ネットショップ担当者フォーラム

宅配は自宅で手渡し受け取り7割&いつも日時指定する人は42%。半数超が「指定時間通りの配達」を最重視

3 years 1ヶ月 ago

インターネットリサーチのクロス・マーケティングが実施した「宅配に関する調査(2022年)」によると、宅配サービスを利用する際に重視する点は「指定された時間通りに配達される」が半数を超えた。

過去3か月の40、60代による宅配利用率は半数超

直近3か月のフードデリバリー、食材・物品の宅配サービスいずれかの利用率は48%だった。このうち、40代と60代では半数を超えた(図1)。

調査結果によると、宅配ボックスの設置率は、戸建てで8%、集合住宅では35%だった(図2)。

宅配ボックスがあっても「自宅で手渡し」が最多

宅配サービスの受け取り方法は、「自宅で手渡し」が突出して高い。次いで「置き配」「宅配ボックス」。宅配ボックスのある家庭でも「自宅で手渡し」が最も多かった(図3)。

日時指定は「ほとんど利用」が42%、「たまに利用」は31%だった。40代と50代の「ほとんど利用」は高い。宅配ボックスのある家庭でも「ほとんど利用」は39%を占めた(図4)。

初回配達時に「ほぼ全て受け取れている」は58%、「半分程度受け取れている」は30%だった。この2つを合わせると、回答者の88%は“受け取れている”と回答したことになる。特に、40~60代は「ほぼ全て受け取れている」割合が6~7割と高い(図5)。

女性の多くが梱包に不満

梱包についての不満点は「商品に対して梱包が大きすぎる」「ゴミ出しが手間」「住所氏名の紙がはがしにくい」「緩衝材を捨てる手間がかかる」などがあがった。特に女性ではいずれの不満点も高い(図6)。

回答者の多くが「指定時間通りの配達」を最も重視

宅配サービスを利用する際に重視する点は、「指定された時間通りに配達される」が半数を超える。次いで「送料が安くなれば、普通より配達の日にちがかかってもよい」「不良返品・配達確認などフォロー対応がしっかりしている」など。「指定した時間通り」は50代、60代の割合が高い(図7)。

再配達を少なくする方法としては「日時指定の徹底」が多くあがった。そのために、回答者からは次のような声があがった。

  • 指定時間を細かくする
  • 宅配ボックスの設置
  • 置き配優先や再配達の有料化   

ドローン宅配は期待の一方、荷物の損傷不安視の声も

ドローン宅配は、「送料が安くなる」「夜の配達が増える」「ベランダで受け取れる」といった期待がある一方、ドローンの不具合による落下、遅配、荷物の損傷を不安視する意見もみられた(図8)。

調査概要

  • 調査手法:インターネットリサーチ
  • 調査地域:全国47都道府県
  • 調査対象:20~69歳の男女
  • 調査期間:2022年9月27日~9月28日
  • 有効回答数:2500サンプル
    ※調査結果は、端数処理のため構成比が100%にならない場合あり
高野 真維

テレ東が「NFT」事業会社に約3億円出資した狙いとは? 新分野でコンテンツビジネス拡充

3 years 1ヶ月 ago

テレビ東京は、最新の暗号化技術を用いてコンテンツビジネスなどを展開するNFT(非代替性トークン)事業会社に出資した。放映する番組やコンテンツから派生するキャラクターなどを用いたゲームや商品化ビジネスの拡大をめざす。

出資先の企業は、シンガポールを拠点にNFTのゲームプラットフォームを運営するDigital Entertainment Asset Pte. Ltd.(DEA)。約3億円にあたる220万米ドルを出資した。

テレビ東京がNFTのゲームプラットフォーム運営企業に約3億円を出資

テレ東、NFTへの注力は“収益構造の改革の一環”

テレビ東京は配信、アニメ、イベント、通販・ECなどの事業をさらに成長させ、放送事業だけに頼らない収益構造の改革を一段と進めている。今回の出資もその一環という。

DEA山田耕三Co-CEO(左)、テレビ東京石川一郎社長(中央)、DEA吉田直人CEO

今後、テレビ東京はDEAへの出向人事も検討しており、NFTを活用した新たなコンテンツの楽しみ方を広げていくとしている。

DEAは2018年8月にシンガポールで設立。自社で発行する暗号資産「DEAPcoin(ディープコイン)」とゲームを融合させたゲームプラットフォーム「PlayMining(プレイマイニング)」を運営している。

すでに自社プラットフォームで「JobTribes(ジョブトライブス)」「Cookin’Burger(クッキンバーガー)」「麺屋ドラゴンラーメン」といった3つのNFTゲームを運営しており、世界100か国以上で250万人以上のユーザーを抱えているという。

「Web3」に意欲、DEAとの提携は「第1弾」

テレビ東京の石川一郎代表取締役社長は次のようにコメントを発表している。

テレビ東京は、報道、アニメ、ドラマ、バラエティ、スポーツなどさまざまなジャンルの番組・コンテンツを制作している。NFTなど「Web3」と呼ばれる最新のデジタル技術を学んで、より皆さんの役に立ち、楽しんでもらえるようにしていきたいと考えている。DEAとの提携をその第1弾ととらえており、これを突破口に新分野に積極的に取り組んでいく。(テレビ東京 石川氏)

テレビ東京から出資を受けた、DEAの吉田直人Founder&CEOと、山田耕三Founder&Co-CEOはそれぞれ次のようにコメントを発表している。

「Web3」エンタメで世界No.1をめざしているDEAにとって、アニメなどコンテンツビジネスに実績があるテレビ東京とのパートナーシップは大変心強く感じている。全く新しい次世代の「Web3」エンタメコンテンツを一緒に作っていけること、今後の展開が本当に楽しみ。(DEA 吉田氏)

私の社会人としての礎を築いたテレビ東京と業務提携推進で合意できたことは本当に感慨深く思っている。2002年に入社し2017年に退職するまで15年間勤続し、番組プロデューサーや営業などさまざまな立場で業務を担当した。

これから、「Web3」についてのマス向けの正しい情報発信や各企業における「Web3」施策の共同コンサルティング、「Web3」アプローチで世界に通用する新規コンテンツIPの開発などを考えている。(DEA 山田氏)

DEAが手掛けるトレーディングバトルゲーム「JobTribes」とは

「JobTribes」は職業をテーマにしたトレーディングカードバトルゲーム。スマートフォンやPCなどで無料で楽しむことができ、プレイするとゲーム内通貨「PALEcoin(ペールコイン)」が手に入る。

「ペールコイン」はDEAが発行する暗号資産「DEAPcoin」に変換することができ、暗号資産取引所で日本円に交換することも可能。このため「Play To Earn(プレイトゥアーン)=お金を稼げるゲーム」と呼ばれている。

ゲーム内の特別なアイテムは世界のトップクリエイターが描いたNFTになっており、デジタル資産として売買できるのも特徴だという。

高野 真維

eコマース取扱高2兆円突破で14%増、ショッピング取扱高は8300億円【Zホールディングス2022年中間期の取扱高】

3 years 1ヶ月 ago

Zホールディングスが11月2日に発表した2022年4-9月期(中間期)連結決算によると、eコマース全体の取扱高は、前年同期比14.2%増の2兆157億円だった。トラベル事業の回復、海外ECによる高い成長率がeコマース取扱高増加に寄与した。

Zホールディングスが11月2日に発表した2022年4-9月期(中間期)連結決算によると、eコマース全体の取扱高は、前年同期比14.2%増の2兆157億円
eコマース取扱高について(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

4-9月期(中間期)までの累計数値との前年同期比は以下の通り。

  • eコマース取扱高 2兆157億円(前年同期比14.2%増)
  • 国内物販系取扱高 1兆4656億円(同6.4%増)
  • ショッピング事業取扱高 8321億円(同8.4%増)
  • 国内サービス系取扱高 2912億円(同46.8%増)
  • 海外コマース取扱高 1656億円(同60.9%増)

ショッピング事業の取扱高の内訳は、2022年4-6月期(第1四半期)の取扱高が同7.9%増の4109億円、2022年7-9月期(第2四半期)は同8.8%増の4212億円だった。

Zホールディングスが11月2日に発表した2022年4-9月期(中間期)連結決算によると、eコマース全体の取扱高は、前年同期比14.2%増の2兆157億円
物販系取扱高(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

上半期はコマース事業を中心に約110億円の戦略投資を実施。PayPayの連結子会社化により、顧客獲得効率を高めていく。

「Yahoo!ショッピング」と「PayPayモール」を統合しており、新生「Yahoo!ショッピング」が誕生。この効果で、有料オプションストアの取扱比率が上昇したほか、優良配送ストアの拡大で、優良配送比率も確実に増加している。

両ECモールの統合によって、モール型ECの販促はユーザーの定着率やLTVを重視、取扱高の安定成長をめざす。また、固定的なポイント付与ではなく、新規ユーザー獲得から定着につなげ、効率のいいポイント施策を実行していく。

Zホールディングスが11月2日に発表した2022年4-9月期(中間期)連結決算によると、eコマース全体の取扱高は、前年同期比14.2%増の2兆157億円
コマース事業の投資方針(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

10月3日からは、「LINEギフト」と「Yahoo!ショッピング」とにおける注文連携を開始。オペレーション負荷の軽減により、商品ラインアップを拡充していく。すでに出店ショップ数は約1400店舗、取扱商品数は約17万点にまで増えた。

海外ECにおいては、注力市場である台湾・タイのEC市場が引き続き成長。マクロ環境の変化を受け、今後は投資規律を持ちながら、プロダクト改善による収益性向上も図っていく。

Zホールディングスが11月2日に発表した2022年4-9月期(中間期)連結決算によると、eコマース全体の取扱高は、前年同期比14.2%増の2兆157億円
ソーシャルコマースへの投資(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

 

石居 岳

そごう・西武がECサイト「e.デパート」にEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」を導入

3 years 1ヶ月 ago

そごう・西武は、ECサイト「e.デパート」にEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」を導入した。

キーマッチ機能や関連キーワードを表示

ユーザーを遷移させたいページやキーワードを設定し、サイト内回遊、利便性向上をめざす。

そごう・西武 ZETA SEARCH キーマッチ機能
キーマッチ機能を活用し、サイト内回遊をねらう

また、検索結果一覧にはユーザーが検索したワードの検索結果だけでなく、関連キーワードを表示することで、新たな商品との出会いを創出している。

そごう・西武 ZETA SEARCH 関連キーワード表示
関連キーワードから商品との新たな出会いを創出

「ZETA SEARCH」とは

ECサイト内の検索における「絞り込み」「並び替え」の設定の自由度・柔軟性を追求したEC商品検索・サイト内検索エンジン。

キーワード入力時のサジェスト機能や、もしかして検索、ドリルダウン式の絞り込み、事前に検索結果の該当数を表示するファセットカウントなど、多数の検索機能を有している。

JRE MALL ZETA SEARCH サイト内検索 EC商品検索
「ZETA SEARCH」の基本機能(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)
藤田遥

「インバウンド解禁で越境ECが伸びる」と思っている事業者は約7割! 一方で成功するなら3年は努力を【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

3 years 1ヶ月 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2022年10月31日~11月6日のニュース

外国人観光客が来日すれば、越境ECが伸びるのはイメージできます。しかし、越境ECを成功させるには大変な時間がかかります。今からでも遅くないので少しずつ始めておきましょう。

越境ECは税制・法規制の知識が必須

Shopee、インバウンド需要と越境ECに関する意識調査を実施 約7割が越境ECの「売上増加」を想定 | ECzine
https://eczine.jp/news/detail/11971

インバウンド需要の増加が与える越境ECの売り上げへの変化 Shopee Japan ニュースまとめ
出典:Shopee Japan

「Q1.日本政府が10月11日より水際対策を大幅緩和していますが、あなたは、インバウンド需要の増加は、越境ECの売上にどのような変化を与えると思いますか。」(n=110)と質問したところ、「売上が増加すると思う」が70.1%、「売上が減少すると思う」が21.8%という回答となった。

越境EC事業者を対象にしたアンケートでは、約70%の事業者が「インバウンド需要が増加すると、越境ECの売り上げも増加する」と回答しています。先週のまとめで「ECは厳しくなってくる」と書きましたが、それは国内のこと。世界に目を向ければ円安の影響などもあり、日本の注目度は高まっています。「どこかが下がればどこかが上がる」ことを意識して準備をしておきたいところです。

インバウンド需要に向けて実施しているマーケティング施策 Shopee Japan ニュースまとめ
出典:Shopee Japan

インバウンド需要増加に向けたマーケティング施策の1位は「帰国後を想定したフォロー施策」でした。越境ECのサイトに人を集めるのではなく、日本に来た外国人観光客に思い出してもらえるような施策です。実店舗があればサンプルを渡すこともできますし、SNSが活用できればそこでアプローチもできます。

