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山田養蜂場はなぜ「コロナ予防」の表示に突き進んだのか?景表法違反で措置命令を受けた背景 | 通販新聞ダイジェスト

3 years 3ヶ月 ago
山田養蜂場が景品表示法の措置命令を受けた。山田養蜂場の初歩的な誤りに業界関係者からも厳しい指摘が相次ぐ。命令に至る背景には何があったのか、〈上〉〈中〉〈下〉の3本構成でひもとく

山田養蜂場が景品表示法の措置命令を受けた。消費者庁は新型コロナウイルスの感染拡大以後、対策をうたう商品に繰り返し注意喚起してきた。初歩的な誤りに業界関係者からも厳しい指摘が相次ぐ。命令に至る背景には何があったのか。

「脇が甘いとしか言いようがない」。リスク認識の甘さに呆れの声

山田養蜂場はなぜ「コロナ予防」の表示に突き進んだのか?景表法違反で措置命令を受けた背景
消費者庁からの措置命令を受けて山田養蜂場が発表した「お知らせ」

「やりすぎだ」。健康食品の表示に関わるものであれば、コロナ予防の表示リスクは「誰もがNGと認識できる」と業界関係者も呆れる。

消費者庁が新型コロナウイルスの対策をうたう商品を重点的に監視する中にあって、同社は「感染と重症化、どちらも予防したい……お客さまの声に応えて」「ビタミンDと亜鉛はともに新型コロナウイルス感染時の重症化を防ぐ可能性が研究報告されている」と、コロナに関連づけて自社商品をPRしている。

山田養蜂場はなぜ「コロナ予防」の表示に突き進んだのか?景表法違反で措置命令を受けた背景
【画像】消費者庁は2022年9月、山田養蜂場の「ビタミンD+亜鉛」「1stプロテクト」「2stプロテクト」に措置命令を実施。山田養蜂場はコロナに関連づけて自社商品をPRしていた(画像は消費者庁の公表資料から編集部がキャプチャ)

「明確に『予防』と言ってしまっている。一番注目されているところでやってしまった」「脇が甘いとしか言いようがない」と、業界内部からも擁護の声は聞こえない。

妥当性は評価できたはず。「サプリメント部会」部会長経験企業にもかかわらず――      

山田養蜂場は、消費者庁の求めに応じ、根拠資料を提出している。

処分対象になった「1stプロテクト」などに含まれるプロポリスエキスについて、飲用した新型コロナ患者の入院日数が約3日減少したとするものや、PCR検査陽性者が陰性者に比べ、血中のビタミンD濃度や亜鉛濃度が低かったとするもの、ローヤルゼリーが免疫機能を活性化するというものだ。

いずれも可能性だが、商品情報とともに顧客向けDMで紹介されている。薬機法にも抵触する可能性がある。

山田養蜂場はなぜ「コロナ予防」の表示に突き進んだのか?景表法違反で措置命令を受けた背景
【画像】ビタミンDや亜鉛の重要さを煽る文言を列記していた(画像は消費者庁の公表資料から編集部がキャプチャ)

広告の経緯について、「コロナ禍でお客さまから不安の声が多く届いていた。年配客も多く、エビデンスを探し役立つものを開発していた。お伝えしたい思いが行き過ぎた」(同社)とするが、業界は機能性表示食品制度の導入からすでに7年が経過する。

機能に関する根拠の評価の指標は示されており、妥当性は十分評価できたはずだ。加えて、同社は日本通信販売協会が2008年、通販大手8社を構成メンバーに発足したサプリメント部会で、2012年から部会長の重責も担っていた。

本来、事業者に範(もはん)を示すべき立場でもあった。

表示は巧妙に使い分け? コロナの脅威を煽る文言も

当該表示のリスクは自覚なく出されたのか。「違反の認識がないため出てしまったということになる。気を付けていたが、結果として不十分だった」(同社)という。ただ、処分対象の商品について行われた別の広告と見比べると、巧妙に使い分けているようにも見える。

「1stプロテクト」「2ndプロテクト」について、違反の指摘を受けていないLINE広告では、「負けない身体づくりに!」「万全の対策ができる」など具体性のない文言が並ぶ。

山田養蜂場はなぜ「コロナ予防」の表示に突き進んだのか?景表法違反で措置命令を受けた背景
「1stプロテクト」「2ndプロテクト」について、違反の指摘を受けていないLINE広告

一方、違反認定を受けたDMでは、新型コロナの脅威を煽った上で、同様の文言が「『免疫力』をサポートし、負けない身体づくりを!」「コロナ時代を生き抜く対策を万全に」などと異なるトーンで訴求されている。

広告は、制作部門が販売企画関連の部門や自社研究所に確認して作成していた。社内に品質保証や法務関連の部署もあるが、内容の確認は部署内にとどまり、部外者の確認を経ることがなかったという。

今後は外部の専門家など第三者によるチェック体制を強化。「広告は媒体考査があるが、プレスリリースはチェックが甘い部分があった」(同)としてすべての表示物を対象に責任者の承認を得なければ配信できないよう変更するという。考査のないDMもチェックが甘かったとみられる。

ただ、処分は必然といえる。山田養蜂場には、今回の事態を前に立ち止まり、表示を見直す機会があったからだ。背景には、長年に渡りその不見識を正すことなく、助長してきた行政の不作為の問題もある。

山田養蜂場はなぜ「コロナ予防」の表示に突き進んだのか

「お客さまには、国によって保障された『知る権利』があります」。処分からさかのぼること10年、業界関係者の間で山田養蜂場のある宣言が話題になった。同社が会報誌「健やかに」の発行にあたり掲載したあいさつ文だ。

山田養蜂場はなぜ「コロナ予防」の表示に突き進んだのか?景表法違反で措置命令を受けた背景
山田養蜂場が同社が会報誌「健やかに」の発行にあたり掲載したあいさつ文。健康素材の情報を積極的に発信していくと表明した

これによると、同社は、これまで薬事法(現薬機法)に抵触することをおそれ、機能性の詳しい説明を避ける対応をしてきたという。

だが、説明責任を果たせていないと悩んだ末、健康素材の情報を顧客の求めに応じて「積極的に発信していく」と方針転換したという。

薬事法の趣旨を踏まえ、発信する情報は、「消費者が正しい判断をするために必要な情報」「自社の商品を対象にせず、一般的な健康素材の成分に関する情報」「信頼できるさまざまな研究によって、科学的に根拠が明確にされたもの」を条件にするとしている。

文面からは表示規制の現状を熟知した上で、景表法など規制法を避けて条件を設定し、判断したようすがうかがえる。

山田英生社長、業界の健全発展を決意表明の過去も

措置命令を受けた広告の掲載当時、山田養蜂場は日本通信販売協会サプリメント部会の副部会長だった。

協会は広告表示や安全性のチェック体制など「サプリメントの取扱いに関するガイドライン」の順守状況を把握する目的でサプリメント登録制を開始。

副部会長として山田英生社長も「規制撤廃など企業側の論理ではなく、消費者トラブルを起こす一部事業者を自主的に規制する」と、業界の健全発展にかける決意を表明している。

すでに機能性表示制度創設の機運も高まっていた。翌2013年には、政府の規制改革会議が成長戦略に健康食品の「機能性表示容認」を盛り込み、規制緩和は一気に進む。2015年に機能性表示食品制度が誕生した。

一方で、科学的根拠のない健康食品に対する規制は厳しくなった。2021年6月には、消費者庁が「コロナ予防」をうたう43事業者の49商品の表示を対象に健康増進法に基づく一斉監視・改善指導を実施。

「ビタミンDでコロナ予防」など処分で指摘を受けたものと同様の表示も対象だった。

ひとりよがりの信念、行き過ぎた情報発信

「伝えたい思いが行き過ぎた」(山田養蜂場)。会報誌の文面からも顧客に寄り添おうとする思いは伝わってくる。

ただ、根拠があいまいな健食があふれ疑念を抱く消費者もまだ少なくない中、これから信頼を獲得しようという業界にあって、ひとりよがりの信念に基づく情報発信はその妨げになる。

処分で指摘を受けた内容も自ら定めた情報発信の「条件」と整合性がとれるものではないだろう。

山田養蜂場はなぜ「コロナ予防」の表示に突き進んだのか?景表法違反で措置命令を受けた背景
措置命令の対象となった商品について、山田養蜂場が顧客向けのDMで掲載していた表示(画像は消費者庁の公表資料から編集部がキャプチャ)

同社が行政の指導に含まれるメッセージや、「条件」との不一致を知らなかったとは考えにくい。それだけではなく、同社にはより直接的に自らの表示を見直す機会もあった。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

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通販新聞

ZOZOの実店舗決済で「ZOZOBASE」から自宅に商品配送する新OMOサービス「顧客直送」とは

3 years 3ヶ月 ago

ZOZOは、OMOプラットフォーム「ZOZOMO」の新サービス「顧客直送」を11月24日に開始した。

実店舗で決済、「ZOZOBASE」から商品を自宅に配送

「顧客直送」は、ユーザーがブランド実店舗に来店した際、欠品している商品がZOZOの物流拠点「ZOZOBASE」にある場合、ユーザーが店頭決済することで商品を「ZOZOBASE」からユーザーの自宅に配送するサービス。

顧客直送 ZOZO ZOZOMO 商品欠品時、店舗で決済して「ZOZOBASE」からユーザーの自宅に商品を配送
来店時に商品が欠品していた場合、実店舗で決済し自宅に商品を配送する「顧客直送」

ユーザーが店舗来店時に商品が欠品している場合でも、各実店舗の売り上げとして「ZOZOBASE」で保管している在庫を販売することが可能になり、欠品による販売機会損失を軽減する。

導入時の初期投資、導入店舗数に応じた費用は発生しない。店舗に来店したユーザーが「顧客直送」を利用した際に利用料が発生する従量課金制を採用している。

「顧客直送」は、ショップスタッフの販売サポートツール「FAANS」を利用し、スマートフォンやタブレット端末上での簡単な操作で、「ZOZOBASE」の在庫確認・店頭決済・商品配送手配を完結できる。

2022年11月24日時点では、ZOZOが運営する自社ECのフルフィルメント支援サービス「Fulfillment by ZOZO」を導入しているブランドが対象。今後、未導入ブランドへの対応も予定している。

「顧客直送」の仕組み

「顧客直送」の仕組みは次の通り。

顧客直送 ZOZO ZOZOMO 顧客直送の仕組み
「顧客直送」の仕組み
  1. 「FAANS」上で「ZOZOBASE」に在庫があるブランドの商品一覧を確認(各店舗で取り扱っている商品ではなく、「ZOZOBASE」で在庫を保有しており、かつ「ZOZOTOWN」に出品している商品を表示)
  2. 購入商品を選択後、表示される店舗用のバーコードを使って店舗レジにて決済
  3. 配送先情報入力用の二次元コードを表示
  4. ユーザーがスマートフォンで二次元コードを読み取り、アクセス先のページから配送先情報を入力し、購入手続き完了
  5. 「ZOZOTOWN」の通常配送にて、指定した住所に配送(配送日指定、「あんしん置き配」は選択できるが、即日配送は選択不可)
藤田遥

オリックスがDHCを買収する背景とは/意識している経済圏トップは「楽天」【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

3 years 3ヶ月 ago
2022年11月18日~2022年11月24日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. DHC買収の背景と今後――売上1000億円企業を一代で築いた“カリスマ”吉田会長退任、オリックスは「再買収」か「育成」か?

