

    また、泌尿器疾患にかかりやすい猫にとって、「Catlog Board」は異常につながるわずかな変化の早期検知に役立つほか、ダイエット中の猫の体重・体調を手間なく管理することが可能となる。

    「Catlogシリーズ」は、猫の予防医療に貢献する画期的なサービスとして多くの飼い主や獣医師から関心が持たれており、現在およそ2万匹の猫が利用しているという。

    「Catlog Board」は、トイレの下に置くだけで排泄情報や体重を計測できるボード型IoTデバイス

    セキュリティと利便性を重視、自社ECの決済に「Amazon Pay」を採用

    「Amazon Pay」はAmazonアカウントを持つユーザーであれば、住所やクレジットカード情報などを入力する必要なく決済を完了することが可能。「Amazon Pay」を選ぶユーザーは多いだろうと判断し、ECサイトに導入している

    RABOは従来からアマゾン ウェブ サービス(AWS)を利用したり、Amazon.co.jpに商品を出品しており、Amazonのサービスに対して厚い信頼を持っていたため、決済においても迷うことなく「Amazon Pay」の導入を決めたという。

    自社ECを運用するうちに、クーポンの発行やサブスクリプションの導入など提供サービスの拡充を実現するため、利用していたASPサービスから2022年に自社開発で柔軟性の高いECサイトへと刷新。

    ユーザーが選ぶ決済手段の割合は月ごとに変動はあるものの、およそ半数以上が「Amazon Pay」を選んでいることから、リニューアル後も決済手段はクレジットカード決済と「Amazon Pay」を用意した

    RABOの決済手段はクレジットカードと「Amazon Pay」の2種類
    決済手段はクレジットカードと「Amazon Pay」の2種類

    RABOは「Amazon Pay」を利用する有効性について、伊豫氏は次のように話す。

    EC事業者が自社で決済手段を作り込むことは難しく、特に私たちのようなベンチャー/スタートアップ規模の企業だと、セキュリティ対策の負担も大きくなる。その点、「Amazon Pay」はAmazonの堅固で世界水準のセキュリティレベルをそのまま享受できることが魅力だ。また、Amazonアカウントを持っている人は全国にたくさんいらっしゃるので、「Amazon Pay」は決してアーリーアダプターだけの決済手段ではない。「Catlogシリーズ」がターゲットとする「猫様を家族だと思って大切にしている人」という幅広い層からも、使いやすい決済手段になっている。(伊豫氏)

    RABO 伊豫氏のファミリーの一員である猫はCCO(Chief Cat Officer)として重要な広報の役割を担っている
    伊豫氏のファミリーの一員である猫はCCO(Chief Cat Officer)として重要な広報の役割を担っている

    サブスクリプションにも対応できる「Amazon Pay」のメリットは大きい

    「Catlogシリーズ」は、デバイス本体の「Catlog」「Catlog Board」を購入し、猫1匹あたり月額580円のアプリをダウンロードして利用する仕組みとなっている。

    このほかにも、まずはお試しをしたいユーザー向けに、「Catlog」本体が月額690円で、「Catlog Board」本体が月額750円で一定期間利用できるレンタルプラン(アプリの月額利用料は別途必要)も用意している。

    こうしたサブスクリプションのビジネスモデルにも、「Amazon Pay」は「Auto Pay」機能で対応できる。「Auto Pay」は、利用者が初回購入時に以降の支払い方法や配送先が設定できる機能で、次回からはその設定情報を使って事業者側で請求ができるため、ユーザーの手間が省けるようになる。

    クレジットカード決済でも継続課金や定期支払は可能だが、初回の購入ステップも簡単な「Amazon Pay」がサブスクリプションにも対応しているメリットは大きいようだ。

    Amazon Pay 「Auto Pay」の内容
    「Auto Pay」の内容

    販路の中でも自社ECの利用者が最多。だからこそ、決済ニーズまでくみ取るべき

    「Catlogシリーズ」はRABOが提供している複数の販路のなかでも、説明が特に充実している自社ECサイトで購入するユーザーが最も多いという。だからこそ、カスタマーエクスペリエンスに大きな影響を与える自社ECの決済手段を重要視している

    「Amazon Pay」の手数料は、一般的なクレジットカード決済と比べて手数料が少し高い印象があるが、それ以上に導入する意味合いは強いと伊豫氏は話す。

    「Amazon Pay」で決済するお客さまは多いので、途中で離脱することなく最後のコンバージョンまで至っていると実感している。「Amazon Pay」はお客さまの商品購入を後押しする効果もあるRABOにとっては機会損失しないためのトリガーになっていると捉えている。(伊豫氏)

    
「猫様の飼い主にとって買いやすく続けやすいサービスにする」。IoTデバイス+EC+データで“猫と一緒の生活”を支えるビジネスとは

    離脱を防ぎ、高いコンバージョンと顧客満足を実現するためには、RABOのように事業者側から率先してユーザーに選ばれる決済手段を導入していくことが必要なのだろう。

    今後の目標は「獣医療との接続」と「データを生かした新規事業」。グローバル展開も視野に

    RABOは今後の取り組みとして、「獣医療との接続」と「データを生かした新規事業」の、大きく2つを掲げている。

    RABOは猫を軸とした「獣医療との接続」「データを生かした新規事業」の新事業展開を進めていくという
    猫を軸とした「獣医療との接続」「データを生かした新規事業」の新事業展開を進めていくという

    これまでの動物病院は、猫が来院したときの状態と、飼い主への問診しか診察材料がなく、また飼い主も猫を24時間見ているわけではないので、非常に限られた情報だけで診察するほかない。

    こうした現状を打開するため、まずは「Catlogシリーズ」で定量的に猫のデータを取得し、普段の猫の様子や情報が細かく獣医師に接続できるようになる世界を広げていくことがRABOの第一の目標だ。

    たとえば、猫の排尿状況から体調変化の兆候を把握するのも「Catlogシリーズ」で可能だ。猫のトイレの回数が増えた場合、何度もトイレに行っているだけのように見えても、「Catlog Board」のデータを見れば、実際は排尿をしていなかったということも把握できる。そうすると、「何か泌尿器系のトラブルがあるかもしれない」という裏付けがデータから得られるようになり、最善のタイミングで医療を受けられるようになる。

    実際、RABOが行ったユーザーアンケートによると、「『Catlogシリーズ』がきっかけで泌尿器系のトラブルに気付いた」というユーザーが82%にも達したほどで、猫の細かな健康管理に役立っていることは明らかだ。

    現時点では、診察時に飼い主がスマートフォンアプリで猫の情報を見せるといった使い方が多いようだが、なかには飼い主と獣医師がアカウントを共有して、一緒に猫の体調管理をしているケースもあるという。

    次いで、人の世界でもバイタルデータが商品開発や新サービスに生かされているように、「Catlogシリーズ」で取得したデータを、次の事業に生かしていく目標も立てている。

    「Catlog」シリーズに蓄積された行動ログデータや体重・排泄データなどを活用した研究機関「Catlog総合研究所」を2021年に設立した
    「Catlog」シリーズに蓄積された行動ログデータや体重・排泄データなどを活用した研究機関「Catlog総合研究所」を2021年に設立した

    猫様の行動、食事、排泄、運動量などのデータを、これほどまでに蓄積している企業は珍しい」と話す伊豫氏。フードやトイレ、保険など、猫の健康に貢献できる商品開発に、「Catlogシリーズ」の膨大なデータが役立つ可能性は無限に広がる。すでに、大手企業とも連携した独自製品の開発に取り掛かっているそうだ。