カラーミーショップで超簡単に始める「越境EC」オンラインセミナーレポート | よむよむCOLOR ME
https://shop-pro.jp/yomyom-colorme/88193

カラーミーショップ 越境EC 海外売上比率を上げる方法 ニュースまとめ
「よむよむCOLOR ME」サイトからキャプチャ

こちらの記事では越境ECの始め方が書かれており、最初はテストマーケティングが良いとしています。簡単にカートだけを多言語化するサービスもありますので、私もここから始めるのが良いと思います。そして「3年ぐらいかけてSEOなどに取り組んでほしい」とも書かれています。

越境 EC/ 海外販売の基礎知識 | 東京商工会議所
https://www.jcci.or.jp/kokusai/ec_supportbook.pdf
※PDFが開きます

他にも税金や法的な規制があります。特に個人情報に関しては国によって大きく異なりますし、日本よりも厳しいところが多いです。Googleアナリティクスでデータを集めるにしてもcookie問題などがありますので、こちらのPDFを読むなどしてしっかり調べておきましょう。

「日本のECが不調だから越境」ではなく、どちらに転んでもいいように前もって準備をしておくことが大切です。

関連記事
Stripe、EC サイトの決済に関する調査レポートを発表 | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/26194

今週の要チェック記事

宅配の最重視点「指定時間に届くこと」が半数 いつも日時指定する人は42%/クロス・マーケティング調査 | ECzine
https://eczine.jp/news/detail/11960

極端な話、トイレにも行かず、その時間に家にいるようにするわけですからね。

相次ぐ中古CDの買取り終了…様変わりする存在価値、CDが復権する可能性は? | ORICON NEWS
https://www.oricon.co.jp/special/61033/

「昨今のレコードブームがCDブームにつながる可能性がある」。時代の流れで希少価値が出るものがあります。

「シーイン」が世界初の常設店舗、東京・原宿に | WWDJAPAN
https://www.wwdjapan.com/articles/1455409

大前研一「ユニクロ超えのアパレル"SHEIN"は、なぜ急成長しているのか」 | PRESIDENT Online
https://president.jp/articles/-/63000

SHIENが常設店舗を出しました。大前研一さんが「なぜこうなっているか」を説明しています。

カクヤスのECサイトでクレカ情報漏えいの可能性 入力フォーム最適化SaaSに問題 ユーキャン・富士フイルムに続き | ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2211/02/news175.html

「フォームアシスト」の脆弱性を突かれています。利用している場合は、利用を停止するなどの対応を。

EC運営インハウス化を支援しエンタープライズ需要にも応える Shopify Unite速報レポ | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/11984

Shopify構築日記 #120 Shopify Unite 2022 in Melbourne ツイートまとめ | 北山 浩 | バッグメーカーEC担当 Shopify構築日記書いている人|note
https://note.com/ec_zoe/n/nc3b6b8ac1331

速報記事が出てきました。「Shopify」自体が進化するとなると、利用店舗もそれに合わせないといけません。ここまで想定して導入の検討を。

今週の名言

「惰性でやっている」「ビジョンはない」 30年続くソフトウェア稼業「秀丸」がいまも最前線に立ち続ける理由 | Coral Capital
https://coralcap.co/2022/05/hidemaru-01/

会社はもう全然進化していなくて、ずっと惰性でやっているというか。とりあえず要望や問い合わせに毎日答えているだけで、なにか明確なビジョンがあって会社を運営している、というほどではないんです。

「業界である程度のポジションを築いて成長意欲もない。安定した仕事を惰性で続けるだけ」と読めますがそうではなく、良いサービスを良い品質で提供し続けているからこうなっている。簡単そうに見えるものは洗練されています。

筆者出版情報

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翔泳社 刊
発売日 2021年10月15日
価格 2,200円+税

この連載の筆者 森野誠之氏の著書が翔泳社から発売されました。小さな会社の“ひとり担当者”が、未経験、低予算、独学でホームページのリニューアルからウェブマーケティングまでを成功させるための指南書です。電子版、オンデマンド印刷版ともにAmazonで発売中です!

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森野 誠之

“刺さる”“評価される”プレスリリースのポイントをPR TIMESのアワード受賞企業に学ぶ

3 years 1ヶ月 ago

プレスリリース配信サービス「PR TIMES」を運営するPR TIMESは10月28日、プレスリリースの可能性拡大に貢献した企業と担当者を表彰する「プレスリリースアワード2022」の受賞企業10社を発表した。

クラダシ、池部楽器店、nakatxといったECを手がける事業者を多数選出した。

総エントリー1412件から受賞企業10社を選出

「プレスリリースアワード」は、 PR TIMESが2021年から実施。1年間に日本国内で発信されたプレスリリースを対象にエントリーを受け付け、社会性・公共性・共感性・将来性などの視点から、プレスリリースの可能性拡大に貢献したものを審査・選考し、表彰している。2022年の総エントリー数は1412件。

「プレスリリースアワード2022」の審査員8人はメディア関係者をはじめ、パブリック・リレーションズに関する見識を持つ人々で構成したという。受賞企業は次の通り。

インフルエンス賞

発信と活用により社内外へ最も広く好意的な影響をもたらしたプレスリリースに贈る賞。

受賞企業は老舗缶メーカーの側島製罐(そばじませいかん)。次のプレスリリースが受賞対象になった。

受賞理由は「ビジョンの下でとても真摯(しんし)にものづくりしてきた様子が伝わる、リブランディングの好例」などとしている。側島製罐は愛知県に本社を置く明治創業の製缶メーカー。

ソーシャル賞

社会とのつながりを表現し深めることに最も貢献したプレスリリースに贈る賞。受賞したのは池部楽器店。次のプレスリリースが受賞対象になった。

受賞理由は「募金活動の実施をはじめ、何よりも、音楽を楽しむ/楽器を奏でる経験そのものを、反戦・平和意識と結びつけ、音楽ファンにとって戦争を『自分事』として捉える機会を与えたのではないか」などとしている。

パブリック賞

情報の平等と信頼を実現することに最も忠実なプレスリリースに贈る賞。受賞企業はファブラボ広島安芸高田。次のプレスリリースが受賞対象になった。

受賞理由は「子どもたちが集めたボトルキャップが直接ガチャガチャの景品に変換されるという体験を分かりやすく説明している。プレスリリースの中で自動再生されるミニ動画が、見る人の目を楽しませる」などとしている。

エンパシー賞

受け手の心を動かし共感を育むことで最も飛躍したプレスリリースに贈る賞。フードロス削減に向けたECサイトを運営するクラダシが受賞した。次のプレスリリースが受賞対象になった。

受賞理由には「私たちのバレンタインは2月15日から始まります。」というコピーの秀逸さなどとしている。

ヒューマン賞

プロダクトや社員、顧客に対する愛と情熱が最も感じられるプレスリリースに贈る賞。公益財団法人筑波メディカルセンターが受賞した。次のプレスリリースが受賞対象になった。

受賞理由は「病院の家族控室が、クラウドファンディングの力を借りて温かみのある空間に生まれ変わった。リリースでは、支援にかかわった人たちの問題意識や思いをインタビュー動画などにまとめ、取り組みを改めて発信。プロジェクトの開始時だけでなく、終了後にもメッセージを発信することの意義を感じた」などしている。

ストーリー賞

人に語りたくなるストーリーを最も有しているプレスリリースに贈る賞。つまようじメーカーの菊水産業が受賞した。次のプレスリリースが受賞対象になった。

受賞理由は「さまざまな表現手法を駆使したプレスリリースの柔軟な活用法として、また広く人の心を揺さぶる家族と事業の物語の表現として、人に語りたくなるストーリーを持ったプレスリリースであり、印象に残った」などとしている。

特別賞

PR TIMESが表彰したいプレスリリースや発表者の行動を讃える賞。受賞企業は次の4社。

nakatx

和歌山グルメのネットショップ「チキンナカタ」を運営し、猫専用のこたつ付きみかんを販売するnakatxが受賞した。次のプレスリリースが受賞対象になった。

受賞理由は、「数種の猫のタイプの写真を使うことで、より理解や興味を深めることにつながっている。一度見たら、このビジュアルを人に是非見せたいと思う作品」としている。

ひさだアートインダストリー

ひさだアートインダストリーによる次のプレスリリースが選出された。

受賞理由は「流行の言葉に流されることなく、地域のお店だからこその視点をもち、かつそれを丁寧に言語化し、発信する姿勢は、大変目を引くものだった。なぜ持ち込み容器にしないのか、衛生面への配慮とその説明も説得力がある」。

Creative Project Base

Creative Project Baseによる次のプレスリリースが選出された。

受賞理由は「日本全体の課題であるイシューを、非常に素晴らしい取り組みによってシンプルに伝えている。国内向けのプレスリリースでありながらも、国外を見据えた内容で大変好感が持てる」とした。

ettü(エトュ)

クラウドファンディングサービス「Makuake(マクアケ)」を利用して自社商品の応援購入を募ったettüの、次のプレスリリースが選出された。

受賞理由は「何を贈ったらいいのか迷いがちな『出産祝い』をタイトルに入れ、『あなのあいた靴下を贈ろう』のコピーを付けた画像で読み手の関心を引き付けてる。あながあいていることで、靴下を履かせやすいメリットにも訴求。さまざまな気づきを与える内容になっている」などとした。

SDGsに関連した発信やイベントに関連するリリースが増加傾向

PR TIMES MAGAZINE編集長兼プレスリリースアワード2022運営責任者の丸花由加里氏は、今回のアワードを振り返って次のようにコメントを発表している。

昨年のエントリー(応募対象:2020年10月1日~2021年9月30日)は新型コロナウイルス感染症にまつわる発信が多く見られたが、今回のエントリー(応募対象:2021年9月1日~2022年8月31日)は、SDGsに関連した発信やイベントに関連するエントリーが増え、私たちを取り巻く環境が変わっていることを物語っている。

単なるニュースの発信でなく、受け取り手に共感や人に行動を促すものが多数。近年よく発信されるクラウドファンディングや資金調達に関する発表や新商品・新サービスの発表にも必ずと言ってよいほど、発表にまつわるストーリーや担当者の想いが書かれている。発信の目的やこだわり、発信後の効果などのエントリー企業から寄せられたコメントからは、発信1つひとつに対する熱量を感じることができた。(丸花氏)

「プレスリリースエバンジェリスト」表彰式も同日開催、ユーグレナの広報宣伝部長など選出

「プレスリリースエバンジェリスト」の表彰式も実施した。「プレスリリースエバンジェリスト」の定義は、「プレスリリースへの愛と知識と経験を持ち、プレスリリースの活用を周りへ広める、PR TIMESが公認する個人」。

EC業界からは、ユーグレナの広報宣伝部長を務める北見裕介氏や、フェリシモの広報部に所属する中島健太郎氏などを選出した。

選出された「プレスリリースエバンジェリスト」9人
高野 真維

顧客とパーソナルで長期的な関係を築く3つのポイント、既存会員の売上拡大施策、熱狂的なロイヤル顧客育成などのECイベント【11/9の見どころ】

3 years 1ヶ月 ago
既存会員の売上拡大施策などを大公開! 全36講演すべて無料で視聴できるECイベント「ネットショップ担当者フォーラム 2022 秋」を11月7日(月)~9日(水)の3日間開催

「ネットショップ担当者フォーラム 2022 秋」(11月7~9日の3日間で開催)の最終日は、「お客さまとのよりパーソナルで長期的な関係を築くために 今ネット事業者に必要な3つのポイント」「今すぐできる既存会員の売上拡大施策」「新規会員3倍、CVR向上、スマホ購入増を実現したAmazon Pay活用事例」「ブランドの安定売上基盤をもたらす、熱狂的なロイヤル顧客の育成」などのテーマについて、企業の責任者などが講演します。なお、イベントはすべて無料で視聴できます。

「ネットショップ担当者フォーラム 2022 秋」のおすすめ講演
  1. ジャパネット創業者の髙田氏が語る成功の秘訣、UA&JUNのマーケ責任者が語るファッションビジネスなどのECイベント【11/7の見どころ】
  2. JTBが語る越境EC立ち上げのポイントと運用のコツ、ECデータドリブンを加速させたMonotaROの取組紹介などのECイベント【11/7の見どころ】
  3. カインズ&ビームスが語るECと実店舗の連動、富澤商店の次世代ソーシャルコマース事業などを解説するECイベント【11/8の見どころ】   
  4. 中国EC大手プラットフォーマーの成長秘話、オールハーツ・カンパニー流DX、「fracora」のデジタル戦略などのECイベント【11/8の見どころ】
  5. ミツカングループのDX戦略、UAが語るCRMの成功&失敗、「ハルメク」に学ぶシニア攻略法などのECイベント【11/9の見どころ】
  6. ヒット商品を作る電通流「リサーチ」の極意、花王のEC推進を実現した2つの戦略、売上拡大をめざすGA4の見方などのECイベント【11/9の見どころ】
  7. 集客からファン化まで自社EC活用事例、リテールメディアにおける広告配信の解説、アプリ活用でEC売上を伸ばすポイントの解説などのECイベント【11/7の見どころ】    
  8. UCC上島珈琲に聞くECサイトの活用方法、2023年のEC戦略の提言、D2Cの失敗要因からみえる成功の秘訣などのECイベント【11/8の見どころ】
  9. 顧客とパーソナルで長期的な関係を築く3つのポイント、既存会員の売上拡大施策、熱狂的なロイヤル顧客育成などのECイベント【11/9の見どころ】
ネットショップ担当者フォーラム 2022秋

見どころ㉑既存会員の売上拡大施策、買い物しやすい顧客体験の改善方法、熱狂的なロイヤル顧客の育成、ECサイトの動画活用の最新事例などを解説!