    「通販」の黎明期からその可能性に着目し、独自の牙城を築いたDHC。オリックスには、新規株式公開を通じた資金回収、事業切り離しによる再売却、株式の長期保有で事業育成を図り、グループに取り込むなどの選択肢がある

    2022/11/21
  2. 「経済圏を意識してサービス利用する」は56%。意識している経済圏トップは「楽天」

    MMD研究所が行った「2022年10月経済圏のサービス利用に関する調査」によると、最も活用しているポイント上位は「楽天ポイント」「dポイント」「PayPayポイント」だった

    2022/11/18
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    2022/11/21
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    2026年2月期までにEC売上高800億円をめざすアダストリア。成長戦略の一環で進めているメタバースファッション領域の取り組みや方針とは

    2022/11/22
     
  5. サッカー専門店「サッカーショップKAMO」がリリースしたECサイト連動のアプリとは

    「サッカーショップKAMO」は、1968年創業のサッカー用品専門店。日本代表元監督・加茂周氏の弟が創業したトータルフットボールカンパニーである

    2022/11/22
     
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    ANAグループのサスティナビリティへの取り組み「ANAアップサイクルプロジェクト」の第1弾として、オンワード商事と商品開発した。客室の廃棄シートカバーをルームシューズに加工して数量限定販売した

    2022/11/18
     
  7. 【楽天グループ ヒットキーワード】「脱自粛関連消費」「レシ活」などを選出。2023年は「デジタルヘルス」「安近短な海外旅行」に期待

    楽天グループが2023年にヒットを期待するサービスを選出した「楽天グループ ヒット予測キーワード 2023」もあわせて発表した

    2022/11/22
     
  8. ギフティの2022年3Q売上は29%増。デジタルギフトの法人利用が大幅伸長、企業のDX化が後押しか

    ギフティの2022年1~9月期(第3四半期)は、売上高が前年同期比28.6%増、営業利益は同8.3%増となり増収増益だった。法人向け電子ギフトサービスの利用が進んでいる

    2022/11/21
     
  9. 自治体から熱視線! 寄付額の3割を現地で利用できる「PayPay商品券」がふるさと納税の返礼品に【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2022年11月14日~11月20日のニュース

    2022/11/22
     
  10. 「電子帳簿保存法の改正」に対する企業の対応状況は?【データ保存方法リスク比較表あり】

    2022年1月に「電子帳簿保存法」が改正。2年間の猶予期間を経て、電子取引における電子保存が完全に義務化される2024年までに、すべての企業はその仕組みを整備する必要がある

    2022/11/18
     

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    藤田遥

    相鉄グループがメタバースECに進出、XR技術活用の仮想空間上で店舗を開設

    3 years 3ヶ月 ago

    相鉄グループの相鉄ビルマネジメントと相鉄ステーションリテールは、メタバースECに参入する。新しい購買体験が目的。2022年11月25日から2023年1月31日、実証実験としてバーチャルショップを開設する。

    XR(クロスリアリティ)技術を活用した仮想空間上のバーチャルショップ「SOTETSU GOODS STORE」を開設。専用アプリをダウンロードすることなく、スマートフォンやパソコンのブラウザ上から買い物できるようにする。XRは、VR(仮想現実)・AR(拡張現実)・MR(複合現実)など、現実世界と仮想世界を融合して、新しい体験を作り出す技術の総称。

    外部のECサイトに移動せず、その場で購入が可能。商品の確認から購入、決済までがバーチャルショップ内で完結し、スムーズな購買体験ができる。

    相鉄グループの相鉄ビルマネジメントと相鉄ステーションリテールは、メタバースECに参入 「SOTETSU GOODS STORE」バーチャルショップのイメージ
    「SOTETSU GOODS STORE」バーチャルショップのイメージ

    相鉄グループの相模鉄道が相鉄本線 二俣川駅構内に出店し、相鉄グッズを取り扱う「SOTETSU GOODS STORE」二俣川の店内レイアウトや運転台などを、仮想空間上でリアルに再現する。店内中央では、相模鉄道キャラクター「そうにゃん」が来店顧客を迎える。

    ショップ内に配置した商品は、360度あらゆる角度から確認することが可能で、質感やサイズを自由に確かめることができる。

    ARでの試し置きができるため、顧客の部屋などを背景に、商品のサイズ感や設置イメージをリアルに近い形で確認することができる。

    取扱商品は、雑貨や相鉄線のプラレール、「そうにゃん」のぬいぐるみなど14点(予定)。決済手段は、クレジットカード、コンビニ決済。

    「SOTETSU GOODS STORE」バーチャルショップのイメージ
    「SOTETSU GOODS STORE」バーチャルショップ店内のイメージ

    この実証実験は、「相鉄アクセラレータープログラム2021」採択のスタートアップ企業「palan(パラン)」と共創して行う。パランは2017年ころから、WebAR技術を用いたサービスの制作・開発を手がけている。

    石居 岳

    ecbeingがレビュー活用支援を中心とした子会社「株式会社ReviCo」を新設

    3 years 3ヶ月 ago

    ecbeingは10月19日付で、デジタル施策におけるレビュー活用支援を中心とした新会社「株式会社ReviCo(レビコ)」を設立した。

    株式会社ReviCoは、レビュー収集キャンペーンのインセンティブ費が不要になるなど、さまざまなレビューを集めるための施策・機能が自動追加されるクラウド型のレビュー最適化ツール「ReviCo」を中心に、レビュー、VOC(顧客の声)、UGC(ユーザー生成コンテンツ)を活用したマーケティングを支援する。

    ecbeingは、2020年4月に「ReviCo」の提供をスタート。レビューを収集し分析したデータをマーケティングに活用することで、コンバージョン率の向上やユーザーコミュニケーションを活性化するといった導入効果が期待され、国内150サイト以上が導入している。

    株式会社ReviCoの代表取締役には、「ReviCo」の開発にも携わった上席執行役員の高橋 直樹EC開発統括部長が就いた。

    瀧川 正実

    Amazonマーケットプレイスで約15万社が商品を販売、平均売上高は1000万円超。FBA利用は約8万社【アマゾンの公開レポート】

    3 years 3ヶ月 ago

    アマゾンジャパンは11月21日、日本経済や社会への貢献を包括的にまとめたレポート「Amazon Economic & Community Impact Report for Japan」を公開した。

    「Amazon Economic & Community Impact Report for Japan」では、日本への投資、中小企業への支援、地域社会やサステナビリティに対する取り組みなどを紹介している。

    レポートで公開している主なトピックは次の通り。

    • 「amazon.co.jp」では約15万社の販売事業者が商品を販売。その多くは中小企業
    • 日本の販売事業者は2021年、Amazonで数億点の商品を販売、平均売上高は前年比15%以上増の1000万円超
    • 2021年に、4000社以上の日本の販売事業者が海外で4000万点以上を販売し、その販売個数は2020年と比較して2ケタ増
    • 2021年に商品の在庫保管・配送代行サービス「フルフィルメント by Amazon(FBA)」を利用した日本の販売事業者数は約8万社。これらの販売事業者による総売上高は前年比10%以上増加
    • Amazonで販売する日本企業はAmazon関連ビジネスで、国内で20万人以上(推計値)の雇用を創出
    • Amazonは、2010年から2021年まで日本に4兆5000億円以上の直接投資を実施。2021年の単年では1兆円以上の投資を行った
    • 物流拠点のフルフィルメントセンター(FC)を20拠点以上、配送拠点であるデリバリーステーションを45拠点以上を展開
    「Amazon Economic & Community Impact Report」の動画解説
    瀧川 正実

    米国の最新調査と小売企業13社の事例に学ぶオンラインギフト戦略と施策 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    3 years 3ヶ月 ago
    ギフトで新しいトレンドを巻き起こすのは簡単ではありません。しかし、小売業にはギフトカードや現場での戦術を通じて、イノベーションを起こすチャンスが残されていると言えます

    2022年の年末商戦(編注:米国ではクリスマスから年末年始にかけての期間)に向けて、小売りのトップ企業がギフトのネット販売に工夫を凝らしています。

    オンラインギフトの目新しさは何でしょうか? 実際のところ、本当の意味で「新しい」モノを提供している企業はほとんどないと言えるでしょう。

    米国の大手EC専門誌『Digital Commerce 360』のトップ100社に選ばれた小売事業者を調査。Webサイト上で確認(2022年11月時点)できた、オンラインギフト体験の取り組みにフォーカスしました。

    ホリデーシーズンに向けて戦術の変更は難しいかもしれませんが、ギフトは年間を通じてのビジネスであることを忘れてはいけません。

    ギフトカード体験の進化

    ギフトカードはどのホリデーシーズンにも欠かせないモノなので、ギフトカードから見てみましょう。調査会社のAllied Market Researchによると、2019年の世界のギフトカード市場規模は6192億5000万ドル。2027年には2兆7600億ドルに達し、2020年から2027年までのCAGR(年平均成長率)は16.2%と予測しています。

    ほとんどの小売事業者は、物理的・デジタルでオプションを提供。購入者はギフトカードのデザインをカスタマイズでき、写真やビデオを追加することもできます。そのため、購入者とカードを受け取るユーザーの両方の体験を向上させることが可能です。

    『Digital Commerce 360』と調査会社のBizrate Insightsがオンライン通販利用者1088人を対象に行ったホリデーシーズン前のアンケートで、ホリデーシーズンに期待するショッピング体験に関する調査を実施、回答者の29%がギフトカードの購入を予定。15%がデジタルギフトカードの購入を予定しています。

    ギフトカード購入者に対し、さらにギフトカードをプレゼント

    米国の美容チェーンUlta BeautyのECサイトでは、ギフトカードのポータルサイトを展開しています。これは、優れたリテンションツールとなります。ビューティーといったカテゴリーでは、毎年同じカードを使いたいユーザーがたくさんいるためです。

    サイトにログインすると、残高の確認、ギフトを見たりすることが可能です。過去にギフトカードを贈った相手に再び贈ることも簡単。配送状況も確認できます。

    米国の最新調査と小売企業13社の事例に学ぶオンラインギフト戦略と施策 Ultaのポータルサイトでギフトカードを管理することができます
    消費者はUltaのポータルサイトでギフトカードを管理することができます

    小売業がレストラン業界を手本にした傾向も増えています。シカゴを中心に120店舗以上のレストランを展開するLettuce Entertainment Youは、ホリデーギフトカードの購入者に対し、100ドル購入ごとに25ドルのギフトカードを提供。ホリデーシーズンの需要を獲得しています。

    この仕組みを、小売業に活用し始めた企業もあります。

    書店チェーンのBarnes and Nobleが100ドルのギフトカード購入者に10ドルのギフトカードをプレゼントを実施。ファッションアクセサリーのDSWは、100ドル分のギフトカードに、25ドルのボーナスカードを提供しています。

    米国の最新調査と小売企業13社の事例に学ぶオンラインギフト戦略と施策 DSWでは100ドルのギフトカードを購入すると、25ドルのギフトカードがもらえます
    DSWでは100ドルのギフトカードを購入すると、25ドルのギフトカードがもらえます

    スポーツライセンスのアパレル商品・グッズの製造や販売を手がけるFanaticsも好事例の1つで、消費者の行動をよく理解しています。ギフトカードを25ドル購入するごとに、5ドルのドミノ・ボーナスカードを消費者に提供しています。ただし、上限は10ドルです。

    米国の最新調査と小売企業13社の事例に学ぶオンラインギフト戦略と施策 FanaticsのECサイト
    FanaticsのECサイト

    ギフトカードの最後の事例は、アウトドア用品大手のBass Proです。1つの戦略として、感謝祭(アメリカでは毎年11月の第4木曜日)前に購入した10%引きのホリデーギフトカードはクリスマスまで使用できないようにしています。ホリデーシーズンまで割引適用のカード利用を延長することで、ホリデーシーズン時の買い物増を狙っています。

    米国の最新調査と小売企業13社の事例に学ぶオンラインギフト戦略と施策 Bass Proではクリスマス当日から使えるbuy nowギフトカードを販売中です
    Bass Proではクリスマス当日から使えるbuy nowギフトカードを販売中です

    歓迎される顧客サービスの向上

    現在の経済情勢に対応するため、小売事業者はどのような対策をとっているのでしょうか?