    そして、ゆくゆくは「Catlogシリーズ」をグローバル展開したいと意欲を見せている。

    技術的には「Catlog」をほかの生き物にも転用できるが、やはり生き物ごとに特徴も違えば、飼い主のインサイトもまったく違ってくるもの。人間用のモノをほかの動物に転用しても中途半端になってしまうように、その生き物に対してしっかり特化しなければ、プロダクトとして芯を食ったものにならないと思う。製品・サービスとしては今後も「猫様のために」を追求しながら、販路はグローバルに広げていきたいと考えている。そのときは、世界でサービスを提供するAmazonの価値がまた享受できればと期待している。(伊豫氏)

    
「猫様の飼い主にとって買いやすく続けやすいサービスにする」。IoTデバイス+EC+データで“猫と一緒の生活”を支えるビジネスとは
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    朝比美帆
    吉田 浩章

    商品を知ったきっかけの多くは「TV・ラジオ」、買える場所を調べる方法は「Google・Yahoo!検索」

    3 years 2ヶ月 ago

    凸版印刷のグループ会社ONE COMPATH(ワン・コンパス)が実施した商品探しに関するアンケート調査によると、

    特定の商品を求めて複数店舗を探し回った経験について聞いたところ、52.5%が「経験がある」と回答した。探し回った経験のある商品カテゴリーは「食品・健康食品」が59.6%でトップだった。2位は「飲料・お酒」で30.6%、3位は「日用品」の23.5%。

    一方、ユーザーの47.5%が「探し回ったことがない」と回答している。その理由は「欲しい商品が売っていなかったら別の商品を購入するから」(30代男性)など、特定の商品にこだわらず、なければ代用品を買うという声も多数あがった。

    凸版印刷のグループ会社ONE COMPATH(ワン・コンパス)が実施した商品探しに関するアンケート調査
    特定の商品を求めて店を探し回った経験

    探し回った商品を知ったきっかけを聞いたところ、「食品・健康食品」「飲料・お酒」「日用品」「玩具・ゲーム」など、13カテゴリー中7カテゴリーで「TV・ラジオ」がトップ。「化粧品」は「SNS」が1位で35.1%だった。

    商品を買える場所を調べた方法では「Google・Yahoo!検索」が全カテゴリーで1位で、「公式サイト・アプリ」や「SNS」に大きな差をつけている。「TV・ラジオで見聞きした商品をネット検索で買える場所を調べる」という行動が一般的になっていると言える。

    凸版印刷のグループ会社ONE COMPATH(ワン・コンパス)が実施した商品探しに関するアンケート調査
    探し回った商品を知ったきっかけ

    商品を知ったきっかけのトップがSNSだった「化粧品」について、商品を知ったきっかけと買える場所の調べ方についての関係性を調べたところ、「TV・ラジオ」で知ったユーザーの調べ方トップは「Google・Yahoo!検索」の51.2%だった。

    一方、「SNS」で知ったユーザーの調べ方トップは「Google・Yahoo!検索」が50.9%で、僅差で「SNS」が49.7%となった。化粧品に関しては、認知する方法も買える場所を探す方法もSNSを活用していることがわかる。

    凸版印刷のグループ会社ONE COMPATH(ワン・コンパス)が実施した商品探しに関するアンケート調査
    商品を知ったきっかけと買える場所の調べ方について(化粧品)

    ONE COMPATHは、「実際に商品を探し回るかどうかにかかわらず、販売機会の損失とならないように購入可能な場所の情報提供を行うことは、より顧客=ファンを増やすための重要な施策と言える」とコメントしている。

    調査概要

    • 調査エリア:全国
    • 調査対象者:「シュフーポイント」会員(全年齢層の男女)
    • サンプル数:合計有効回答サンプル数6455人
    • 調査期間:2022年12月13~19日
    • 調査方法:インターネットリサーチ(自社調査)
    石居 岳

    自社のEC事業は「数字」だけに頼っていないか? マーケティングのプロが語る“CRMの落とし穴と重視すべきポイント | 「ECタイムズ」ダイジェスト

    3 years 2ヶ月 ago
    ECやD2Cのマーケティング、ブランディングに詳しいプラチナキャリアの代表取締役・大河内晃己氏が、CRMの落とし穴や重視すべきポイントを解説

    今回は、ECやD2Cのマーケテイング支援などを提供するプラチナキャリアの代表取締役・大河内晃己さんにインタビューしました。17歳の若さでキャリアをスタートし、大企業から中小ベンチャーまで、多岐にわたる業界のマーケティングやブランディングに携わってこられた人物です。EC業界を知り尽くした、経験値が豊富な大河内さんだからこそ話すことができる、顧客理解やCRM戦略の重要性をお話いただきました。

    サービス設計の上流から下流まで、さまざまな場面を経験した大河内さんの知見や考え方、そして熱意がぎっしりと詰まったインタビューになっています。

    ECやD2Cのマーケテイング支援などを提供するプラチナキャリアの代表取締役・大河内晃己さん
    ※大河内さんは「ECのプロ」(編注:WUUZYが提供するEC専門の人材マッチングサービス)にも登録されています

     

    大河内氏の人物像は? ECのマーケティング&ブランディングに強み

    ――まず、大河内さんのこれまでのご経歴についてご紹介をお願いします。

    大河内:最初にキャリアをスタートしたのは17歳の時、不動産系の学生ベンチャーに創業メンバーとして参画したことが始まりでした。その後はフリーランスのような働き方で、SNSやWeb系のマーケティングや戦略設計の案件を受け持つなどしていました。

    実際にビジネスの現場から上流まで幅広く濃い経験を積むことができましたし、現在の強みを形成する土台にもなっていると思います。

    現在は独立して、EC系をメインにBtoC領域全般のマーケティングやブランディングのサポートを行いながら、商品の立ち上げなどにも注力しています。

    ――ここからは、実際の事例についてお伺いしていきます。まずは現在取り組まれている鈴木ハーブ研究所(編注:化粧品通販事業者)に関して、大河内さんは主にどのような業務を担当されていますか?

    大河内:主にメルマガやLINE、同梱物などのCRMの設計をメインにしながら、オペレーションや管理体制の改善補助という形で取り組んでいます。

    多くのEC事業者が抱える課題は“顧客理解”

    ――さまざまな企業との仕事に関わって行く中で、EC事業者が特に多く抱えている課題だと感じるものはありましたか?

    大河内一番課題だと感じているのは、「顧客理解をどこまで深く理解できているのか」という点ですね。

    これは多くのEC事業者に言えることですが、達成率や顧客の満足度などの指標を、LTVなどの数値目標だけに頼り、本当に肝心な顧客への理解が社内に行き届いていない、といった事例が案外少なくないのではないかと思います。

    たとえば、サブスクリプション形式を取り入れている企業様であれば、解約理由1つをとっても、顧客によってさまざまな事情・背景があるはずです。

    また、同じ商品の購入であっても、たまたま勧められて買ってみたのか、あるいは本当にそれが欲しいから買ったのかで、商品や企業への理解度、愛着などが全く異なってきますよね。

    そういった数値だけではわからない要素が沢山あるはずなのに、そこになかなか目を向けられていない現状があると感じています。

    顧客の解像度を上げる取り組みを提唱

    ――では、そのような数値だけに拘ってしまう状態に陥らないようにするには、どのような点に注目すれば良いのでしょうか?