お客様とのよりパーソナルで長期的な関係を築くために 今ネット事業者に必要な3つのポイント
12:05~12:45 B3-2 講演

パーソナルかつ長期的な顧客体験を描くため、D2Cブランドの立ち上げやECサイトのリニューアルを社内で検討されている企業が多い今。ディノス・セシールのCECOを務めながら、その他の数多くのEC事業に携わり成果を出してきた石川森生氏と、現在注目を集めているD2Cブランド「カナデモノ」の松本好司氏が、立ち上げや運営をしていく上で、今、必然とされる3つのポイントを深堀します。

Shopify Japan株式会社 シニア セールスリード 伊田 聡輔氏
株式会社bydesign マーケティング・コンテンツチーム ゼネラルマネージャー 松本 好司氏
株式会社DINOS CORPORATION CECO、株式会社bydesign 取締役社長 石川 森生氏

今すぐできる既存会員の売上拡大施策 EC事業者が取り組むべき『LTVを最大化するCRM』から『ライトで実践的な進め方』まで
13:05~13:45 B3-3 講演

自社ECサイトの会員1人ひとりに合わせたコミュニケーションに取り組んでいきたものの、方法が分からない事業者は少なくないのではないでしょうか。

EC特化型MAツール「HIRAMEKI XD」を提供し、導入支援実績が豊富なトライベックと、ECの戦略策定から運用支援を担うクロス・コミュニケーションが2社共同で、ECサイトにおけるCRMの基本から負担の少ない施策の自動化に至るまで、よくある課題を回避しながら既存会員の売上拡大施策をスムーズに進めるコツを紹介します。

トライベック株式会社 DXプラットフォーム事業部セールスユニット ユニットリーダー 清野 勇一氏
株式会社クロス・コミュニケーション CRMサービス部 プランニンググループ グループマネージャー/デジタルマーケティングコンサルタント 田島 智紀氏

明太子の「ふくや」が語る“買い物しやすい”顧客体験の改善方法 ~新規会員3倍、CVR向上、スマホ購入増を実現したAmazon Pay活用事例~
15:10~15:50 B3-5 講演

味の明太子の製造・販売などを70年以上にわたって展開している老舗企業「ふくや」。通信販売を30年以上も手掛ける老舗通販企業でもあります。昨今、ふくやではさまざまな企業やアニメなどとのコラボ展開、ECビジネスの強化で、電話を中心とした顧客以外の新規ユーザー獲得などにつなげています。

新たなユーザー獲得などの大きな要因の1つが買い物体験の改善。Amazonが提供する「Amazon Pay」を導入し、新規会員登録3倍、CVR改善などを実現しました。講演では「ふくや」の担当者へ、ECへの取り組み、顧客体験の改善アプローチなどを聞いていきます。

アマゾンジャパン合同会社 Amazon Pay事業本部 本部長 井野川 拓也氏
株式会社ふくや 営業第一部 ネット通販課 マネージャー 瀨﨑 拓也氏
株式会社インプレス ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長 瀧川 正実

【事例紹介あり】LTV120%UP! ブランドの安定売上基盤をもたらす、熱狂的なロイヤル顧客の育成
15:10~15:50 C3-5 講演

あなたのサービスに、熱狂的なロイヤル顧客はいるでしょうか。 企業の安定した収益基盤を創出するのは、ほかでもないロイヤル顧客です。 しかし、モノがあふれる成熟したこの国内マーケットにおいて、機能的価値の訴求だけでは、顧客に買い続けてもらうことは難しいでしょう。

これからのブランドコミュニケーションにおいて、顧客との関係性をより強化し、消費者との共創型のコミュニケーションを実行することが極めて重要です。テレビCMからはじまり、デジタル広告、ソーシャル・SNS施策など新規顧客を「獲得」するための広告や各種プロモーション施策への投資が中心になってはいませんか?

講演では、某食品メーカーの事例を使用し、消費者のロイヤル度を高めるための「獲得で終わらない育成」までのブランドコミュニケーションについて解説します。

株式会社Asobica セールス部 マネージャー 佐藤 頌太氏

ショートビデオ、長尺ビデオ、商品紹介ビデオ、ECサイトの動画活用の最新事例を紹介
16:10~16:50 B3-6 講演

5G、コロナ、パケット代の減額等、動画を視聴するハードルが下がり各社の動画マーケティングが推進されています。visumoは写真や動画データを有効活用するビジュアルマーケティングプラットフォームをSaaSで提供しており、導入社数は500社を超え、その中でも動画の撮影から活用まで各社が取り組む最新事例を講演で紹介します。

株式会社visumo 取締役 井上 純氏

アーバンリサーチの『造って、創りつづけるECサイト』 ~『買いたい』を盛り上げる画像&動画コンテンツ活用~
16:10~16:50 C3-6 講演

アーバンリサーチの日々進化しているECサイトについてデジタル営業部マネージャーの尻江高昭氏を招いてお話を伺います。

今年から動画コンテンツをYouTubeから自動再生動画へ切り替えておこなった動画施策の内容や効果について詳細に迫ります。また、ECへの流入元でもあるメディアサイト・スタッフ投稿コンテンツの活用で「欲しい・買いたい」を後押しする仕組みや画像へのこだわり、気になる今後の施策なども紹介します。

あわせて、活用コンテンツの「きれい」で「軽い」を「かんたん」に実現する、CRI・ミドルウェアが提供する動画圧縮配信「CRI LiveAct®」と画像軽量化「SmartJPEG®」の導入効果も紹介します。

株式会社アーバンリサーチ デジタル営業部 マネージャー 尻江 高昭氏
株式会社CRI・ミドルウェア セールスリード 三上 夏代氏
 
ネットショップ担当者フォーラム 2022秋
<タイトル> eコマース取扱高2兆円突破で14%増、ショッピング取扱高は8300億円【Zホールディングス2022年中間期の取扱高】 <リード> Zホールディングスが11月2日に発表した2022年4-9月期(中間期)連結決算によると、eコマース全体の取扱高は、前年同期比14.2%増の2兆157億円だった。トラベル事業の回復、海外ECによる高い成長率がeコマース取扱高増加に寄与した。 4-9月期(中間期)までの累計数値との前年同期比は以下の通り。 ・eコマース取扱高 2兆157億円(前年同期比14.2%増( ・国内物販系取扱高 1兆4656億円(同6.4%増) ・ショッピング事業取扱高 8321億円(同8.4%増) ・国内サービス系取扱高 2912億円(同46.8%増) ・海外コマース取扱高 1656億円(同60.9%増) ショッピング事業の取扱高の内訳は、2022年4-6月期(第1四半期)の取扱高が同7.9%増の4109億円、2022年7-9月期(第2四半期)は同8.8%増の4212億円だった。 上半期はコマース事業を中心に約110億円の戦略投資を実施。PayPayの連結子会社化により、顧客獲得効率を高めていく。 「Yahoo!ショッピング」と「PayPayモール」を統合しており、新生「Yahoo!ショッピング」が誕生。この効果で、有料オプションストアの取扱比率が上昇したほか、優良配送ストアの拡大で、優良配送比率も確実に増加している。 両ECモールの統合によって、モール型ECの販促はユーザーの定着率やLTVを重視、取扱高の安定成長をめざす。また、固定的なポイント付与ではなく、新規ユーザー獲得から定着につなげ、効率のいいポイント施策を実行していく。 10月3日からは、「LINEギフト」と「Yahoo!ショッピング」とにおける注文連携を開始。オペレーション負荷の軽減により、商品ラインアップを拡充していく。すでに出店ショップ数は約1400店舗、取扱商品数は約17万点にまで増えた。 海外ECにおいては、注力市場である台湾・タイのEC市場が引き続き成長。マクロ環境の変化を受け、今後は投資規律を持ちながら、プロダクト改善による収益性向上も図っていく。
ネットショップ担当者フォーラム編集部

【ステマ検討会】景表法の“指定告示”で誤認表示を規制へ。運用基準で事業者の予見可能性&法執行の実効性を確保する方針 | 通販新聞ダイジェスト

3 years 1ヶ月 ago
消費者庁の「ステルスマーケティング検討会」は、ステルスマーケティング(ステマ)を規制する方針でおおむね意見が一致した。事業者の予見可能性や法執行の実効性を確保する

消費者庁の「ステルスマーケティング検討会」は、景品表示法の指定告示(5条3号)で、ステルスマーケティング(ステマ)を規制する方針でおおむね意見が一致した。

さまざまな類型があるステマを告示で包括的に規制しつつ、運用基準で問題事例を具体的に示し、事業者の予見可能性を確保する。法執行では、景表法第29条の調査権限(報告徴収、立入検査)を有効活用することで実態把握に努め、実効性を確保する。

景表法“指定告示”で誤認表示を規制

現行法でもステマにより行われた表示が「優良・有利誤認」(5条1号、同2号)にあたる場合、広告主を対象に規制できる。ただ、広告であることを“隠す行為”自体は規制できない指定告示は、「優良・有利誤認」にあたらないものの、消費者に誤認を生じさせる表示を規制できる。

広告であるにもかかわらず、広告であることを隠すことに対する景表法の適用関係
広告であるにもかかわらず、広告であることを隠すことに対する景表法の適用関係(画像は編集部が消費者庁の資料からキャプチャし追加)

たとえば「原産国表示」はイタリア製をフランス製と偽る表示を優良性を評価せず規制できる。2017年、玩具販売のボーネルンドが実際は中国製であるにもかかわらず、製造国と異なる国名や国旗を表示して処分を受けた。

ステマには、事業者自身が第三者を装う「なりすまし型」、第三者への利益提供を通じて表示させる「利益提供秘匿型」がある。形態も不正レビューやインフルエンサー投稿、アフィリエイト広告などさまざまだ。各手法の問題の背景や取引関係が異なることから、これを広く包含する形で告示による規制を行う。

ステマの類型は主に「なりすまし型」と「利益提供秘匿型」に分類される(画像は編集部が消費者庁の資料からキャプチャし追加)

事業者の予見性確保、追加・修正行いやすい配慮も

一方、運用基準で問題事例などを具体的に示し事業者の予見可能性を確保する。また、技術進展に伴う新たな手法の台頭を受けて後追いにならず迅速に追加・修正を行いやすい建付けにする。

ステマ検討会では規制の適切な運用のため、事業者の予見性確保などが指摘された(画像は編集部が消費者庁の資料からキャプチャし追加)

運用基準では、「広告である旨や関係性の明示」についても示すとみられる。これについては、「広告」などと一律で特定の文言を指定する意見と、一定の幅を持たせるべきとの意見が分かれている。

課徴金は非対象、「優良誤認」の不実証広告規制も適用外

指定告示とした場合、課徴金の対象にならない。制裁効果が強すぎると情報発信を委縮させ、結果的に消費者が有益な情報も得られなくなるとの考えから、将来的な課題とする方針。

また、調査においては、「優良誤認」を対象とする不実証広告規制も適用外になる。法執行の実効性確保では、広告主だけでなく、広告代理店やインフルエンサーなど関係者を含め調査が行える景表法第29条の調査権限を活用することで実態把握を進める考え。

虚偽報告や調査拒否は、1年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金など罰則規定がある。

実効性確保は難航? “広告であることを隠すこと”の被害や問題把握は進まず

このほか、官民連携の体制構築による対応、消費者からの相談・申告窓口の設置により実効性確保を求める意見もあった。

ただ、ステマ規制の立法根拠は、これを題材とした学術研究による問題点の指摘、インフルエンサーの5割超が「悪いこと」と認識しているなどとする消費者庁調査にとどまる。

問題事例は、アクガレージとアシストに対する措置命令(2021年11月)など現行の「優良誤認」で処理が可能なもので、“広告であることを隠すこと”自体を対象にした実際の被害や問題の把握は進んでいない

アクガレージとアシストに対する措置命令では、表示に優良誤認がある場合はステマ表示についても景表法を適用できると判断されたのみだ(画像は編集部が消費者庁の資料からキャプチャし追加)

