ネットショップ担当者フォーラム

IT担当者がいない中小企業のデジタル活用をサポートするアスクルの「ビズらく」とは?

3 years 1ヶ月 ago

アスクルは、ソフトバンクと協業し、中小企業が抱える業務に関する悩みをデジタルの力で解決する新ソリューション事業「ビズらく」を10月31日から開始した。

アスクルの新事業「ビズらく」とは?

「ビズらく」は働き方改革、労働人口減少による人手不足、法改正などを背景とする、主に中小企業が抱える業務に関する悩み・課題をデジタルの力で解決するソリューション事業。Webサイトを通じて、専門スタッフによる相談サービスとSaaS・通信商品およびサービスの販売を組み合わせて提供する。

ビズらく アスクル ソフトバンク 新事業
ビズらく アスクル ソフトバンク 新事業 「ビズらく」の概要
「ビズらく」について

「ビズらく」の主なサービス内容、特徴

1.デジタル化の無料悩み相談サービス「ビズらく相談室」

電話もしくはオンラインで、業務に関するデジタル化、IT活用の困りごとを相談できる無料サービス。「ビズらく」のWebサイトで提供する「予約フォーム」から日時を指定して専門スタッフに相談できる。

ビズらく アスクル ソフトバンク ビズらく相談室
企業のデジタル化、IT活用の悩みを無料で相談できる「ビズらく相談室」

相談後は、ヒアリング内容を元に企業のデジタル化の課題を解説した「デジタル化診断レポート」を提供する。相談サービスを通じて、企業は自社のデジタル化における課題を明確化することができるという。また、「ビズらく」は診断結果を元に各企業に合うSaaS・通信商品を提案する。

2.情報システム部の代行サービス「みんなのITサポート」

タブレットを活用した情報システム部門の代行サービスで、「社内にIT担当者がいない」などITに関するサポート体制が不足しているという悩みに対応。1社あたり月額2万2000円~2万7500円(税込)で提供する。

ビズらく アスクル ソフトバンク みんなのITサポート
専用のタブレットを活用し、ITに関するサポートを受けられる「みんなのITサポート」

「みんなのITサポート」に契約すると専用タブレットが届く。タブレットにはサービス利用に必要なアプリが事前にインストールされており、受け取ったらすぐにサービスを使い始めることができる。

「ビズらく」からの購入商品だけでなく、スマートフォン、タブレット、パソコン、インターネットなどの困りごとやインターネットのトラブル相談も可能だという。

3.32種類のSaaS・通信商品をラインナップ

「ビズらく」開始時には、14カテゴリ32種類の商品をラインナップ。なかには手頃な価格のオリジナル商品も含んでいる。

ビズらく アスクル ソフトバンク 開始時の商品カテゴリ
「ビズらく」開始時の商品カテゴリ

商品は「ビズらく」上の「お困りごとから探す」「商品カテゴリから探す」の2種類のメニューから選ぶことができ、自社の状況に合わせた検索ができるという。取扱商品は利用企業のニーズを踏まえ、順次拡大予定。

従業員100人未満の企業の58%が「IT担当者不在」

コロナ禍の影響もあり、多様な働き方が加速するなか、大企業ではテレワーク実現に向けてインターネット環境の整備、チャットツールなどの導入が進んだ。一方、中小企業ではテレワークの実施率は3割程度にとどまっている。

また、中小企業は人手不足への対策、インボイス制度など法改正に対応するための業務改善などの課題に直面しており、デジタル化のニーズが高まっている。

こうした状況のなか、中小企業の多くが直面するのが「社内にIT担当者がいない」という問題だ。「ASKUL」利用企業向けに行ったアンケート調査では、従業員100人未満の企業の58%が「ITの担当者が不在」だと回答した。

ビズらく アスクル ソフトバンク ASKULユーザー向け「勤め先の職場環境に関するアンケート」
2022年3月「ASKUL」ユーザー向け「お勤め先の職場環境に関するアンケート」(n=3977)

また、ITツールの購入先を選定する際に重視する点は、「導入サポートサービスやアフターサービスがあること」「相談や質問がしやすい」などが上位項目となっている。

ビズらく アスクル ソフトバンク ITツール購入先を選定する際に重視する点
ITツールの購入先を選定する際に重視する点

このような状況から、企業から困りごとの相談を受けてニーズにあった課題解決商品を提案し、実際にSaaS・通信商品を触って試せるプロセスを経て、導入後には運用支援まで含めたワンストップサービスを提供することで独自の価値を提供できると考え、伴走型のサービスである「ビズらく」を開始した。

サービス提供に際し、アスクルの吉岡晃氏(代表取締役社長 CEO)とソフトバンクの今井康之氏(代表取締役 副社長執行役員 兼 COO)は次のようにコメントした。

アスクルが持つお客さまの基盤とCRMのノウハウ、ソフトバンク社およびグループ各社が持つデジタル通信商品の圧倒的な調達力、BtoBのマーケティング力、システム開発力をかけあわせたシナジーで、構想から約9か月でサービスを立ち上げられた。日本の中小企業のデジタル化を支援する為に皆さまからの応援を賜りたい。(吉岡氏)

アスクル 代表取締役社長 CEOの吉岡晃氏
アスクル 代表取締役社長 CEOの吉岡晃氏

我々は中小企業との接点があまり多くない。一方アスクルは500万か所の事業者と接点を持っている。中小企業とアスクルとソフトバンクでさまざまな声を反映してサービスを作り上げていくのが「ビズらく」の本質だと考えている。(今井氏)

ソフトバンク代表取締役 副社長執行役員 兼 COOの今井康之氏
ソフトバンク代表取締役 副社長執行役員 兼 COOの今井康之氏
藤田遥

京都の老舗米屋「八代目儀兵衛」が語るファン作り&ブランディングを成功に導くギフトECの極意

3 years 1ヶ月 ago
京都の老舗米屋「八代目儀兵衛」とクラウド型ASP「aishipGIFT」を提供するロックウェーブが、ギフトECを成功に導くポイントを解説した。
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年間15万人にお米ギフトを贈る京都の老舗米屋「八代目儀兵衛」。お米のギフトECを成功させた戦略と具体的な施策とはどのようなものか。「ネットショップ担当者フォーラム 2022 夏」のセッションでは、八代目儀兵衛の神徳氏、ギフトECサイトの構築・運用に特化したクラウド型ASP「aishipGIFT(アイシップギフト)」を提供するロックウェーブの黒河氏が、商品・集客・カートUI・サイトデザイン・CRMそれぞれの観点で具体的に解説した。進行はネットショップ担当者フォーラムの瀧川編集長が努めた。

(左)ロックウェーブの黒河宏太郎氏(中)八代目儀兵衛の神徳昭裕氏(右)ネットショップ担当者フォーラム瀧川正実編集長
(左)株式会社ロックウェーブ 企画開発チーム マネージャー 黒河 宏太郎 氏
(中)株式会社八代目儀兵衛 取締役 CMO 神徳 昭裕 氏
(右)ネットショップ担当者フォーラム 編集長 瀧川 正実

お米業界を取り巻く厳しい状況

2000年に新卒でカタログ通販大手のニッセンに入社してから現在に至るまで、一貫してECサイトの運営に携わっているという神徳氏。ニッセンではモバイルECの責任者などを務めた。

八代目儀兵衛のルーツは古い。“お米屋”の初代儀兵衛は江戸時代、寛政の改革が行われた1787年に京都で創業した。

当時から代々受け継いだ目利き・食味・ブレンド・精米技術を強みに米の販売、卸、飲食事業を展開してきたが、近年は米離れが進み、「白ごはんを食べても味がしない」と言う子どもたちも増えている。

農業従事者も減少傾向という状況に危機感をいだいた代表の橋本氏が、「主食としての米、食文化の素晴らしさをもう一度多くの人に伝えたい」という思いから「お米に触れる機会を創造し、お米の価値を変えること」をミッションに、2006年8月に「株式会社 八代目儀兵衛」を設立。同年11月にはインターネットでの米販売を開始している。

お米の年間消費量は右肩下がり。直近は年間約10万トンペースで消費量が減っている非常に厳しい状況だ。その理由として神徳氏は、お米業界を取り巻く「3つの常識」があると指摘する。

生産者の常識:どれだけ努力をして美味しいお米を作っても、産地によって買取値段が決まってしまう。
仕入れの常識:お米の仕入れは新潟県産こしひかりを中心に相場が決まってしまう。
消費者の常識:味が変わっても産地銘柄で選ぶこと、お米は太るという間違った認識がある。

お米の消費量は減少傾向が続く厳しい状況
お米の消費量は減少傾向が続く厳しい状況

八代目儀兵衛の主力事業「通販」「飲食」「米卸」

八代目儀兵衛は先述のように「お米に触れる機会を創造し、お米の価値を変えること」をミッションに、そして「本当に甘いお米を、1人でも多くの人に届けたい」という思いから、通販事業、飲食事業、米卸事業の3つをメインに展開、さらに農業支援事業も積極的に行っているという。

主力事業① 通販事業

八代目儀兵衛の売り上げの大半を占める中核事業だ。中でもギフト(内祝い、中元歳暮)が主力であり、他に自宅用のお米、法人が使用するノベルティ向けなどの商品をラインナップしている。

売れ筋商品となっているのは十二単シリーズ「満開」。和食、中華、寿司、粥、おにぎりなど12種類の料理に適した2合のお米を職人が厳選、色とりどりの風呂敷で手包みした商品である。「OMOTENASHI Selection 金賞受賞」「楽天内祝いランキング3年間連続1位」など多くの賞も受賞しており、10年前に開発した商品にもかかわらず未だに多くのメディアに掲載される人気商品だ。

特に最近は法事で使う香典返しに選ばれることが増えてきており、「生前お米が好きだった母親を思い出した」など、単にお返しをするだけではなく、この商品を通していろいろな商品、いろいろなコミニュケーションが広がっているというのが特徴的な商品となっています。(神徳氏)

八代目儀兵衛 取締役 CMOの神徳昭裕氏
八代目儀兵衛 取締役 CMOの神徳昭裕氏
売れ筋商品である十二単シリーズ「満開」
売れ筋商品である十二単シリーズ「満開」
※商品価格はセミナー開催時(2022年9月)のもの

主力事業② 飲食事業

京都の祇園と東京の銀座に2店舗ある「米料亭」の運営が中心となる。土地柄、国内外の観光客などが多く、より多くの人たちにお米のおいしさを知ってもらう「アンテナショップ」と位置付ける。土鍋で炊いた究極のブレンド米「翁霞(おきなかすみ)」を提供しており、テレビなどメディアに多くとりあげられている。

ブレンド米「翁霞」は一般向けにも販売し、5kgで3990円(2022年9月セミナー開催時の価格)という高価格にも関わらずリピーターも多く看板商品となっている。また、ミシュラン掲載店を含む他の飲食店でも多数使われているという。

一般的に「お米のブランド=産地銘柄(例:魚沼産コシヒカリ)」と認識されているが、八代目儀兵衛は産地銘柄に関係なく、目利き、食味、ブレンド、精米したお米を年間通して美味しい状態で提供することを他社にない価値基準にしているという。

祇園と銀座の米料亭で提供する「翁霞」。他の飲食店でも多数使われ、一般向けでも人気が高い
祇園と銀座の米料亭で提供する「翁霞」。他の飲食店でも多数使われ、一般向けでも人気が高い
※商品価格はセミナー開催時(2022年9月)のもの

主力事業③ 米卸事業

ミシュラン掲載店や、ANA、デルタ航空といった航空会社、ホテル・レストラン・飲食店など幅広い業態の店舗に八代目儀兵衛の米を納品している。さらに、日立の炊飯器や、伊藤園の「お~いお茶」などさまざまな業界の企業と積極的にコラボを行う。

さまざまな業界の企業とのコラボも積極的に行う
さまざまな業界の企業とのコラボも積極的に行う

これら3つの主要事業に加え、「農業支援事業」では、全国から応募された新米を八代目儀兵衛のお米マイスターが一次審査、東西の味のプロが最終審査を行って、産地銘柄関係なくその年に一番おいしいお米を8種類選定する「お米番付」というコンテストを年1回、実施している。ここで受賞したお米は、八代目儀兵衛のECサイトで販売したり、飲食店で期間限定で提供したりしているという。

ギフト、自宅用の通販、飲食、卸、という異なる事業体ではありますが、それぞれが我々のお米を通して美味しいお米を食べる体験を繋ぐ仕掛け作りだと思っていますし、今後も拡大していきたいなと考えています。(神徳氏)