    『Digital Commerce 360』が小売事業者70社に行った調査では、回答者の54%がカスタマーサービスを強化したいと答えています。コスト管理に次いで第2位でした。

    小売事業者は既成概念にとらわれず、イノベーションを実行していくことが重要です。その1つが、タペストリーのファッションブランド「Kate Spade」のカスタマーサービスです。

    カスタマーケアからオンラインでの購入、店舗での受け取り(BOPIS)、プライベートショッピングの予約、電子ギフトカード、従来のギフトカード、パーソナライズされたギフト、GiftNow(デジタルギフト)まで、さざまざなサービスを取り入れています。

    米国の最新調査と小売企業13社の事例に学ぶオンラインギフト戦略と施策 Kate Spadeのギフトサービス
    Kate Spadeのギフトサービス

    どのような戦術がホリデーシーズンのビジネスを向上させるかという重要な取り組みにもフォーカスしました。上位の回答を見てみましょう。小売事業者がギフトに関して行っている、いくつかの取り組みがわかります。

    米国の最新調査と小売企業13社の事例に学ぶオンラインギフト戦略と施策 カスタマーエクスペリエンスの観点から、ホリデーシーズンのビジネス改善につながる戦術
    カスタマーエクスペリエンスの観点から、ホリデーシーズンのビジネス改善につながる戦術(非常に重要であると回答した数字の集計、出典:Digital Commerce360 小売企業70社に対する調査)

    進化するウィッシュリスト

    ウィッシュリストを使用すると答えた小売事業者はわずか11%にとどまりました。これは、ウィッシュリストの戦略が長い間変わっていないためかもしれません。ただ、Lululemonの取り組みは注目に値します。なぜなら、ECサイトのかなりの部分をこの戦略に費やしているからです。

    ウィッシュリストの作成と共有は標準的な機能です。注目したいのは、モバイルアプリでマルチリストなどのウィッシュリスト専用機能をチェックするよう消費者に勧める機能。Lululemonユーザーにとっては、興味深く、理想的な機能になっているのです。

    米国の最新調査と小売企業13社の事例に学ぶオンラインギフト戦略と施策 Lululemonのウィッシュリストオプション
    Lululemonのウィッシュリストオプション

    バーチャルアポイントのその先へ

    バーチャルアポイントは、ホリデービジネスの改善に関しては小売事業者の13%しか重要度が高いと感じていませんが、実際のところ、小売事業者はこのサービスから恩恵を受けています。

    ジュエリー&アクセサリーのChico'sは、バーチャルアポイントからヒントを得て、さらに一歩進んだ取り組みを行っています。消費者は都合の良い時に、都合の良い場所で、バーチャルアポイントを予約ことができるようにしているのです。これは顧客体験の向上に大きく貢献しています。

    米国の最新調査と小売企業13社の事例に学ぶオンラインギフト戦略と施策 Chico'sでは、プライベートアポイントメントが可能です
    Chico'sでは、プライベートアポイントメントが可能です

    Amazonのインフルエンサーによるギフト選び

    若い顧客層ではインフルエンサーが大きな役割を担ってきています。

    Amazonでは、インフルエンサーの選んだギフトをカテゴリー別に表示し、社会的関心の高いユーザーたちを取り込んでいます。

    米国の最新調査と小売企業13社の事例に学ぶオンラインギフト戦略と施策 Amazonは、インフルエンサーが選んだギフトをカテゴリー別に表示し、社会的関心の高い人々にアプローチしています
    Amazonは、インフルエンサーが選んだギフトをカテゴリー別に表示し、社会的関心の高い人々にアプローチしています

    プロモーションのポップアップ

    オンライン通販利用者の5人に1人は、カートに入れた商品の割引が記載されたEメール/テキストを受け取ることで購買意欲が高まったと答えています。より目に留まるポップアップが継続的に表示されれば、パフォーマンスが高くなると考えるのが妥当でしょう。

    ギフトサービスのKendra Scottも他の小売事業者同様、Eメールやテキストの代わりにポップアッププロモーションを利用しています。

    米国の最新調査と小売企業13社の事例に学ぶオンラインギフト戦略と施策 Kendra Scottは、顧客獲得のためにインセンティブ付きのポップアップを活用しています
    Kendra Scottは、顧客獲得のためにインセンティブ付きのポップアップを活用しています
    米国の最新調査と小売企業13社の事例に学ぶオンラインギフト戦略と施策 ホリデーシーズンに向けたオンラインショッピングで、最も購買意欲をそそること
    ホリデーシーズンに向けたオンラインショッピングで、最も購買意欲をそそること(出典:『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが実施した調査)

    会員のみが購入できる限定商品

    小売事業者のロイヤルティプログラムによる特典やポイント、リワードが、年末年始の購入の動機になると27%のユーザーが回答しています。

    アウトドア用品などのREIは、会員に特別な気分を味わってもらうためのサービスを提供しています。セール企画「REI's Gear Up and Get Out Sale」では、どの商品が最大50%オフの会員割引の対象となるかを確認することが可能です。

    米国の最新調査と小売企業13社の事例に学ぶオンラインギフト戦略と施策 REIは会員限定商品をアピールしています
    REIは会員限定商品をアピールしています

    究極の顧客利便性

    最後の例は、オンラインで見ていたものが実際の店舗に移行することです。今回初めて、モバイルアプリを利用したセルフレジを導入するアパレル企業が現れました。

    ファッションブランドのAmerican Eagle Outfittersは、アプリのセルフチェックアウトでレジの行列をスキップできる仕組みを構築しました。限られたスタッフでのオペレーション、消費者の利便性向上を実現する取り組みです。

    米国の最新調査と小売企業13社の事例に学ぶオンラインギフト戦略と施策 American Eagle Outfittersの、アプリを使った店頭チェックアウトのプロモーション
    American Eagle Outfittersの、アプリを使った店頭チェックアウトのプロモーション

    ギフトで新しいトレンドを巻き起こすのは簡単ではありません。しかし、小売業にはギフトカードや現場での戦術を通じて、イノベーションを起こすチャンスが残されていると言えます。そこでは、クリエイティブな発想が不可欠です。理想的なのは、消費者が様々なプロモーションに引き付けられ、ホリデーシーズン以外でも、年間を通じてギフトカードを購入する気になることでしょう。

    この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

    Digital Commerce 360

    【消費行動の変化まとめ】店舗とデジタルを融合したオムニチャネル化が加速、55%が「店舗で商品を見ながら買い物をしたい」

    3 years 3ヶ月 ago

    アドビは11月21日、小売りと銀行分野における商品やサービスの購買動向に関する調査結果「Adobe Digital Survey消費者動向調査2022」を発表した。

    過去5年で、商品購入前にオンラインで情報収集して購入する消費者が増加していることが判明。「オンライン上にて、人と接することなく買い物を完結させたい」が24.8%、「オンライン上にて、メールや電話でスタッフなどと相談しながら買い物をしたい」が6.0%などとなっている。

    一方、コロナ禍が収束した後も55.3%の消費者が「店舗で商品を見ながら買い物をしたい」と回答。店舗で口コミサイトやSNS、商品のメーカーサイト、レビューサイトなどを見ながら商品を検討する消費者も増えており、店舗とオンラインを融合したオムニチャネル化が加速している。

    理想の買い物の仕方 店舗などにて現物を見ながら買い物したい消費者が55.3%
    理想の買い物の仕方

    5年前の2017年調査と比較して、商品購入前にWeb・SNSで情報収集をする消費者が増え、マスメディアは大幅に低下。「購入までに見聞きした媒体」としてWeb・SNSは5年前と比較して10ポイント増、家具は6ポイント増、家電も6ポイント増えた。

    商品の初期認知、情報収集、購入決定にいたるまでWeb・SNSの影響力 商品購入前にWeb/SNSで情報収集、店舗でも商品を見ながらネット検索
    商品の初期認知、情報収集、購入決定にいたるまでWeb・SNSの影響力

    5年前と比較して店舗で商品を見ながら「その場で商品のメーカーサイトを見た」ユーザーは3.7ポイント増。「その場で商品に関する口コミサイトやSNSを見た」は1.8ポイント増、「その場で商品に関する他のWebサイトを見た」は1.6ポイント増。

    購入検討から購入に至るまでの店舗への訪問 店舗で商品を見ながらオンラインでも情報収集している消費者が増加 購入までに見聞きした媒体は特に若年層において「YouTubeなど
    購入検討から購入に至るまでの店舗への訪問

    購入までに見聞きした媒体は、「YouTubeなどの動画サイト」が8.86ポイント増、「フリマアプリ」が8.78ポイント増、「Instagram、TwitterなどのSNS」が5.38ポイント増。マスメディア、DM/カタログといった企業からの一方通行のコミュニケーション以外のチャネルを通じた情報収集が主流になっている。

    また、「メーカーのホームページ」も5年前と比較して2.43%増。SNSをきっかけに企業のWebサイトが情報収集の場として利用されている。

    図4:消費者が広告など企業側からの情報源よりSNSなどインタラクティブな情報源で主体的に複数のチャネルから情報収集を行う 購入までに見聞きした媒体の詳細
    購入までに見聞きした媒体の詳細

    初期認知媒体と購入場所は、5年前の調査と比較して「Web認知からWeb購入」が7.9ポイント増。家具を筆頭に「Web認知から店舗購入」が3.1%ポイントと増えている。「店舗認知からWeb購入」も増加(0.8ポイント増)しており、初期認知から購入においてオンラインと店舗両方のチャネルを活用して購買するオムニチャネル化が加速している。

    初期認知媒体と購入場所の変化 Web認知からWeb購入が2017年対比で最も増加。加えてWebと店舗の併用も増加している
    初期認知媒体と購入場所の変化

    商品購入をより快適にするサービスを聞いたところ、店舗では「3Dで商品が確認できる」(23%)が最多。「店舗での購入をベースにオンラインで商品をおすすめしてくれる」(21%)といったオンラインと店舗を横断したサービスが続いた。

    ECサイトでは「興味を持った製品に関する情報や画像・イメージを集めてきてくれるサービス」(22%)や「自分の嗜好に合ったコンテンツや商品を提案してくれるサービス」(15%)などが求められている。

    店舗では3Dで自分好みにサイズやデザインをカスタマイズできるサービスを求める消費者が23%と最多 商品購入をより快適にしてくれるサービス
    商品購入をより快適にしてくれるサービス

    「Adobe Digital Survey消費者動向調査2022」の概要

    • 調査概要:商品購入と銀行サービス利用における消費者動向調査
    • 有効回答数:リテール調査2472 サンプル、銀行調査1236 サンプル
    • 調査期間:2022年8月16日~18日
    • 調査実施:アドビがマクロミルに委託して実施
    石居 岳

    ミスミがBtoB-ECをリニューアル。検索性を向上、類似商品との違いもわかりやすい仕様に刷新

    3 years 3ヶ月 ago

    ミスミグループは10月31日、BtoB向けのCサイトをリニューアルし、利便性を向上させた。

    ミスミのECサイトは、国内外のインダストリアル・オートメーション産業の事業者向けに、金型部品、工具、消耗品などを展開している。

    ミスミグループは10月31日、BtoB向けのCサイトをリニューアルし、利便性を向上させた
    10月31日にBtoB向けのECサイトを刷新した

    リニューアルでECの5つのポイントを改善、UI・UX向上に奏功

    リニューアルのポイントは次の通り。

    ① 商品カテゴリを再分類。探している商品の見つかりやすさを向上

    ミスミグループは10月31日、BtoB向けのCサイトをリニューアルし、利便性を向上させた
    商品の分類が一目でわかるようにUIを向上させた

    ② 型番検索に仕様詳細を追加表示

    ミスミグループは10月31日、BtoB向けのCサイトをリニューアルし、利便性を向上させた
    型番の検索結果で商品比較が簡単にできるようになり、探している商品をズバリで見つけやすくした

    ③ 商品一覧にも仕様詳細を追加。類似商品と簡単に比較でき、違いがわかりやすい

    ミスミグループは10月31日、BtoB向けのCサイトをリニューアルし、利便性を向上させた
    一覧から商品の仕様の違いがわかるようにした

    ④ 仕様選定では、数字だけにとどまらず外形図を見ながら寸法を絞り込めるように改善

    ミスミグループは10月31日、BtoB向けのCサイトをリニューアルし、利便性を向上させた
    外形図を見ながら寸法を絞り込めるように改善し、商品を具体的にイメージしやすくした

    ⑤ 商品選定では、詳しい情報をみながら選定が可能に

    ミスミグループは10月31日、BtoB向けのCサイトをリニューアルし、利便性を向上させた
    商品の詳しい情報を見ながら選定できるようにした

    国内外で33万社超の事業者が利用

    ミスミのECサイトは現在、グローバルで33万社超の事業者が利用しているという。商品ラインアップは800垓(1兆の800億倍)。豊富な商品バリエーションと最短当日のスピーディーな出荷に強みを持つ。

    ミスミグループは10月31日、BtoB向けのCサイトをリニューアルし、利便性を向上させた
    ミスミのECサイトは事業者(=顧客)とサプライヤーをつなぐ役割を持つ(画像はミスミのコーポレートサイトから編集部がキャプチャ)
    高野 真維

    オルビスが「ORBISアプリ」をリニューアル。AIで肌を分析しスキンケア方法を提案する「肌カ.ル.テ」を実装

    3 years 3ヶ月 ago

    オルビスはスマートフォンアプリ「ORBISアプリ」をリニューアルし、AIによる分析とユーザー自身が解決したい悩みに対し、オルビスの美容理論に基づくスキンケア習慣化プログラムを提供する「肌カ.ル.テ」を開始した。

    日々のスキンケアを伴走サポートする「肌カ.ル.テ」

    「肌カ.ル.テ」は、AIによる肌の分析結果や質問への回答をもとに、肌の状態に対して必要なお手入れ情報や商品を提案する。サービス内容は次の通り。

    1. 分析する

    スキンケアやメイクのこだわりに関する全8つの質問の回答と、全15問のカウンセリングによって肌状態、悩み、使用アイテム、ライフスタイルをユーザーが確認できるようにする。また、スマートフォンで顔写真を撮影すると、AIが肌状態を分析する。