    大河内:お客さまのところに行ってインタビューをする、ペルソナを具体的に設定するなど、実際に顧客の解像度を上げる取り組みが大切です。

    顧客のリアルな声を聞くことで、ブランドをどのように作り、どう訴求し誰に評価されたいのかといった点がより明確になっていきます。

    顧客とのつながりが間接的なECであるからこそ、こうした点は特に大切なプロセスだと考えています。

    大河内氏はECこそ「顧客のリアルな声」が重要だと指摘する
    大河内氏はECこそ「顧客のリアルな声」が重要だと指摘する

    ――確かに、顧客が目に見えないからこそ、実際に会いにいくというのは大切なステップですね。

    大河内:こうした顧客理解に中長期的に取り組むと同時に、メルマガやLINE、同梱物などを運用し、購入回数ごとにどのような施策を行うのかといったKPIを設定していきます。

    その上で、2回目、3回目の購入にそれぞれどう反映させていくのかという検証を繰り返していくことになります。

    “顧客目線”の訴求をかなえるマーケティング手法とは?

    ――ヒアリングを行い、ペルソナやターゲットが明確になっているかどうか、そして数値目標をしっかりとモニタリングできる管理体制があるかどうかが大切なんですね。

    大河内:そうですね。その他にも、たとえば訴求効果の強い口コミを活用するなど、色々なデータの活用方法・切り口が考えられます。その上で、本当に今の施策が正しいのかどうか常に議論して、どう実行するのかに落とし込んでいけば良いと思います。

    こうした取り組みで顧客理解が深まれば、ブランディングやプロモーションの方法も変化していきますし、それによってより顧客目線での訴求も可能になるはずです。

    また、ブランドのアイデンティティを、社内でしっかりと共有できているかどうかも重要です。単に商品を開発して売ったり、数字だけを追ってしまったりするのではなく、ブランドとしてどうなりたいのか、何をしたいのか、なぜその商品を作っているのかといった点を、もっと会社として作り上げていく活動が必要だと考えています。

    どんな人にどのような価値を届けたいのかという点で、会社全体で同じ方向性を共有していることが大切ですね。

    顧客同士のコミュニティ構築を促すと、売上アップの好循環が生まれる

    ――まざまな業務に熱心に取り組まれている大河内さんですが、現在挑戦されている事を教えていただけますでしょうか?

    大河内:口コミコンテンツやロイヤリティの高い顧客を集めたコミュニティの運用に取り組んでいます。

    具体的には、その企業のサービスや商品が好きなユーザーだけを集めて、LINEグループのようなコミュニティを作ります。そのコミュニティの中で、たとえば新商品のサンプルレビュー会などのイベントを企画したり、特典を付与するといった活動を行います。

    そうすることで、そのコミュニティのメンバーのSNSや口コミを通してサービスが周囲にも広がっていく、という循環を生み出すコミュニティを構築することを目的にしています。

    コミュニティの構築によって、SNSや口コミから売り上げ向上につながる
    コミュニティの構築によって、SNSや口コミから売り上げ向上につながる

    ――大河内さんは企業のサポートに入る上で特にどのようなことを意識されていますか?

    大河内:意識している点は、「依頼されている仕事以上のアウトプット」です。表面的に依頼されたタスクだけをこなすのではなく、もっと本質的なところから作り直そう、という意識をいつも持っていますね。

    その上で、会社全体やオペレーション全体を俯瞰(ふかん)して、第三者としての客観的な意見を伝え、改善につなげることを重視しています。

    ――最後に、大河内さんの今後の目標についてお聞かせください。

    大河内:最終的には人材系、労働人口減少の問題に貢献していくことが大きな目標です。これまで大企業から中小企業、代理店やスタートアップまでさまざまな業態の企業と関わってきましたが、共通して言えるのは、「とにかく人が足りていない」という点なんです。

    やりたいことがあっても、それに必要なスキルや知識を持った人材がそもそもいない。今後日本の労働人口がさらに減少していく中で、そうした人材の問題を解決することで社会に貢献することができれば良いですね。新しい価値を生み出せる人材をたくさん育て、幅広く活用していきたいと思っています。

    ECタイムズ

    最も利用しているスマホ決済サービスのトップは「PayPay」で2位は「楽天ペイ」。利用サービス数の平均は2.7個

    3 years 2ヶ月 ago

    MMDLaboが運営するMMD研究所が発表した「2023年1月スマートフォン決済利用動向調査 第1弾」によると、最も利用しているスマホ決済サービスのトップは「PayPay」だった。調査対象は18歳~69歳の男女2万5000人。期間は2023年1月27日~1月31日。

    普段の支払い方法「スマホ決済」が2022年から6.2ポイント増加

    調査対象者全員に普段の支払い方法について聞いたところ、トップは「現金」(85.6%)で、次いで「クレジットカード」(70.8%)「スマホ決済(タッチ式、QRコード式含む)」(49.8%)だった。

    MMD研究所 調査データ スマートフォン決済利用動向 普段の支払い方法
    普段の支払い方法(n=25000/複数回答可、出典:MMD研究所)

    上記の結果を年別で比較すると、2022年1月と比べて最も増加した支払い方法は「スマホ決済」で6.2ポイント増加していた。最も減少した支払い方法は「カード型の交通系以外の電子マネー」で1.7ポイント減少していることがわかった。

    MMD研究所 調査データ スマートフォン決済利用動向 普段の支払い方法 年別で比較
    普段の支払い方法(n=25000/複数回答可、年別比較、出典:MMD研究所)

    62.6%がスマホ決済サービスを併用している

    「スマホ決済サービスを利用している」と回答した人に、利用しているスマホ決済サービスについて聞いたところ、「1サービスのみ利用している」は37.4%、「複数のサービスを利用している」は62.6%だった。

    サービス別で見ると、QRコード決済サービスで1サービスのみ利用している人は47.8%、複数サービスを利用している人は52.2%だった。スマホ非接触決済サービスで1サービスのみ利用している人は57.3%、複数サービスを利用している人は42.7%となった。

    MMD研究所 調査データ スマートフォン決済利用動向 スマホ決済サービスの併用有無 決済方法別
    スマホ決済サービスの併用有無(決済方法別、出典:MMD研究所)

    「スマホ決済サービスを現在複数利用している」と回答した人の利用サービス数をみると、2個が40.3%、3個が24.0%となった。スマホ決済サービス現在利用者全体の平均利用個数は2.7個だった。

    MMD研究所 調査データ スマートフォン決済利用動向 利用サービス数
    スマホ決済サービス併用者の利用個数(n=9802、出典:MMD研究所)

    最も利用している決済サービスのトップは「PayPay」

    調査対象者全員に現在利用しているスマホ決済サービスについて聞いたところ、トップは「PayPay」(41.2%)で、次いで「楽天ペイ」(19.4%)「d払い」(18.8%)だった。

    次に、「QRコード決済サービスとスマホ非接触決済サービスをどちらも現在利用している」と回答した人に、最も利用しているスマホ決済サービスを聞いたところ、最多は「PayPay」(31.2%)で、次いで「楽天ペイ」(15.0%)「d払い」(14.2%)だった。

    MMD研究所 調査データ スマートフォン決済利用動向 現在利用しているスマホ決済サービス スマホ決済サービスシェア
    スマホ決済サービスシェア(上位10位抜粋、出典:MMD研究所)

    QRコード決済トップは「PayPay」、非接触決済は「モバイルSuica」

    また、「QRコード決済サービスを現在利用している」と回答した人に、最も利用しているQRコード決済サービスを聞いたところ、トップは「PayPay」が50.0%、次いで「d払い」が16.8%、「楽天ペイ」が16.4%となった。