農業支援事業として新米のコンテスト「お米番付」を毎年実施している
農業支援事業として新米のコンテスト「お米番付」を毎年実施している

お米を販売する上でのブランディング・ギフトEC戦略

日常のお米購入チャネルは価格競争と産地銘柄のブランド志向

そもそもなぜ街のお米屋がギフトECサイトに注力するようになったのだろうか。

お米の購入・入手経路の統計を見ると、スーパーで購入する人が最も多く50%を超えているのに対し、ネット販売も市場自体は徐々に増えてきてはいるが、それでも直近で8.1%とまだまだ少ない。

お米を買う消費者の行動パターンは「足りなくなったら近くで購入する」なので当然価格が重視される。また、ネットで購入する動機としては、30kgといった大きな単位でも購入できるので、まとめ注文をして価格を安く抑えたいというパターンが少なくないと考えられる。

日常使いのチャネルに関しては基本的に価格競争になります。我々がECショップ立ち上げてすぐにお米を単体で売らなかった理由はここが大きいと考えています。(神徳氏)

お米の購入経路はスーパーが最多で価格重視
お米の購入経路はスーパーが最多で価格重視

神徳氏が主張するように、日常使いのお米は価格重視、もしくは産地銘柄ブランド志向となりがちだ。さらに、お米をECで展開する際パッケージはあるにしろ、炊いた状態を見た目で差別化するというのはかなり難しいという問題もある。

食べてみないとわからないという世界なのでおいしそうに見せるのも難しいです。(神徳氏)

「京都ブランド」+「取引先」=「非日常」への転換

そこで八代目儀兵衛が目をつけたのは「京都ブランド」と「取引先」だ。

我々はECを始める前から京都を中心に、多くの会社や飲食店にお米を使っていただいていました。この京都ブランドと取引先を活かし、それを非日常のフィールドで売るというのがギフトECに行き着いた背景となっています。(神徳氏)

さらに八代目儀兵衛は、「通販」「飲食」「卸」という3つの事業を並行して展開しているため、Instagramで美しいギフトの写真を見て購入したユーザーがそれをきっかけに飲食店舗に足を運んだり、目利きがお米を卸した料亭で八代目儀兵衛の看板を見つけてECサイトでギフトを購入したりといった相乗効果が生まれているという。

また、近年は検索経路も多様化している。たとえば「出産内祝い」の商品をネットで探そうとする際、Googleで検索するユーザーもいれば、楽天市場などのECモールで検索するユーザーも少なくない。近年はInstagramのハッシュタグといった検索経路も多くなっているため、複数のチャネルを利用した戦略が重要になってくるが、八代目儀兵衛もメインの本店EC以外に、楽天市場など複数のECモールにも出店している。

ECを展開する上で我々のような中小規模のECだと各チャネルの戦略というのが非常に重要になってきます。特に我々の商品は見た目で選んでいただくことが多いので、そういった意味でそれぞれのチャネル、メディアを使い分けているような状況です。(神徳氏)

検索経路の多様化にも対応する
検索経路の多様化にも対応する

ギフトECを成功させる3つのポイント

神徳氏は以上を踏まえ、八代目儀兵衛がギフトECに特化している理由を以下の3つにまとめた。

  1. 流行り廃りがなく需要が安定している
    どの家庭でも毎年、結婚、出産、法事などでギフトを贈るという機会はあるためトレンドに影響されにくい。
  2. 非日常として自社商品を体験してもらえる
    日常で使われるお米を変更してみようと思わせるのは難しいが、ギフトというシーンを通じてなら非日常として自社商品を体験してもらえる。
  3. 定番商品で売上を作ることができる
    10数年前に開発したギフトセット「満開」がいまだに売れ続けている。

もちろんどんな商品でもギフトにすれば売れるわけではない。神徳氏は成功するためには以下のポイントに注目する必要があると指摘する。

  • 商品・ストーリー作り
    京都のお米屋という地の利を活かし、「十二単」や「翁霞」といった祇園祭にちなんだ名称を付けるなど、見た目の印象だけではなく、商品名などにもストーリーを作って販売。
  • 接客・サービス・オプション
    商品だけではなく商品を選ぶ前や選んだ後のケアも重要。
  • サイトデザイン・UI
    イメージを伝えるビジュアルや、使いやすいUIをデザインすること。

以上の戦略に基づきギフトECに特化した新サイトではどのような工夫がされているのだろうか。

ギフトECで抱えていた問題とリニューアルの効果

八代目儀兵衛が新ECサイト「八代目儀兵衛」にリニューアルしたのは2022年3月。

以前のECサイトは7年前にスクラッチで構築したが、当時の担当者は退職。仕様書もなく改修しようにもできない状態だった。また、社内にエンジニアがいないため不具合が起こったときは毎回外部にメンテを依頼とコストもかかっていた。同じ理由でSEO対策やUIデザイン、顧客の行動分析などもできていなかった。

このような複数の課題があったため、見た目のデザインやUIはもちろん、SEO対策、運用負荷の軽減なども視野に入れ、全面的にリニューアルしたというのが今回の経緯だ。

リニューアルポイント① キービジュアル

ここで神徳氏は画面を実際のECサイトに切り替え解説を開始する。

キービジュアルはやはり京都らしさ、見た目の華やかさというものを全面的に出そうということで「星のや京都(※星野リゾートが運営する高級リゾート施設)」で撮影しました。紅葉の季節には背景を赤く変えたりシーズン感を出すようにはしていますが、キービジュアルは基本変えていません。(神徳氏)

八代目儀兵衛オンラインストアのトップページ。「星のや京都」で撮影したビジュアルを使用している
八代目儀兵衛オンラインストアのトップページ。「星のや京都」で撮影したビジュアルを使用している

「法事」の画面では、京都の圓徳院にある有名な襖絵を特別に許可をもらって撮影。さらに「慶事」と「弔事」でメインのビジュアルも切り替えている。

法事のトップページでは京都の圓徳院で撮影した画像を使用
法事のトップページでは京都の圓徳院で撮影した画像を使用

リニューアルポイント② 使いやすいUI設計

商品をカートに入れるとログインの後、ギフトオプションの設定画面になる。そこでたとえば「結婚内祝い」を選ぶと、それにあわせた熨斗(のし)の種類と表書きの候補が表示される。顧客は候補の中から選ぶだけで適切なものを選ぶことができる。

カートに入れたあと、ギフトオプションの設定画面、それにあわせた熨斗(のし)の選択へ進む
カートに入れたあと、ギフトオプションの設定画面、それにあわせた熨斗(のし)の選択へ進む

ギフトオプションの設定で目的を「香典返し」にすると、先ほど出ていた熨斗の種類が慶事用から弔事用に変化する。

フォーマルギフトは初めて利用される方も非常に多いので、マナーに詳しくなくても進めていくうちに相手に失礼になることなく送ることができるのが我々の特徴です。(神徳氏)

選択した目的に応じて熨斗の種類も変化する使いやすいUI
選択した目的に応じて熨斗の種類も変化する使いやすいUI

さらに、ギフトには表書きとは別にオリジナルメッセージを同梱できる「メッセージ同梱サービス」と呼ばれる仕組みを用意。短冊状の「一筆箋」、外部サービスと連携し、写真やイラストも利用できる「メッセージカード」、実際に書いた手紙を商品の中にセットできる「手紙同梱」の3種類のサービスはすべて無料で利用可能だ。

「これらのサービスで顧客が入力した文言はカスタマーセンターの方で全部チェックをしていますので、仮に誤字脱字があっても事前に指摘することができます」と神徳氏は胸を張る。

メッセージ同梱サービス。文言はカスタマーセンターでチェックされる
メッセージ同梱サービス。文言はカスタマーセンターでチェックされる

また、ギフトの箱色や手提げ袋、外包み風呂敷などの包装オプションも用意している。

包装オプションも用意されている
包装オプションも用意されている

このECサイトは、ロックウェーブが提供するギフトECサイトの構築・運用に特化したクラウド型ASP「aishipGIFT(アイシップギフト)」を導入して構築した。選定の理由はすでに食品EC企業が何社も導入していることに加えて、ギフトオプションが充実していることがあげられる。

熨斗の表書きなどは「備考欄に記入」で対応しているサイトも結構ありますけど、ここまで細かく設定できるサービスはなかなかないでしょう。また、ギフトは1回の注文で複数の送り先に送られるケースが非常に多いのですが、その際に送り先ごとの送料が計算できるという機能も「aishipGIFT」の特徴の1つかと考えています。(神徳氏)

リニューアル後1か月で前年比売上140%を達成

3月にリニューアルしたECサイトだが、早くも4月度には前年比売上140%を達成、5月以降も引き続き好調を維持している。また、懸念していたSEO順位低下やパスワード再設定といったID移行の問題もほぼなかったという。

SEOに関してはむしろ構造を全部見直したことで5月以降順位も上昇しており、リニューアル自体成功したのではないかと考えています。(神徳氏)

とはいえ、まだ課題は多い。たとえばギフトの場合、複数の送り先を登録する必要があるなど注文を進める上で時間のかかる作業になるので、途中で進捗を保存できる機能の開発を進めているという。

さらに今回のリニューアルではCRMツールの導入もしたので、今後CRMを強化していく予定だ。また、11月より飲食店向け業務用ECサイトを「aishipGIFT」で強化・拡張していくという。

食品・ギフト特化型 ECサイト構築クラウドシステム「aishipGIFT」

八代目儀兵衛が導入した「aishipGIFT」はどのようなプラットフォームなのだろうか。

モバイル・レスポンシブ特化を売りに2013年に発表、約1000社が導入したECプラットフォーム「aishipR」をベースに、ギフトECサイトを運営する企業のニーズや課題を反映し、機能追加をしたものが2020年にスタートした「aishipGIFT」だ。多様なブランドイメージを訴求できるデザインの自由度の高さと、ASPの特徴を生かした月2回の無償バージョンアップが特徴となっている。

ギフトECサイトの構築・運用に特化したクラウド型ASP「aishipGIFT」
ギフトECサイトの構築・運用に特化したクラウド型ASP「aishipGIFT」

外部サービスと連携し注文にメッセージカードを付けられる機能や、お届け日指定で六曜を表示、仏滅などを避けることができる機能、送り状に印刷する依頼主のところを別途、送る方の名前にできる機能なども好評だ。

ギフトECサイトに特化したきめ細かい機能を持つ
ギフトECサイトに特化したきめ細かい機能を持つ

また、食品系EC向け特化機能として、三温度帯(常温・冷蔵・冷凍)それぞれに出荷場所、送料などを独自に設定できる機能、賞味期限が厳格な食品ということで発送までのリードタイムを加味して出荷日を算出する機能、季節商品を出荷日ベースで販売期間を管理できる機能――などきめ細かい機能も多数用意している。

三温度帯対応、出荷・リードタイム管理機能もある
三温度帯対応、出荷・リードタイム管理機能もある

神徳氏も指摘していたが、ギフト注文の特徴としてお届け先が複数になるということが多いため、複雑なUIになりがちだが、入力情報ごとに表示エリアを分け、後はその中で次へ進むといった「迷わないUI」を意識したカートステップを搭載している。

迷わないUIを意識したカートステップ
迷わないUIを意識したカートステップ

「ソーシャルギフト」という、お届け先を指定せずに注文を完了し、受け取る側がお届け先と日時を指定するという仕組みも標準で用意されている。住所を知らない相手に贈ることができたり、受け取る側が都合のいい日時を指定できたりするので、確実に受け取ることができるというメリットがある。

住所を知らない相手に贈ることができる「ソーシャルギフト」機能
住所を知らない相手に贈ることができる「ソーシャルギフト」機能

また、八代目儀兵衛向けにカスタマイズされた機能も紹介された。

結婚内祝い、香典返しといった用途ごとに、適した熨斗や箱色のオプションが表示される機能は、八代目儀兵衛さんの要望と発注によって実現したものです。(黒河氏)

ロックウェーブ 企画開発チーム マネージャーの黒河宏太郎氏
ロックウェーブ 企画開発チーム マネージャーの黒河宏太郎氏
用途に応じたカスタマイズも可能
用途に応じたカスタマイズも可能

「aishipGIFT」の今後の課題としては「自社ECの基本機能に加え、ギフトEC向け機能をさらに拡充していきたい。また、その際には八代目儀兵衛様を始めとして、ギフトECに取り組んでいる企業様の課題やニーズを伺い、一緒になって深掘りし、その内容を反映した機能を搭載して今後もギフトECに適したASPを開発していきたい」と黒河氏は展望を述べた。