    オルビスが培ってきた美容理論に基づいた「ベース肌状態」「肌悩み」の2つの美容チャートにおいて、どちらも5段階評価で肌状態を表示する。

    オルビス 肌カ.ル.テ AIによる分析結果
    AIによる「ベース肌状態」の分析結果
    オルビス 肌カ.ル.テ AIによる分析結果
    AIによる「肌悩み」の分析結果

    2. コースを選ぶ

    肌の分析結果に基づいたコースをユーザーに提案し、セレクトしたスキンケアコースにあわせたお手入れ方法とアドバイスを紹介する。

    コースは全33パターンを用意しており、肌悩み改善プログラムの11コースと、悩みの深さや取り組みやすさに応じた3コースがある。

    さらに「肌カ.ル.テ」コースに適した専用商品を用意しており、専用商品を購入したユーザーにはより具体的なアドバイスを提案する。なお、商品を購入しなくても「肌カ.ル.テ」コースは継続が可能。

    オルビス 肌カ.ル.テ AIによる分析結果に基づいたコースを提案
    AIによる分析結果に基づいたコースを提案。専用商品も販売する

    3. 美容のプロに疑問や悩みを相談できる

    コースごとに専属のビューティクリエイターが監修したお手入れアドバイスを日々提供する。コースごとに必要なハウツーを動画、記事コンテンツでも配信する。

    また、アプリ内でのチャットを開始。チャットボットとビューティクリエイターによる有人チャットでユーザーの疑問解決につなげる。

    オルビス 肌カ.ル.テ 有人チャット
    BAによる有人チャット

    アプリリニューアル&新サービスでCX戦略をより加速

    オルビスは2018年6月、ECサイト、店舗のポイント機能に加えて、手軽に読める美容に関する記事コンテンツを配信する「ORBISアプリ」を実装。アプリ内サービスにAI解析による分析コンテンツを拡充した結果、2022年10月31日時点で460万ダウンロード数を達成した。アプリを核にCX戦略を加速している。

    CRMの進化をめざすなかで、店舗のビューティーアドバイザー(BA)の接客経験、口コミから「自分の肌を理解して、肌悩みに合ったお手入れをすることが難しい」「継続できない」「悩みが解決できない」などの課題を抱えたユーザーが多くいることを認識した。

    ユーザー個別の肌悩みに寄り添う連続的・継続的なコミュニケーションの実現をめざし、「肌カ.ル.テ」提供に至った。

    藤田遥

    EC売上高800億円をめざすアダストリアが進めるメタバースファッションECの方針とは

    3 years 3ヶ月 ago

    「.st(ドットエスティ)」を運営するアダストリアは11月19日、メタバースでの購入機会拡大のため、VRChat Inc.が運営するバーチャルショッピングモール「Carat(カラット)」に出店した。11月26日も同様に出店を予定している。

    「ドットエスティ」が出店するバーチャルショッピングモール「カラット」
    「ドットエスティ」が出店するバーチャルショッピングモール「カラット」のイメージ

    メタバース領域推進、EC売上高800億円めざす一環で

    アダストリアは2026年2月期を最終年度とした中期経営計画で、最終年度までにEC売上高800億円をめざしている。

    この成長戦略の一環として2022年7月、メタバースファッション領域に参入した。

    アダストリアは2026年2月期までにEC売上高800億円をめざしている(画像はアダストリアの23年年2月期上期決算説明会資料から編集部がキャプチャ)
    メタバースファッション領域に参入した(画像はアダストリアの23年年2月期上期決算説明会資料から編集部がキャプチャ)

    将来的には、さまざまなメタバースプラットフォームへの展開、メタバース内でのコンテンツ提供、イベント開催、IP(intellectual property)などの展開を予定。多様な事業者や個人のクリエイターとの連携も進める。

    アダストリアが持つ「ブランド」「商品」「店舗」「スタッフ」「デザイナー、パタンナー」「自社ECプラットフォーム(.st)」を生かした、ファッションを通じたメタバースの世界での楽しみ方を提供していく予定だ。

    「ドットエスティ」独自スキンの販売&リアル同様の接客を提供

    「カラット」は、VRChat Inc.が運営するソーシャルVRプラットフォーム「VRChat」で、人気のショッピングモール型のイベントを毎月2回、実施している。「ドットエスティ」は11月19日、26日の「カラット」に出店する。

    「カラット」への出店時は、アダストリアのスタッフ2人がアバターに扮して店頭で接客対応する。

    「カラット」で展示販売する商品は、2022年10月3日発売の「ドットエスティ」オリジナルアバター第1弾「枡花 蒼」が身につけているアダストリアのブランド「RAGEBLUE(レイジブルー)」の商品、12月に販売を予定している第2弾アバターの先行展示を予定している。展示は合計11アイテム。

    「ドットエスティ」で10月に発売した第一弾オリジナルアバター「枡花 蒼」
    「枡花 蒼」が身につけているアダストリアのブランド「レイジブルー」。「ドットエスティ」で購入できる

    第2弾オリジナルアバターは12月上旬に公開予定。「カラット」では11月、先行して第2弾スキンのみ展示する。

    「ドットエスティ」の「カラット」出店概要

    高野 真維

    自治体から熱視線! 寄付額の3割を現地で利用できる「PayPay商品券」がふるさと納税の返礼品に【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

    3 years 3ヶ月 ago
    ネットショップ担当者が読んでおくべき2022年11月14日~11月20日のニュース

    ふるさと納税の寄付額が増えても自治体には来てくれないという問題がありました。それを解決するのが「PayPay商品券」。寄付額の3割を現地で使えるので「旅行に行く前にふるさと納税」というパターンも増えてきそうです。

    ふるさと納税がますます進化! 自治体向けサービスも増えてきそう

    さとふる×PayPay、新サービス「PayPay商品券」をふるさと納税のお礼品として提供開始 | ECzine
    https://eczine.jp/news/detail/12047

    「PayPay商品券」は、「さとふる」で「PayPay商品券」を導入の対象自治体のなかから希望の自治体と寄付額を選び、寄付することで取得が可能。取得した「PayPay商品券」は、自治体の地場産品の基準を満たした商品やサービスを提供する地域内の店舗・施設にて、寄付から180日後までの有効期限内で利用でき、訪問した寄付先自治体での飲食、アクティビティ、宿泊施設などの決済に活用できる。

    ふるさと納税でまさかの商品券が出てきました。180日の有効期間内に、寄付をした訪問先での飲食や宿泊に利用できるというものです。過去に大阪府泉佐野市でAmazonギフトカードが返礼品になって問題になりましたが、今回は誰でもすぐに使えるものではないので大きな問題にはならないと思います。

    寄付者は、「PayPay商品券」の受け取りから訪問先自治体での支払いまで「PayPay」上でスムーズに行うことができるため、お礼品の宿泊券などの持ち歩きが不要に。事前に寄付をする必要がなく、その場で寄付し、利用できるため、観光や旅行で地域を訪れた際に気軽に利用することができる。

    これはとても便利! 旅行割などの紙の商品券って使いにくいですし、発行する側も手間だったのですが、それが解消されています。しかも「PayPay」はどこに行っても使えることが多いので利用できないことが少なく、メリットだらけの返礼品です。ちなみに寄付額の3割を「PayPay商品券」として利用可能とのこと。

    「返礼品はPayPay商品券」が自治体から期待されるワケ 今までのふるさと納税と、何が違う? | ITmedia ビジネスオンライン
    https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2211/17/news082.html

    PayPay商品券を導入する山口県長門市の江原達也市長は次のように期待感を話す。

     「長門市には魅力的な自然景観、温泉、アクティビティー、おいしい食事があります。しかし残念ながら、ふるさと納税の寄付者の方々になかなか長門市の良さが伝わっていない、という課題を持っています。やはり長門市に来ていただかないと、本当の良さが伝わりません。そんな中、このPayPay商品券を使って、長門市に来るきっかけとしていただけるのではと、大変期待しています」

    このように自治体側が抱えていた、寄付があっても来てくれない問題も解決されます。来てくれれば気に入ってもらえるチャンスも増えて、移住してくれる人が増える可能性がありますよね。

    ふるさと納税は自治体のマーケティング手段としてどんどん進化していきそう。それにともなって、自治体間の競争も激化していきます。自治体担当者はECの仕組みや動向、Webマーケティングの知識も求められるようになってくるでしょう。それに伴って支援側のサービスも増えてくるはずです。EC事業者もふるさと納税の動向はお見逃しなく。

    今週の要チェック記事

    【Shopify】商品A購入で商品B~Eから好きなプレゼントを選べるキャンペーン実施方法 | ローリン
    https://rollin.co.jp/knowledge/945

    「Shopify」の商品バリエーション機能、「Bundles.app」(Shopifyアプリ)、ロジクラのセット商品機能でお手軽に実現できるとのこと。

    通販サイトなどの偽サイトで注文「商品届かない」トラブル急増 | NHK
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221104/k10013881051000.html

    メルカリ、“代理購入”に注意喚起 クレカ不正利用に加担する恐れ | ITmedia NEWS
    https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2211/14/news146.html

    ECはトラブルがつきもの。お客さんにもこういった事例があることを伝えて未然に防止を。

    【2022年度上半期JADMA調査】約120社の総売上高は前年比1.8%減の6898億円、衣料品や通教の低迷が目立つ | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/10340

    2021年度が伸びすぎたこともあるのでしょうが、リアル回帰が進んでいますね。

    EC 特化のノーコードツール TēPs、Shopifyの「顧客情報の取得・更新」機能をリリース。顧客タグ・メモを活用した CRM 施策の自動化が可能に | コマースピック
    https://www.commercepick.com/archives/26565

    とにかく機能追加が激しい「TēPs」。以前は使えなかったものが使えるようになっているかもしれないのでチェックしてみましょう。

    Shopify Unite参加レポート~注目トピックスとメルボルンで愛されるブランド~ | FRACTA
    https://note.fracta.co.jp/n/n3c527e50df4c

    Shopify Unite参加レポート~最新情報とメルボルンのブランド調査~ | FRACTA
    https://note.fracta.co.jp/n/nb2daadc8885d

    「Checkout Extensibility / Shopify pixel manager」この2つはかなりよさそうな機能。開発者の人は押さえておきましょう。

    円安が急伸した2022年は越境ECで何が売れた? BEENOSの「越境EC ヒットランキング2022」に学ぶ最新トレンドと消費動向 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/10335

    「売れ行きが好調だった高額商品は、ブランド腕時計、フィルムカメラ、ゴルフグッズ」

    楽天、第3四半期の決算を発表 国内EC流通総額は前年同期比13.1%増の1.35兆円に | ECzine
    https://eczine.jp/news/detail/12040

    楽天カード、楽天ペイといったフィンテック関連が増収に貢献したとこと。

    違反アマギフのせいでAmazon関連サービスが全滅した話|やみこ|note
    https://note.com/yamicon/n/n13eeff22e4ea

    投げ銭的にもらった違反ギフトカードでもらったほうが被害を受けるという…。これは他人事ではないかも。

    今週の名言

    何歳になっても人生が楽しそうな人から学んだこと。筋トレのように「負荷」をかけて年を重ねたくなった | tayorini by LIFULL介護
    https://kaigo.homes.co.jp/tayorini/column/kaaigamon_02/

    耳障りがいい言葉は一時的には楽にはなるけれど、大事なものを捨ててしまうこともあるんじゃないかと思う

    EC業界にいると、「すぐに売り上げが上がります」「簡単に設定できます」など耳障りのいい言葉ってよく聞きますよね。そのせいで積み重ねとか努力といったものを捨てていないでしょうか?

    筆者出版情報

    「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める小さい会社のウェブマーケティング必勝法

    「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める
    小さい会社のウェブマーケティング必勝法

    森野誠之 著
    翔泳社 刊
    発売日 2021年10月15日
    価格 2,200円+税

    この連載の筆者 森野誠之氏の著書が翔泳社から発売されました。小さな会社の“ひとり担当者”が、未経験、低予算、独学でホームページのリニューアルからウェブマーケティングまでを成功させるための指南書です。電子版、オンデマンド印刷版ともにAmazonで発売中です!