規制根拠の観点を指摘する意見も

委員からも「広告を隠す行為自体を問題として規制することに繰り返し言及しているが、米国の規制では『商品に対するポジティブなメッセージを広告でないかのように装い発信することで消費者の合理的選択を阻害する』ことが強調されている。規制根拠をどのような観点から把握するか検討が必要」と指摘された。

米国は広告でないかのように装い発信することを規制している(画像はステマに対して米国が設けている規制の一例。編集部が消費者庁の資料からキャプチャし追加)

「広告主と受託者の関係性の明示」についても、これを隠すことを規制する場合、景表法が不当表示として規制する「商品・役務に関する事項」に該当するか、消費者庁に説明を求める指摘もあった。

OECD加盟国(名目GDP上位9か国)において、ステマに対する規制がないのは日本のみだという(画像は編集部が消費者庁の資料からキャプチャし追加)
※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

「通販新聞」について

「通販新聞」は、通信販売・ネット通販業界に関連する宅配(オフィス配)をメインとしたニュース情報紙です。物品からサービス商品全般にわたる通販実施企業の最新動向をもとに、各社のマーチャンダイジング、媒体戦略、フルフィルメント動向など、成長を続ける通販・EC業界の情報をわかりやすく伝え、ビジネスのヒントを提供しています。

このコーナーでは、通販新聞編集部の協力により、毎週発行している「通販新聞」からピックアップした通販・ECのニュースや記事などをお届けしていきます。

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通販新聞

UCC上島珈琲に聞くEC活用、2023年のEC戦略、D2Cの失敗要因からみえる成功の秘訣などのECイベント【11/8の見どころ】

3 years 1ヶ月 ago
2023年のEC戦略に向けたなどを大公開! 全36講演すべて無料で視聴できるECイベント「ネットショップ担当者フォーラム 2022 秋」を11月7日(月)~9日(水)の3日間開催

今日から「ネットショップ担当者フォーラム 2022 秋」(11月7~9日の3日間で開催)がスタートします。カインズ、ビームス、富澤商店、協和といった有名企業が登壇。オンライン開催のため本日も申し込みできます!

2日目(11/8)には、「UCC上島珈琲に聞く、メーカーのブランドプロモーションと組み合わせた、ECサイトの活用方法とは」「アフターコロナで伸びるEC、売上アップの鍵は『検索』にあり! 」「EC事業拡大を狙うために取り組むこと」などのテーマについて、企業の責任者などが講演します。

「ネットショップ担当者フォーラム 2022 秋」のおすすめ講演
  1. ジャパネット創業者の髙田氏が語る成功の秘訣、UA&JUNのマーケ責任者が語るファッションビジネスなどのECイベント【11/7の見どころ】
  2. JTBが語る越境EC立ち上げのポイントと運用のコツ、ECデータドリブンを加速させたMonotaROの取組紹介などのECイベント【11/7の見どころ】
  3. カインズ&ビームスが語るECと実店舗の連動、富澤商店の次世代ソーシャルコマース事業などを解説するECイベント【11/8の見どころ】   
  4. 中国EC大手プラットフォーマーの成長秘話、オールハーツ・カンパニー流DX、「fracora」のデジタル戦略などのECイベント【11/8の見どころ】
  5. ミツカングループのDX戦略、UAが語るCRMの成功&失敗、「ハルメク」に学ぶシニア攻略法などのECイベント【11/9の見どころ】
  6. ヒット商品を作る電通流「リサーチ」の極意、花王のEC推進を実現した2つの戦略、売上拡大をめざすGA4の見方などのECイベント【11/9の見どころ】
  7. 集客からファン化まで自社EC活用事例、リテールメディアにおける広告配信の解説、アプリ活用でEC売上を伸ばすポイントの解説などのECイベント【11/7の見どころ】
  8. UCC上島珈琲に聞くECサイトの活用方法、2023年のEC戦略の提言、D2Cの失敗要因からみえる成功の秘訣などのECイベント【11/8の見どころ】
ネットショップ担当者フォーラム 2022秋

【見どころ】メーカーのブランドプロモーションと組み合わせたECサイトの活用方法、「検索」にみる売上アップのカギ、2023年のEC戦略に向けた提言などを解説!

UCC上島珈琲に聞く、メーカーのブランドプロモーションと組み合わせた、ECサイトの活用方法とは
12:05~12:45 B2-2 講演

顧客と直接的なつながりを持つことができるECサイト。多くの事業者は、ECにおける顧客体験向上に向けてさまざまな施策を打ち出し、サイトを構築しています。

UCC上島珈琲では、昨年秋にD2CのECサイト「UCC公式オンラインストア」をスタートし、EC限定施策、アウトレット、そしてブランドのプロモーションとの連動など、幅広く展開を行っています。UCC上島珈琲が顧客とのエンゲージメントを高めるために、どのようなブランディング活動を行っているのか、そこにおけるECサイトの活用について、EC構築システム「ebisumart(エビスマート)」でサポートするインターファクトリーがモデレータを務め、紹介します。

株式会社インターファクトリー 渡邉 洋祐氏
UCC上島珈琲株式会社 マーケティング本部 ブランドマネジメント部 部長 染谷 清史氏

アフターコロナで伸びるEC、売上アップの鍵は「検索」にあり! AI活用した「人には成しえない」最高の顧客体験とは
13:05~13:45 B2-3 講演

コロナ禍により急速にEC利用者が増え、同時にユーザーの可処分時間の奪い合いが進む中、ECサイトでは顧客体験を向上させることの重要性が増しています。

そんな顧客体験の大きな役割を担っているのが「検索」。今やECサイトに当たり前にある検索機能ですが、1000人を対象にユーザー調査を行ったところ、検索機能に不満を抱いているユーザーが多くいることがわかりました。

ユーザー体験は、AIを活用することで大きく向上させることが可能。機械学習と自然言語処理の力を組み合わせて、行動履歴など蓄積した大量なデータを高速に学習をすることが可能になっています。NTTレゾナントが提供するECサイト向けのサイト内検索「gooサーチソリューション」では、買い物顧客のサイト内での行動から意図をくみ取り、リアルタイムに最適な検索結果を提供しています。講演では、AIを活用した「検索」がいかにして「最高の顧客体験」を提供するのかをお話します。

NTTレゾナント株式会社 スマートナビゲーション事業部 シニアコンサルタント 北岡 恵子氏

2023年のEC戦略を提言! D2C・アマゾン・楽天・Yahoo!の全販路活用で、EC事業拡大を狙うために取り組むこと
15:10~15:50 B2-5 講演

ECの市場規模が13兆円規模となり、新規参入も続く中で2023年は「フルチャネル展開」+「シェア獲得」が成長キーワードとなると予想しています。自社ECサイトは10年後を見据えた戦略を立てながら、成長が期待できるアマゾン・楽天市場・Yahoo!ショッピングをすべて活用して、顧客との接点の最大化に取り組む必要があります。これらの活用戦略から実践ポイントを成長企業に事例を交えて解説します。

株式会社いつも.DX戦略グループ 執行役員 立川 哲夫氏

D2C失敗図鑑 -失敗要因からみえる成功の秘訣とは-
15:10~15:50 C2-5 講演

ここ数年で多くの新規参入が相次ぎ登場し、成功事例が様々なメディアで取り上げられているD2C。しかし、その裏ではビジネスとして成り立たなくなり、撤退を余儀なくされるブランドも多く存在します。数多くのD2Cブランドを立ち上げ、売上拡大を実現したSUPER STUDIO 執行役員CMOの飯尾元氏が、D2Cの失敗要因25選の解説や事業成功のために重要なことをひもとき、解説します。

株式会社SUPER STUDIO 執行役員 CMO 飯尾 元氏

耐熱ガラス保存容器でおなじみの「iwaki」に学ぶ、ECサイトオープンからCVR3.8倍までの道筋
16:10~16:50 B2-6 講演

AGCテクノグラスは、主力事業の1つ、耐熱ガラスを使った食器事業で「iwaki」ブランドを展開。テレビ、雑誌、SNSといったメディアで取り上げられることも多く、高い知名度を誇ります。そんな同社は2020年10月にECサイト『【iwaki公式】保存容器・キッチン用品のオンラインショップ』をオープン。それまではブランドサイトやECモールでの展開をしていたが、メルカートを採用して自社ECサイトの内製運用をスタートしました。自社ECサイトの立ち上げを軌道に乗せ、売上拡大につなげた取り組みを、序盤、中盤、今後の3フェーズに分けて紹介します。

株式会社エートゥジェイ 代表取締役社長 飯澤 満育氏
株式会社エートゥジェイ デジタルマーケティング局 局長 座間 保氏
AGC株式会社 経営企画本部 DX推進部 マネージャー 田家 敦史氏

N=1の顧客を捉え、売上を上げるための最適な顧客接点の作り方とは?
16:10~16:50 C2-6 講演

広告宣伝費など多くのコストをかけずに、かつ本質的な顧客接点が作れる、LINEなどのEarnedメディアを利用する企業が昨今増えています。

しかし、自社Earnedメディアの顧客プールを効率的に拡大、Earnedメディア上においてもデータを活用したコミュニケーションを行うこと、また、Earnedメディア上で取得した顧客1人ひとりのデータをマーケティング全体に活かすことができているのは一部の企業に限られています。

講演では、BtoCマーケティングを行なっている方に向けて、N=1の顧客をとらえ、売上を上げるための最適な顧客接点の作り方についてわかりやすく解説します。

Micoworks株式会社 取締役COO Director COO 八重樫 健氏
ネットショップ担当者フォーラム 2022秋
ネットショップ担当者フォーラム編集部

伊藤忠商事が始める台湾向け越境ECサービスとは? 台湾大手ECモール「PChome」グループなどとの連携で実現

3 years 1ヶ月 ago

伊藤忠商事は、台湾へのEC販売支援サービスの提供を始める。販売から配送、フルフィルメントなど包括的に越境ECビジネスをサポートする。

台湾の現地法人である台灣伊藤忠股份有限公司を通じ、台湾大手ECモール運営会社PChomeグループで越境ECを手がけるPChome Bibian Inc.(Bibian社)、インフルエンサーマーケティングを行うiKala Interactive Media Inc.(iKala社)とパートナー契約を締結した。

また、投資先である台湾大手宅配事業者の宅配通、コンタクトセンター事業国内大手のベルシステム24と連携し、台湾へのEC販売を総合的かつ段階的に構築支援するサービスを提供する。

日本企業の顧客ニーズに合わせ、①越境ECプラン(日本出荷モデル)②ECフルフィルプラン(台湾からの出荷モデル)――2つのプランを提供。台湾へのEC販売における初期検討から実行までを支援する。

伊藤忠商事は、台湾へのEC販売支援サービスの提供を始める。販売から配送、フルフィルメントなど包括的に越境ECビジネスをサポートする
台湾へのEC販売支援サービスのスキーム

越境ECプラン(日本出荷モデル)

日本に在庫を置き、ECサイトからの注文に応じて台湾の消費者へ配送するモデル。日本で既にECサイトがある場合はBibian社のサービスと連携し、台湾への越境EC販売を即時に行える。ECサイトを保有していない場合でも、自社サイトの構築や台湾消費者からの問い合わせ対応、通関対応等、顧客ニーズに応じたサポートを行う。

ECフルフィルプラン(台湾出荷モデル)

台湾に在庫を置き、ECサイトからの注文を受けてすぐに配送することが可能。台湾内で商品を即時配送したり、返品交換対応等が必要となる場合に適している。台湾におけるプロモーション、物流、コンタクトセンター等、台湾で販売する上で必要となる機能を総合的に支援する。

◇◇◇

Bibian社は台湾EC最大手の一つであるPChomeグループで、台湾最大級の越境ECサイト。日本に国際物流倉庫を置き、業界最安水準の国際送料運賃、多様な決済方法やショッピング補償など、高品質なサービスを提供している。日本のEC事業者は日本国内での配送作業のみで越境ECに対応できる。

iKala社は、15万人以上のインフルエンサーデータおよび1億件以上のコンテンツデータを保有している台湾最大のインフルエンサープラットフォームを展開。台湾で伸長するインフルエンサーマーケティングや、台湾・日本・マレーシア・香港でのEC販売のプロモーション支援事業を展開している。

伊藤忠商事は中期経営計画の基本方針として「『マーケットイン』による事業変革」を掲げており、今回の取り組みはその一環。2017年に中国向け越境EC事業を展開するInagoraホールディングスと資本・業務提携を行い、事業拡大を支援してきた。

InagoraHDもBibian社の越境ECサイト上に日本のEC事業者として出店し、台湾展開を開始している。Bibian社・iKala社との提携、サービス提供を通じて、日本企業への台湾EC販売支援を一段と加速、宅配通や伊藤忠グループ各社の収益力向上をめざしていく。

石居 岳

2023年以降のECのカギは顧客リストへのアプローチ/顧客情報漏えいの原因とは【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

3 years 1ヶ月 ago
2022年10月28日~2022年11月3日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. 2023年以降、ECのボーナスタイムは終了。今後のカギは蓄積した顧客リストへのアプローチ!【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2022年10月24日~10月30日のニュース

    2022/11/1
  2. 富士フイルム子会社、ユーキャン、ABCマートなどのECサイトで顧客情報が漏えいした原因は?