ギフトEC向け機能をさらに拡充していく
ギフトEC向け機能をさらに拡充していく

最後に進行を務める瀧川氏は登壇者2人に視聴者へのコメントを依頼し、セッションは終了した。

ギフトに特化したECで一番重要なのはやはり商品だと思っています。いかに他社にない商品、そしてストーリーを作れるかが非常に重要で、それがあって接客やサービス、周辺のサイトの使い勝手といったものが生きてくるのではないかと考えています。(神徳氏)

商談をさせていただいている中でも、食品系やギフト系の機能・課題をもたれている企業様は多数いらっしゃいます。ご興味を持っていただけた方はお問い合わせ等いただければと思います。(黒河氏)

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田口和裕

オリックスが健食・化粧品通販大手のDHCを買収へ

3 years 1ヶ月 ago

オリックスは化粧品・健康食品の通販事業などを手がけるディーエイチシー(DHC)を買収する。

DHCの創業者で大株主である吉田嘉明氏と株式譲渡契約を締結。DHCの株式を譲り受ける基本合意に達したと11月11日に発表した。

DHCは通信販売以外に、直営店舗やコンビニエンスストア、ドラッグストアなど、幅広い販売チャンネルで化粧品や健康食品などを販売。通販をメインにビール事業、リゾート事業、出版事業、教育事業なども手がける。

直近となる2022年7月期の業績は、売上高が前期比0.5%増の905億3100万円、営業利益は同52.5%増の166億7600万円、経常利益は同53.8%増の176億2400万円、当期純利益は同76.7%増となる96億1500万円だった。

ディーエイチシー(DHC)の直近業績(売上高、営業利益、経常利益、当期純利益)
DHCの最近3年間の業績推移

オリックスはDHCの発行済株式総数の過半数を取得する見込みだが、取得株式数や投資額は確定次第、発表するとしている。現在、DHCの代表取締役会長兼社長である吉田氏は、株式譲渡完了後、退任する予定だ。

化粧品および健康食品は、人々の健やかな暮らしを支える役割を担っており、コロナ禍を経て健康意識が高まる中、今後も安定した需要が見込まれている。

オリックスは、医療機器販売会社のイノメディックスや製薬会社の同仁医薬化工への出資などを通じてヘルスケア事業に注力しており、DHCの買収はオリックスグループにおける同分野のネットワーク拡大に寄与するとしている。

DHCは1972年に委託翻訳業務で創業。DHCは大学翻訳センターの略称とされる。通販をスタートしたのは1983年。2022年には通販会員が1569万人を突破した。

石居 岳

ニーズ拡大の旅行予約サイト、「じゃらん」「楽天トラベル」「一休」「Booking」「JTB」で利用者が多いのはどこ? | 店舗ビジネスに役立つ『口コミラボ』特選コラム

3 years 1ヶ月 ago
「じゃらんnet」「楽天トラベル」「一休.com」「Booking.com」「JTB」を含めた上位5サービスの2022年4-6月期における利用者数は、前年同期と比べ1.5倍以上に増加

旅行予約サイト(OTA=Online Travel Agentとも呼ばれる)は、宿泊先や移動手段、旅ナカのアクティビティの検索・予約に欠かせないツールの1つです。宿泊業者や観光業者においては、集客の一手段として旅行予約サイトを利用している事業者も多いでしょう。

旅行予約サイトは多数存在するため、どのサービスを利用しようか悩んでいる事業者も少なくはないはずです。集客ツールを選ぶ際は、各サービスの特徴と併せて、顧客が実際に利用しているサービスを把握することも大切です。

この記事では、ウィズコロナの生活を反映した2022年のデータを元に、旅行予約サイトの利用者数について解説します。

旅行予約サイト大手5社はそろって利用者増

ニールセン デジタル株式会社が調査したデジタルコンテンツ視聴率レポートによると、旅行予約サイトの利用者数は、昨年と比べて大きく増加したことが分かりました。

2022年4-6月の平均利用者数のトップは「じゃらんnet」で、利用者数は1,368万人にのぼりました。また「楽天トラベル」「一休.com」「Booking.com」「JTB」を含めた上位5サービスの利用者数は、いずれも昨年同月期と比べ1.5倍以上に増加しました。

旅行予約サイト デジタル利用者数ランキングのグラフ
▲ 旅行予約サイト デジタル利用者数ランキング
2022年の旅行予約サイト利用者数上位5サービスのGRP(述べ視聴率)は、3月以降増加傾向にあり、春休みやGWの旅行シーズンが過ぎた6月に最も高くなりました。利用の少なかった1-2月の平均値と比べると、4-6月の平均GRPは2倍以上に増加しました。
旅行予約サイト 上位5サービス GRPトレンド 2022年1-6月の月次推移のグラフ
▲ 旅行予約サイト 上位5サービス GRPトレンド 2022年1-6月の月次推移
年代別のGRPのトレンドを見ると、どの年代でも3月以降増加傾向にあり、1-2月平均と比べ4-6月平均はすべての年代で2倍以上に拡大しました。特に18-34歳で増加率が高く、4-6月平均が1-2月の約3倍になりました。
旅行予約サイト 上位5サービス 年代別トレンドのグラフ
▲ 旅行予約サイト 上位5サービス 年代別トレンド

以上をまとめると、次のような結果となりました。

  • 2022年4-6月の旅行予約サイトの利用者数TOP5は、いずれも昨年比1.5倍以上に増加
  • GRPは2022年3月以降増加傾向にあり、4-6月の平均GRPは1-2月の2倍以上に増加
  • 全年代で増加傾向にあるが、特に18-34歳の4-6月の平均GRPは1-2月の約3倍に増加

ウィズコロナの生活において経済活動が徐々に活性化し、旅行への関心も高まる中、旅行予約サイトの利用者数は大きく増加していることが分かりました。

レポート上で転換期となった2022年3月が、新型コロナの第6波がピークアウトした時期に重なることからも、経済活動の活性化と旅行予約サイトの利用者数には関連があると言えそうです。

宿泊業者や観光業者が集客・予約サイトを利用する際は、各サービスの特徴や強みに加えて最新のサービスの利用状況を把握し、自社に合った集客ツールを選択することがポイントと言えるでしょう。

この記事を書いた「口コミラボ」さんについて

「口コミラボ」は、様々な地図アプリ・口コミサイトの監視、運用、分析を一括管理できる店舗向けDXソリューション「口コミコム」が運営する店舗ビジネス向け総合メディアです。近年、企業の評判管理が重要視されるなか、特に注視すべきGoogleマイビジネスを活用したローカルSEO(MEO)や口コミマーケティング、それらを活用した集客事例から、マーケティング全般、店舗経営のハウツー、業界動向データにいたるまで幅広い情報を紹介します。

口コミラボ

キーコーヒーがECサイトを刷新、会員ランク+レビュー機能+CRM機能などを実装

3 years 1ヶ月 ago

キーコーヒーの100%子会社キーコーヒーコミュニケーションズは、公式ECサイト「KEY COFFEE 通販倶楽部」を「KEY COFFEE OFFICIAL ONLINE SHOP」として全面リニューアルした。

「KEY COFFEE 通販倶楽部」の開設は1997年。約25年間にわたってコーヒー関連商品などを販売してきた。ECシステムの老朽化、顧客のファン化に向けた取り組みを行う機能環境を整えるためにEC構築プラットフォームを「ecbeing」に移行。名称も「KEY COFFEE OFFICIAL ONLINE SHOP」へ変更した。

キーコーヒーがECサイトを刷新、会員ランク+レビュー機能+CRM機能などを実装 「KEY COFFEE OFFICIAL ONLINE SHOP」
リニューアルしたECサイト「KEY COFFEE OFFICIAL ONLINE SHOP」

リニューアルした「KEY COFFEE OFFICIAL ONLINE SHOP」のコンセプトは「自分に合ったコーヒーに出会える」「コーヒー選びがもっと便利に、楽しくなる!」。①顧客の目的に合わせた会員種別②顧客会員別の分析とCRM施策③ユーザーに合わせたデザイン設計とコンテンツ――などをそろえた。

またレビュー最適化ツール「ReviCo」を導入し、レビュー機能を実装した。「ReviCo」は、レビュー収集キャンペーンのインセンティブ費が不要になるなど、さまざまなレビューを集めるための施策・機能が自動追加されるクラウド型のレビュー最適化ツール。コンバージョンアップや顧客ロイヤルティの向上、返品率の低下など購入促進効果が期待できる。

顧客の目的に合わせた会員種別

年間購入金額に応じて4段階(レギュラー・ブロンズ・シルバー・ゴールド)の会員ランクを設けた。リニューアル以前はシステム上できなかったポイントやクーポン機能を実装。高いランクほどポイント還元率がアップするといった特典を用意した。

キーコーヒーがECサイトを刷新、会員ランク+レビュー機能+CRM機能などを実装
新設した会員ランク

「定期購入会員」のほか、「illyカプセル式エスプレッソマシン」愛用者様専用の「illy倶楽部会員」には、サイト利用状況に合わせてコンテンツの出しわける機能を実装。特定会員のみ閲覧できる特別感を提供することで、ファン化促進につなげている。

顧客会員別の分析とCRM施策

ecbeingのマイクロサービスの1つであるマーケティング分析ツール「Sechstant CDP・CRM」を導入。会員ランクや会員フラグごとに購買データを解析、セグメントをてクーポン発行やメルマガ配信などのCRM施策を実行できるようにした。

ユーザーに合わせたデザイン設計とコンテンツ

TOPページには「味わい」「価格帯」「ギフト」「飲用シーン」など、目的別からすぐにイメージに合った商品を探せる導線を設置。

キーコーヒーがECサイトを刷新、会員ランク+レビュー機能+CRM機能などを実装
TOPページの導線エリア

新規顧客のために、お勧めコーヒーをチャート式でレコメンドできるコンテンツも用意した。

キーコーヒーがECサイトを刷新、会員ランク+レビュー機能+CRM機能などを実装
チャート式でお勧めコーヒーをレコメンドする
瀧川 正実

景表法や運用の基礎などを学べるアフィリエイト運用セミナーを11月17日に渋谷で開催【広告主向け】

3 years 1ヶ月 ago

一般社団法人 日本アフィリエイト協議会(JAO)は11月17日(木)、「広告主向けアフィリエイト運用セミナー」を東京都渋谷区で開催する。

広告主向けアフィリエイト運用セミナーはこちら

第1部では日本アフィリエイト協議会事務局より、最新のアフィリエイト業界動向や、アフィリエイト広告主の成功事例などの情報共有を行う。

第2部では鈴木珠世氏(すずきたまよ事務所)が、広告主側としてどのようにアフィリエイト運用を行うべきかを、実体験や事例を交えながら講演する。

アフィリエイト・プログラムを利用している、またはこれからアフィリエイト広告を出稿しようと検討している広告主企業担当者が対象。アフィリエイト運用を手掛ける広告代理店、ASPも参加可能(JAO会員限定)。

●セミナープログラム

 12:30~13:00 受付(オンライン配信開始)

 13:00~13:05 開会の挨拶

 13:05~14:10 日本アフィリエイト協議会(JAO)事務局講座

 14:10~14:15 休憩

 14:15~16:00 鈴木珠世氏による運用基礎セミナー

 16:00~16:30 質疑応答

 16:00 オンライン配信終了

 16:30~16:45 名刺交換&個別質問タイム(現地参加者限定)

 16:45 終了予定

●開催概要

  • セミナー名:【JAO】広告主向けアフィリエイト運用セミナー
  • 日程:2022年11月17日(木)
  • 時間:13:00~16:45 (受付&オンライン配信開始12:30~)
  • 場所:東京都渋谷区渋谷2-22-8 名取ビル[地図
  • 参加費:無料
  • 定員:現地参加は先着30名(1社あたり2人まで)、オンライン視聴・録画視聴は定員なし
  • 主催:一般社団法人 日本アフィリエイト協議会(JAO)事務局
  • 詳細と申込みhttps://www.japan-affiliate.org/news/koukoku221117/
藤田遥

Amazonフレッシュ、初の単独物流拠点「葛西フルフィルメントセンター」を開設

3 years 1ヶ月 ago

アマゾンジャパンはAmazonプライム会員向けの生鮮食品宅配サービス「Amazonフレッシュ」の専用物流拠点として、東京・江戸川区に「Amazonフレッシュ葛西フルフィルメントセンター(Amazonフレッシュ 葛西FC)」を開設した。