    この本をAmazonで購入
    森野 誠之

    知っておきたい! ECモール店運営の悩みを解決する場「デジタルプラットフォーム取引相談窓口」の実績&利用メリット

    3 years 3ヶ月 ago
    公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)が運営する、ECモール出店事業者のための「デジタルプラットフォーム取引相談窓口(DPCD)」の活用利点と実績を、JADMA万場徹専務理事のインタビューを交えて解説します
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    大きな集客力を持つECモールに対し、出店事業者は立場が弱くなりやすく、不平・ 不満の声をあげることが難しい立場にある。こうした不満や状況に対応し、必要に応じてECモールへの橋渡し役も担っているのが「デジタルプラットフォーム取引相談窓口(オンラインモール利用事業者向け)」(DPCD)だ。

    開設から1年が経過し、ECモール出店者からさまざまな声が寄せられている。ECモールと出店者の公正な取引を実現するため、出店事業者が抱える不満などの相談に応じ、支援するための“駆け込み寺” と言える「DPCD」の支援運用状況と活用メリットを取材した。

    JADMAの万場徹専務理事知っておきたい! ECモール店運営の悩みを解決する場「デジタルプラットフォーム取引 相談窓口」の実績&利用メリット

    デジタルプラットフォーム取引相談窓口(DPCD)とは

    経済産業省の委託を受けて、公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)が2021年4月1日から運営している「DPCD」は、ECモール出店者の相談に応じ、課題の解決に向けた支援を行っている。

    運営を担うJADMAは、特定商取引法の第30条に位置づけられた通信販売における自主規制などの中心的な業界団体で、1984年から通販に関する消費者からの相談窓口を開設し、年間約4000件の相談に対応。2004年からは事業者からの相談にも応じている。

    「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」(以下「透明化法」)に基づき、一定の国内流通総額などの要件を満たし、 指定を受けたデジタルプラットフォーム運営事業者(「特定デジタルプラットフォーム提供者」)は、取引条件などの情報開示、運営における公平性確保、運営状況に関する報告を義務付けられている。

    2021年4月時点で、この特定デジタルプラットフォーム提供者として、EC モールではアマゾンジャパン、楽天グループ、ヤフーの3社が指定されている。「DPCD」は、「透明化法」 の実効性確保の一環として2021年4月1日に設置された。

    知っておきたい! ECモール店運営の悩みを解決する場「デジタルプラットフォーム取引 相談窓口」の実績&利用メリット
    2022年10月3日時点における特定デジタルプラットフォーム提供者

    相談上位は「検索順位」や「規約変更」

    2021年度に「DPCD」へ寄せられた情報提供件数(窓口で受け付け、情報の内容に応じてカウントした件数)は1294件。このうち、利用者から窓口に電話やWebフォームなどを利用して寄せられた相談・情報提供は282件。相談窓口が行ったヒアリングなどにより収集した情報は1012件だった。

    情報提供の内容別の内訳は、「検索順位・ランキング等に関する事項」が131件にのぼり、全体の10%を占めた。「取引条件の変更に関する事項」は130件で10%、「取引の全部拒絶(アカウント削除等)に関する事項」は125件となり、同じく10%を占めた。

    このほか、「商品等提供利用者から苦情の申出又は協議の申入れをするための方法に関する事項」(7%)、「一般利用者からの返品等に関する事項」(7%)といった項目の相談が目立っている。また、各相談・情報提供に付随して寄せられた苦情および紛争の処理体制・手続きに関する情報提供は317件となっている。

    「DPCD」には、利用事業者から以下のような声が寄せられている(一部掲載)。

    • オンラインモール運営事業者が返品ルールや返品受け入れを決定しており、出店者に負担が生じている
    • オンラインモールのルールに違反した出店者に対する制裁が等しく行われておらず、恣意的であると感じる
    • アカウント停止の理由についてオンラインモール運営事業者から十分な説明を受けられず、対応に困った
    • 問い合わせに対する回答が定型文で問題が解決しない
    • 商品の検索順位を決定する仕組みが不明瞭・恣意的・不公平だと感じる

    個々の出店事業者に寄り添った対応や回答がモール側から十分に提示されないという出店者の悩みや不満の声が多いように見える。

    一方で、「DPCD」の運用開始後、JADMAの万場専務理事によると一部モール運営事業者に変化があったという。たとえば、ECモール運営にあたっての透明性や公平性の向上に向けた情報開示などだ。

    ただ、モール運営上の規約変更にあたって十分な説明が行われていない、必要最低限の通知のみで案内されている――といった出店者からの不満の声は引き続き散見される。

    デジタルプラットフォーム取引相談窓口

    対応日時:平日9時~12時、13時~17時(土日・祝日・年末年始などを除く)
    問い合わせ先https://www.online-mall.meti.go.jp/
    メールアドレスinfo@online-mall.meti.go.jp
    電話番号:0120-088-004
    FAX:03-5962-3907

    【DPCD活用メリット】相談者の匿名性保守&初回無料の弁護士相談も

    モール出店に悩みや不満を抱えている事業者を支援する「DPCD」の利用メリットを説明したい。出店者がもっとも懸念するのが「情報提供や相談を通じて身元が割れてしまう」こと。「DPCD」は匿名性を保ったまま相談することが可能。窓口に相談する出店者が特定されることを防ぐため、相談者の許可がない限り、「DPCD」は持ち込まれた相談内容や企業名をプラットフォームに開示しない。

    つまり、身元が特定されるような情報はECモール側に開示せずに、ECモールに対する適切な対応・要請を「DPCD」が 行う。

    出店者の秘密は必ず守るため、相談内容や出店者名が漏えいすることはない。安心してECモール運営事業者に対する疑問をぶつけてほしい。ECモール運営事業者と出店事業者の公平性を保って話を聞く。

    知っておきたい! ECモール店運営の悩みを解決する場「デジタルプラットフォーム取引 相談窓口」の実績&利用メリット ADMAの万場徹専務理事
    JADMAの万場徹専務理事

    相談内容によっては、相談を寄せた出店者の社名をECモール運営事業者に連絡した上で照会する方が問題点を把握・確認しやすい場合もある。そのような場合でも、相談元の事業者に必ずあらかじめ許可を得てから連絡することを徹底している。

    このほか、「DPCD」が通販の法律に詳しい弁護士の情報を提供することも可能だ。初回は無料で相談できる。これまでにも「DPCD」を通じた弁護士への相談事例があったという。

    そのほかの取り組みとして、ECモール利用事業者向けのセミナーや説明会などを開催している。目的は、2021年2月施行の「透明化法」と、「DPCD」について、 出店者の理解を深めること。 2021年度に引き続き2022年度もECモール利用事業者向けの説明会を開催している。参加者からは「役に立った」「有益だった」といった声が寄せられたという。

    このほか、相談窓口では、海外の関係機関との情報交換なども実施している。

    知っておきたい! ECモール店運営の悩みを解決する場「デジタルプラットフォーム取引 相談窓口」の実績&利用メリット
    機密性の高い相談室の風景と電話対応の様子  

    トラブル防止に「ECモールの規約を読み込んで」

    「DPCD」は2022年度も引き続き、相談対応と、相談事例の蓄積に努めていく方針だ。JADMA非会員企業はもちろん、ECモールに出店している会員企業も多く、「DPCD」が果たす役割は大きいという。

    相談を通じて把握した課題もある。たとえば、窓口を利用する事業者や、ECモールに出店している事業者がECモールの規約に目を通していないケースが多いことだ。そのため、万場専務理事は次のように喚起している。

    ECモール側の規約は読み飛ばさず、きちんと目を通して理解を深めてほしい。 規約の理解が十分でないと、のちのち、トラブルにつながりやすい。

    万場氏はECモール側の規約の十分な読み込みを啓発している

    「DPCD」運用開始1年から振り返る、EC業界の課題と可能性

    「DPCD」の運用を通じて、EC業界の課題と可能性が見えてきた。消費環境を振り返ると、急速に進んだコロナ禍で通販の需要が高まり、通販・ECを手がける企業にとっては「コロナ特需」ともいえる状況を迎えた。新しい生活様式の提案のもと、政府による「待てる買い物は通販で」の呼びかけもあり、通販・ECを初めて利用した消費者も多い。

    今後は、コロナ禍で獲得した顧客の定着や育成が課題である一方、実現できれば売上拡大に寄与できる。万場専務理事は次のように話す。

    ECモールは集客力に強みがあるので、出店事業者は一層、安心感があっただろう。一方、外出自粛の緩和に伴い、一時的に盛り上がった通販・ECの売り上げは落ち込みやすい環境にある。自社サイト、ECモールも含めて、初めて通販・ECを利用した人を定着させることができれば、通販・ECの強みを維持できるだろう。(万場氏)

    知っておきたい! ECモール店運営の悩みを解決する場「デジタルプラットフォーム取引 相談窓口」の実績&利用メリット
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    高野 真維
    吉田 浩章

    サッカー専門店「サッカーショップKAMO」がリリースしたECサイト連動のアプリとは

    3 years 3ヶ月 ago

    サッカー用品専門店「サッカーショップKAMO」を運営する加茂商事は、ECサイトとアプリを連動させた公式アプリをリリースした。

    ECサイトとアプリを連携することで、会員証をデジタル化。自動ログイン機能を搭載し、一度アプリ上でログインすれば、アプリからECサイトへ遷移した際も再ログインの必要がななる。ストレスフリーな顧客体験を提供するとしている。

    スタッフスタイリングコンテンツもアプリ上で閲覧できるよう、メニューを設置。アプリを見れば知りたい情報にアクセスできる設計にした。

    サッカー用品専門店「サッカーショップKAMO」を運営する加茂商事は、ECサイトとアプリを連動させた公式アプリをリリース
    会員証のデジタル化など

    アプリ内に任意のカテゴリメニューを設置し、アプリからECサイトへ遷移する際の入り口をシンプルに設計。アプリ上で商品アイテムを探しやすくし、スムーズな買い物体験を提供できるとしている。

    サッカー用品専門店「サッカーショップKAMO」を運営する加茂商事は、ECサイトとアプリを連動させた公式アプリをリリース
    アプリからECサイトへの導線をシンプルに設計した

    「サッカーショップKAMO」は、1968年創業のサッカー用品専門店。日本代表元監督・加茂周氏の弟が創業したトータルフットボールカンパニーである。「サッカーショップKAMO」の公式通販サイト「サッカーショップKAMO オンラインストア」を運営している。アディダスやナイキを筆頭とした世界的に有名なブランドの商品を数多く取りそろえている。

    「サッカーショップKAMO」のECサイト連動アプリは、メグリが提供するアプリの開発から運用、マーケティングまでをワンストップで支援するアプリマーケティングプラットフォーム「MGRe(メグリ)」の公式アプリを採用、導入している。

    石居 岳

    【楽天グループ ヒットキーワード】「脱自粛関連消費」「レシ活」などを選出。2023年は「デジタルヘルス」「安近短な海外旅行」に期待

    3 years 3ヶ月 ago

    楽天グループは、各種データを元に選出した「楽天グループ ヒットキーワード2022」「楽天グループ ヒット予測キーワード2023」を発表した。

    楽天グループ ヒットキーワード2022 ヒット予測キーワード2023

    「ヒットキーワード2022」に「脱自粛関連消費」「レシ活」が選出

    「ヒットキーワード2022」は、2022年1月~9月に楽天グループのサービスで流通額や利用者数などが特に伸びたものからキーワードを独自に選出。新型コロナウイルスの行動制限緩和に伴う「脱自粛関連消費」、物価上昇により注目が高まった「レシ活(レシートを活用した節約術)」があがった。

    脱自粛関連商品

    行動制限の緩和により、「楽天市場」ではイベント、外出、冠婚葬祭関連の商品需要が回復傾向にあるという。冠婚葬祭関連アイテムの流通総額は、2021年1月1日~9月30日と比べて、ウェディングドレスが約1.5倍、パーティドレスが約1.3倍、和装が約1.3倍と拡大した。

    楽天グループ ヒットキーワード2022 流通が約1.3倍になったパーティドレス
    昨年より流通額が約1.3倍になったパーティドレス

    また、コロナ禍の外出自粛により化粧をする機会が減少傾向にあったが、外出の機会が増えたことで、2022年6月1日~9月30日において、口紅・リップスティックが同期比約1.3倍、ファンデーションが約1.2倍と化粧品の流通額が拡大した。

    「楽天ブックス」では、2021年1月1日~9月30日と比べてガイドブックの売り上げが同期比約2.5倍、特に国内向けガイドブックがランキング上位に上がった。

    マイクロファッションアイテム

    「楽天市場」ではスマホや最低限の貴重品を携帯し手ぶらで外出できるスマホショルダーやスマホポーチが、2021年1月1日~9月30日と比べて同期比約4倍、マイクロバッグが約2.8倍に伸びた。