    共通するのは、ショーケースが提供している入力アシストサービスのシステムを利用していること。ショーケースの入力アシストサービスのシステムが、第三者による不正アクセスを受けてソースコードの改ざんが行われたという

    2022/11/1
  3. 店舗は「買い物の場から顧客への情報発信の場」に変わる――ファーストリテイリングが考える実店舗の価値とは?

    ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は実店舗の在り方について、「買い物」の場から「顧客への情報発信の場」、「地域コミュニティーの中核の場」に変わっていくと説明する

    2022/10/31
  4. カゴ落ち率は64.7%、機会損失額は平均で売上の約2倍【イー・エージェンシー調査】

    売り上げの約2.0倍がカゴ落ちしていると想定した場合、たとえば、「カートインユーザー数が3000人、月商が500万円のECサイト」では、カゴ落ちしたユーザー数は約1941人、機会損失額は約1000万円発生している可能性がある

    2022/11/1
     
  5. J.フロントリテイリングがeスポーツ事業に参入

    J.フロントリテイリングは、eスポーツチーム「SCARZ(スカーズ)」を保有するXENOZ(ゼノス)の発行済株式50.8%を取得して子会社化する

    2022/10/31
     
  6. サブスククリプションコマースで継続利用を維持するには?ワインの定期購入で成功の「Winc」など米国事例に学ぶ

    サブスクリプションユーザーを維持するには、消費者のさまざまな要望やニーズに基づいて、常に購読サービスを調整する必要があります

    2022/11/2
     
  7. ミツカングループのDX戦略、UAが語るCRMの成功&失敗、「ハルメク」に学ぶシニア攻略法などのECイベント【11/9の見どころ】

    ミツカングループのDX戦略などを大公開! 全36講演すべて無料で視聴できるECイベント「ネットショップ担当者フォーラム 2022 秋」を11月7日(月)~9日(水)の3日間開催

    2022/11/1
     
  8. “モノにこだわる”「脱百貨店」の通販サイト「よろずを継ぐもの」が成長している理由を京阪百貨店に聞いてみた

    「よろずを継ぐもの」のターゲットは、京阪百貨店を知らない商圏外である全国の消費者。そのため、地方百貨店の通販サイトと色眼鏡で見られることなく本当によいモノをそろようとしている

    2022/11/2
     
  9. 「fracora」のデジタル戦略、オールハーツ・カンパニー流DX、中国EC大手プラットフォーマーの成長秘話などのECイベント【11/8の見どころ】

    オールハーツ・カンパニーがDX先進企業になった裏側などを大公開! 全36講演すべて無料で視聴できるECイベント「ネットショップ担当者フォーラム 2022 秋」を11月7日(月)~9日(水)の3日間開催

    2022/10/31
     
  10. 千趣会、宅配買取サービスを本格展開。オークネットと二次流通領域で協業

    オークネットの持つ二次流通の専門ノウハウやリユース・リサイクル流通ネットワークを活用し、回収したアイテムを「必要な人のもと」や「必要な環境・資源」へ再流通させる

    2022/11/2
     

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

藤田遥

売上40%増をめざすギフティが始めた法人向けギフトサービス「Corporate Gift」&コーポレートギフト市場の成長性とは?

3 years 1ヶ月 ago

ギフティは10月26日、企業が取引先や顧客、従業員に対して関係性構築・関係性強化を目的として感謝の気持ちを示すために贈るギフト「Corporate Gift(コーポレート ギフト)」の提供を始めた。

「22年12月期までに前期比40%増収」めざすギフティ、新規サービス開発

ギフティは2022年12月期に前期比40%増収の成長をめざしている(GoToトラベルキャンペーンに関する一時的収益を除く)。同時に新規サービスの開発を推進しており、「コーポレート ギフト」の提供開始はその一環。

「コーポレートギフト」は、ギフトを顧客や従業員に贈る企業を対象に、「ギフトコンテンツ」「プロダクトソリューション」「企画支援」に関するソリューションを提供する。

また、自社商品をギフトとして提供するブランド(ギフトを提供するブランド)には、「販売支援」「プロダクトソリューション」「企画支援」に関するソリューションを提供する。

「コーポレートギフト」のプラットフォーム構築は国内初。新市場の開拓に取り組む考えだ。

ギフトを贈る企業と提供するブランドをギフティが結ぶ

米国などの諸外国では、すでに多くの企業が顧客や従業員との関係性構築に「コーポレートギフト」を活用。ギフティは経営に欠かせない施策として新たな潮流となっていると説明している。「コーポレートギフト」の用途は以下の通り。

  • 取引先やクライアントなどBtoBを対象にギフトを贈るシーン:イベントやウェビナーの予約や参加促進、サービスへのエンゲージメント向上などマーケティングでの利用。
  • 従業員(Employee)を対象とするBtoE:新入社員向けのウェルカムギフトや誕生日ギフト、周年記念などの用途。
  • ロイヤルカスタマーを対象とするBtoCのシーン:会員プログラムのギフトやロイヤルカスタマー向けの記念品などの用途。

コーポレートギフトを「贈る」企業を対象に3種のソリューションを提供

ギフティは「コーポレートギフト」を贈る企業を対象に、ギフトコンテンツ、プロダクトソリューション、企画支援の3領域で各種ソリューションを提供する。

「コーポレートギフト」を贈りたいと考える企業に3種のサービスを提供

ギフトコンテンツ

ギフティの主力商品である「eギフト」、従前から提供していた体験ギフトに加えて、良質なモノやそれらを詰め合わせたギフトBox、ロゴや社名が入ったオリジナルグッズ「Swag(スワッグ)」(=ロゴや社名などをプリントした企業のオリジナルグッズ)の提供を開始した。

プロダクトソリューション(ギフト送付企業向け)

梱包、在庫管理、発送、受け渡しなど発注から配送までの一連の業務を代行するフルフィルメントサービス、名入れや同梱、ラッピングなどのギフトオプションを10月26日から提供開始。企業が各種ギフトコンテンツを受け取り手との関係性やシーンに合わせて贈りやすくする仕組みを展開している。

発注から配送までの一連のプロセスをデジタル化、オートメーション化するプロダクトソリューションも、今後展開を予定している。

同日、顧客や従業員が指定した住所へオリジナルギフトやカードを発送する「ギフティ配送管理サービス」もローンチした。送付されたURLにギフトの受け取り手がアクセスし配送先の住所を自ら入力することで、住所のわからない相手へギフトを贈ることを可能にする。受け取り手がサイズや色などを設定できる機能も利用できる。

同日は「ギフティ配送管理サービス」もローンチ

企画支援

受け取り手との関係性やシーンに合わせて、「eギフト」から「Swag」まで幅広いギフトバリエーションから最適なギフトを提案する。

コーポレートギフトを「提供」するブランドは新たな販路開拓に

ギフティは「コーポレートギフト」を提供するブランドも対象としてソリューションを提供する。「コーポレートギフト」のプラットフォームを構築し、ブランドの新たな販売チャネルおよび顧客セグメントの開拓に資する仕組みを提供する目的だ。

自社商品を「コーポレートギフト」として提供したいと考えるブランドも支援

提供するのは次の3領域。

販売支援

2000社以上との取引実績のあるギフティの顧客網を活用し、BtoBおよびBtoEにおけるギフトシーンでの新たなクライアントの獲得を支援する。

プロダクトソリューション

「コーポレートギフト」用の在庫を保管する倉庫のスペースを提供する。在庫管理、梱包、配送作業などの一連の業務を代行するフルフィルメントサービスの提供も可能だ。

自社では対応が難しいメッセージカードの同梱や複数商品の詰め合わせなどのギフトオプションについてもフルフィルメントサービスの一環としてシステム化し、今後提供を予定している。このほか、労働集約になりがちな受注、配送作業などのプロセスをデジタル化、オートメーション化するソリューションも提供していく予定だ。

「ギフティ配送管理サービス」を、ブランドが自社で展開するギフトサービスで活用できるようOEM提供するサービスも開始。利用企業は「コーポレートギフト」領域のギフトサービスにおける個別配送ニーズなどに自社で容易に対応することが可能となり、受け取り手がサイズや色などを設定できる機能も利用できるようになる。

企画支援

「コーポレートギフト」が多く贈られている利用シーンやデータから、新たなギフト商品のヒントとなるような企画支援を行う。また、ギフトコンテンツだけではなくラッピングやのしをはじめとした相性の良い最適なギフトオプションの開発も支援する。

「コーポレートギフト」市場は急速に拡大中

ギフティによると、新型コロナウイルスのパンデミックを背景に「コーポレートギフト」市場は急速な成長を遂げているという。

デジタルギフトの「eギフト」と同様に先行して市場が拡大する米国では、パンデミック以前の2019年に2170億USDであった市場規模が、2022年には2580億USD、2025年には3120億USDに達することが予測されている。

ギフティにおいても、BtoBにおけるマーケティング用途やBtoEにおける福利厚生などの用途でeギフトが活用されるケースは以前から多くあり、これまでは法人向けの「eギフト」サービス「giftee for Business」サービスとして提供していた。

ギフティでは福利厚生関連の売り上げが2200%に成長

2020年以降、パンデミックを背景としたリモートワークの普及により、ギフティではBtoEにおける福利厚生のニーズが急激に増加。2019年から2021年の2年間で関連売上は2200%成長という。

BtoBの領域でも同期間中に問い合わせが急増するなど、「コーポレートギフト」市場の高いポテンシャルを認識。新たな注力領域としてより専門的なサービスを提供するため、ギフティは「コーポレートギフト」サービスを提供開始した。

サービスの提供開始時には、BtoB、BtoEのニーズへの対応から開始し、中長期的にBtoCの領域にも取り組む予定としている。

高野 真維

集客からファン化まで自社EC活用事例、リテールメディアの広告配信、アプリ活用などのECイベント【11/7の見どころ】

3 years 1ヶ月 ago
自社ECの効果的な活用事例などを大公開! 全36講演すべて無料で視聴できるECイベント「ネットショップ担当者フォーラム 2022 秋」を11月7日(月)~9日(水)の3日間開催

「ネットショップ担当者フォーラム 2022 秋」(11月7~9日の3日間で開催)の初日には、「集客からファン化まで、自社ECの活用事例」「ECサイトでの広告掲載と商品検索がデジタルマーケティングで果たす重要な役割とは」「選ばれるECサイトになるポイント」「アプリ活用でEC売上を伸ばすための3Tips」「地図のゼンリンがBtoB向けECサイトで実現した業務効率化と、顧客に寄り添うサービス展開とは」「SAGAWAのEC戦略」などのテーマについて、企業の責任者などが登壇し講演します。

36講演のなかから、編集部おすすめ講演の見どころをご紹介します。なお、イベントについてはすべて無料で視聴できます。

ネットショップ担当者フォーラム 2022秋

見どころ⑲自社ECの活用事例、リテールメディアでの広告配信、選ばれるECサイトになるポイント、アプリ活用でEC売上を伸ばすポイントなどを解説!