「Amazonフレッシュ 葛西FC」は、既存の「Amazon川崎フルフィルメントセンター」内の「Amazonフレッシュ」占有スペースに続く2つ目の「Amazonフレッシュ」専用物流拠点。延床面積は約6000平方メートルで、「Amazonフレッシュ」初の単独物流拠点となる。

アマゾンジャパンはAmazonプライム会員向けの生鮮食品宅配サービス「Amazonフレッシュ」の専用物流拠点として、東京・江戸川区に「Amazonフレッシュ葛西フルフィルメントセンター(Amazonフレッシュ 葛西FC)」を開設した
「Amazonフレッシュ葛西フルフィルメントセンター」の外観

「Amazonフレッシュ 葛西FC」は、食品が生産者から顧客に届くまでの鮮度や品質管理にこだわっているという。商品の入荷・保管・出荷のそれぞれの工程で、最適な温度管理を実施。専任スタッフが商品を1つ一つ手に取り、鮮度や品質を6方向から確認し、チェックをクリアした商品だけを顧客に届ける。

商品がつぶれたり傷まないよう梱包も入念に行う。配達時もそれぞれの商品に応じた最適な温度を保って3温度帯(常温、冷蔵、冷凍)にわけ、「Amazonフレッシュ」独自開発の保冷ボックスに入れて配送する。

「Amazonフレッシュ 葛西FC」の開設で「Amazonフレッシュ」全体の商品保管・出荷能力を拡充。顧客は希望の配達時間帯が選びやすくなるほか、より便利にサービスを利用できるようになる。

アマゾンジャパンはAmazonプライム会員向けの生鮮食品宅配サービス「Amazonフレッシュ」の専用物流拠点として、東京・江戸川区に「Amazonフレッシュ葛西フルフィルメントセンター(Amazonフレッシュ 葛西FC)」を開設した
専任スタッフによる商品管理のようす

さらに、1時間単位の配達時間帯をオプションとして指定できるエリアも拡大。これまでオプションを提供していた都内・大田区、世田谷区、目黒区、狛江市、神奈川・川崎市(幸区、高津区、多摩区、中原区、宮前区)、横浜市(港北区)に加え、新たに都内の江戸川区・江東区、千葉の市川市・浦安市の一部が対象エリアとなる。

Amazonはプライム会員向けサービスとして「Amazonフレッシュ」に加え、食品スーパーライフとの協業で、東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・京都・兵庫の一部エリアにおいてライフネットスーパーを提供。スーパーマーケットバローとの協業による愛知の一部エリアにおいてバローネットスーパー、スーパーマーケット成城石井との協業による、東京・神奈川の一部エリアにおいて成城石井ネットスーパーをAmazon上で展開している。

Amazonのネットスーパー
提供しているネットスーパーについて

 

石居 岳

SUPER STUDIOがCVCのBREWと協業。スタートアップ企業のブランドリリースからグロースまでをワンストップで支援

3 years 1ヶ月 ago

D2C支援事業やECプラットフォーム「ecforce」を提供するSUPER STUDIOは、コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)のBREWと協業、スタートアップ企業のブランドリリースからグロースまでをワンストップで支援する。

提携で両社のスタートアップ企業をトータル支援

商品が生まれる前から「ecforce」を活用したブランド誕生以降のノウハウの蓄積、事業成長をトータル支援する。

BREWはさまざまなステージのスタートアップ企業の成長を、事業計画策定、商品企画・ブランド設計・クリエイティブ支援・広報支援・資金調達、事業成長に係る組織作りなどで支えており、SUPER STUDIOが提供するパートナーシッププログラム「ecforce partners」認定企業でもある。

また、BREWがサポートする企業の多くで「ecforce」を導入。両社でサポートしているスタートアップ企業は資金調達を行っているところが多いという。たとえば、低アルコールクラフトカクテル「koyoi」、パーソナル入浴剤「DAY TWO」、ファンの声を生かしたプライベートコスメブランド「PHOEBE BEAUTY UP」などだ。

共同セミナーでEC事業者の “ノウハウ不足”を解決

EC化率向上のハードルとなっている事業者側の “ノウハウ不足”を解決するため、両社はセミナーを開催。クリエイティブ、広報をはじめ、マーケティング、ファイナンス、資金調達、ブランド設計、組織づくりなど毎回さまざまなテーマで実施する。「ecforce」利用のスタートアップ企業の事業成長をサポートしていく。

両社協業によるサポートメニューは次の通り。

サポートメニュー

BREWとSUPER STUDIOの協業によるサポートメニューの一覧
  • ブランドデビュー前、SUPER STUDIOによる事業計画立案やブランド設計、ECサイト構築、 サプライチェーン立ち上げ。デビュー後はEC運営改善施策やサプライチェーン改善、コスト改善など。
  • ブランドデビュー前から、BREWによる事業計画策定や商品企画、ブランド設計、クリエイティブ支援、広報支援、資金調達、事業成長に関わるサポートなど。
  • 両社で行うセミナーにてクリエイティブ、広報をはじめマーケティング、ファイナンス、資金調達、ブランド設計、組織づくりなど毎回さまざまなテーマでノウハウを提供。

ecforceとBREWの両社サービスを活用した企業が発表したコメントは次の通り。

SEAM 代表取締役 石根友理恵氏

低アルコールカクテル「koyoi」がリリースした時から、BREWはブランド側の運営に寄り添ったオーダーメイドの広報支援、SUPER STUDIOにはさまざまなEC事業者のプラットフォーマーの立ち位置ならではの支援をいただいている。思い立ったら即電話の私に、即レス、即対応、即反映で、決してアドバイスのみではないサポートに感謝している。両社の提携により、当社含めより一層大きくなるブランドが生まれることを期待している。

SEAM 代表取締役 石根友理恵氏

FLATBOYS 代表取締役CEO 内田遼氏

BREWには出資に加え、事業/経営両面にて各領域のプロフェッショナルメンバーから手厚い支援を頂いている。SUPER STUDIOは、ピッチコンテスト「MASTERPLAN」への出場をキッカケに、「ecforce」の利用はもちろん、豊富なブランドビジネス運営から得たデータを元にした最適なアドバイスを頂いている。ブランド運営者の皆さまは、立ち上げからグロース、どのフェーズ、どのカテゴリーでも強力なパートナーとなる2社にぜひ一度相談してほしい。

FLATBOYS 代表取締役CEO 内田遼氏

「PHOEBE BEAUTY UP」を手掛けるDINETTEの取締役CMO 斉藤圭氏

BREWもSUPER STUDIOも仕事でのやりとりをする中で、共通して“人の和”を感じることができる会社だと感じている。一緒に成功させていきたい気持ちが両社の従業員全員から伝わってきて、どんなことでも相談しやすい稀有(けう)な会社と感じていた。今後の両社のタッグをとても楽しみにしている。

DINETTE 取締役CMO 斉藤圭氏

セミナーでは「顧客起点マーケティング」について4社トークセッション 

両社は11月15日、共同セミナーを無料配信し、「ecforce」を利用しているスタートアップ企業に向けてノウハウを提供する。協業を記念して、セミナーにはGreenspoon、FLATBOYSを登壇者に迎える。「顧客起点マーケティング」をテーマに4社でトークセッションを行う予定だ。

BREWとSUPER STUDIOの共催セミナーでは、「顧客起点マーケティング」をテーマに4社でトークセッションする。

両社のほか、野菜が無添加のスープ、サラダ、スムージーになって自宅に届く、ベジタブル・ワンステップミール「GREEN SPOON」を提供するGreenspoonの担当者と、パーソナライズ入浴剤「DAY TWO」を展開するFLATBOYSの担当者をゲストに招く。

成功D2C企業の事例を通じて赤裸々トーク

顧客視点のビジネスモデル設計の重要性や、これまでに実施したマーケティング施策の中での成功例から今だからこそ言える上手くいかなかった施策まで、成功D2C企業のマーケティング事例を通じてリアルな経験を赤裸々に伝える場とする。

セミナーの参加対象はEC/D2C事業者。特に次のような人に参加を勧めている。

  • EC/D2C成功事業者から顧客起点での事業設計について学びたい
  • EC/D2Cのマーケティングを行うにあたりまず何から始めたら良いかわからない
  • 現在のマーケティング施策の成果がに対して伸び悩んでいる

セミナーにはGreenspoonのマーケ本部長やFLATBOYSの代表を招へい

セミナーに招くGreenspoonとFLATBOYSの担当者は次の通り。

■Greenspoon マーケティング本部長 三原壮太郎氏
2012年にサイバーエージェントへ新卒入社し、9年従事。Ameba事業本部広告部門にて営業、コンサル、広告商品の開発を経験。 2017年からは広告代理事業部門にて広告主のマーケティング戦略の立案と実行を担当。 2020年にGreenspoonへ参画し、マーケティング領域の全般を担務。

■FLATBOYS 代表取締役 内田遼氏
ネイティブアプリ事業を行うNagisaにて、ファッションメディア「SHERYL」の事業責任者としてメディアの立ち上げからグロース・事業売却までを推進。 大手企業のブランディング施策などを手がける。その後、ディープラーニングのソリューションを提供するLeapMindにてマーケティング・PRや新規ソリューションのサービスグロースに従事。 2019年にFLATBOYSを創業。D2Cセルフケアブランド「DAY TWO」を立ち上げる。

BREWからはビジネスプランナーの丹羽氏、SUPER STUDIOからは真野取締役CROが登壇

BREWとSUPER STUDIOからの登壇者はそれぞれ次の通り。

■BREW ビジネスプランナー 丹羽望氏
クリエイティブエージェンシー、化粧品健康食品メーカー、音楽スタートアップなどでマーケティングや事業運営を経験後、2020年ウェルネス関連事業を展開するTENTIALへ入社。2021年D2C事業担当執行役員に就任し事業運営を行う。2022年6月、BREWへ入社。自社事業立上げ、支援事業、VC事業などビジネスプランナーとしてさまざまな業務領域へ従事。

■SUPER STUDIO 取締役CRO 真野勉氏
学生時代からITベンチャー企業にインターンとして入社し、新規事業の営業に従事。同社の急成長に貢献し、東証マザーズへの株式上場を機に退職。2014年12月、SUPER STUDIOを代表の林氏・花岡氏と共に共同創業。「ecforce」を広告宣伝なしで100ショップ導入実現の立役者である傍ら、採用人事として5年間で組織を100人程度まで拡大。現在は大手クライアント開拓などの営業と並行し、取締役CROとして企業間アライアンスをリードしている。

共催セミナーの概要

  • 開催日時:11月15日(火)14:00~15:00
  • 視聴方法:Zoomでのオンラインセミナー
  • 参加費:無料
  • 定員:500人
  • 申し込みと詳細https://ec-force.com/page/20221115
高野 真維

ZOZOが初のリアル店舗を12月にオープン、パーソナルスタイリングサービス「niaulab by ZOZO」を提供

3 years 1ヶ月 ago

ZOZOは、初のリアル店舗を12月6日(金)に表参道にオープンし、ユーザー自身の「似合う」が見つかるパーソナルスタイリングサービス「niaulab by ZOZO(似合うラボ)」を開始する。

ZOZOが提供するパーソナルスタイリングサービス「似合うラボ」とは

「似合うラボ」は「『似合う』で、人は笑顔になる」をコンセプトにしたパーソナルスタイリングサービス。リアル店舗だが服の販売は行わず、ZOZO独自の「niaulab AI by ZOZO(似合うラボAI)」とプロスタイリストの知見を掛け合わせ、コーディネートを提案を行う。完全予約制で、顧客1人に対し2時間以上、貸し切りかつ無料で提供する。

ZOZO niaulab by ZOZO 似合うラボ
12月16日に表参道にオープンする「niaulab by ZOZO」

LINEの専用アカウントに応募し、当選者だけが利用できる。当選者はファッションに関する悩み、好みを事前にアンケートで回答する。当日は、1300万件のコーディネートデータを基に構築した「似合うラボAI」とプロのスタイリストがユーザーに似合うスタイリングを3つ提案する。そのなかからユーザーが気に入った1つのスタイリングを試着し、プロによるヘアメイクを受け、写真撮影をして終了となる。

niaulabの内装イメージ ZOZO
「似合うラボ」内装のイメージ

サービスを受けた後は、撮影した写真とスタイリングのポイントを記載したカードを受け取ることができる。

また、提案した服はすべて「ZOZOTOWN」で取り扱っているため、後日購入することができる。

「似合う」を徹底して追求する

サービス提供に際し、澤田宏太郎氏(代表取締役社長兼CEO)は「単純に服を売るのではなく、『似合う』を徹底して追求していくサービスをリアルの場で提供する」と話す。

なぜリアル店舗が必要かというと、「似合う」を知れば知るほどネットの世界だけでは完結できないことがわかった。その人のスタイルや顔を見て、内面性や趣味を踏まえることで、初めてその人に似合うが届けられる。