    「スマホ非接触決済サービスを現在利用している」と回答した人に、最も利用している非接触決済サービスを聞いたところ、「モバイルSuica」が23.4%で最多、次いで「Visaのタッチ決済」が16.7%、「iD」が16.5%だった。

    MMD研究所 調査データ スマートフォン決済利用動向 最も利用しているスマホ決済サービス 決済方法別
    最も利用しているスマホ決済サービス(決済方法別、上位5位抜粋、出典:MMD研究所)
    調査実施概要
    藤田遥

    東武鉄道がネット通販事業に進出、グループ共通ポイント「TOBU POINT」会員向けにECサイト「TOBU MALL」を展開

    3 years 2ヶ月 ago

    東武鉄道は、東部グループ企業が出店するECサイト「TOBU MALL(トウブ・モール)」をオープンする。

    東武グループの共通ポイント「TOBU POINT(トブポ)」会員向け新サービスとして展開。、鉄道グッズや体験イベントのデジタルチケットなどを販売する。

    ECサイトの名称は「TOUB MALL」。東武バス、東武百貨店、東武トップツアーズ 東武ホテルマネジメント、日光金谷ホテル、東武商事、東京スカイツリー、東武動物公園などが出店する。

    鉄道・バス関連グッズや鉄道体験イベント販売、東武グループのホテル関連商品など、東武グループならではの特色ある商品のほか、東京スカイツリーなど東武グループのレジャー施設の入場券が購入できるデジタルチケット機能を用意する。

    東武鉄道は、東部グループ企業が出店するECサイト「TOBU MALL(トウブ・モール)」をオープン
    商品画面のイメージ

    「TOBU POINT」が「TOBU MALL」の買い物でたまり、1ポイント(1円)単位で買い物に利用できる。たとえば、東武百貨店や東武ストアなどの実店舗でためたポイントを、ECサイトで利用することが可能。ポイントの付与率は出店店舗や商品によって異なる。

    「TOBU POINT」がたまる・使う機会を増やすことでサービス価値向上。各種リテール商品の新たな販路開拓を推進する。東武グループはデジタル市場での収益をグループ収益の柱の1つとして捉えている。「TOBU POINT」アプリとの連携によるデータ価値の最大化を図り、便利で魅力的なサービスを推進していく。

    石居 岳

    コメリがホームセンター通販「コメリドットコム」にEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」を導入

    3 years 2ヶ月 ago

    コメリは、ホームセンター通販サイト「コメリドットコム」に、EC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」を導入した。

    絞り込み項目の変更、関連商品情報の表示を実装

    「コメリドットコム」は、暮らしに役立つ総合ホームセンターとして、さまざまな分野の商品を取り揃え、リーズナブルな価格で提供する通販サイト。

    電動工具、家具・照明など、商品の種類に合わせて絞り込み項目が自動で切り替わり、スペックや使用目的に合わせた検索を実現する。

    コメリ コメリドットコム ZETA SEARCH 絞り込み機能 商品の種類に合わせて絞り込み機能が自動で切り替わる
    商品の種類に合わせて絞り込み項目の変更が可能に

    また、商品検索時、サジェスト内に検索結果だけでなく「商品名」「カテゴリ」を掲示し、探している商品や関連情報をスムーズに探せるようサポートする。

    コメリ コメリドットコム ZETA SEARCH 商品や関連情報をスムーズに探せる
    入力文字から関連商品情報を表示する

    「ZETA SEARCH」とは

    ECサイト内の検索における「絞り込み」「並び替え」の設定の自由度・柔軟性を追求したEC商品検索・サイト内検索エンジン。

    キーワード入力時のサジェスト機能や、もしかして検索、ドリルダウン式の絞り込み、事前に検索結果の該当数を表示するファセットカウントなど、多数の検索機能を有している。

    JRE MALL ZETA SEARCH サイト内検索 EC商品検索
    「ZETA SEARCH」の基本機能(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)
    藤田遥

    楽天の国内EC流通総額は12.3%増、アマゾン日本事業の売上高は5.7%増。勢いはどっちにある?【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

    3 years 2ヶ月 ago
    ネットショップ担当者が読んでおくべき2023年2月13日~2月19日のニュース

    楽天の通販事業は順調に成長しているようですね。一方アマゾンの日本事業はひと桁成長にとどまりました。楽天がこのままの勢いで伸びていくのか、アマゾンが巻き返すのか、今後の両社の動きが気になります。

    モバイルの赤字が目立つけれど、ECは順調に成長しています

    楽天、国内EC流通総額は12.3%増の5.6兆円 三木谷浩史社長「アマゾンより良い」と見解 | 日本ネット経済新聞
    https://netkeizai.com/articles/detail/8101

    楽天グループ(楽天)の2022年12月期における国内EC流通総額は、前期比12.3%増の5兆6301億円だった。コロナ禍の需要拡大が収まりつつある中、引き続き高い成長を維持している。三木谷浩史社長は、「アマゾンは公表していないが、(国内EC流通総額は)われわれの方が良いと推測している」と語る。

    アマゾン日本事業の売上高は約3.2兆円、ドルベースは243億ドル(前期比5.7%増)【Amazonの2022年実績まとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/10620

    全体の流通総額のうち第三者による販売は6割程度、手数料収入は平均して第三者販売額の約10%という推定を前提に、円ベースの売上高から「Amazon.co.jp」の流通総額を算出すると6兆円程度に達していると推測される。

    Amazonの流通総額は推定になりますが、楽天とAmazonの流通総額はあまり差がなくなってきているようです。楽天の国内EC流通総額は前期比12.3%増、Amazon日本事業の伸び率は前期比5.7%増。こちらの記事を見るとAmazon全体や他の国と比較してもAmazonの日本事業は伸びが鈍化しています。となると、三木谷氏が話すように楽天がリードしている可能性もあります。

    楽天はモバイルの赤字ばかりがクローズアップされていますが、通販に関しては順調に成長しています。送料無料ラインの設定、SKUプロジェクト、配送品質向上制度などAmazon並みの便利さに近づくためのプロジェクトも確実に進んでいるので、Amazonがどのように対抗してくるのかがポイントになってきそうです。

    関連記事
    楽天グループの流通総額は12%増の5.6兆円、ファッション事業は1兆円を突破【2022年国内ECの業績まとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/10650

    今週の要チェック記事

    消費者委員会、ECのチャット勧誘に「新たな規制」求める声 電話勧誘販売との類似性を指摘 | 日本ネット経済新聞
    https://netkeizai.com/articles/detail/8096

    第11回 デジタル化に伴う消費者問題ワーキング・グループ | 内閣府
    https://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/digital/011/shiryou/index.html

    チャットというよりもSNSのDMやLINEでの勧誘の規制です。Web接客ツールのチャットはどうなるのでしょうか?