集客からファン化まで、自社EC活用事例を解説
12:05~12:45 B1-2 講演

ECサイト構築サービス「ecbeing」が中堅大手1500サイトに導入してきた中から、代表的なECサイトの集客からファン化、DXへの取り組みまで解説します。ビームス、ヤッホーブルーイング、ワークマン、JAタウン など、 成長活用されるECサイトおよび、それを支える「ecbeing」の仕組みについて紹介します。

株式会社ecbeing 代表取締役社長 林 雅也氏

ネット広告最大の未開拓マーケット「リテールメディア」。ECサイトでの広告掲載と商品検索がデジタルマーケティングで果たす重要な役割とは?
13:05~13:45 B1-3 講演

3rd Party Cookie規制が進む中、今後デジタルマーケティング、特にネット広告が向かう先というのは非常に重要なテーマです。

すでに海外ではAmazonやWalmartなどがリテールメディア(訪問したユーザーに広告を配信するECサイトのメディア化)での広告配信で数千億円の利益を上げていますが、この流れは日本でもますます活発化することでしょう。

Cookie規制がなくてもリテールメディアにおける広告配信というのは大変魅力的なマーケットだと言えます。またリテールメディアでのネット広告では商品検索が非常に重要な役割を果たしますが、今後ECにおける商品検索機能はクチコミやハッシュタグといったUGCとの連携においても同様に重要な機能となっていくでしょう。

ポストCookieにおけるリテールメディア広告の魅力とは、なぜ検索が重要なのか、UGCとの関わりは、などについてEC検索クエリ処理の高い実績を持つZETAのノウハウをもとに詳しく解説します。

ZETA株式会社 代表取締役社長 山崎 徳之氏

ECサイトの売上を上げる秘訣は「購入体験の向上」にあり! 選ばれるECサイトになるポイントを事例を交えて解説!
15:10~15:50 B1-5 講演

ECでの購買活動が当たり前となった現在では、日々さまざまなECショップが誕生しています。いつでも・どこでも・どのショップでもほしいものが購入できるようになったからこそ、商品力以外にも「購入体験」を向上させることが売上UPに直結します。

コストを抑えつつ、選ばれるショップになるポイントを両社が事例を交えて解説します。

株式会社ネットプロテクションズ ビジネスディベロップメントグループ 執行役員 秋山 瞬氏
ヤフー株式会社 ショッピング統括本部 プロダクション2本部、事業企画本部 本部長/ショッピングユニットマネージャー 杉本 務氏

アプリ活用でEC売上を伸ばすための3Tips
15:10~15:50 C1-5 講演

ECで購入、アプリで購入が当たり前な時代になりました。多くの企業がオンライン接客やAI活用など乱立したデジタルツールを模索しながらEC活用の強化に取り組んでいます。

一方で、数多ある施策から「自社に適した手法・打ち手」の選定に悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。講演では、「EC売り上げを上げる手段としてのスマートフォンアプリ活用」3Tipsについてお話します。

株式会社ヤプリ マーケティング部 神田 静麻氏
株式会社ヤプリ 新規事業開発室 和田 理美氏

地図のゼンリンがBtoB向けECサイトで実現した業務効率化と、お客さまに寄り添うサービス展開とは
16:10~16:50 B1-6 講演

BtoB-ECサイトは、自社の業務効率化ばかりではなく、実際に「使ってもらえるECサイト」になるよう、利用する法人のお客さまの業務フローを考慮した機能や仕組みが重要となります。地図を編集・更新し、お客さまのニーズに応えることで地図の進化を担ってきたゼンリンは、ECサイト「ZENRIN Store」を運営しています。

商品の特性上、公共機関や法人のお客さまの利用が多いことから、BtoB-ECで必須となる機能を組み込むだけでなく、サブスク型商品など、利用するお客様の目線に立ったサービスを展開しています。

講演では、ゼンリンがクラウドECだからこそ実現できた業務効率化と、利用するお客さまの利便性を考えたサービス展開についてEC構築システムとしてサポートするインターファクトリーがモデレータを務め、紹介します。

株式会社インターファクトリー BtoB推進室 兼 ビジネスディベロップメント部 カスタマーサクセスチーム 武藤 彩氏
株式会社ゼンリン 事業統括本部 ICT事業本部 EC企画営業部 部長 村松 史朗氏

SAGAWAのEC戦略 販路拡大をサポートするノウハウと事例をご紹介
~小売流通も海外通販もSAGAWAにお任せ~
16:10~16:50 C1-6 講演

ECに取り組む方々に、効率的な物流ネットワーク構築やノウハウを、販売・物流・保管などそれぞれの視点から事例を交えて伝えます。

講演では、SAGAWAの先進的プロジェクトチーム「GOAL」、購入者の受け取り方など配送サービスの充実、ECモールでの商品タグ付け作業自動化ツールといったSAGAWAの取り組みを紹介。

リアル店舗とECの活用とTC(通過型物流センター)/DC(在庫型物流センター)事例、食品EC拡大に合わせたコールドチェーン事例といった、小売流通での新たなEC展開事例も紹介します。

また、佐川急便の海外通販に対する国際配送サービス、物流だけではなく、販路拡大を含めたマーケティングサポート事業も紹介します。

佐川急便株式会社 事業開発部 課長 池田 立秋氏
佐川急便株式会社 営業開発部 課長 鈴木 章浩氏
佐川急便株式会社 営業開発部 課長 中野 恵氏
ネットショップ担当者フォーラム 2022秋
ネットショップ担当者フォーラム編集部

GMOメイクショップの「MakeShop」成長戦略とは?インフラ基盤を刷新し2023年夏にリニューアル

3 years 1ヶ月 ago

GMOメイクショップは10月26日に実施した事業戦略説明会で、ネットショップ構築ASP「MakeShop」の今後の展開について発表した。

2023年夏に「MakeShop」のリニューアルを予定。システム基盤をAWS(アマゾンウェブサービス)に移行し、アプリプラットフォームの仕組みなど導入する。

2023年夏に「MakeShop」のリニューアルを予定

事業戦略説明会では、店舗数、GMV(流通取引総額)は順調に伸びている一方で、機能・性能要件不足による大型店の解約もあると説明。この課題解決のため、「MakeShop」のリニューアル、ECサイト構築パッケージ「GMOクラウドEC」の開発強化に乗り出すとした。

時代の変化とともに新しく生まれるビジネス要件に追い付いていない側面もあると言及。この課題には、APIを整備・拡充することと、オープンプラットフォーム化で解決に取り組むと説明した。

このほか、地域活性化プログラムでは、旅行代理店や地方銀行などと提携を予定しており、企画を進行中だという。

2023年夏に「MakeShop」リニューアル

「MakeShop」のリニューアルは、2023年の夏を予定。「次世代EC開発プロジェクト」として、以下の6つを掲げている。

  • スケーラビリティのあるインフラ基盤へ刷新
    インフラ基盤としての安全性をかなえるためシステム基盤にAWSを導入する。高い拡張性とセキュリティレベルをめざす。

  • モダンアーキテクチャへ総入れ替え
    今後10年先を見据え、システムアーキテクチャから抜本的な見直しを実施。

  • APIで自由につながり、広がる拡張性
    APIに代表される開発手段・基盤・サポートを含めたさまざまなリソースを整備。導入企業の利便性を追求する。

  • わかりやすい管理画面へのリデザイン
    行動に応じたわかりやすい画面構成や配置を工夫し、リデザインに取り組む。

  • 美しく柔軟なフロントサイトを実現
    ファーストビューの情報量の調整や、スムーズな画面遷移など、時代の空気感を反映した回遊性の高いショップ構築にのぞむ。

  • ユニークでトレンド感あふれるアプリが満載
    アプリプラットフォームの仕組みを設けることで、パートナー企業とともに高機能・多機能なアプリの提案に取り組む。

11月末までにインフラ移行完了へ、2023年はリリースを順次計画

新システムの提供は、インフラをAWSに移行後で、インフラの移行は2022年11月29日までに完了する予定。

段階的なリニューアルを予定している

アプリストアの開始に向けて2023年に順次リリースを予定。2023年2月にα版(社内エンジニアによる開発、検証フェーズ)をリリースしたのち、同3月にβ版(特定外部パートナーと開発、検証フェーズ)のリリースを見込む。正式リリースは2023年夏を予定している。

2023年夏にアプリストアを一般公開し、アプリの開発と販売を開始する見通しだ。

GMOメイクショップが新製品にかける思いは「EC普及率100%」。誰もがECを利用できる環境、つまりEC普及率100%をめざすとしている。

総務省の家計消費状況調査によると、ネットショッピングの世帯利用率は2022年7月時点で53.0%。

高野 真維

千趣会、宅配買取サービスを本格展開。オークネットと二次流通領域で協業

3 years 1ヶ月 ago

千趣会は宅配買取サービスを本格展開する。

オークネットとの共創事業として衣料品を中心とした宅配買取サービスを立ち上げた2021年7月から約1年間のテスト運用を経て、Webサイトやブランドロゴ・ステートメントを新たに作成。「kimawari(キマワリ)」として本格稼働する。

本サービスの第1弾として、まずは衣料品を中心とした宅配買取サービスを「kimawari fashion(キマワリファッション)」の名称でスタートする。運営は千趣会の子会社であるSenshukai Make Co-(センシュカイメイクコー)が担う。得意とするマーケティング戦略の強みを生かし、共創事業として今後さらに発展的な展開をめざしていく。

「段ボールにアイテムを入れるだけ」「何点でも送料・査定無料」など、顧客の手間を最小限に抑えることでサービス利用のハードルを下げる。オークネットの持つ二次流通の専門ノウハウやリユース・リサイクル流通ネットワークを活用し、回収したアイテムを「必要な人のもと」や「必要な環境・資源」へ再流通させる。

千趣会とオークネット Webサイトやブランドロゴ・ステートメントを新たに作成。「kimawari(キマワリ)」として本格稼働
「キマワリ」のサービス特徴

既存顧客の満足度を向上させながら、継続的な関係性の強化を図る。さらに、回収アイテムによる循環型社会への貢献度の可視化、顧客へのフィードバック、買取情報に基づく顧客への商品紹介など、「キマワリ」を起点とした発展的な取り組みにも順次着手していく予定だ。

「キマワリ」は、役目を終えたアイテムをただ捨ててしまうのではなく、「何かに役立てたい」という顧客の思いに寄り添う事業として位置づける。「ライフステージや暮らしの変化で役目を終えたモノを気持ちと一緒に預かり、責任を持って、次の人・次の役割・次の世代へ、気持ちをつなぎ、まわす」を新たなコンセプトとし、商品の使用価値の最大化を実現させる。

千趣会とオークネット Webサイトやブランドロゴ・ステートメントを新たに作成。「kimawari(キマワリ)」として本格稼働
ロゴ・ステートメントについて

 

石居 岳

越境ECのビィ・フォアード、2021年度売上高は44.9%増の814億円で過去最高実績

3 years 1ヶ月 ago

海外向けに中古車のECを手がるビィ・フォアードの2022年6月期決算によると、売上高は前期比44.9%増の814億8822万円に拡大した。主力商品の中古車輸出台数は前年比6%増の13万3370台。

2021年度は、資源価格の上昇、ウクライナ侵攻、船・コンテナ不足による船枠の減少によって、輸出台数を大きく伸ばすことが困難な状況だったが、ドル高円安の継続と新車の生産遅延による中古車人気の根強さから、中古車の輸出需要が高い状況で推移。過去最高の実績を記録したという。

海外向けに中古車のECを手がるビィ・フォアードの2022年6月期決算によると、売上高は前期比44.9%増の814億8822万円に拡大
売上高の推移(画像はビィ・フォアードのサイトからキャプチャ)

ECサイト「BE FORWARD Marketplace」は、国内・海外ともにサプライヤーが増加。商品掲載数はこの1年で5万台以上増え、20万台を超える中古車を常に掲載している。

日本国内では、大手中古車在庫共有サービスと連携、豊富な商品ライナップの提供が実現したことで、販売台数が前年比80%増と好調に推移した。

海外では船積みの問題を多く抱えていたが、販売台数についてUAEでは前年比40%増、タイでは同280%増と躍進。今後は、メインの仕入れ国となる韓国、シンガポールへ足を運んで現地サプライヤーとの連携を深化し、韓国とUAEでは商品の多角化を進める。

中古オートパーツの販売は、全国規模のパーツ組合と業務提携を行ったことでサイトへの掲載点数は350万点に増加。先進国からの注文数が拡大したことと、解体・バンニング事業を手がけるビィ・フォアード ファクトリーでの自社コンテナ便の販売再開で、停止した2020年を上回った。2022年度は、アフリカ内での新規取引国を開拓できるようする。

2020年1月に開始した「海外輸出代行サービス」は、パーツの販売が好調で、自社コンテナ便の輸送実績が伸びている。今後も、自社コンテナ便のご依頼を安定的に確保する他、AIR便も全世界に向け新規開拓して事業拡大を図っていく。

石居 岳

サブスククリプションコマースで継続利用を維持するには?ワインの定期購入で成功の「Winc」など米国事例に学ぶ | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

3 years 1ヶ月 ago
サブスクリプションユーザーを維持するには、消費者のさまざまな要望やニーズに基づいて、常に購読サービスを調整する必要があります

サブスクリプションモデルは、コロナ禍でのステイホーム期間を乗り越え、大きく成長することが予想されます。消費者は気に入った商品が定期的に届くという利便性を求めているからです。

コロナ需要で急拡大のサブスクビジネス

子ども向けアートプロジェクトの定期販売サイト「Kids Art Box」は、2019年末に事業を開始しました。共同創業者であるニック・フィリップス氏とメラニー・フィリップス氏の夫妻は、ビジネスに大きな需要があると考えていました。

「Kids Art Box」は、子ども向けのアートサブスクリプションボックスです。各ボックスには、3歳から12歳の子供向けの精選されたアートとクラフトのプロジェクトが入っています。

最初の3か月は収益ゼロでしたが、2020年3月に転機が訪れました。新型コロナウイルス感染症拡大による世界的なステイホームです。企業や学校など、ウイルスをまき散らす可能性のある共同体の活動はすべて停止。「Kids Art Box」は、家に閉じこもる子どもたちにとって、気晴らしにちょうどいい体験になったのです。(ニック・フィリップ氏)