Web専業でやってきたなかで、リアルでできることを考えた時、「似合う」を提供できることが我々の価値なのではないかと考えた。(澤井氏)

ZOZO 代表取締役社長兼CEOの澤田宏太郎氏
ZOZO 代表取締役社長兼CEOの澤田宏太郎氏

事業責任者を務める大久保真登氏(CDO室本部長)は「サービス開始時は1日4、5人を想定しており、年間1000人くらいの人にサービスを届けたい」と話す。「サービス提供の背景には『似合うAI』の育成もあるため、質を重視している」(大久保氏)。

ZOZO CDO室本部長 事業責任者 大久保真登氏
ZOZO CDO室本部長 事業責任者 大久保真登氏
藤田遥

物価高騰の影響によるライフスタイルの変化、半数超が「ネットで食品を購入する機会が増えた」

3 years 1ヶ月 ago

フードロス削減に向けたECサイト「Kuradashi(クラダシ)」を運営するクラダシは、「Kuradashi」利用者を対象とした「物価高騰の影響によるライフスタイルの変化についての調査」を実施した。

調査結果によると、回答者全体の87.2%が、物価高騰が家計に影響していると回答。また、同52.1%が、物価高騰を受けてインターネットで食品を購入する機会が増えたと答えた。

9割近くが“家計に物価高騰の影響あり”

「昨今の物価の高騰は、家計にどの程度の影響があるか」という質問には、物価高騰の家計への影響について「とても影響がある」と48.4%が回答。「やや影響がある」が38.8%で続いた。回答者全体の87.2%が物価高騰の影響があると感じている。

「昨今の物価の高騰は、家計にどの程度の影響があるか」に対する回答

年代別結果では、「とても影響がある」と回答した人が50%を超えたのは、20代~40代とその他という結果だった。40代以降は、年代が上がるにつれて「とても影響がある」と回答した人の割合が減少しており、物価高騰は特に20代~40代の働き盛りの世代に対してより深刻な影響を与えているようだ。 

「昨今の物価の高騰は、家計にどの程度の影響があるか」に対する年代別の回答結果

食品の購入は「お得」を追求する人が増加

「昨今の物価の高騰を受けて、あなたの食生活はどのように変化したか」(n=8035/複数回答)という質問には、「よりお得に購入できる方法や場所で食品を購入するようになった」という回答が最も多く57.1%、次いで「明らかに価格が高騰した食材は購入する頻度を減らした」が42.7%だった。

「昨今の物価の高騰を受けて、あなたの食生活はどのように変化したか」に対する回答

年代別結果では、「よりお得に購入できる方法や場所で食品を購入するようになった」という回答は、20歳~29歳は72.1%、50歳~59歳では54.0%。年代によって約20%の差が見られた。

「昨今の物価の高騰を受けて、あなたの食生活はどのように変化したか」に対する年代別の回答結果

「お得に買いたいが、方法や場所がわからない」層が存在

「昨今の物価の高騰を受けて、よりお得に食品を購入したいと思うようになったか」という質問には、「とても思う」と65.2%、「まあ思う」との回答が31.6%となり、回答者全体の96.8%が「よりお得に食品を購入したい」という考えている。

「昨今の物価の高騰を受けて、よりお得に食品を購入したいと思うようになったか」に対する回答

一方で、食生活の変化を尋ねる設問で「よりお得に購入できる方法や場所で食品を購入するようになった」と回答した人は57.1%にとどまっていたことから、「よりお得に食品を購入したいと思っているが、その方法や場所がわからない・手間がかかるなどのハードルがあるために、実践することができていない」という人が一定数存在していることが推察される。

年代別結果では、「その他」を除くと、「とても思う」と回答した人が最も多かったのは20歳~29歳で85.2%だった。「とても思う」と回答した割合は年代が上がるにつれて減少する傾向にあり、若い世代の方がより物価高騰を受けて「よりお得に食品を購入したい」と考えていることがわかる。

「昨今の物価の高騰を受けて、よりお得に食品を購入したいと思うようになったか」に対する年代別の回答結果

ネットで食品を購入する機会が増えた人は52.1%

「昨今の物価の高騰を受けて、インターネットで食品を購入する機会はどのように変化したか」という質問には、インターネットで食品を購入する機会は「変わらない」と45.1%が回答した。「とても増えた」「まあ増えた」の回答を合計は全体の52.1%。

「昨今の物価の高騰を受けて、インターネットで食品を購入する機会はどのように変化したか」に対する回答

年代別結果では、19歳以下と「その他」を除くと、「とても増えた」「まあ増えた」の合計が最も多かったのは70歳以上で57.1%だった。

「昨今の物価の高騰を受けて、インターネットで食品を購入する機会はどのように変化したか」に対する年代別の回答結果

多くの人が“価格の安さ”を賞味期限よりも重視

「食品をよりお得に購入できるとしたら、賞味期限が通常価格の商品より短くても気になりらないか」という質問には、「気にならない」と55.6%が回答、「卵や乳製品など、一部の食品については気になる」と42.3%が答えた。多くの人が賞味期限の長さよりも価格の安さを重視する傾向にある。

「食品をよりお得に購入できるとしたら、賞味期限が通常価格の商品より短くても気になりらないか」に対する回答

年代別結果では、19歳を除いたすべての年代で「気にならない」という回答が50%を超えている。60歳~69歳、70歳以上では約50%と相対的に低く、「その他」を除いて最も多かったのは30歳~39歳で60.8%だった。

「よりお得に食品を購入したいと思うようになったか」という質問の年代別結果と合わせても、「若い世代の方がより価格の安さを重視する傾向にある」と推察される。

「食品をよりお得に購入できるとしたら、賞味期限が通常価格の商品より短くても気になりらないか」に対する年代別の回答結果

「日頃、食品を購入する際に意識していることは何か(優先度の高いものを3つまで選択)」という質問は、「より価格の安いものを購入すること」という回答が54.7%で最多。次いで「できるだけ国産の商品を購入すること」が43.8%となった。

「その他」を除いて最も少なかった回答は「オンラインではなく実店舗で自分の目で見て商品を選ぶこと」で6.0%だった。

クラダシは、「自分の目で見て商品を選ぶこと」の優先度が高くないということが、先述の「インターネットで食品を購入する機会が増えたと答えた方が回答者全体の52.1%」という結果につながっていると分析している。

「日頃、食品を購入する際に意識していることは何か」に対する回答

年代別結果では、「より価格の安いものを購入すること」、「できるだけ国産の商品を購入すること」の回答では年代による差が大きく、優先していることの違いが見られた。

「より価格の安いものを購入すること」を選択した人の割合は、20歳~29歳が最も多く73.8%。そこから年代が上がるにつれて回答者の割合は減少し、70歳以上が最も少なく43.2%だった。

一方で「できるだけ国産の商品を購入すること」を選択した方の割合は、70歳以上が最も多く57.1%で、20歳~29歳が最も少なく19.7%だった。

「日頃、食品を購入する際に意識していることは何か」に対する年代別の回答結果

フードロスの意識は家庭の食費抑制に作用か

「フードロス削減を意識するようになってから、食品の購入や食費全般にかかるコストはどのように変化したか」の質問には、「変わらない」と65.0%が答えた。

「減った」と回答した人は29.5%で、「増えた」と回答した人は5.4%にとどまっている。クラダシは「フードロス削減を意識することで家庭の食に関わるコストは変わらない、もしくはどちらかというと減少する傾向にあるといえる」と指摘している。

「フードロス削減を意識するようになってから、食品の購入や食費全般にかかるコストはどのように変化したか」に対する回答

年代別結果では、19歳以下を除くと、「減った」という回答が30%を超えているのは50歳~59歳、60歳~69歳だった。

「フードロス削減を意識するようになってから、食品の購入や食費全般にかかるコストはどのように変化したか」に対する年代別の回答結果

「 『Kuradashi』 を利用する理由として当てはまるものをすべて選択」(n=1万2227/複数回答)という質問には、「お得にお買い物ができるから」が最も多く86.2%、次いで「フードロス削減に貢献できるから」で73.0%だった。

「 『Kuradashi』 を利用する理由として当てはまるものをすべて選択」に対する回答

年代別結果では、各回答の割合に年代ごとに大きな差は見られなかった。

「 『Kuradashi』 を利用する理由として当てはまるものをすべて選択」に対する年代別の回答結果

「この1年間で『Kuradashi』の使い方に変化はあったか」という選択式の質問には、「割引率の高い商品を購入する頻度が増えた」と回答した人が最も多く34.8%で、よりお得感を求めて「Kuradashi」を利用していることが推察された。次いで多かったのは「『Kuradashi』で購入する頻度が増えた」で29.8%だった。

「この1年間で『Kuradashi』の使い方に変化はあったか」に対する回答

年代別結果では、30歳~39歳では「家計を節約するために『Kuradashi』で購入するようになった」という回答が2番目に多く、他の年代と比較して家計節約の目的での「Kuradashi」利用が増えている。

60歳~69歳、70歳以上では「割引率の高い商品を購入する頻度が増えた」「冷凍や常温保温できる商品を購入する頻度が増えた」「おすそ分けできる商品を購入する頻度が増えた」という回答が他の年代と比較して多くなっている。

「この1年間で『Kuradashi』の使い方に変化はあったか」に対する年代別の回答結果

調査概要

  • 調査名:フードロス削減に関するアンケート
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査期間:2022年9月2日~9月9日
  • 有効回答数:4322人
  • 有効回答者属性の年齢 19歳以下:0.1%/20歳~29歳:1.4%/30歳~39歳:8.1%/40歳~49歳:26.7%/50歳~59歳:36.3%/60歳~69歳:21.0%/70歳以上:6.3%/その他:0.1%
  • 有効回答者属性の性別 男性:28.7%/女性:70.7%/その他:0.6%
高野 真維

ジャックスの後払い決済サービス「アトディーネ」が事業終了/伊藤忠商事の台湾向け越境ECサービスとは【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

3 years 1ヶ月 ago
2022年11月4日~2022年11月10日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. ジャックスの後払い決済サービス「アトディーネ」が事業終了、2023年9月30日で全機能を全停止

    ジャックスは事業終了の理由について「市場環境の変化に起因する事業採算性」などをあげた。今後、グループで後払い市場への参入に向けた新たなサービスを検討していく

    2022/11/9
  2. 伊藤忠商事が始める台湾向け越境ECサービスとは? 台湾大手ECモール「PChome」グループなどとの連携で実現

    日本企業の顧客ニーズに合わせ、①越境ECプラン(日本出荷モデル)②ECフルフィルプラン(台湾からの出荷モデル)――2つのプランを提供する

    2022/11/4
  3. eコマース取扱高2兆円突破で14%増、ショッピング取扱高は8300億円【Zホールディングス2022年中間期の取扱高】

    「ショッピング事業」「リユース事業」「国内サービス系」「アスクルBtoB」「その他物販」「海外EC」を合算した中間期におけるeコマース取扱高は、前年同期比14.2%増の2兆157億円

    2022/11/8
  4. UCC上島珈琲に聞くEC活用、2023年のEC戦略、D2Cの失敗要因からみえる成功の秘訣などのECイベント【11/8の見どころ】

    2023年のEC戦略に向けたなどを大公開! 全36講演すべて無料で視聴できるECイベント「ネットショップ担当者フォーラム 2022 秋」を11月7日(月)~9日(水)の3日間開催

    2022/11/7
     
  5. 宅配は自宅で手渡し受け取り7割&いつも日時指定する人は42%。半数超が「指定時間通りの配達」を最重視

    「宅配」に関わる利用実態などを聴取したところ、宅配サービスの受け取り方法は「自宅で手渡し」が突出して高いことがわかった。重視する点は「指定された時間通りに配達される」が半数を超えている。

    2022/11/9
     
  6. 【ステマ検討会】景表法の“指定告示”で誤認表示を規制へ。運用基準で事業者の予見可能性&法執行の実効性を確保する方針

    消費者庁の「ステルスマーケティング検討会」は、ステルスマーケティング(ステマ)を規制する方針でおおむね意見が一致した。事業者の予見可能性や法執行の実効性を確保する