    ヤフーは「楽天市場」「Amazon」よりも売上を伸ばしやすい? 専門コンサルが伝授する「Yahoo!ショッピング」攻略法 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/10592

    まずは検索対策。とはいっても独自の仕様なのでそこを理解してから。

    広告運用の視点で考えるASPカートの選び方。ECサイト運営者におすすめはコレだ! | キーワードマーケティング
    https://www.kwm.co.jp/blog/recommended-cart-system/

    作りやすさ、管理しやすさなどカート選びは色々な目線がありますね。関係者に確認してから決めないと危険。

    自社サービスをShopify Hydrogenに移行しました | non-standard world
    https://www.non-standardworld.co.jp/26109/

    「早く行きたければLiquidでいけ、遠くへ行きたければHydrogenでゆけ」。将来の成長を考えているのなら「Hydrogen」とのこと。

    辻正浩氏が語る、SEOに携わる者の責務と未来 | Marketeer
    https://marketeer.jp/tsuji/

    話題の「ChatGPT」などについても言及しています。自社ECの人は読んでおかないといけない記事です。

    ふるさと納税の返礼品経費、138市町村が基準を超過…「寄付の5割以下」守られず | 読売新聞オンライン
    https://www.yomiuri.co.jp/national/20230215-OYT1T50326/

    送料、仲介サイトの手数料、ポイント負担が要因とのこと。

    【コンバージョンUPのヒント】価格、送料無料、返品、配送、コミュニケーション手段など商品購入につながるECの要素とは? | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/10652

    アメリカでは相変わらず「最安値の商品であることと、送料無料であること」。

    今週の名言

    名古屋&富山セミナーレポート&体制作りについて考えたこと | コマースデザイン
    https://www.commerce-design.net/blog/archives/5682

    相手を糾弾するのは簡単だけど、かたくなになるだけなので、まずは自分からガードを下げるのが大切だと思います。

    正しいことを正しく伝えてもうまくいかない時ってありますよね。自分が相手を理解しようとすれば、相手も理解しようとしてくれるはず。

    筆者出版情報

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    森野誠之 著
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    森野 誠之

    オルビスが流通センターに導入した最新のAMR(自律走行搬送ロボット)とは?

    3 years 2ヶ月 ago

    オルビスは、オルビス東日本流通センターの直営店舗・BtoB向け出荷ラインを刷新し、重量計を搭載した独自開発のAMR(自律走行搬送ロボット)を16台導入した。2023年2月20日から本格稼働している。

    最新のAMRと人の動きを高度に連携

    オルビスの直営店舗・BtoB卸し先向け出荷作業は、約500品目のなかから1オーダーあたり平均約20品目・約100ピース(サンプル含む)を出荷している。

    従来は、4拠点分のオーダーが割り当てられた重量計付きカートを人が1台ずつ手で押しながら、当該商品が保管されている棚に移動し、ピッキングを行っていた。

    導入したAMRは1台につき4拠点分の出荷データを受信すると、自動的に最適なルートで棚の間を人や物にぶつからず安全に巡行、注文があった複数の商品棚を移動する。すべての注文商品が揃った後、発送ステーションまで商品の入ったケースを自動で運ぶ。棚から商品をピッキングしてケースに入れる工程については、人が実施する。

    また、AMRに重量計を組み込むことで、ピッキングと同時に重さによる検品を即座に実施。別工程での検品なしで高い精度のピッキングを完遂することが可能になった。

    オルビス 物流 AMR 自律走行搬送ロボット 効率化 省人化 生産性向上
    オルビスが新たに導入した、独自開発のAMR(自律走行搬送ロボット)

    AMRはパートナーである物流企業の流通サービス、マテリアルハンドリング企業の椿本マシナリーが、製造元のフォワードエックスと協働し、新たに開発したもの。組み込んだ重量計は、重量計付きカートピッキングで実績のある寺岡精工製のものを採用している。

    通販出荷ライン「T Carry System」の基本コンセプト「4つのない」を踏襲

    全体的なシステム設計にあたっては、2020年に実施した通販出荷ライン「T Carry System」のコンセプトである「4つのない(作業者を「歩かせない」「待たせない」「持たせない」「考えさせない」)」を踏襲。

    自律走行するAMRと、ケースに商品を入れる人の動きを効率よく連携させるために、商品保管棚スペースをゾーン化、ゾーンごとにピッキングの作業者を配置した。さらに、作業者は次にピックすべき商品と棚の位置情報が表示されるウエアラブル端末を腕に装着する。

    これらの工夫により、旧出荷システムに比べ、同じ出荷能力に対して人員は25%削減、売上高に対する出荷作業費比率は約10%削減できる見込み。また、作業者がカートを押して長い距離を歩かなくて済むため、作業負荷の低減が期待できるという。

    藤田遥

    「メタバースは大きなビジネスチャンスになる」「先行者利益を得るなら2023年がカギ」。アダストリアが語るメタコマースの可能性と描く未来

    3 years 2ヶ月 ago
    アダストリアは新たなマーケットとしてメタバース市場に注目。EC業界の“メタコマース”を先導している。メタバース市場の魅力や取り組み、将来像をアダストリアのメタバースプロジェクトマネージャーに聞いた

    「グローバルワーク」「ローリーズファーム」などのアパレルブランドを手がけるアダストリアが、新たなマーケットとして注目しているのがメタバース市場。アパレルのデジタルコンテンツ販売、ユーザーとのコミュニケーションなど、EC実施企業のなかでもメタコマースで一歩先を行く。

    メタバース市場の魅力と取り組み、将来に向けた構想をアダストリアのメタバースプロジェクトマネージャー島田淳史氏にインタビュー。「メタバースに関心があるが進出に踏み切れず、迷っている」という事業者に向けた、新規参入で成功をつかむためのポイントも聞いた。

    ネットショップ担当者フォーラム 2023 冬~ECサクセスストーリー大集合~」に島田氏が登壇。メタバースでの取り組みや可能性などについて解説します。

    なぜアダストリアがメタバースに挑むのか?

    島田氏によると、アダストリアがメタバース事業に取り組む理由は大きく次の3つだという。

    • 新たな顧客接点の創出
    • メタバース事業の収益化
    • 顧客に新たな付加価値を提供する

    メタバースをアダストリアのブランドが新たな顧客と出会う機会とし、収益化を推し進めている。付加価値としては「.st」独自のポイント付与制度を提供。将来的には、「自分がリアルで購入した洋服をメタバース上のアバターにも着させることができる」といったインセンティブも計画しているという。

    仮想空間たるメタバースは「近未来的」「すごく新しいもの」と見られることが多いが、実のところ、既存のSNSと大きな違いはないと思っている。Facebook、Twitter、Instagramをそれぞれ楽しむユーザーいることと同じように、メタバースを利用するユーザーがいる。そして、メタバースの利用者は今後、もっと増えていくと思う。

    FacebookとInstagramのユーザー層は大きく違うように、メタバースのユーザー層もそれぞれのプラットフォームで違いがある。たとえば、30代のユーザーが多いメタバースプラットフォームには、ブランドは「グローバルワーク」がユーザー層に合う。このように、メタバースにおいても顧客のターゲティングが肝心だといえる。(島田氏)

    アダストリア メタバースプロジェクトマネージャー 島田淳史氏
    アダストリア メタバースプロジェクトマネージャー 島田淳史氏

    アダストリアのメタバース事業の取り組みをおさらい

    アダストリアは2022年7月にメタバースファッション領域に参入。同社は2026年度を最終年度とした中期経営計画でEC売上高800億円をめざしており、メタバースはデジタルの顧客接点を拡大・強化していく戦略の一環だ。

    現在、アダストリアは「.st」オリジナルのアバターとスキン(洋服)の販売を展開。アバターの「枡花蒼(ますはな あお)」と「一色晴(いっしき ひより)」が人気を博している。国内だけでなく、アジア圏など海外在住の顧客からの引き合いも多いという。

    アバターとスキン(洋服)の販売状況は、発売した2022年10月からの3カ月間で、スキン(洋服)が6割近くを占めた。キャラクターの人気だけにとどまらず、バーチャル上の洋服の購買行動に結び付いていることから、アダストリアは新たなファッション市場創出の先駆けとなっている。