    楽天グループ ヒットキーワード2022 スマホショルダーは約4倍に伸長
    スマホショルダーは流通額が前年と比べて約4倍に伸びた

    ビューティー・コスメ関連商品でもミニサイズの口紅・リップスティック、ファンデーション、アイシャドウも伸長傾向にあるという。

    レシ活

    生活必需品の値上がりが続くなか、レシートの画像を送ってポイントを溜める「レシ活」が人気を集めた。「楽天ポイント」を獲得できるサービス「Rakuten Pasha」のレシート送付総数は、2021年1月1日~9月30日と比べて同期比約1.6倍になった。

    対象商品を購入するとポイントを獲得できるクーポン「トクダネ」も掲載数が前年同期比約2.4倍となった。

    楽天グループ ヒットキーワード2022 レシ活 Rakuten Pasha
    「楽天ポイント」を獲得できるサービス「Rakuten Pasha」
    (画像は「Rakuten Pasha」サイトからキャプチャ)

    ホカンス

    2022年は3年ぶりに行動制限のない夏休みとなったことなどから、国内旅行が大きく回復。ホテルとバカンスを組み合わせた造語で、ホテルの滞在やアクティビティをゆっくり楽しむ宿泊スタイル「ホカンス」はInstagramでのハッシュタグ投稿件数が2022年11月9日時点で13万件を超え、注目が高まった。

    「楽天トラベル」の高級宿の予約実績は、2019年1月1日~10月31日と比べて同期比約1.3倍に伸長、「露天風呂付客室」を含む宿泊プランや客室の宿泊数も約1.3倍になった。

    また、「ヴィラ」のキーワードを含んだ客室や宿泊プランの予約も約1.8倍と大きく伸長した。

    楽天グループ ヒットキーワード2022 国内旅行は高級感で非日常を求める傾向がある
    国内旅行で高級感や非日常を求める傾向があるという

    バーチャル推し活

    行動制限は緩和されつつあるが、アイドルやミュージシャンなどのオフラインイベントには引き続きさまざまな制限がある。そうしたなか、オンライン上での新しい「推し活」としてNFTへの注目が高まったという。

    NFTは1次販売時のみだけでなく、購入したNFTを他のユーザーに売却する2次流通の際も、アーティストや著作者へ利益の一部が還元される仕組みになっている。そのため、NFTを保有したり売買したりすることが「推し」を応援することにつながる。

    「Rakuten NFT」でも、スポーツ選手、アーティストなどさまざまなNFTを販売しており、NFTを通して「推し」を応援する動きがみられた。

    特に、VTuber「安全だいいち!」によるNFTは、2022年6月に限定100個販売し、発売当日に本人がYouTubeライブ上で告知したところ、発売からわずか30分後に完売。さらに第2弾のNFTについても、発売開始後7分後に全20個が完売した。

    楽天グループ ヒットキーワード2022 VTuber安全だいいち!
    VTuberの「安全だいいち!」

    2022年、オンラインでキャラクターグッズを展開する「楽天コレクション」で、VTuber/バーチャルライバーグループ「にじさんじ」とJリーグやプロ野球とのコラボアイテムを販売したところ、「楽天コレクション」公式Twitterにおいて関連ツイートが合計2万件以上リツイート、6.4万件以上「いいね」を獲得するなど、大きな反響があった。

    楽天グループ ヒットキーワード2022 VTuber/バーチャルライバーグループ「にじさんじ」とJリーグやプロ野球のコラボ
    VTuber/バーチャルライバーグループ「にじさんじ」とJリーグやプロ野球とのコラボ

    「ヒット予測キーワード2023」では、デジタル分野での新サービス展開などに注目高まると予測

    2023年に向けて楽天グループが期待するキーワードを独自に選出した「ヒット予測キーワード2023」では、「デジタルヘルスケア」「縦読みデジタルコミック」といったデジタル分野での新たなサービス展開や、水際制限緩和に伴う旅行分野での変化に注目が集まると予測した。

    サステナブルツーリズム

    世界的にサステナビリティへの意識が高まるなか、近年はサステナビリティに対応した宿泊施設の新規開業や、新たにサステナビリティ対応を始める宿もみられるという。

    「楽天トラベル」が旅行者を対象に行った意識調査では、7割以上が「旅行先や宿泊施設においてサステナビリティに関する何らかの問題意識を感じている」と回答しており、国内外で「観光地や宿泊する宿のサステナビリティへの対応」がより注目されると予測した。

    楽天グループ ヒット予測キーワード2023 サステナビリティ×観光
    「楽天トラベル」では旅行とサステナビリティについて考えるコンテンツや、サステナブルがコンセプトの宿情報などを発信する特設ページ「 楽天トラベルと始める 旅行×サステナビリティ」を開設

    デジタルヘルスケア

    コロナ禍を機に、必要なときにいつでも検査、治療を受けられる仕組みや、迅速に医療データを収集・解析・利用することの重要性が認識され、デジタル技術を活用した新しい医療・ヘルスケアサービスの需要が急拡大した。

    厚生労働省は2023年1月から、患者が医療機関で受け取る処方箋をデジタル化する「電子処方箋」の運用を開始すると発表している。

    楽天グループ ヒット予測キーワード2023 楽天ヘルスケア アプリ
    楽天は、ポイントを貯めながらおトクに健康管理ができるスマートフォンアプリ「楽天ヘルスケア」のiOS版を2022年10月から提供開始した

    縦読みデジタルコミック

    縦読みデジタルコミックは、スマートフォン画面全体を使ったインパクトのある描写に加え、多様な色使いや音響にエフェクトをかけるなどさまざまな演出が可能。

    コマを縦に並べることで画面をスクロールして読むことができ、世界共通で読みやすいフォーマットであることから、国内外で人気が高まっているという。

    楽天は今後トゥーンクラッカー社と共同で、縦スクロール型・フルカラーのオリジナル作品を企画・制作し、国内外への配信や海外作品の調達およびローカライズを行う予定。

    安近短な海外旅行

    2022年8月に日本出入国時の水際対策の緩和以降、海外旅行へ行きやすくなったことをきっかけに、「楽天トラベル」での海外ホテルと海外ツアーの1日あたりの平均の検索数は3倍以上に増加した(2022年1月1日~2022年8月23日と2022年8月24日~2022年10月23日で比較)。

    ハワイや韓国など以前から人気が高く、「安」心して楽しめ、文化などが身「近」で、移動距離の「短」い国から回復の傾向にあるという。

    楽天グループ ヒット予測キーワード2023 海外旅行応援ページ
    「楽天トラベル」では、渡航情報などをまとめた「海外旅行応援」ページを公開
    藤田遥

    「Yahoo!ショッピング」でヤマト運輸が配送する商品購入時、ID未連携でも配達状況を確認できる機能を提供

    3 years 3ヶ月 ago

    ヤフーは、「Yahoo!ショッピング」でヤマト運輸が配送する商品を注文すると、商品の配送状況を注文履歴一覧ページ、注文履歴詳細ページ、アプリのプッシュ通知で確認できる機能の提供を開始した。

    配送予定日時などをよりわかりやすく通知

    機能提供により、ユーザーが注文した商品の「配送予定日時」「不在連絡」などの配送状況が注文履歴詳細一覧ページ、注文履歴詳細ページ、Yahoo!ショッピングアプリが配信する「プッシュ通知」で確認できる。

    ヤフー Yahoo!ショッピング ヤマト運輸 配送状況通知の画面イメージ
    配送状況確認の画面イメージ

    「Yahoo!ショッピング」は、これまでもヤマト運輸の個人向け会員サービス「クロネコメンバーズ」の「クロネコID」と「Yahoo! JAPAN ID」を連携しているユーザーに、配送状況を通知している。

    機能提供により、「クロネコID」を連携していない「Yahoo! JAPAN ID」にログインしているユーザーに対しても、ヤマト運輸が配送するほとんどの商品を対象に、配送予定日時などの配送状況を通知できるようになった。

    藤田遥

    HC買収の背景と今後――売上1000億円企業を一代で築いた“カリスマ”吉田会長退任、オリックスは「再買収」か「育成」か? | 通販新聞ダイジェスト

    3 years 3ヶ月 ago
    「通販」の黎明期からその可能性に着目し、独自の牙城を築いたDHC。オリックスには、新規株式公開を通じた資金回収、事業切り離しによる再売却、株式の長期保有で事業育成を図り、グループに取り込むなどの選択肢がある

    オリックスがディーエイチシー(=DHC)を買収する。創業者で大株主の吉田嘉明会長兼社長から株式の過半を取得する見込み。「通販」の黎明期からその可能性に着目し、独自の牙城を築いた企業の買収は、「通販」という業界の潮目の変化を象徴する。オリックスは、業界でも特異な存在であったDHCのどこに価値を見出し、いかに取り込むのか。

    取得価格は1000億円超

    オリックスは、23年3月期中に、吉田会長から過半の株式を取得する予定。取得価格は、現段階で1000億円以上を見込む。一部に3000億円規模との報道もある。

    取得期間を広く取る背景には、未上場のまま、一代で1000億円企業に育てた企業の買収が容易でないことを窺わせる。「株は散逸している可能性がある」(業界関係者)との声も聞かれる。「全株式を取得する予定」(オリックス)とするが、現時点の公表は、吉田会長個人との株式譲渡契約のみだ。DHCの株主数や、吉田会長の保有比率については「非公表」。「保有状況は把握しており、粛々と取得を進める」とする。

    法人営業のネットワーク活用検討

    DHCの評価については、広範な販売チャネル、国内外の高い知名度、幅広い年齢の顧客の支持を得ているとする。オリックスは、医療機器のイノメディックス、製薬関連の同仁医薬化工への出資を通じてヘルスケア領域に参入。また、国内外に法人営業のネットワークを持つ。これを活用し、メーカーとの協業や卸先の開拓を進めていくようだ。

    一方、近年では、吉田会長による在日韓国人に対する声明が差別的であるとして広く批判を招き、ブランド力にマイナス影響もあった。これには「人種などによるあらゆる差別を容認しないことを人権ポリシーとして定めている。DHCが新経営体制のもと社会と協調し、持続可能な会社となるよう株主として支援していく」としており、「DHC」のブランドも維持する方針。

    投資事業に注力する中で培った企業価値向上のノウハウを活かし、コンプライアンス体制やコーポレートガバナンスを強化する。具体的課題は、「株主ではない現時点で答えられない」とするが、吉田会長は株式の譲渡後、退任を予定する。

    低価格を追求営業利益率悪化

    通販業界は、個性の強い創業者、経営者らが築いた独自の企業文化の集合体として発展してきた。DHCが創業50周年の節目に買収されるニュースは、業界の少なくない企業が抱える「事業承継」という課題を浮き彫りにする。

    DHCは、通販の黎明期、新たなディスカウンターとして市場に登場した。

    同じく通販大手のファンケル(横浜市中区)が、高価格が主流だった健康食品の「価格破壊」を打ち出すとこれに追随。低価格戦略でしのぎを削った。

    ただ、近年はファンケルなど競合他社が研究開発力を強みに付加価値戦略に舵を切る中、依然として「低価格・配合量」にこだわり展開していた。

    18年には、健食全アイテムと化粧品の一部商品で、利益を度外視した25%の割引率を適用する「ぶっとび定期便」を開始。ただ、これも裏目に出たようだ。売上高は、1087億円をピークに下降線に。かつて10%を超えていた営業利益率は20年に4%台にまで落ち込んだ。

    22年7月期の売上高は、前年比0.5%増の905億3100万円。営業利益は、同52.5%増の166億7600万円、経常利益は同53.8%増の176億2400万円、純利益は同76.7%増の96億1500万円。コロナの影響に加え、売却を念頭にコストがかさむ店舗の急速な整理で固定費や人件費を削減し、収益改善を進めたとみられる。20年1月に約200あった直営店は、現在107店と半減している。

    通販大手の代表経験者を招へい

    DHCは、主力の通販事業のほか、水やビール、リゾートなどさまざまな事業を展開する。オリックスには、新規株式公開を通じた資金回収、事業切り離しによる再売却、株式の長期保有で事業育成を図り、グループに取り込むなどの選択肢がある。「現時点で出資期間は想定していない。中長期で発展を目指す」(同社)とする。

    今後、同社は、DHCの舵取りを行う専門人材として、化粧品通販大手の代表経験者を招へいするとみられる。「分かりかねる」(同)としているが、DHCはここ1年ほど、これに限らず業界周辺で積極的な採用活動を進めていた形跡がある。

    ◇◇◇

    業界を代表する一社の買収に同業他社は、「事業承継は多くの企業が抱える課題。今後も同様の動きが加速するのでは」、「典型的なオーナー経営でいずれ事業承継が課題になることは明らかだった。織り込み済みで驚きはない」と冷静な受け止めも聞かれる。