2020年3月から2021年2月は、週に2~3個のアートアクティビティボックスしか売れていませんでした。しかし、2020年3月以降、毎週2000~3000個も売れるようになったのです。1年間を通して、「Kids Art Box」のサブスクリプションサービスは新規顧客の約75%は継続利用したそうです。

「Kids Art Box」の2021年における売上高は、2020年比での売上は前年比300%増になったとニック・フィリップス氏は説明します。しかし、2021年にワクチンが開発されると、一部の学校がハイブリッド型の対面授業を再開、家庭用アートサブスクリプションサービスの需要は激減しました。その後、売り上げの伸びは小康状態になり、2022年は前年比で「事実上横ばい」だそうです。

「Kids Art Box」のECサイト サブスクリプション
「Kids Art Box」のECサイト(画像は編集部がキャプチャして追加)

Facebookの広告収入は「崖っぷち」から「崖に落ちた」

2021年4月にアップルがiOS 14のプライバシーを変更し、サードパーティのクッキーの追跡をオプトアウトできるようになったことで、状況はさらに複雑化しました。「Kids Art Box」は、広告予算の大半をメール広告とFacebook広告に投資。しかし、Appleのプライバシー変更後、「Kids Art Box」のFacebook経由の売り上げは劇的に減少したそうです。

私たちは崖っぷちの状態から、崖に落ちました。そして、FacebookがAppleのプライバシー設定に関連する変更を行った翌日、新規売上は一気にゼロになりました。(ニック・フィリップ氏)

結局、「Kids Art Box」のFacebook広告経由の売上高は回復しなかったとメラニー・フィリップ氏は振り返ります。その結果、2人は急いでマーケティング戦略を見直しました。そして、販売価格を全面的に8%値上げすることを決めたのです。

成長が減速した2021年でしたが、2022年のホリデーシーズンは楽観的に見ています。購読者数は減少していますが、ホリデーシーズンは再び忙しくなると予想しているのです。その理由は「ホリデーボックスはボリュームが大きいからです」(ニック・フィリップ氏)

ホリデーシーズンには、アクティブな購読者を対象に、20%以上の割引を適用した数量限定のボックスを提供新規顧客には割引を受けられるボーナスボックスを展開し、それぞれの施策が顧客生涯価値(LTV)の向上に寄与することを期待しています。

また、休眠状態の購読者は、ギフトの季節になると再び戻ってくることが多いようです。Kids Art Boxの平均注文金額(AOV)はこの時期に増加するそうですが、ボーナスボックスの売り上げがAOVの増加にどの程度貢献しているのかは明らかにしていません。

サブスクリプションサービスの需要は増加傾向

米国の大手EC専門誌『Digital Commerce 360』によると、北米EC事業の売上トップ1000社のデータベースにランクインしている企業の3.6%がサブスクリプション型のビジネスモデルです。サブスクリプション型ビジネスモデルとは、主にサブスクリプションを中心にオンライン販売を行う小売事業者と定義しています。トップ1000社データベースは、北米に本社を置く大手小売企業の年間EC売上高をランキングしたものです。

サブスクリプションモデルを提供している小売企業のEC売上高の伸びは19.9%で、トップ1000社全体のEC売上高の伸び(19.6%)をわずかに上回っています。また、トップ1000社小売企業のAOV成長率(7.6%)とサブスクリプションモデルのAOV成長率(6.8%)の差は1ポイント未満となっています。

サブスクリプションモデルを提供する小売企業トップ1000社のデータ。AOV成長率の数値は12か月間、2021年は2020年比(出典:Digital Commerce360)
サブスクリプションモデルを提供する小売企業トップ1000社のデータ。AOV成長率の数値は12か月間、2021年は2020年比(出典:Digital Commerce360)

顧客理解からサブスクビジネスを成功させた米国のサブスクリプション企業「Winc」

サブスクリプションビジネスに関する業界ネットワーク「The Subscription Trade Association(SUBTA)」が発表した「State of the Subscription Annual Report」によると、消費者は商品が定期的に自宅へ届くという利便性を求めています

また、2021年の米国におけるサブスクリプションビジネス全体の54%は、美容・パーソナルケア・食品・飲料分野が占めました

この流れは、美容・パーソナルケア・食品・飲料分野といった商材を扱う小売事業者には追い風です。パーソナライズされたお勧めワインの定期購入を手がける「Winc.com」は2022年、自社ブランド製品「Summer Water」を開発、ロゼを飲む顧客に特化した2つ目のワイン定期購入サービス「Societé」のほか、自社の消費者向け直販サイト「SummerWater.com」「Winc.com」で販売しています。 

「Winc.com」はそれまで、顧客にワインを毎月届けるサブスクリプションを提供していましたが、2019年にそれを変更。毎月の本数を減らしたいという顧客ニーズ、顧客の家庭でのワインの滞留を防止するため、ユーザーの趣味嗜好に適したワインを毎月送るサブスクリプションモデルに変更しました

Winc.comチーフ・マーケティング・オフィサー、ジャイ・ドルワニ氏
Winc.comチーフ・マーケティング・オフィサー、ジャイ・ドルワニ氏

顧客を知ってカスタマーエクスペリエンスを向上する施策①

「Winc.com」は、どのようにして顧客の要望を知ったのでしょうか。「ネットプロモータースコア(NPS)、顧客調査、そしてカスタマーエクスペリエンス担当者から提供されるデータを活用した」とマーケティング最高責任者のジャイ・ドルワニ氏は言います。これらのデータソースは、「Winc.com」が特定の変更が顧客の立場からどの程度影響を与えるかを測定する方法です。

ネットプロモータースコア(NPS)は、次のような質問を通して、顧客ロイヤルティを測定しました。

  • この商品を友人や同僚に薦めるとしたら、どの程度の確率で薦めますか?

ドルワニ氏は、「Winc.com」のNPSを公開することは避けましたが、NPSにおける顧客の洞察とコメントは非常に有用だそうです。Winc.comでは、顧客が残したコメント全てに目を通しています。 

「Winc.com」は2020年7月、NPSの低い回答を見直し、品ぞろえと入手性に問題があると結論づけました。その結果、SKUを30ワインから100ワイン以上に増やしました。ドルワニ氏は次のように言います。

(こうした変更は)ワインの分野では非常に大きな資金を必要とし、長い時間がかかります。私たちは、顧客の50%を対象に、サードパーティのワインを調達し、サイトに掲載するマッチマーケットテストを実施しました。その結果、テストグループのNPS、AOV(平均注文金額)、LTV(顧客生涯価値)が驚異的に向上したのです。

「Winc.com」がNPSを通じて気づいたもう1つの問題点は、配送と配達でした。配達の到着を待って商品の配達にサインをするというプロセスに不満を持っていたのです。そこで、近くのFedExやWalgreensで荷物を預かったり、誰かがサインできるような場所に配送するなど、追加の配送オプションを提供するようになりました。

「Winc.com」
「Winc.com」のコーポレートサイト(画像は編集部がキャプチャして追加)

顧客を知ってカスタマーエクスペリエンスを向上する施策②

2つ目の方法は、会員アンケートです。「Winc.com」では、新規顧客に対するアンケートと、全顧客を対象としたアンケートを毎年実施。その結果は、品ぞろえに反映するとドルワニ氏は言います。

「Winc.com」は顧客の趣味嗜好に適したワインをセレクトし、サブスクリプションで販売しています。たとえば、オンライン・クイズで「好きなコーヒーは何か」「オレンジジュースとミルクのどちらが好きか」などを尋ね、どのようなワインが好みかを判断するのに役立てました

ドルワニ氏によると、Z世代やミレニアム世代の消費者は味だけでなく、オーガニック、低糖、低硫黄、バイオダイナミック、ナチュラルなどのワインを好む傾向があることがわかったそうです。こうした調査やクイズによって、「Winc.com」はサイトで販売するワインの種類をよりよく把握できるようになったのです。

顧客を知ってカスタマーエクスペリエンスを向上する施策③

3つ目は、「Winc.com」のカスタマーエクスペリエンス(CX)担当者とのやり取りです。

CXは、サポートチャネルとしてだけでなく、顧客の重要な問題をできるだけ早くフォローアップすることを目的としています。CX担当者からのフィードバックは、どれだけの顧客が同じような問題を経験したか、あるいは同じような要望を持っているかを示しています。(ドワルニ氏)

たとえば、購入したいワインが何度もサイト上で在庫切れになるとの苦情がありました。CXの担当者は、これらのワインは実際には在庫があり、バックエンドに問題があることを突き止めました。Winc.comのCXチームはエンジニアリングチームに連絡し、1時間以内に問題を解決したと、ドルワニ氏は言います。

2021年から顕著になった「サブスクリプション疲れ」への対応

2021年に入り、Kids Art Boxと同様、「Winc.com」も顧客のサブスクリプション疲れに気づいたとドルワニ氏は言います。

より多くの消費者を誘引するために、ワインの品ぞろえを増やし、価格帯も幅広くするなど、品ぞろえを充実させました。また、2021年4月にはハードサイダーや日本酒など、他のカテゴリーにも進出しています。

私たちは、アルコール飲料を購入するために2つも3つも別のサービスを利用するのではなく、1つの定期購入でより多くの効果を得たいという消費者の強いニーズを感じました。(ドルワニ氏)

「Winc.com」は、食料品店などの卸売ルート、2022年5月にオープンした「Summer Water」の自社ECサイト、Drizlyなどのデリバリーサービスでも販売しています。

ドルワニ氏によると、「Summer Water」の需要は夏にピークを迎えます。「Summer Water」の顧客は、1度だけの購入することも、定期購入サービスの「Societé」に申し込むこともできます。「Summer Water」の消費者向け直販サイトのAOVは、100ドルから150ドルで、サブスクリプション購入モデルのAOVは公表されていません。

ドルワニ氏は、サブスクリプションモデルとして、「Societé」は「Winc.com」とは異なると言います。

「Societé」は、「Summer Water」ファンのために作ったサブスクリプションサービスなんです。(ドルワニ氏)

Instagramを通じて消費者にマーケティングを行うとともに、会員限定のイベントや、定期配送ボックスの中に入れるサプライズプレゼント、新商品の発売への早期アクセスなどを提供しています。

「Winc.com」は、次世代の消費者にワインの世界を親しみやすく紹介することに重点を置いています。(ドルワニ氏)

◇◇◇

サブスクリプションユーザーを維持するには、消費者のさまざまな要望やニーズに基づいて、常に提供サービスを調整する必要があるとドルワニ氏は言います。消費者が一銭たりとも無駄にしたくないと考える現在の経済環境では、継続利用の顧客を維持することはますます困難になっていきます。「今年は、小売業にとって、計画や予測が特に難しくなるでしょう」(ドルワニ氏)

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360

“モノにこだわる”「脱百貨店」の通販サイト「よろずを継ぐもの」が成長している理由を京阪百貨店に聞いてみた | 通販新聞ダイジェスト

3 years 1ヶ月 ago
「よろずを継ぐもの」のターゲットは、京阪百貨店を知らない商圏外である全国の消費者。そのため、地方百貨店の通販サイトと色眼鏡で見られることなく本当によいモノをそろようとしている

京阪電車を運営する京阪グループの京阪百貨店の通販サイト「よろずを継ぐもの」の売れ行きが好調だ。物販を前面に打ち出すのではなく、モノへのこだわりや背景などを踏まえたコラムを軸としたサイト構成と各地の離島で採れる食材や全国の道の駅で扱う商品など特定のテーマに特化したエッジの効いたショップ展開などが奏功。百貨店来店客の中心層とは異なる20~40代の新規層をつかみ、今夏の立ち上げから来訪者数を増やし、売上高も当初の計画を上回る勢いをみせている。今後、直販商品の拡充など自社によるEC展開を強化しつつ、外部の事業者の出店誘致も進め、様々なジャンルでこだわった商品を取り扱うショップを増やし、仮想モール型通販サイトとして規模拡大を図っていく考え。

京阪電車を運営する京阪グループの京阪百貨店の通販サイト「よろずを継ぐもの」
通販サイト「よろずを継ぐもの」

「よろずを継ぐもの」は今年5月31日に新設した通販サイト。京阪百貨店では歳暮・中元、各種記念日などのギフト商品をメインとした通販サイトを運営しているが、それとは別ドメインのサイトとなる。

「(既存サイトの顧客は)京阪電鉄の沿線や京阪百貨店の商圏となる関西エリアの方々がほとんど。京阪百貨店を知らない商圏外の全国のお客様を相手にしたいことから地方百貨店の通販サイトと色眼鏡で見られることなく本当によいモノをそろえている通販サイトと認識頂けるよう、また、機能面も含めて京阪百貨店のサイトとは切り離した新サイトを立ち上げるほうが良いと判断した」(ECプラットフォーム事業部・新宅義秀担当部長)という。