    アバターだけでなく洋服もちゃんと売れているということは、ユーザーがメタバース上でちゃんと“着替えている”ということ。メタバースの中でファッションが成立することを意味している。この領域でのビジネスチャンスは大きいと思う。(島田氏)

    「.st」オリジナルアバターの枡花蒼【右】と一色晴。アダストリアのブランドを身に着けている。アバターはVRChatに対応する
    「.st」オリジナルアバターの枡花蒼【右】と一色晴。アダストリアのブランドを身に着けている。アバターはVRChatに対応する
    キャラクターの人気だけにとどまらず、メタバース空間における洋服の購買行動がみてとれる
    キャラクターの人気だけではなく、メタバース空間から洋服の購買につながっている

    2022年の11月には、メタバースでの購入機会拡大のため、VRChat Inc.が運営するバーチャルショッピングモール「Carat(カラット)」に出店。2023年3月にはメタバース上でファッションコンテストの開催を予定している。

    将来的には、さまざまなメタバースプラットフォームへの展開、メタバース内でのコンテンツ提供、イベント開催、IP(intellectual property、知的財産のこと)などの展開を予定しており、各事業者や個人のクリエイターとの連携も進めている。

    どうすればメタバース商流で“勝ち馬に乗る”ことができるのか?

    島田氏にメタバース空間でファッションの購買行動を促すために、抑えておくべきポイントを聞いた。島田氏によると、「ユーザーが自分のアバターを“誰かに見てもらう”環境を創ること」と「メタバース上で“出掛ける場所”を作り、オシャレをする機会を創ること」の2点があげられるという。

    現実と一緒で、オシャレをして出かける機会があることは、新しい洋服を買うきっかけいになる。メタバース上でのファッションショーや、仲間との集まりなど、“見られる”機会を創出することも同様だ。当社はメタバースの中で洋服を売るだけではなく、着る機会を創ることも肝心だと考えている。(島田氏)

    島田氏は「現実と同じように、自分(のアバター)の洋服をほめてもらえるのはうれしいこと」だと指摘
    島田氏は「現実と同じように、自分(のアバター)の洋服をほめてもらえるのはうれしいこと」だと指摘
    誰かに“見られる”機会となるファッションショーもメタバース上での洋服の購買行動を後押しする
    誰かに“見られる”機会となるファッションショーもメタバース上での洋服の購買行動を後押しする

    ファッションアバターの資産拡大に向けた「3つのフェーズ」とは?

    ファッションアバターがメタバース市場で存在感を増していくためには、3つのフェーズがあるという。その内訳は次の通り。

    • モノ売り:「どのようなマーケティング手法をとればアバターが売れるか」を推し進めるフェーズ。既存のブランドと絡めた商品販売といえる。島田氏は「マーケティングノウハウが重要」と説明。アダストリアは2022年にこのノウハウを蓄積した。
    • コト売り:エンゲージメントを高める体験を提供するフェーズ。2023年、アダストリアは2023年は「コト売り」を拡大するべく、メタバースにおける“体験の場”をつくることに力を入れる。
    • カチ売り:自社が培ったノウハウをもとに、事業者との協業やメタバース関連サービスの提供を行うフェーズ。消費者(toC)だけにとどまらず、事業者(toB)からの収益も獲得できるようになる。
    アダストリアは今年、エンゲージメントを高める体験の充実に力を入れていく
    アダストリアは今年、エンゲージメントを高める体験の充実に力を入れていく

    アダストリアでは、メタバース上でユーザー同士が集まる“集会”が毎日のように開かれているという。“集会”では、ユーザー自身がデザインしたスキン(洋服)を見せ合うことも多い。

    メタバース上で自分のアバターを買って、自分の好きな色に髪型を変えたり、服を着飾る……といった行動は、日常生活で普段行っていることと同じ。みんなが着飾っているメタバース上の集会に、デフォルトのアバターのままで参加すると『恥ずかしい』という気持ちになることすらある。メタバースはリアルの感覚と地続きにある。(島田氏)

    めざす未来は“メタバースと日常生活の共存”

    「メタバースといえばアダストリアだよね」。こう言われるようになることが島田氏の目標だ。消費者からも事業者からも広く認知を獲得し、収益化に努めていく。

    近い将来、メタバースが当たり前のように日常生活に組み込まれる未来がくると思っている。

    たとえば、朝起きてからメタバース空間でエクササイズ、友人とメタバースランチ、メタバースと空間で同僚と会議、メタバース内の食料品スーパーで買い物、自宅からメタバース内でのアーティストライブにログインして楽しむ……というように。

    食料品スーパーでは実店舗と同じように「ついで買い」が期待できるし、エンターテインメントは会場に移動する労力や人数制限の制限がなくなる。(島田氏)

    島田氏はメタバースならではの利便性を多くあげている
    島田氏はメタバースならではの利便性を多くあげている

    アダストリアがめざす、メタバース事業における今後のマイルストーンは次の図の通り。2024年下期までに、先述の「カチ売り」のフェーズまで推し進める方針だ。

    2024年までを見据えたメタバース事業の拡大を計画している
    2024年までを見据えたメタバース事業の拡大を計画している

    メタバース領域におけるアダストリアのビジネスモデルは、①アパレル ②イベント ③制作受託 ④企業アライアンス ――の4つ。この4つの軸から収益化を図る。アダストリアはメタバース業界で力を発揮できるクリエイターの育成にも力を入れている。

    4つのビジネス案で収益化をめざす
    4つのビジネス案で収益化をめざす

    メタバース参入に足踏みしている事業者は相談を

    「メタバースの参入に興味があるが、資金的に体力のある企業でないと運営が難しいのではないか」「やってみたいが、自社だけでメタバース事業を自走させるのは不安がある」――。このような悩みをもつ人は、「ぜひ声を掛けてほしい」と島田氏は呼び掛けている。

    大きな金銭的負担をしなくても、メタバースに参入するやり方はたくさんある。これまでの当社の取り組みを踏まえてアドバイスすることができるし、場合によっては協業も前向きに考えていきたい。(島田氏)

    島田氏はメタバース事業に関心がある事業者に自社への声掛けを呼び掛けている
    島田氏はメタバース事業に関心がある事業者に自社への声掛けを呼び掛けている
    高野 真維

    【今日開催】チュチュアンナ、タナベスポーツ、柳田織物などが語るファン作り、EC成功の秘訣(全13講演のイベント見どころ)

    3 years 2ヶ月 ago
    チュチュアンナのデータ活用術、タナベスポーツのCRM成功の極意などECの成功施策を学べる「ネットショップ担当者フォーラム 2023 冬」を2月21日(火)に開催。全13講演すべて視聴は無料

    本日(2/21)開催の「ネットショップ担当者フォーラム 2023 冬~ECサクセスストーリー大集合~」では、チュチュアンナ、アダストリア、ファンケル、味の素、ロート製薬、ベガコーポレーション、花王など、通販・EC業界で大きな存在感をもつ有名企業が登壇。

    「社内一体となってPDCAを回すチュチュアンナのデータ活用術」「味の素、ロート製薬、花王が語るメーカーECの壁と乗り越え方」などのテーマについて、企業の責任者などが講演します。13講演すべて「無料」で視聴できます。