    今後については、「流通販路の開拓はすでに一巡している。保険などオリックスが持つ経営資源とどのようなシナジーを想定しているのか、要否を判断して切り売りすることもあり得る」、「個人経営の会社からガバナンスの効いた会社に変化していくイメージはある」などの声が聞かれた。

    売却か育成か、オリックスの動向は、事業承継が課題として浮上する業界がどう産業に取り込まれていくか試金石になる。業界再編の呼び水になる可能性もある。

    「事業承継」の課題浮彫り、強い個性と情熱が築いた業界

    強い個性と情熱を持つ創業者が築き上げてきた通販業界にあって、DHCを創業した吉田嘉明会長もその1人だった。「通販」の可能性を業界内外に知らしめた。

    「一つの時代が終わったと感じる」。ある業界関係者は、そう感想を語る。買収は業界の現状を象徴する。

    通販の黎明期、多くの個性あるプレイヤーは新たなディスカウンターとして市場に参入した。低価格下着で市場に参入したセシール、シムリー(後のイマージュ)、「テレショップ」のモデルを確立した二光、総通、日本文化センターなどがある。「思い切った値付け、海外調達を含めたサプライチェーンの構築などダイナミズムは、オーナー社長の存在感が大きかった」。

    だが、イマージュは業績低迷を受けて上場廃止後、セシールが衣料品事業を買収。そのセシールもディノスを経て20年、ノジマ傘下のニフティが株式を取得した。二光は西友グループのもとで通販から撤退(08年)、総通は12年に経営破綻し、「日本直販」事業をトランスコスモスが取得した(今年5月に売却)。ECの台頭を受けたニッセン、千趣会などカタログ通販の低迷もしかりだ。

    ◇◇◇

    化粧品・健康食品では、「不の解消」を掲げ、「健康食品の価格破壊」「無添加化粧品」で、市場を切り拓いたファンケルの池森賢二氏がいる。一方で対照的な存在として台頭してきたのが、吉田会長率いるDHCだった。

    「少し待ってくれ」。吉田会長を知る人は面談の機会を得た際、自ら難解なプログラミング用語が書かれた紙を見つめ、その分析に没頭する姿を目にしたという。「固執するような、執念のようなものを感じた。通販のシステムに精通し、自ら分析していたのだろう」と、印象を語る。低価格戦略では、ファンケルの向こうを張って覇を競った。スラップ訴訟やヘイト声明などトラブルも多かったが、業界を象徴するカリスマの一人であったことは間違いない。

    ◇◇◇

    「シアーズに学べ」。かつて日本の流通大手がこぞってその店作り、オペレーションを学んだ米シアーズは、通販の草分けとしても知られる。18年に破たんした。

    「地球上でもっとも安いサプライヤー」。創業当時のカタログには、そう印字されている。だが、時代の変化に応じて金融など事業を多角化する中で、本業である店舗への投資を削り、疎かにしたことで競争力を失っていった。同じく「最安値」を追求するアマゾンなどECに顧客を奪われた。

    他業態を見ても、百貨店は業界再編を経た後も苦戦を強いられ、GMSもセブン、イオンの寡占状態にある。小売の延長でこれ以上の成長は見出しにくく、金融や保険など各種サービスで商圏の拡大を目指している。

    DHCもデジタル技術の革新、購買行動が変化する中で消費者ニーズとのかい離が生じていたのかもしれない。

    過去に買収を経た多くの企業の再浮上が叶っていない背景には、業界が独自の企業文化を築いたオーナー経営の集合体で構成されてきたことがある。オリックスは、通販に精通する専門人材を投入するとみられるが、DHCがどう変わるのか注目される。

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    通販新聞

    ギフティの2022年3Q売上は29%増。デジタルギフトの法人利用が大幅伸長、企業のDX化が後押しか

    3 years 3ヶ月 ago

    デジタルギフトサービス「eギフト」を手がけるギフティの2022年1~9月期(第3四半期累計)決算は、売上高が前年同期比28.6%増の33億8800万円、営業利益が同8.3%増の3億5100万円だった。

    DX化の流れが法人利用拡大に寄与

    企業活動のDX化の進展により、「eギフト」をマーケティングなどに利用する法人に向けた「eギフト」販売 (「giftee for Business」サービス)の利用企業数とキャンペーン数が大幅にした。四半期最高値を更新したという。

    これに加え、ギフティグループが提供する「eギフト」生成システム「eGift System」の導入企業も堅調に推移したようだ。

    「giftee for Business」の利用企業(DP)数は1195社(同327社増)、「eGift System」サービスの利用企業(CP)数は264社(同88社増)となった。

    「eギフト」利用企業数などの推移(画像はギフティのIR情報から編集部がキャプチャ)
    「eギフト」発行企業数(画像はギフティのIR情報から編集部がキャプチャ)

    営業利益が1桁台の伸長にとどまった理由は、販管費が同31.4%増の25億100万円と大幅に増えたため。事業拡大に伴って積極的に採用を推進し、人件費などが増加。これに加え、サーバー費用などの支払手数料増加も影響した。

    人員数の推移(画像はギフティのIR情報から編集部がキャプチャ)

    個人向け「eギフト」利用は減少、広告掲載終了が影響

    一方で、個人向けの「eギフト」サービス「giftee」は191万人となり、2022年の上期までと比較すると5万人(=2.6%)減少した。これは、広告媒体へのサービス掲載終了に伴い、該当のサービスにひもづく会員の登録を解除したことが理由だという。

    個人消費者向けサービス「gihtee」の会員数、四半期末数推移(画像はギフティのIR情報から編集部がキャプチャ)

    このほか、地域通貨サービスでは旅先納税を中心に実施案件数が増加。旅先納税の導入自治体は通算12自治体にのぼるという(※2022年9月末時点)。

    経常利益は同15.4%増の3億5100万円、純利益は同26.3%増の1億6600万円となり、いずれの利益段階も伸長した。

    高野 真維

    UI・UXの向上をめざすユナイテッドアローズのECサイト改善施策とは

    3 years 3ヶ月 ago
    ユナイテッドアローズ(UA)のEC戦略と、自社ECサイト刷新にともなうUI・UX改善事例を解説。ZETAが提供するEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」とレビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」導入による課題解決の取り組みとは
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    ファッションやセレクトショップ業界をリードするユナイテッドアローズは2022年3月、ECと実店舗の売り場を統合するために自社ECサイトをリニューアルオープンした。検索機能の改善、レビュー投稿によるUGCの導入など、UI(ユーザーインターフェイス)・UX(ユーザーエクスペリエンス)の向上に取り組んでいる。オンラインとオフラインのシームレスな購買体験をめざすユナイテッドアローズのEC戦略、顧客体験向上の取り組みなどを取材した。

     

    情勢の変化、消費者ニーズの変化を捉えた商品領域の拡大

    紳士服や婦人服のファッションブランドとして成長し続けてきたユナイテッドアローズ。コロナ禍では「UNITED ARROWS」「BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS」といった主力ブランドに加えて、スポーツウエアやウェルネスブランドを徐々に拡大。コロナ禍の生活様式、消費者ニーズへの変化対応に努めてきた。

    ユナイテッドアローズの顧客は30〜40代が中心だが、近年はそのほかの年代にも裾野が広がっている。SNSの浸透や若年層向け商品企画、各種施策などで、ここ最近は20代やこれまではリーチしにくかった10代の顧客にも提案できるようになったという。

    ウェルネス領域に取扱商品を広げてターゲット層を拡大する構想はコロナ禍前から進めていたため、近年の消費行動、生活様式の変化にも対応できたという。

     スポーツ商材のなかでは、特にゴルフにフォーカスした。コロナ禍の消費者需要として、ゴルフは抜群に相性が良かったと感じている。「ユナイテッドアローズ ゴルフ」では、素材やシルエットにこだわり、スポーツウエアならではの機能性を追求している。ユナイテッドアローズの強みを生かして、社交の場にふさわしい品質、デザイン性を持つオリジナルウエアの提案を行う。(ユナイテッドアローズ 木下氏)

    EC刷新でオンラインとオフラインの売り場を論理的に統合

    ユナイテッドアローズの直近の大きな動きは、2022年3月の自社ECおよびアプリのリニューアルだ。ECのリプレイスは2018年の秋冬あたりから構想を始めていたという。

    オンラインとオフラインの売り場をシームレスにつないでいくことを目的に、構想に先駆けて2017年4月までにオンラインとオフラインの顧客基盤、ブランド別に展開していたオウンドメディアサイトを1つに統合し、さらにオンラインとオフラインで在庫の統合も進めた結果、2018年秋の構想から約4年の期間を経てリプレイスを果たした。顧客がどの販売チャネルで商品を検討し、購入しても、在庫があるかぎり供給していくための土台を整えた。

    ただ、お客さまからみて当社のオフラインチャネルとオンラインチャネルは現在もまだシームレスとはいえないといい、木下氏は「商品在庫、接客、ナレッジが1つの販売チャネルに滞ってしまうことの課題解決を進めはじめた」と話す。

    ユナイテッドアローズ  ITソリューション本部EC開発部部長 木下貴博氏
    ユナイテッドアローズ  ITソリューション本部EC開発部部長 木下貴博氏

     ECサイト刷新前は他社に運営を委託してきたが、ユナイテッドアローズはこれを自社主導での体制に移行してリニューアルした。

    リニューアルしたユナイテッドアローズのECサイト
    リニューアルしたユナイテッドアローズのECサイト

    購買体験の向上に向け、加速するデジタルコンテンツ化

    ユナイテッドアローズがめざすのは、オンライン・オフラインを含めたすべてのコマースチャネルで1人ひとりのお客さまの購買体験から受け取る価値を高めていくこと。

    そのなかで店舗スタッフがもつ現在販売している商品の魅力についての知識や、お客さまとの接客を通じ磨き続けてきたファッションユーザにとっての課題解決の知見などを、1つひとつの店舗に閉じずOPEN化していくことで、オンラインだけにとどまらず、オフラインチャネルでの購買体験を豊かにすることをめざす取り組みだ。

    スタッフの能力や経験を店舗にきたお客さまにだけ届けるのではなく、場所にとらわれず必要なお客さまに提供していくという観点では、デジタルコンテンツ化は有利だ。たとえば、ある店舗に来店されたお客さまのお迷いや期待をもっともふさわしいスタッフがサポートできれば、そのお客さまの課題は解消に進みやすくなるのではないか。場所の制約の多くはコロナ禍を経てますますなくなってきた時代だからこそ、デジタルの力も活用し、距離は離れた場所にいるお客さまの課題解決を社全体で進めていく。そのような観点をコンテンツ作りにも生かし取り組んでいる。(ユナイテッドアローズ 木下氏)

    木下氏は、スタッフのスタイリング提案もブログ記事もどちらも「スタッフの生み出すコンテンツ」ではあるが、ブログは接客がうまいからといってかならずしも上手に書けるわけではなく、その逆もしかりだと話す。

    スタッフの役割を専門的に分解して、新しい業務に必要な能力をリスキリングする機会を設けたり、得意な人が得意なコトにフォーカスしていけるよう、整備を進めているという。

    スタイリングのページ
    スタイリングのページ

    ツール導入時はユーザー目線の課題解決力を重要視

    リプレイスではさまざまな機能をECサイトに掲載したが、その1つであるサイト内検索機能は目的の商品を見つけやすく、すぐにたどり着けるよう検索機能とサイト内の導線を改善した。検索時の入力を補助する予測変換、検索条件の保存などさまざまな検索アシスト機能を充実させている。

    店舗では取りそろえきれないほどの在庫を保管できるというデジタルの強みをうまく活用し、商品を拡充してもすぐにほしい商品にたどり着くことができれば、消費者の体験価値を高めることが可能となるため、品ぞろえと検索性の両面をさらに強化していくという方針を掲げる。

    お客さまの購入チャネルがどこであっても、商品がほしいと思い、最初に手を上げてくれたチャネルできちんと供給できるようにしていく。(ユナイテッドアローズ 木下氏)

    ZETAが提供するEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」の導入により、スムーズな購買プロセスを実現している。

    「ZETA SEARCH」を導入したサイト内検索
    「ZETA SEARCH」を導入したサイト内検索

    木下氏は「ファッションははやりすたりも早いし、ましてアイテムやスタイリング、触感など多くの点で辞書を調べれば手軽に出てくるようなキーワードばかりではない。そのようなジャンルだからこそお客さまが『ほしい』と思った商品をうまく言語化できなかったとしても適切な商品提案をできるようにするなど、ZETAが提供するサービスの活用で利便性向上につなげることができた」と言う。

    オンラインチャネルとオフラインチャネルの連動、デジタル化を推進するには、サイト内検索のように専用ツールの導入が欠かせない。ユナイテッドアローズはツールを採用する際に、どのようなポイントを意識しているのだろうか。