    2022/11/7
     
  7. テレ東が「NFT」事業会社に約3億円出資した狙いとは? 新分野でコンテンツビジネス拡充

    テレビ東京は新たに「NFT」事業会社に約3億円を出資。これを機にコンテンツビジネスの拡充を図る方針だ

    2022/11/9
     
  8. 「インバウンド解禁で越境ECが伸びる」と思っている事業者は約7割! 一方で成功するなら3年は努力を【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2022年10月31日~11月6日のニュース

    2022/11/8
     
  9. “刺さる”“評価される”プレスリリースのポイントをPR TIMESのアワード受賞企業に学ぶ

    PR TIMESが開催した「プレスリリースアワード2022」では、クラダシや池部楽器店などECを手がける企業のプレスリリースが多数選出された

    2022/11/8
     
  10. 集客からファン化まで自社EC活用事例、リテールメディアの広告配信、アプリ活用などのECイベント【11/7の見どころ】

    自社ECの効果的な活用事例などを大公開! 全36講演すべて無料で視聴できるECイベント「ネットショップ担当者フォーラム 2022 秋」を11月7日(月)~9日(水)の3日間開催

    2022/11/4
     

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

藤田遥

ボタニスト、八代目儀兵衛、シップス、川添隆氏らが語るECを成長させる秘訣【11月11日の11時スタート】

3 years 1ヶ月 ago

AmazonのID決済サービス「Amazon Pay」は、EC事業者の成長事例などを披露する全15講演のセミナーイベント「はじめる&のばす ネットショップEXPO 2022」を11月11日に開催する。

Amazon Pay主催で開かれるイベント「はじめる&のばす ネットショップEXPO 2022」

ボタニカルライフスタイルブランド「BOTANIST(ボタニスト)」、1787年創業の老舗米屋の八代目儀兵衛、『ネットショップ運営 攻略大全』の著者によるパネルディスカッション。

セレクトショップのSHIPS、食器のECサイト「おうちで楽しむ陶器市 うちる」、コマースプロデューサーである川添隆氏による「BAR風トークショー」。

2021年に監修したの『写真の撮り方ガイド 飲食店編』(日本政策金融公庫)が発行部数7万部を突破し、“飯テロ料理写真”とSNS上でバズったフォト・パートナーズの石田紀彦氏による講演。

ネットショップ運営に欠かせないカートプロバイダーとその利用事業者などの成長事例などさまざまなセッションを用意している。

Amazon Pay主催で開かれるイベント「はじめる&のばす ネットショップEXPO 2022」

講演プログラム

  • 【オープニング基調講演 11:00-12:00】
    • ボタニストの「I-ne」、1787年創業の「八代目儀兵衛」に学ぶ成功の秘訣~竹内謙礼氏が聞く、成長につながるEC運営&マーケティングのポイント~
  • 【Amazon Pay講演 12:10-12:40】
    • 買いやすいネットショップを実現するために、さらに進化した「Amazon Pay」
  • 【13:00-13:30】

    • 語られるお店作りとSNSによるデジタルコミュニケーション アウトドアブランド「UNBY」成長の秘訣

    • 静岡のセレクトショップがどのようにECを始め、成長させたのか ~ISHIKAWA-LABO様の事例~

  • 【13:40-14:10】​​

    • ​​​​人気店オーナーに聞く、"選ばれる"ショップ運営術-ブランディングや集客における「BASE」の活用-

    • 【海底熟成ワインSUBRINA×MakeShop】 地域と共に創るサスティナブルなブランドづくり

  • 【14:20-14:50】

    • 0からアパレルブランドを立ち上げたKEY MEMORY に聞く、ネットショップ事業を伸ばす方法

    • フルスクラッチで抱えていた課題を全て解決!成長しているD2Cブランドが採用するECカートシステムとは

  • 【15:00-15:30】

    • ShopifyパートナーからみたECを成長させるための実践的ソリューションのご紹介

    • 初年20万人利用の「高知かわうそ市場」 生産者自慢の逸品を届ける産直モールの顧客体験向上の取り組み

  • 【15:40-16:10】

    • 支援実績12,000件以上!自社ECサイトで勝つテッパンノウハウを大公開

    • すぐに実践できる!「写真」を使った売上アップ支援講座

  • 【16:20-16:50】

    • コスメD2Cのブランド構築と新規顧客獲得の道のり

    • たった独りで始めたネットショップがキャバドレス界トップショップを達成するまで

  • 【クロージング基調講演 17:00-18:00】
    • 拡大フェーズで求められる“地道な工夫”とは?【BAR風トークショー】~ネット専業企業と実店舗メインの企業…それぞれのアプローチを語る~

開催概要

  • 名称:はじめる&のばす ネットショップEXPO 2022
  • 主催:Amazon Pay
  • 会期:2022年11月11日(金)11:00~18:00 オンラインセミナー
    ※Zoomでのオンライン配信となります。該当の方へ視聴に必要なURL接続方法などをメールでお送りいたします。
  • 参加費:無料(事前登録制)
  • 詳細https://netshop.impress.co.jp/event/amazon-pay-2022
Amazon Pay主催で開かれるイベント「はじめる&のばす ネットショップEXPO 2022」
ネットショップ担当者フォーラム編集部

ECアドバイザーや新機能を搭載したカラーミーショップの「プレミアムプラン」をスタートする理由とは【GMOペパボのEC事業部長に聞く】

3 years 1ヶ月 ago

GMOペパボが運営するネットショップ作成サービス「カラーミーショップ byGMOペパボ」は、2023年1月に本提供をスタートする「プレミアムプラン」の個別相談受付を11月10日(木)から開始した。新プラン提供の背景には、EC事業の成長に伴う充実したサポート体制の提供を望む声があった。

最上位にあたる「プレミアムプラン」とは

2023年1月に提供開始を予定している「プレミアムプラン」は、「カラーミーショップ」の最上位プランとして新設。初期費用2万2000円、月額利用料3万9600円(いずれも税込)で提供する。

「プレミアムプラン」の特徴は大きく分けて2つある。1つ目はECアドバイザーによるサポート体制だ。各事業者にECアドバイザーがつき、定期的なミーティングを通じてECサイト運営に関する悩みや課題解決に向けたアドバイスなどを行う。

アドバイザーは「カラーミーショップ」でカスタマーサポートの経験がある社員や、ECサイト運用代行の経験者などが担当する。

2つ目は「会員ランク」「予約販売」など、新機能を搭載していること。現在、基本機能として会員専用商品の販売などを行える「会員機能」はあるが、会員のランク分けやセグメントが行える機能は提供していない。会員ランク機能を使用したい場合は、「カラーミーショップアプリストア」で提供しているアプリを使用する必要があった。「プレミアムプラン」では、そういった機能を基本機能として搭載している。

さらに、既存の「レギュラープラン」「ラージプラン」と比較して決済手数料の設定を下げる予定で、月商が大きなECサイトほど運営費用を抑えられるように考えているという。

また、事業者同士のコミュニケーションや学びを得る機会として「プレミアムプラン」利用企業限定の懇親会やセミナーの実施を予定している。

「プレミアムプラン」の提供開始は2023年1月を予定。11月10日から開始した個別相談会では内諾も受け付ける。

事業拡大・成長に必要な機能への要望が多かった

2005年のサービス開始以来、「カラーミーショップ」は2022年10月末時点で約5万店舗以上が利用している。また、2020年12月末時点で「カラーミーショップ」を5年以上継続利用している企業は65.5%にのぼる。

「カラーミーショップ」を継続利用している企業が多いなか、ユーザーの事業が拡大・成長していくことに伴い、「より大規模なECサイト運営に必要な機能がほしい」「悩みを相談しやすいサポート体制を作ってほしい」といった声が寄せられていたという。

また、「カラーミーショップアプリストア」では約60種類以上のアプリを用意しているが、「どのアプリが自社に合うかわからない」「数が多くて探すのが大変」といった声もあがっている。こうした利用企業の声に対し、寺井秀明氏(GMOペパボ EC事業部 部長)は「ECアドバイザーを設けることで、こうしたニーズにも対応できる」と話す。

「カラーミーショップ大賞」の懇親会やセミナーなどでの利用企業とのコミュニケーションを通じ、寺井氏は「何が自社の課題か見つけきれない」「相談したい」といった声の多さを感じており、伴走型の強固なサポート体制の必要性を感じ、「プラミアムプラン」提供に至ったという。

これまで「カラーミーショップ」のメイン利用企業は中小企業が多かった。しかし、コロナ禍の影響もありEC利用が大幅に伸び、急速に成長、事業規模が拡大した企業さまが増えた。こうした企業さまがより成長するために「プレミアムプラン」の提供をスタートする。

また、「大企業だがまだECへの知見が深くない」といった企業さまにもECアドバイザーというサポート体制をご利用いただくことで、ECサイトの運営に注力していただければと考えています。

「カラーミーショップ」と聞くとレガシーを感じる方も多いと思います。しかしマルチクラウドへの投資や「カラーミー待合室(ECサイトへのアクセスが集中した際、ショップページが表示されるまでの待機人数を可視化する機能)」の実装など、日々技術の進歩を続けている

新プラン提供を通じて、より利用企業さまの声に耳を傾け、成長を支援する機能や体制を強化していきたいと考えています。(寺井氏)

GMOペパボ EC事業部 部長 寺井秀明氏
GMOペパボ EC事業部 部長 寺井秀明氏
藤田遥

ニトリがECサイトに導入した着せ替えシミュレーション機能「お部屋deコーディネート」とは

3 years 1ヶ月 ago

ニトリは11月7日、ECサイト「ニトリネット」に着せ替えシミュレーション機能「お部屋deコーディネート」を導入した。

「お部屋deコーディネート」は、インテリアが自宅の部屋に適しているのか、色や柄の組み合わせを確かめた上で購入できる機能。

利用者はまず、自宅のリビングや寝室のベースとなる床・壁・天井・ソファ・ベッドフレームなどの色を選択して部屋を再現。ニトリ商品の中からカーテン・ラグ・クッション・掛け布団カバー・枕カバーを選択し、部屋のイメージに反映させることで、気になるインテリアが自宅の部屋に合うか確かめることができる。気に入った商品は、そのまま「ニトリネット」で購入可能。

ニトリがECサイトに導入した着せ替えシミュレーション機能「お部屋deコーディネート」
コーディネートした商品はECサイトで購入できる

インテリアを選ぶ際、「自分の部屋や持っている家具に合うか分からない」「商品の組み合わせがイメージできない」といった顧客の悩みを解決するため、「お部屋deコーディネート」を導入した。

ニトリは価格や機能に加え、色や柄、スタイルなどによって快適な住まいを作る“暮らしのコーディネート”の提案に力を入れていくとしている。

石居 岳

2021年のアパレル総小売市場規模は7.6兆円で1.3%増、コロナ前の水準には戻らず

3 years 1ヶ月 ago

矢野経済研究所が実施した国内アパレル市場の調査によると、紳士服・洋品、婦人服・洋品、ベビー・子供服・洋品を合計した2021年の国内アパレル総小売市場規模は7兆6105億円で前年比1.3%、2020年実績をわずかに上回った。

2021年はコロナ禍での行動規制が緩和され実店舗へ客足が戻ったものの、市場規模はコロナ禍前の水準には戻っていない。EC販売・利用の拡大はあったものの、市場での流通量はコロナ禍以前の約8割にとどまっている。

国内アパレル総小売市場規模の推移 矢野経済研究所の調査
国内アパレル総小売市場規模の推移

販売チャネル別では百貨店、専門店が回復傾向。2021年はリアル店舗への客足が戻ったため、EC販売の伸びは鈍化した。

一方で、アパレル市場全体ではOMO(オンライン・マージ・ウィズ・オフライン:オンラインとオフラインの融合)戦略が加速。アパレル関連各社は、販売機会ロスの軽減など、リアル店舗との連動を図るように取り組んでいる。

2022年の市場について、市場規模が大きくは拡大しないと予想。長期的には、国内人口の減少で市場の継続的な成長は難しいと見ている。

ただ、消費者のサステナブル意識の高まり、キャンペーン販売の抑制などから、一品あたりの販売単価は上昇する可能性がある。販売数量は減少するものの、販売単価は上昇していく余地があるとしている。