    まだお申し込みをしていない方のために、13講演のなかから編集部おすすめの講演の見どころをご紹介します。

    ネットショップ担当者フォーラム 2023冬

    見どころ⑧ チュチュアンナのデータ活用術、タナベスポーツ&OZIEが語るCRM成功の極意、新作ヒット率30%UPのD2Cブランドがめざすブランドづくりなど

    アプリ経由の売上50%超え!
    社内一体となってPDCAを回すチュチュアンナのデータ活用術
    15:00~15:40 A-5 講演

    国内に約250店舗を展開しているチュチュアンナは、ファンを大切にする取組みを重要視されています。アプリ経由のEC売り上げは50%を超え、ロイヤリティが高い顧客が増えている中で、一体どんな取り組みを社内で行っているのか? 顧客設計から実行まで行う、デジタルマーケティング部マネジャー西岡氏がお話します。

    株式会社チュチュアンナ デジタルマーケティング部 マネジャー 西岡 和也 氏
    株式会社チュチュアンナ デジタルマーケティング部 マネジャー 西岡 和也 氏
    株式会社ヤプリ マーケティング部 神田 静麻 氏
    株式会社ヤプリ マーケティング部 神田 静麻 氏

    タナベスポーツ&OZIEが語るCRM成功の極意
    〜LTV最大化戦略から具体策まで3社特別対談! 〜
    15:00~15:40 B-5 講演

    EC通販の中でもスキー用品・アパレルなど多品種を扱う総合通販において、CRMツール「アクションリンク」をうまく活用している2社が登壇し、CRMについてどのような考え方で具体的にどのような取り組みをしているのか、成功されたお話だけにとどまらず過去の失敗談や今後の展望なども交え詳しくお話します。

    これから自社ECのリピーター対策に力を入れたいという方だけでなく、今現状CRMを推進しているがうまく行っていない方、さらに成果を出していきたい方まで幅広い方におすすめのセッションです。

    株式会社シンタ 代表取締役/株式会社タナベスポーツ 取締役副社長 徳永 薪太郎 氏
    株式会社シンタ 代表取締役/株式会社タナベスポーツ 取締役副社長 徳永 薪太郎 氏
    株式会社柳田織物 代表取締役 柳田 敏正 氏
    株式会社柳田織物 代表取締役 柳田 敏正 氏
    株式会社アドブレイブ 取締役 執行役員 CRMプロダクト責任者 中村 隆嗣 氏
    株式会社アドブレイブ 取締役 執行役員 CRMプロダクト責任者 中村 隆嗣 氏

    V字回復の鍵は「コミュニティ」
    〜新作ヒット率30%UPのD2CブランドRiLiが目指すN:Nのブランドづくり〜
    16:00~16:40 A-6 講演

    メディアから誕生したD2Cブランド「RiLi」は、オープンと同時に順調に成長を遂げていましたが、2021のコロナをきっかけに、売り上げが低迷した時期がありました。近年言われているD2Cブランドの成長し続けることの難しさに、RiLiも直面したと言います。

    「『RiLiっぽさ』を大事にしてきたつもりだったが、いつの間にか形態化してしまっていた」と語るRiLi取締役の岩片氏。その成長の壁を乗り越え、V字回復が出来た施策の裏側、そして、今後どうスケールをめざすのかの展望についても、お話しします。

    株式会社RiLi 取締役 岩片 悠真 氏
    株式会社RiLi 取締役 岩片 悠真 氏
    Shopify Japan株式会社 シニア・カスタマーサクセス・マネジャー 森谷 知弘 氏
    Shopify Japan株式会社 シニア・カスタマーサクセス・マネジャー 森谷 知弘 氏
    ネットショップ担当者フォーラム 2023冬

    「ネッ担 Meetup vol.3」(オンライン懇親会)を開催!

    2月21日(火)18:30~20:30に、先着100人限定で、登壇者や参加者と情報交換ができるオンライン懇親会を実施。参加賞や豪華賞品(家電製品、化粧品セット、食品など)が当たるプレゼント抽選会も開催します!

    ネットショップ担当者フォーラム2023冬 ネッ担Meetup オンライン懇親会
    ネットショップ担当者フォーラム編集部

    STORESが「Googleで集客」機能を提供開始。ネットショップの集客を支援

    3 years 2ヶ月 ago

    STORESは、ネットショップ開設サービス「STORES」でECサイトへの集客を支援する「Googleで集客」の提供を開始した。

    「Googleで集客」機能とは

    保有しているGoogleアカウントを「STORES」と連携することで、「Google Merchant Center」と連携。「STORES」に登録している商品情報が毎日自動でGoogleに連携され、Googleの「無料リスティング」枠に自社の商品を掲載できる。

    商品情報の連携が効率化でき、費用面で広告運用を見送っていた事業者も無料でGoogle サービス上に商品を掲載することが可能になり、露出の強化が期待できるという。

    STORES Googleで集客 広告運用
    STORESが開始した「Googleで集客」機能。「STORES」の全プランが対象

    今後、「Googleマップへの露出を強化」「STORES管理画面からの広告出稿」など、オムニチャネルへの対応を支援する追加機能を提供する予定。

    藤田遥

    ecbeing、「LINEミニアプリ部門」のパートナーに認定

    3 years 2ヶ月 ago

    ecbeingは、LINEが提供する各種法人向けサービスの販売・開発パートナーを認定する「LINE Biz Partner Program」の「Technology Partner」において、「LINEミニアプリ部門」のパートナーに認定されたと発表した。

    「Technology Partner」は個人・法人向けアカウントサービス「LINE公式アカウント」・運用型広告「LINE広告」・LINEを活用した店頭販促ソリューション「LINEで応募」を中心とした広告商品とAPI関連サービスの導入において、技術支援を行うパートナーを認定する制度。

    「LINEミニアプリ部門」では、「LINEミニアプリ」のサービス導入実績、アクティブに活用されている店舗数を基準に認定される。認定パートナーは、開発・審査に関する個別相談や限定・先行機能の案内が受けられる開発サポート、LINEの各種メディアで露出されるマーケティング支援、企業の「LINEミニアプリ」導入時の補助金支援、代理店との営業連携などの特典を受けることができる。
        
    ecbeingは2021年から、EC事業者向けにLINEミニアプリの提供・導入支援を開始。ECサイト構築パッケージ「ecbeing」を導入しているEC事業者は、簡単にLINEミニアプリを導入できるようになった。

    ecbeingが提供するLINEミニアプリを導入すると、①会員登録②LINE公式アカウントへの友だち追加③LINEアカウントに紐づいたユーザーデータの取得――といったライトユーザーとの接点を手軽に構築することが可能。

    LINEアカウントと会員ID連携ユーザーへのセグメント配信、そのセグメント配信をマーケティングオートメーションに活用できるようになる。

    ecbeingは、LINEが提供する各種法人向けサービスの販売・開発パートナーを認定する「LINE Biz Partner Program」の「Technology Partner」において、「LINEミニアプリ部門」のパートナーに認定されたと発表
    ecbeingが提供する「LINEミニアプリ」オプション

     

    瀧川 正実

    注目を集めるEX(従業員体験)とは? EXを高める方法や効果を事例を交えて解説

    3 years 2ヶ月 ago
    従業員の満足度、エンゲージメントを高めることを目的としたEX。日本企業に応じたEXとはどのようなものでしょうか?