    • 1つ目……ユーザーにとって価値があるか。どの顧客群に、どのシーンで、どの課題が解決できるのかを具体的にイメージできるかどうかを重視
    • 2つ目……パートナー企業としてともに何年間も歩み続けることで、顧客に対して継続的に価値を高めていけるパートナー企業になりえるかどうか
    • 3つ目……既存システムに悪影響を与えてしまわないかどうかを注視。たとえば、読み込み速度の低下などが該当する。ECサイトのパフォーマンス上、悪影響がないかどうかを気に掛けている

    ユナイテッドアローズの木下氏はZETAについて、「我々ではなく我々の先にいるお客さまの課題にフォーカスし、その課題解決にむけサービスを拡張したり、投資している企業だと感じている」と説明。パートナー企業として厚い信頼を寄せているという。

    ZETAは良いパートナー企業であり続けることを意識している。クライアント企業の「こんなことをやりたい」という要望に応えるだけではなく、それを踏まえて「もっとこうしたほうがユーザーにとって使い勝手が良いのでないか」といったエンドユーザーの目線にも立ちつつ、クライアント企業の動きを加速することを心がけている。(ZETA 出張氏)

    ZETA 執行役員副社長博士(情報科学)出張純也氏
    ZETA 執行役員副社長博士(情報科学)出張純也氏

    サイト内検索の精度改善によるCX向上

    ここからは、ECサイト刷新の際に行ったサイト内検索の改善、レビュー強化の取り組みについて深掘りしていきたい。
    ユナイテッドアローズは「ZETA SEARCH」の導入前、商品が既存のカテゴリーに分類しきれなかったり、商品数の増加で消費者が求める商品が埋もれてしまうという課題を抱えていた。

    もっとも課題としていたのは商品検索の精度。導入前のサイト内検索は商品名や商品説明、商品カテゴリーなどの一般的な商品マスタ項目でしか商品を検索できず、精度がいまひとつだった。導入後は、取り扱いブランドやお客さまが探しやすいキーワードを商品マスタに付加し、その項目も検索対象に含めることで、検索精度が向上してきた。(ユナイテッドアローズ 橋本氏)

    ユナイテッドアローズITソリューション本部EC開発部シニアマネジャー橋本美和氏
    ユナイテッドアローズ ITソリューション本部EC開発部シニアマネジャー橋本美和氏

    タイムセールの商品を検索・閲覧できないときがあるといった課題もあった。タイムセールの対象時間になっても商品がECサイトの画面上に出てこない現象などがあったものの、この事象も「ZETA SEARCH」の導入によって解決した。

    また、言語化しにくいあいまいな検索にも対応できるようになり、たとえば季節のキーワードで商品がヒットするなど、「ZETA SEARCH」の導入によって商品の探しやすさに磨きがかかっている

    一口に検索ツールといっても、どれだけ重要なキーワードをもらさずに対応できるか、あいまいな検索でもレスポンスできるか、顧客の需要にアジャストした検索結果を表示できるかという精度はツールごとに異なる。その点、「ZETA SEARCH」の高い精度、長年の実績に基づいて研さんされてきたアルゴリズムは、ユナイテッドアローズが抱えていた課題を解決できるツールだと確信して導入を決めたという。

    フリーワード検索の顧客行動に改善の兆し

    さらに「ZETA SEARCH」の導入によって、ユナイテッドアローズは顧客の検索行動に改善を感じ始めているという。

    「ZETA SEARCH」導入後、フリーワード検索経由のコンバージョンはやや改善傾向にあり、キーワード検索を利用するお客さまはコンバージョン率が高いという結果になっている。(ユナイテッドアローズ 星氏)

    ユナイテッドアローズ ITソリューション本部EC開発部シニアマネジャー 星正和氏
    ユナイテッドアローズ ITソリューション本部EC開発部シニアマネジャー 星正和氏 

    木下氏は「運用はまだまだ、山登りでいうと1合目、 2合目の感覚。逆に言うとポテンシャルを感じている」と話す。

    たとえば、冬シーズンはクリスマスなど特殊なキーワードも増えてくる。ZETAは、シーズンごとのキーワードもどんどん取り込んでいけるような提案を行っていきたい。検索キーワードが上昇しているワードの定性評価も月ごとに行っている。(ZETA 木又氏)

    ZETA 技術部 ユニット長 木又陽平氏
    ZETA 技術部 ユニット長 木又陽平氏

    「共感の時代」において消費者レビューが購買に影響を与える 

    ECサイトのリニューアルでは、消費者による商品レビューの投稿機能を追加した。消費者が商品を購入するかどうか迷ったとき、その商品を買ったユーザーの率直な感想を確認することで適正な購買行動や購買の後押しになるといったサポート機能としての役割を期待している。

    この商品レビューの投稿機能もZETAが提供するレビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」で実現した。このソリューションではサイト内にレビューコンテンツを実装でき、商品着用時の感想など消費者の生の声をレビュー掲載することで購買を後押しすることができる。

    プロダクト側の情報発信には関心を示さない人でも、自分と同じようなモノを買った人が商品の使い勝手を発信したレビューには共感し、購買行動につながるケースが増えている……という時代の流れがある。こうした消費行動は今後さらに進むだろう。(ユナイテッドアローズ 木下氏)

    「ZETA VOICE」で実現したレビュー投稿機能
    「ZETA VOICE」で実現したレビュー投稿機能

    消費者の声が購買を後押しする昨今の傾向について、ZETAの出張氏も「共感の時代になっているのかもしれない」という。それを踏まえユナイテッドアローズの木下氏は、「レビューにより現在のお客さまが未来のお客さまの迷いや間違いたくない心理をサポートできないかと考え、そのためにUGCコンテンツの量も増やし、多くのお客さまにコンテンツに触れていただく機会を拡大していきたい」と話す。

    こうしたUGCを増やしていく方針のユナイテッドアローズに対して、ZETAの市川氏は「『ZETA VOICE』は現状のサービス内容にとどまらず、今後レビューを増やしていくための施策を提案していきたい」と言う。

    たとえば、「ZETA VOICE」を利用して集めたレビューを、商品開発にも生かすといった取り組みもある。そのためユナイテッドアローズとZETAは、まずはレビュー数そのものを増やすことに力を入れていく方針だ。

    ZETA セールスグループ マネージャー 市川敬貴氏
    ZETA 営業部 ジェネラルマネージャー 市川敬貴氏

    「ZETA VOICE」導入の背景には、「ZETA SEARCH」を採用していることも影響している。ソリューションの導入・運用では、それぞれ異なる企業のサービスを導入するよりも、1つの企業が提供しているサービスを複数導入したほうが合理的だ。パートナー企業としてワンストップで集中させ、各ソリューションを育成するために「ZETA SEARCH」「ZETA VOICE」両方の導入に踏み切った。

    課題解決により更なる価値提供へ 

    企業のリソースは常に限られている。ユナイテッドアローズの木下氏は、「新たなツールの導入は、いかにツール運用の学習コストを小さくできるかも重要」だと考えている。
    その点について、ユナイテッドアローズの橋本氏は、「『ZETA VOICE』は導入がスムーズだった」と振り返る。

    ZETAは導入後も改善ポイントのフィードバック、UGC施策についてより付加価値の高い提案など、手厚いサポートを継続している。ツールの導入後、クライアント企業のキーワードのチューニングや管理画面の操作はZETAが一手に引き受けるといったサポートも、ZETAが多くの企業から支持されている理由の1つであり、導入企業は本業の“売る”業務に集中できるためだ。

    「ZETA SEARCH」「ZETA VOICE」の導入によって、お客さまが抱えていた課題が解消に向かっていると感じている。サイト内検索やUGCは買う判断までたどり着くための潤滑油。商品にひもづく情報の価値はこれからますます重要になるだろう。ECサイト運営とユーザーのために、ZETAの総力を借りてともに発展していきたい。(ユナイテッドアローズ 木下氏)

    ZETAの出張氏は「ECはユーザー側が探しに行かないと商品に出会えない。多くのユーザーは商品の一覧性を好むので、キーワード検索を使う傾向があり、ZETAはキーワード検索を重視してきた」と説明する。ZETAの木又氏は「レコメンドでももちろん、新しい商品と出会うことができるが、サイト内検索でもある程度柔軟に対応できる。たとえば、関心を持ってもらえそうな商品をランダムに表示する方法などだ。ZETAは消費者が多くの商品と出会えるように、運用のさらなる改善に努めていく」と話す。

    エンドユーザーにとって、ユナイテッドアローズにしかできない検索体験をサポートしたい。それをZETAがどう実現できるかが本当の意味でのパートナーシップになる。ユナイテッドアローズがめざす課題解決や価値向上の理解を深めていきたい。(ZETA 市川氏)

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    高野 真維
    吉田 浩章

    「電子帳簿保存法の改正」に対する企業の対応状況は?【データ保存方法リスク比較表あり】

    3 years 3ヶ月 ago

    パイオニアは、「電子帳簿保存法の改正」に対する企業の対応状況について、実務に対応している税理士111人にアンケート調査を実施した。

    税理士のクライアント先は個人事業主、小規模事業者など従業員数100人以下の企業が最も多く、全体の半数以上となる67%。

    税理士が担当しているクライアント先で、「電子帳簿保存法の改正にほぼ完全に対応できている」と答えた企業の割合は2.7%。70%以上の企業が5割以下の対応にとどまっている。

    「電子帳簿保存法の改正」に対する企業の対応状況について 「電子帳簿保存法の改正」に対応できている企業の割合
    「電子帳簿保存法の改正」に対応できている企業の割合

    「電子帳簿保存法の改正」に関する問い合わせで多いもは、「対応した会計・精算システムについて」が59.1%。「各制度に応じた具体的な対応方法」が50.9%、「電子取引の電子データの保存方法について」が42.7%と続いた。

    「電子帳簿保存法の改正」に対する企業の対応状況について 「電子帳簿保存法の改正」に関する問い合わせ内容
    「電子帳簿保存法の改正」に関する問い合わせ内容

    「電子帳簿保存法の改正」は残り1年余りで完全義務化。システムや対応方法など、より具体的な内容に関する問い合わせが多い。保存の手段が書類から電子データに変わることから、保存方法に関する問い合わせ42.7%に達している。

    電子帳簿のデータの保存先として採用しているのは、「USBメモリー」が26.9%で最多。次いで「SSD」が18.3%、「HDD」が17.3%。

    「電子帳簿保存法の改正」に対する企業の対応状況について 電子データの保存先
    電子データの保存先

    保存先メディアで、課題やリスクだと考えている点を3つまで聞いた結果、最も多かったのが「データを誤って削除・上書きするなどのリスク」の51.0%。「機器の故障などによるデータ消失」(48.1%)、「長期保存性(経年劣化、買い替え、データ移行が必要など)」(39.4%)と続いた。

    操作や機器の故障を問わず、データを失ってしまうリスクは極力避けたいとの判断があるようだ。また、法律上7年間のデータ保管が義務付けられているため、長期保存ができることを重要視している企業も多い。

    「電子帳簿保存法の改正」に対する企業の対応状況について データ保存の課題やリスク
    データ保存の課題やリスク

    電子帳簿のデータ保存で重要だと思うことを3つまで聞いたところ、「セキュリティ(パスワードの設定など)」が50.0%で最多。「データ消失リスクが少ないこと」が45.5%、「長期保存できる耐久性」が32.7%で続いた。

    企業の重要データを取り扱うことから、セキュリティが最重要視されていることが明らかとなった。データ消失のリスク回避や、長期保存を見据えた保存先を選定することも重要だと考えられる。

    「電子帳簿保存法の改正」に対する企業の対応状況について データ保存で重要なこと
    データ保存で重要なこと

    電子帳簿のデータ保存で困っていることや不便だと感じることに関しては、以下の点があがった。

    • 経理用の保存先を準備するためのコストがかかること
    • すぐに容量がたまりそう
    • セキュリティ面が不安
    • データを移行する手間がかかる
    • 最適な保存方法がわからない
    • 保存したデータから必要なデータをすぐに探せるか不安
    • データを保存した媒体の紛失が不安

     データ保存に関して困っていることや不便だと感じることについては、「セキュリティ」「コスト」「保存容量」「保存方法」「データの取り出し」などがあがっている。特に多かったのが「セキュリティ」「コスト」「保存方法」に関する悩み。

    「電子帳簿保存法の改正」に対する企業の対応状況について データ保存方法リスク比較
    データ保存方法リスク比較
    石居 岳
    確認済み
    31 分 33 秒 ago
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