調査概要

  • 調査期間:2022年7~9月
  • 調査対象: アパレルメーカー(総合アパレル,メンズアパレル,レディスアパレル,ベビー・子供アパレル他)、小売業(百貨店,量販店,専門店,その他)、業界団体等
  • 調査方法:自社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、郵送によるアンケート調査、ならびに文献調査併用
石居 岳

UX向上に必要なのは「カスタマーエクスペリエンスの維持」。最新の調査結果から見る消費者に支持されるECサイトの条件 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

3 years 1ヶ月 ago
オンライン小売事業者(EC事業者)の最も重要な仕事の1つは、質の高いカスタマーエクスペリエンス(CX)を維持することです

ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上には、消費者の期待に応えているか、その期待を上回っているかを把握することが不可欠です。どのような点が優れていて、どのような点が劣っているかを理解することは、小売事業者の今後の投資の指針となります。そして、オンライン小売事業者(EC事業者)の最も重要な仕事の1つは、質の高いカスタマーエクスペリエンス(CX)を維持することです。

UX調査① 消費者の満足度が高いデバイスはデスクトップ

米国の専門誌大手『Digital Commerce 360』はオンライン通販利用者に対して、買い物体験、重要な機能、カスタマーサービスの観点から見たコミュニケーション方法に関するアンケートを行っています。調査会社であるBizrate Insightsの協力を得て、2022年10月にオンライン通販利用者1107人を対象に調査を実施しました。

特定デバイスでの買い物の際、満足度の数値が最も高いのはデスクトップで、モバイルWebやアプリが追い上げてきています。デスクトップが長い間使用されているのは、オンライン小売事業者がこのデバイスのユーザーエクスペリエンスに長い間、磨きをかけてきたからです

また、多くのオンライン通販利用者がデスクトップでの買い物に慣れ親しんでいるため、デスクトップを利用するのは自然な流れとなっています

モバイルアプリとモバイルWebサイトの満足度はほぼ同じですが、9点と10点をつけた消費者の間ではアプリの方が優れています。

UX向上に必要なのは「カスタマーエクスペリエンスの維持」。最新の調査結果から見る消費者に支持されるECサイトの条件
買い物をしたECサイトのデザイン、特徴・機能など、全体的な体験の満足度について(画像は『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが2022年10月にオンライン通販利用者1107人に実施したアンケート調査より)

UX調査② UXが消費者の期待に応えているか否かの把握は必要不可欠

ECサイトのユーザーエクスペリエンスが、消費者の期待に応えているか、あるいはそれを上回っているかを把握することは必要不可欠です。優れた点、改善点を把握することが、今後の投資の指針となります。

現在まで、ECサイトの効率性や利便性は消費者の期待に応えているようです。読み込みの速いサイト(回答者の41%が選択)、ナビゲーションが容易なレイアウト(38%)、検索による商品の発見の容易さ(37%)、そして最も重要なこととして、消費者が効率的にチェックアウトできる機能(62%)などに消費者は満足していると答えています

一方、以下の項目に関し、満足していると答えたオンライン通販利用者は3人に1人以下。高い満足度を維持するためには、小売事業者は次のような要素の効率化にも気を配る必要があります

  • デバイスをまたいでカートにアクセできる(27%)
  • 選択した商品や以前訪れたページが登録されている(23%)
  • カテゴリー概要がすぐわかる(20%)
  • ブランドや小売店の概要が説明されている(15%)

UX調査③ 小売事業者の取り組みで消費者の期待に応えている機能は?

オンライン通販利用者の44%が、商品の在庫を確認する機能を提供する小売事業者に良い評価を与えていることが明らかになりました。ただ、地元の店舗で在庫を確認する場合に限ると、同じように感じるユーザーはわずか29%にとどまっています。

小売事業者が期待を超えた買い物体験を提供していると評価した取り組みについて、「役に立つ商品のレコメンデーション」は22%、「配送と返品に関する情報」は21%。「充実した商品情報」はオンラインショッピングの基本ですが、この分野で小売事業者が期待に応えていると答えたユーザーはわずか19%にとどまりました。

小売事業者は、消費者が自分のプロフィールを更新できるようにするなど、商品やカスタマーサービスに関するより多くの情報をオンラインで提供することに力を注ぐ必要があるでしょう。

機能面では動画が15%の回答者の期待に応えています。一方、How to(ハウツー)情報のようなショッピングを支援する機能についてはわずか10%しか満足しておらず、消費者のニーズを評価するプロファイリングクイズは9%。また、「後払い制度」については、「期待通り」と答えた人は15%にとどまりました。

情報提供には、カスタマーサービスも関連しています。回答者の5人に1人は、質問に対する答えを見つけることができたことに満足しており、16%は顧客プロフィールの閲覧や更新に関して、小売事業者が期待に応えていると感じています。

また、ECサイトの安全性を確保し、不正行為を回避することは継続的な課題であり、小売事業者は常に注意を払わなければなりません。

UX向上に必要なのは「カスタマーエクスペリエンスの維持」。最新の調査結果から見る消費者に支持されるECサイトの条件
買い物をECサイトについて、どの点が期待に応えた、あるいは期待を上回ったか(画像は『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが2022年10月にオンライン通販利用者1107人に実施したアンケート調査より)

UX調査④ 満足度は高いものの、依然不満の多いオンライン通販

満足度を左右する重要な要素であるユーザーエクスペリエンスに関する一般的な期待値を踏まえると、オンラインショッピングを利用する多くのユーザーがECサイトに何らかの不満を抱えています

ショッピングカートの中でプロモコードが適用されない(30%)、送料が不明確(25%)など、消費者がお得感を逃す原因となる問題が上位にランクイン。一方、後払いが「使いにくい」と回答したのはわずか7%でした。

商品情報は消費者の意思決定を左右するものであるため、しっかりとした情報が求められており、不満の声が多く聞かれました。24%は小売事業者が十分な画像を提供していないと回答し、22%はテキストの説明に十分な詳細が欠けていると答えています。

消費者は時間に敏感です。検索機能からチェックアウトまで、ECサイトにはスピードが求められます。スピードに関する多くの要因がユーザーエクスペリエンスに影響を与えますが、最も大きな不満は読み込みの遅いサイト(23%)で、スクロールの多さ(17%)が続きました。また、調査対象者の18%がサイト内検索の非効率性を指摘しています。

さらに、16%はチェックアウトが完遂できないことをあげています。チェックアウトに関連した不満に関して、読みにくいテキスト(10%)、顧客情報が事前に入力・保存されていない(8%)などがあがりました。

サプライチェーンの混乱により、チャネルや検索結果を通じた在庫の透明性の重要性が高まっています。消費者の27%は在庫切れの商品を含む検索結果に特に悩まされたと回答。他の不満点は、オムニチャネルの在庫との不一致が19%、現地の店舗で在庫を確認できないことが17%でした。また、19%が配送可能商品の在庫状況が一わからないこと、13%が配送に関する一般的な情報がないことあげました。

小売事業者のモバイルWebの体験が悪い(16%)、モバイルアプリを持たない小売事業者に不満がある(9%)というように、モバイルに対する不満は残っており、継続的に対処・改善する必要があります

UX向上に必要なのは「カスタマーエクスペリエンスの維持」。最新の調査結果から見る消費者に支持されるECサイトの条件
ECサイトで経験したことがある不満(画像は『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが2022年10月にオンライン通販利用者1107人に実施したアンケート調査より)

UX調査⑤ 約4割が求める「欲しいものリスト・お気に入り」の機能

「デザイン性・機能性に優れたオンラインショッピングを実現するために重要な機能」について調査しました。

コンバージョンには、包括的な商品情報、特にコピーと画像が必要です。最も重要視されているのは、詳細な商品説明(57%)と十分な商品画像(44%)でした。オンライン通販利用者の3人に1人は商品のレコメンデーションを重要視しています。

レビューは望ましい付加価値でありユーザーの28%が注目。また、21%がQ&Aを評価しています。ソーシャルメディアの文脈では、18%の人が商品の共有が大切だと回答しました。

小売事業者は、商品に関する情報を消費者に伝えるため、また自社ブランドを最適にポジショニングするため、ビジュアルアイコンを使用しています。これらのアイコンは、サステナビリティへの取り組みにおいてより大きな役割を果たす可能性があり、ユーザーの23%が重要であると回答。新しい機能として、社会的要素(黒人・女性・LGBTQ、フェアトレード)のバッジや識別があり、回答者の9%が重要視しています。

商品動画は21%が、ハウツーガイドと動画チュートリアルは17%が重要視。インフルエンサーを含むソーシャルコンテンツは7%で、商品やブランドのブログコンテンツは5%にとどまりました。

オンライン通販利用者は、さまざまな機能を「あれば便利」と感じていますが、「欲しいものリスト・お気に入り」は37%と予想以上に高い数値を記録しました

精度の高い検索機能はショッピング体験にとって必要不可欠ですが、重要だと感じているユーザーは23%。ライブカメラによる検索(8%)や音声コマンドによる検索(7%)など、その他の検索要素は消費者にとって重要度は低いようです。

パーソナライゼーション、より高度なプロファイリング機能は、平均注文額を増加させ、ショッピングを支援するために導入されるべき機能でしょう。重要度は低いですが、利用されればコンバージョンにつながる可能性があるためです。ツールの重要度は、ショッピングプロファイラー(13%)、試着ツール(11%)、バーチャルアポイントメント(5%)となっています。

UX向上に必要なのは「カスタマーエクスペリエンスの維持」。最新の調査結果から見る消費者に支持されるECサイトの条件
デザイン性と機能性に優れたECサイトを運営するために重視する機能(画像は『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが2022年10月にオンライン通販利用者1107人に実施したアンケート調査より)

UX調査⑥ パーソナライゼーションが、より効率的で魅力的なカスタマーエクスペリエンスを実現

オンライン通販利用者の多くは、買い物の時間を節約できるパーソナライズされた体験を高く評価しています。アンケート回答者の約半数が、最近見た商品に素早くアクセスできることを期待または希望しています。

同時に39%はオンラインショッピングの際に自分のアカウントが保存され、更新されることに満足しています。

4人に1人のオンライン通販利用者は、ショッピングの際に店舗チャネルを指定できることに価値を感じており、23%が複数のデバイスからアクセス可能な共有カートを期待しています。しかし、この傾向はマルチデバイスの世界では驚くほど低い数値と言えるでしょう。

また、回答者の38%がオプトアウト機能を重要視しているように、消費者は依然としてパーソナライゼーションを自分でコントロールしたいと考えています。

アルゴリズムの活用は、プロモーション関連で最も価値が高くなっています(30%)。消費者自身の行動や期待値・希望値について調査したところ、以下のような数値となりました。

  • ECサイトでの閲覧・購入行動に基づいて表示される商品(26%)
  • 同じような商品を購入した他の人を基準に表示される商品(18%)
  • 他の非小売サイトでの閲覧・購入行動に基づいて表示された商品(16%)
  • 個人の属性を考慮した商品を表示(17%)
UX向上に必要なのは「カスタマーエクスペリエンスの維持」。最新の調査結果から見る消費者に支持されるECサイトの条件
ECサイトに期待する機能など(画像は『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが2022年10月にオンライン通販利用者1107人に実施したアンケート調査より)

UX調査⑥ タイムリーに対応する質の高いカスタマーサービスが最も重要

カスタマーサービスは、顧客獲得と顧客維持の両方に大きく貢献しています何よりも、オンラインショッピングを利用する人たちにとって、カスタマーサービスの質はとても重要であり(37%が回答)、24%が人間同士のやり取りを重要視しています。これはリアルなつながりが少ないオンラインの世界ではとくに歓迎される傾向ではないでしょうか。

また、消費者は問題が迅速に対処されることを望み(31%)、返金を含む問題解決能力を高く評価しています(25%)。バーチャルアポイントメントに興味があると答えたのはわずか5%でした。このサービスに対する需要は、コロナ禍後の世界では薄れているのかもしれません。

ライブチャットは好ましいコンタクト方法となり、人間がサポートするオプションは28%が重要視しています。Botとのチャットの重要度は11%にとどまりました。

消費者の26%が連絡先情報に簡単にアクセスできることを望み、13%はモバイル端末からカスタマーサービスにリンクすることが好ましいと回答しています。

EC事業者は人間が関わるツールとセルフサービスツールを組み合わせて提供する必要があります。総合的なFAQが18%、ショッピングカートに統合されたカスタマーサービスが15%と、僅差で続いています。セルフサービスのFAQは多くのECサイトで目にすることができますが、このオプションを強調した調査回答者はわずか10%でした。