    従業員の満足度やエンゲージメントを最大限高めることを目的とするEX(Employee Experience:エンプロイーエクスペリエンス)。日本語では「従業員体験」と訳され、経験を通じて従業員が感じたこと、考えたことなどの心理的・感覚的な側面もEXに含まれます。しかし、日本ではまだEX向上による効果がきちんと理解されていないのではないでしょうか。EXについて、事例を交えて解説します。

    日本企業の働き方に応じたEX向上をめざす

    海外では既に多くの企業がEXを高める施策や専門部署を設置するなど、積極的に取り組んでいます。2017年に行われた「Harvard Business Review」の調査では、EXを充実させるために投資をしている企業の方が、投資していない企業に比べて4倍もの利益を創出しているという結果も出ています。

    GoogleやFacebookなどの企業では、すでにEXを高める施策を取り入れています。

    一方、日本では「EX=福利厚生の充実」と解釈されることもあり、EXの定義とEX向上による効果がまだきちんと理解されていないと言えます。

    もちろん、米国と日本ではそもそも働き方や就労への意識が異なります。パーソル総合研究所が行った調査では、日本は諸外国に比べて、社会人になってからの成長意欲が低いという結果が出ているのです(参考:パーソル総合研究所、日本の「はたらく意識」の特徴を国際比較調査で明らかに 国際競争力低下の懸念。日本で働く人の46.3%が社外で自己研鑽せず)。

    EX 従業員体験 パーソル総合研究所 勤務外で行っている学習や自己啓発について
    勤務外で行っている学習や自己啓発について(画像は「パーソル総合研究所」のサイトからキャプチャ)

    こうした結果も踏まえると、入社後の従業員の成長、やりがいなど体験に重きを置く企業が少ない点も理解できるところです。であるならば、日本企業の働き方に応じて、日本に合ったEX向上をめざすことが、日本の生産性向上への近道だと言えるでしょう。

    オフィスの設備機能向上、1on1実施など安心して働ける環境作りを

    ではどのように向上させるのが良いでしょうか。EXを向上させるための施策として、一般的に次のようなものが知られています。

    • 設備などによりオフィス機能を向上させ、働きやすい環境を構築する
    • ITツール導入などで作業の効率化を実現し、働く時間(残業時間)を削減する

    たとえば、オフィスにフリーアドレス制を導入したことでコミュニケーションが活発になる、紙を印刷し印鑑を押印していた作業をデジタル上で完了する、などが思い浮かびます。その他にも、

    • 新入社員のオンボーディングを強化し、人間関係も含めて職場に早く馴染めるようにする
    • 1on1の実施により、会議や通常業務内ではわからない個人の課題解決をサポートする

    などもEX向上の施策としてあげられます。いくら業務の遂行だけが順調に行えても、周囲との人間関係などによって人の感情は左右されてしまうからです。

    自分の評判や地位を損なうリスクを低減し、自分の考えや感情を共有できるようにする。心理的安全性が確保された環境を準備することも、従業員の体験を向上させます

    このように、EXの向上には働き方や業務面だけでなく、感情の側面もあるのです。

    正当に評価し、適切な報酬を還元する

    しかし「それよりもまずは給料をあげて欲しい」と思う人もいるのではないでしょうか。

    働きを正当に評価し、報酬など適切な形で還元する」ということも、EX向上の重要な施策の1つです。しかし先述の通り、雇用が守られており雇用の流動性が低い日本企業は、給与を上げることに二の足を踏んでしまう傾向があります。

    そうしたなかでも成功している一例として、成功報酬の還元があげられます。成功報酬というと、保険や住宅販売を思い浮かべがちですが、販売員という職種にも報酬の還元が始まりつつあります。

    スタッフの貢献度を可視化&報酬制度でCVRが最大300%アップした企業も

    たとえば、「ナノ・ユニバース」「ROSE BUD」を展開するTSIでは店舗スタッフを主役としたEC戦略(スタッフコマース戦略)を実施しています。そのなかで、オンライン接客とそのスタッフの貢献度が可視化できるように、スタッフDXツール「STAFF START」を導入しています。

    結果として、導入から約半年間でCVRは最大300%増加、客単価は平均110%アップと大きく効果を発揮しました。

    EX 従業員体験 ナノユニバースのスタッフコーディネート TSI EX向上の事例
    「ナノ・ユニバース」のスタッフコーディネート(画像は「ナノ・ユニバース」サイトからキャプチャ)

    2021年10月に実施した実証実験では、報酬還元の効果を検証しています。

    約1000人の店舗スタッフを対象に、「STAFF START」を経由したECの売り上げの3%を還元する報酬を設定したところ、「STAFF START」経由の売り上げが大幅に増加したのです。約400人が通常の月給に加えて報酬受け取り、なかには最高13万円の報酬を得られたスタッフもいたそうです。

    本実証実験の特徴は、スタッフの貢献度と売り上げの連動が目に見えてわかる点です。EX向上の施策はいくつかありますが、実際に業績とどのように連動しているのかがわかりにくい側面があります。

    そのため、成果以上の投資をしてしまったり、従業員に響いていない施策をいつまでも続けてしまったりすることもあるかもしれません。一方TSIの実証実験では、「ECの売り上げの3%を還元」という方法を採用したこともあり、従業員にとってプラスになる報酬UPと売り上げ増加が連動しています。

    販売職の収入アップというインパクトも

    設計次第で、報酬による還元は売り上げや利益と連動させることができるのです。一番後回しにしがちですが、業績に大きなインパクトを与える方法の1つだといえます。

    加えて、販売員という職種がインセンティブにより収入を上げられるようになったことも大きなインパクトがあります。たとえば、アパレル販売員の平均年収は約310万円と、全職種平均の約414万円と比較して25%ほど低い水準です(参考:賃金構造基本統計調査 / 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 ※「きまって支給する現金給与額」の平均×12か月で計算

    給与水準が低い職種でもインセンティブにより収入を上げられるようになり、それが企業の業績にも影響を与えられる可能性が出てきました。幅広い業種で応用の効く、EX向上の施策であるといえるのではないでしょうか。日本流のEX向上の一例として抑えておきたい事例です。

    参考:WiSTANT「Employee Experience (EX)とは? 従業員体験の必要性と実践方法!」

    井澤 梓

    かっこ、バリュークリエーションと資本業務提携。ネット広告詐などのアドフラウド対策に取り組む

    3 years 2ヶ月 ago

    かっこは2月15日、Webマーケティングのバリュークリエーションと資本業務提携したと発表した。

    ネット広告詐欺、アフィリエイト報酬目的の不正クリックといったアドフラウド対策、データサイエンスサービスを活用した新たな取り組みなど、幅広いサービス展開に取り組む予定。

    2023年2月15日からかっことバリュークリエーションが資本業務提携した。両社の強みを生かしたサービス展開に取り組む
    2月15日に資本業務提携した

    かっこの岩井裕之CEOは、バリュークリエーションとの資本業務提携について次のようにコメントしている。

    かっこがこれまで培ってきた不正対策におけるノウハウやデータサイエンスの技術と、バリュークリエーションが展開するマーケティング分野は、データを活用し、業務の自動化やさらなる精度向上をめざす点において、親和性が高いと考えている。今回の業務提携をきっかけとして、お互いのビジネス領域の拡大とさらなるサービスにおける研究開発を今後も進めていく。

    知っておきたい! 不正なインターネット広告の実情は?

    インターネット広告市場が成長を続けるなか、世界広告主連盟WFA(World Federation of Advertisers)によると、アドフラウド(なりすましやbotなどの不正なクリックによって、広告費用に対する成約件数や効果を水増しするような不正なインターネット広告の総称)による被害総額は、2025年までに約500億ドル(約5兆4188億円)まで増加すると予測されている。

    アドフラウドで得た資金は、反社会勢力の資金源となるケースもあり、日本国内でも総務省より「デジタル広告デジタル市場競争会議最終報告」(2021年4月)にて対策の方向性について検討がなされるなど、社会的問題になっている。

    高野 真維
    確認済み
    31 分 26 秒 ago
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