京阪電車を運営する京阪グループの京阪百貨店の通販サイト「よろずを継ぐもの」 ECプラットフォーム事業部の新宅担当部長(左)と橋本部長代理
ECプラットフォーム事業部の新宅担当部長(左)と橋本部長代理

なお、同サイトはインターファクトリーが提供するクラウドコマースプラットフォーム「ebisumart(エビスマート)」を利用して構築した。

「よろずを継ぐもの」のコンセプトは「“知る人ぞ知る”を知る面白さ」。「メジャーな商品や型番品の安売りではなく、次代に継いでいくべき優れたモノや技術、人を照らして世の中でまだ広く知られてない商品をその背景も含めて紹介していく。当社のような百貨店が着手すべき通販サイトのあり方を目指した」(同・橋本尚樹部長代理)とする。

サイトは特定の商品や事象をテーマとしたコラムである「STORIES‐読みもの‐」と複数の仮想店舗が出店する形で特定のジャンルや切り口でそれぞれ厳選した商品を並べ販売する「STORES‐ショップ一覧‐」で構成する。

トップページの上部を占め、他サイトとの差別化のための目玉コンテンツであるコラムは特定の製品や事象に関する詳しい特徴や筆者の思い出などを記載した読み物だ。記事は外部に委託せず、すべて同社社員が執筆を担当、月3回ペースで更新する。

京阪電車を運営する京阪グループの京阪百貨店の通販サイト「よろずを継ぐもの」
読みものページ(画像は編集部がキャプチャして追加)

これまでに静岡の銘菓「うなぎパイ」や老舗の和菓子屋である舟和の「芋ようかん」などをテーマにコラムをアップ。商品に関わる内容のものも多いがコラム終盤に取り上げた商品の購入ページへ誘導するリンクを貼っているわけでなく、あくまで”純読み物”だ。

「(通販ページへの)導線を貼った方がよいとの指摘も受けるが、このコラムは販売する商品をコンテンツマーケティングする場所ではない。読み物と物販をしっかり分けることでユーザーの信頼感の醸成にもつながる。またコラムを積み上げていくことで認知度や集客の効果も出てくる。時間はかかってもやってみようと考えた」(橋本部長代理)とする。

トップページ下部には出店する“ショップ”へのリンクを掲載。「よろずを継ぐもの」では物販は仮想モール形式での展開としており、スタート時点では奄美大島や小豆島、屋久島など離島の産品など取り扱う「島の幸々」や全国の道の駅で販売する商品を販売する「道のえきから」、様々な形状やメーカーのこだわりの傘を集めた「傘もよう」、数々のブランドから厳選した”白い商品”のみを取り扱う「COLLECTW(コレクトダブリュー)」の4ショップが出店。

京阪電車を運営する京阪グループの京阪百貨店の通販サイト「よろずを継ぐもの」
出店ストアの一覧(画像は編集部がキャプチャして追加)

各ショップとも京阪百貨店のそれぞれの分野やカテゴリーに精通したバイヤーが中心に運営する同サイト用の独自ショップで、ショップ内でも単に商品を販売するだけでなく、商品紹介ページでは担当バイヤーが自らコラムさながらの詳しい商品のこだわりや背景を記載し、サイト全体のコンセプトである”良いモノを伝える”という統一感を保っている。

現状の売れ筋は離島の産品や道の駅で取り扱う海鮮やスイーツなどの食品。また、「コレクトダブリュー」で販売する3万円程度の靴も予想以上の売れ行きを見せているよう。「まだ、ウェブ広告など本格的な集客策を行っていない段階でも一定のお客様に来訪頂き、リピーターもできた。百貨店の中心顧客層よりも若い20~40代のお客様、特に20、30代がボリュームゾーンとなっている。

コラムを含めたサイトの作り込みやビジュアルにこだわった訴求の効果があったと見ている。ページビュー数も売り上げも当初の見込みを上回っている状況」(橋本部長代理)という。

今後は規模拡大に向けた施策を本格化する。検索連動型広告やディスプレイ広告などネット広告の出稿開始や、現状は京阪電鉄グループの情報誌でのPRなどにとどめているグループの会員基盤を活用したPR策をさらに進める。並行して取扱商品数を増やす。立ち上げ時点から徐々に商品数は拡大しており、9月時点で約700点を販売しているが、来年3月までに数千点まで拡大したい考え。

一環として9月29日から、和雑貨を取り扱う「くらしのこみち」と冷凍食品とキッチン用品を販売する「5.0。F(ゴエフ)」という2つの新ショップを出店。この2ショップは京阪百貨店内にもリアルショップを設けている同社運営店だ。なお、今後は実店舗で行う実演販売などの模様を撮影した動画をネット上に掲載するなどの試みを行ない、リアルとネット両方の集客を図る取り組みなどを行っていくという。

また、外部事業者に「よろずを継ぐもの」への出店を誘致する取り組みも進める。現状の6ショップはすべて京阪百貨店自身が運営しているが、出店者の売り上げなどに応じて手数料を徴収する”賃貸型”の出店者を増やしていきたい考え。

「すでに(京阪百貨店の)取引先などから出店したいという声を複数頂いている」(新宅担当部長)とし、今後、出店時や出店後の運営のサポートの度合いによってサービス料や手数料などの料率を変えた複数のプランを用意して出店者を募っていく。担当者の思いとしては「来年度(24年3月)までに30ショップが目標。そのうち、自社ショップが10、(外部事業者が出店する)テナントが20というイメージ」(橋本部長代理)とし、さらに販売商品数を増やし、手数料収入を含めた売り上げ拡大を進めたい考え。

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

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通販新聞

ヒット商品を作る電通流「リサーチ」の極意、花王のEC推進を実現した2つの戦略、EC事業者のためのGA4の使い方などのECイベント【11/9の見どころ】

3 years 1ヶ月 ago
ヒット商品を作る「リサーチ」の極意などを大公開! 全36講演すべて無料で視聴できるECイベント「ネットショップ担当者フォーラム 2022 秋」を11月7日(月)~9日(水)の3日間開催

「ネットショップ担当者フォーラム 2022 秋」(11月7~9日の3日間で開催)の3日目は、電通、花王、二天紀などが登壇。

「ヒット商品を作る! 電通マーケティング部門の新人が必ず教わる『リサーチ』の極意」「花王のEコマース推進を実現した2つの戦略の裏側~トップダウンとミドルマネジメント層からの変革による事業DX~」「【EC向けGA4】売上拡大めざすための分析&改善アクションを導くGA4の見方&使い方」などのテーマについて、企業の責任者などが講演します。なお、イベントについてはすべて無料で視聴できます。

6講演のなかから3日目の、編集部おすすめ講演の見どころをご紹介します。

ネットショップ担当者フォーラム 2022秋

見どころ⑯ヒット商品を作る! 電通マーケティング部門の新人が必ず教わる「リサーチ」の極意
14:05~14:50 KC3-4 ゼネラルセッション(再放送)

「この商品は絶対に売れると信じていたのに、なぜか売れない…」そんな経験ありませんか。モノが飽和状態で、売れづらくなったとはいえ、ヒット商品は日々、生まれています。ヒット商品とそうでない商品の差は何でしょうか?

「調べ方」に問題があることがほとんどです。売れる商品は適切なターゲットとセールスポイントが設定されています。

著書『電通現役戦略プランナーの ヒットをつくる「調べ方」の教科書 あなたの商品がもっと売れるマーケティングリサーチ術』の中から、ターゲットとセールスポイントの正しい設定方法とインサイトの見つけ方を解説します。

※本セッションは2022年8月31日に行われた「デジタルマーケターズサミット 2022 Summer」の録画(再放送)です

株式会社電通 第2統合ソリューション局マーケティングプランニング部戦略プランナー 阿佐見 綾香氏
株式会社電通 第2統合ソリューション局マーケティングプランニング部戦略プランナー 阿佐見 綾香氏
早稲田大学卒業後、2009年電通入社。以来、戦略プランナーとして企業のマーケティング、経営戦略、事業・商品開発、リサーチ、企画プランニングに従事。担当業種は化粧品・アパレル・家庭用品・食品・飲料・自動車・レジャー・家電・アプリなど。大手からベンチャー・中小まで、幅広い業種・規模の企業を手掛け、リサーチで見つけたターゲットインサイトをもとにヒットをつくることを得意とする。本業の傍ら、リサーチに苦手意識がある人に寄り添ったセミナー、講演に登壇。電通のマーケティング部門にて、新入社員教育プログラム「マーケティングリサーチ研修」を担当。平均満足度は97% 超。女性マーケティングチームGIRL’S GOOD LAB(旧・電通ギャルラボ)、電通ダイバーシティ・ラボに参画。Forbes JAPANコラムニスト、日本経営合理化協会、宣伝会議、早稲田大学、国際女性ビジネス会議ほか、講演・寄稿多数。 著書に『電通現役戦略プランナーの ヒットをつくる調べ方の教科書 あなたの商品がもっと売れるマーケティングリサーチ術』(PHP研究所)。持論は「LOVE のカタチが変わると消費が変わる」。

見どころ⑰花王のEコマース推進を実現した2つの戦略の裏側 ~トップダウンとミドルマネジメント層からの変革による事業DX~
17:10~17:55 KB3-7 クロージング講演

花王がめざす事業DXを解説します。花王がめざす事業DXで、Eコマース戦略ではアクイジションとリテンションの両輪によるEコマース事業戦略を進めています。こうしたDXを進める環境作りは一筋縄ではいきません。

花王という大組織が昨今のデジタル化に対応した組織に変革したのか。ミドルマネジメント層が意識を改革し、自ら変わり、行動し、実行しながら結果を出していく仕事の仕方に、ミドル層からの変革の重要性について生井氏が解説します。

花王株式会社 DX戦略推進センター ECビジネス推進部長 生井 秀一氏
花王株式会社 DX戦略推進センター ECビジネス推進部長 生井 秀一氏
花王の販売会社に入社し、エリア営業と大手流通チェーンを担当。その後ヘアケアブランドのマーケティングを担当した後、Eコマースの営業マネジャーとしてECに関わる。2018年に全社DX推進をする、プロジェクト型組織の先端技術戦略室に在籍。 2021年DX戦略推進センター設立、現在ではDX戦略推進センターECビジネス推進部で、Eコマース戦略を担当している。
花王が運営する公式通販サイトの1つ「est」
花王が運営する公式通販サイトの一例。(化粧品ブランド「est」)より(画像は編集部がキャプチャ)

見どころ⑱【EC向けGA4】売上拡大めざすための分析&改善アクションを導くGA4の見方&使い方

GA(Googleアナリティクス)のUA(ユニバーサルアナリティクス)廃止まであと8か月、GA4への移行、設定が迫っています。このセッションでは、EC事業を手掛けている事業者に向けて、GA4を使って売上拡大をめざすための分析、改善アクセションを導く実践的な手法を解説します。

GA4とUAとの違いから、自社EC運営で見るべき標準レポート、設定しておくとよい探索レポートなど、ECのためのGA4の見方、使い方のヒントをお伝えします。

株式会社二天紀取締役 井前 弘人氏
株式会社二天紀 取締役 井前 弘人氏
ネットショップ担当者フォーラム 2022秋
ネットショップ担当者フォーラム編集部

ネットショップ支援室、顧客ごとに商品提案をカスタマイズする「パーソナライズ機能」を実装する

3 years 1ヶ月 ago

ECサイト構築システムなどを手がけるネットショップ⽀援室は11⽉15⽇、ECカートシステム「楽楽リピート」に、消費者個⼈の好みやライフスタイルに合わせてカスタマイズされた商品を提案するシステム「パーソナライズ機能」を実装する。

顧客1人ひとりに合わせた商品提案を行う「パーソナライズ機能」を提供開始

「パーソナライズ機能」は訪問者にいくつかの質問を投げかけ、得た回答をもとにシステムが⾃動でスコアリング。最終的なスコアによって、回答者の好みや傾向に合わせた商品を提案する。

このほか、「パーソナライズ機能」は以下の特徴を備えている。

  • 診断から購⼊までをシームレスに
    スコアリング結果をもとに表⽰された商品を、消費者は同⼀ページで購⼊することができる。質問が多くなるケースの離脱防⽌策として、コンバージョンまでの動線を最短に設計している
  • 質問やスコアリング結果表⽰はノーコードで実装可能
    少数精鋭のEC事業体制を配慮し、特別なスキルがなくても診断内容を構築できるように配慮している
  • データ活⽤で新しい消費者ニーズを把握
    「パーソナライズ機能」を利用する企業は、回答データをもとに売り上げ実績や販売個数からは読み取れない消費者ニーズを把握し、商品開発やマーケティング企画に活⽤できる

「パーソナライズ機能」は特にD2CのEC事業を⾏う企業から要望されていた機能で、すでに数社の導⼊が決定しているという。

高野 真維
確認済み
49 分 44 秒 ago
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