UX向上に必要なのは「カスタマーエクスペリエンスの維持」。最新の調査結果から見る消費者に支持されるECサイトの条件
オンライン購入体験に重要なカスタマーサービスについて(画像は『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが2022年10月にオンライン通販利用者1107人に実施したアンケート調査より)

UX調査⑦ ライブチャットを受け入れる消費者は6割

オンライン通販利用者が買い物中に問題を解決できるようにするため、小売業者は複数のタッチポイントを設置する必要があります

消費者は、ライブチャットによる人間的な接触を好むカスタマーサービスを受け入れており、その割合は62%に達しています。

電話が 56% で続きました。自動化されたチャットボットは15%、ソーシャルメディアは14%ですが、事業者側の採用率は時間の経過とともに増加し、若い層にとってより重要な役割を果たすと思われます。

Eメールは、61%の消費者がこのコミュニケーションチャネルを選択し、トップ2の座を獲得しました。Eメールでは、消費者は自分のニーズに素早く対応することができ、さらに記録も残ります。セルフサービスツールは魅力的ですが、人間の対応と比較すると見劣りします。オンラインフォーム(21%)やFAQページ(11%)などがその一例です。

UX向上に必要なのは「カスタマーエクスペリエンスの維持」。最新の調査結果から見る消費者に支持されるECサイトの条件
注文に関する問題を解決するためのコミュニケーション方法について(画像は『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが2022年10月にオンライン通販利用者1107人に実施したアンケート調査より)

UX調査⑧ 優先すべきは在庫の透明性

2022年の年末年始も、そして今後も、消費者も事業者にとっても在庫は課題となるでしょう。ECサイト全体で現在の在庫と在庫切れを確認し、潜在的な問題を伝えることが、オンライン通販利用者にとって最も効果的な方法となることは間違いないでしょう

多くの消費者は、小売事業者が商品ページ(51%)と検索結果(46%)で在庫状況を提供することを望んでいます。また、消費者は在庫切れの商品をサイトから削除して欲しいと考えています。

オンライン通販利用者は、リードタイムが1か月かかる商品を特定し(38%)、利用可能なチャネルを知らせる明確なオムニチャネル・オプションを提供して欲しい(33%)と、小売事業者に望んでいます。

オンライン通販利用者が示唆したことの1つに、ECサイト上の表示が明確な場合、24%が通知されることに関心がないと回答しています。これは、ECサイト上で正しく情報を表示することが特に重要なサービスであることを示しています。

状況やステータスに関わらず、注文の遅れや在庫切れについて、解決策と共にタイムリーに連絡を受けることを期待しています。46%が注文の遅れに関する情報を希望し、41%が在庫切れとその解決策に関するEメールやテキストを受け取ることを望んでいます。

皮肉なことに、「次回購入時のインセンティブ」を支持する人は28%にとどまりました。このことから、在庫状況を優先すること、問題が発生したときに積極的にコミュニケーションをとることが重要であると結論付けられます。

UX向上に必要なのは「カスタマーエクスペリエンスの維持」。最新の調査結果から見る消費者に支持されるECサイトの条件
在庫や品切れの問題が起こった場合にしてほしい伝え方について(画像は『Digital Commerce 360』とBizrate Insightsが2022年10月にオンライン通販利用者1107人に実施したアンケート調査より)
◇◇◇

カスタマーエクスペリエンスには、年間を通じて注意を払う必要があります。オンライン通販利用者は高い満足度を示していますが、今こそ、この高い満足度を維持するために警戒すべき時なのです。ショッピングの合理化、在庫の透明性などに常に目を配ることが重要です。

基本的なことにとどまらず、小売事業者はパーソナライゼーションを最適化するために望ましい機能や技術を見直すことができます。また、コミュニケーションは顧客満足の核心であるため、注意深く観察することが望まれます。

最後に、カスタマーエクスペリエンスは常に変化し続けるものであるため、気を抜くとベスト・オブ・ベストに遅れをとってしまうということを忘れないでください

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360

東京ドームが始めるスタートアップ企業向けの広告看板販促活用案&将来的な業務提携を見据えた支援策とは

3 years 1ヶ月 ago

東京ドームは2023年3月から、スタートアップ企業を対象に「東京ドーム内広告看板」を起点とした将来的な業務提携を見据えた企業支援を行う。

スタートアップ企業は「東京ドーム内広告看板」を活用することで、露出効果と話題性から企業の認知拡大につなげることができる。

今回、「東京ドーム内広告看板」への出稿料金は特別価格とする。支援の募集数は3社程度で、設立10年以内の企業。応募期間は11月30日まで。

将来の広告クライアントに成長する企業の創出へ

東京ドームはこの事業を通じて選定したスタートアップ企業と協業することで、その企業が展開するサービス・ノウハウ、東京ドームのリソースの相乗効果による双方の企業価値の向上を図る。将来の広告クライアントにまで成長するような「サクセスストーリー」の創出をめざす考えだ。

広く認知されている媒体「東京ドーム内広告看板」への特別価格による広告掲出で、東京ドームはスタートアップ企業に対して、他社とは一線を画した効果的な露出機会を提供。認知拡大による顧客獲得の支援を行う。

広告看板を掲出したスタートアップ企業は、手がけるサービス、保有するリソースを絡めた東京ドームの事業に対する提案など継続的に情報交換を行い、両社の企業価値の向上を図るとしている。

特別価格とする出稿料金は、看板製作にかかる実費と同等程度の価格を予定。価格は掲出場所により異なり、通常の正価は非公開だという。

広告看板掲出イメージ(ベンチ防球フェンス)
広告看板掲出イメージ(外野フェンス上部リボンビジョン)

応募概要

  • 条件:

    • 東京ドーム内に広告看板を「ぜひ出したい」という企業

    • 保有するサービスやノウハウを絡めて、東京ドームシティにおけるリアルな体験からのコミュニケーションを増幅する企業

    • 顧客への製品・サービスの提供を達成している企業

    • 会社設立10年以内の企業 ※一般社団法人、合同会社、個人事業主は除外

  • 募集数:3社程度

  • 応募期間:2022年11月1日~11月30日

  • 問い合わせ先:株式会社東京ドーム 新規事業開発室 安間・橋本。Mail:td-shinki@gms.tokyo-dome.co.jp

  • 応募方法:上記の問い合わせアドレス宛に、メールにて問い合わせ。問い合わせに対して、東京ドームが専用の応募フォームを送付する。応募後、提案内容に関する面談を実施し、掲出企業を選定する

高野 真維

フューチャーショップがE-GrantのBtoC特化型CRMツール「うちでのこづち」と連携を強化

3 years 1ヶ月 ago

SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」を提供するフューチャーショップは、E-Grantが提供するBtoC特化型CRMツール「うちでのこづち」との連携を強化した。

購買データを基にした顧客分析などが可能に

連携により、「futureshop」「futureshop omni-channel」を利用している事業者は、よりセキュアで信頼性の高い自動連携が可能になる。

「うちでのこづち」は、LTV・リピート売り上げを拡大する目的で作成されたBtoC特化型のCRMツール。顧客分析、CRM施策の実施、効果測定などの機能を搭載している。また、次のような分析結果を基に新たな気づきを得ることで、ECサイトへの改善に活用できるという。

  • 「futureshop」の顧客や購買データを元にした顧客分析(RFM分析、CPM分析)
  • クロスセル分析、バスケット分析で商品販売状況の理解
  • 定期購入・頒布オプションを導入しているショップは継続率、離脱率を可視化
futureshop フューチャーショップ うちでのこづち E-Grant CRM
「うちでのこづち」について(画像は「futureshop」サイトからキャプチャ)

CRM施策では会員の属性や行動を基にしたシナリオを作成し、メール配信、DM配信、SMS、DMPなどのキャンペーンを実行するCRM・MA機能が利用できる。

申込み企業へのキャンペーンを実施

「futureshop」利用企業で期間中に「うちでのこづち」を申し込んだ企業限定で、30万円相当の「エモーション分析」を1か月無償で提供するキャンペーンを行う。キャンペーン実施期間は2022年11月8日(火)~2023年2月28日(火)。

「エモーション分析」は、サイトへの問い合せ、アンケート、SNSの口コミなどの「顧客の声」をテキストファイルにまとめてアップロードするだけで、顧客からの評価を直感的に理解できるレポート形式で出力する機能。

藤田遥

ジャックスの後払い決済サービス「アトディーネ」が事業終了、2023年9月30日で全機能を全停止

3 years 1ヶ月 ago

ジャックスは11月4日の取締役会で、連結子会社であるジャックス・ペイメント・ソリューションズが運用する後払い決済サービス事業の終了を決議した。2023年9月30日で全サービスを停止する。

昨今の後払い業界(BNPL)における市場環境の変化に起因する事業採算性、現行サービスの将来性を総合的に勘案した結果、事業の終了を決めたとしている。

ジャックスは11月4日の取締役会で、連結子会社であるジャックス・ペイメント・ソリューションズが運用する後払い決済サービス事業の終了を決議した
事業終了に関するお知らせ(画像は編集部が後払い決済サービスのWebサイトよりキャプチャ)

ジャックス・ペイメント・ソリューションズが提供する後払い決済サービスは「アトディーネ」。2023年6月30日で新規取引登録(加盟店管理画面およびAPI機能の新規取引登録)、新規取引登録(加盟店管理画面およびAPI機能の新規出荷報告登録)を停止。その後、2023年9月30日に「アトディーネ」の全機能を止める。

ジャックス・ペイメント・ソリューションズは2014年4月、後払い決済サービス「アトディーネ」の提供をスタート。Webサイトに掲載している情報によると、1万6000以上の通販・EC事業者が導入しているという。

今後は、ジャックスグループとして、BNPL市場への参入に向けた新たなサービスを検討していく。

瀧川 正実

テレビ東京グループがゴルフEC企業「アトミックゴルフ」を買収した理由とは?「TV通販の一本足打法ではそろそろ限界」 | 通販新聞ダイジェスト

3 years 1ヶ月 ago
テレビ東京ホールディングスの通販子会社であるテレビ東京ダイレクトは、ゴルフ関連用品のネット販売サイト「アトミックゴルフ」を運営するリアルマックスの株式の過半数を取得、子会社化した

テレビ東京ホールディングスの通販子会社、テレビ東京ダイレクト(TXD)は10月31日、ゴルフ関連用品のネット販売サイト「アトミックゴルフ」を運営するリアルマックスの株式の過半数を取得、子会社化した。テレビ東京グループがEC専業社を買収するのは初めてでいわば異例の買収となる。TXDでは「テレビショッピングの一本足打法ではそろそろ限界」とし、EC専業社との連携は今後の成長を描く上で必須だったとする。狙いや今後の展開とは――。

TXDの遠藤孝一社長(左)とリアルマックスの青松勇介社長。両社は今後、ゴルフ用品通販事業でタッグを組む

テレビショッピングだけでは事業成長に不足。テレビとECを合わせて展開へ

(事業を成長させ続けるためには)テレビショッピングだけでなく、ECをやっていかなければ。テレビとECを合わせて展開していくことでゴルフ業界の中である程度のステータスを築けていける。(それを強みに)一緒になってゴルフ事業を成長させていきたい――。(TXD社長 遠藤孝一氏)

10月31日付でリアルマックスの創業者で同社社長の青松勇介氏から同社株式102株を取得(取得価格は非公表)、所有割合を51%としたTXD。同社を率いる遠藤孝一社長は11月1日に開催した記者会見でその狙いと期待についてこう語った。

TXDにとってゴルフ用品は“事業けん引の大きな柱”

TXDが子会社化したリアルマックスはゴルフ用品のネット販売サイト「アトミックゴルフ」を運営するEC専業社で2003年に開設した自社サイトのほか、楽天市場やヤフーショッピング、アマゾン、auPAYマーケットなどの仮想モールにも出店。各モールから度々、表彰される有力店で、ゴルフ用品EC事業者としては知られた存在だ。

業績も順調に成長を続けており、前々期(21年9月期)の売上高は前年比2.8%増の31億3200万円、営業利益は同60.6%増の9800万円を計上。前期(22年9月期)の売上高も前年実績を上回る33億円程度で着地したようだ。

同社は確かに優良EC専業社であろうが、なぜテレビ通販を軸としているTXDが同社を子会社化するに至ったのか。それはTXDにとってゴルフ用品が同社の事業をけん引する大きな柱となっており、かつさらに伸びしろがあるとみる有望分野であり、そのためには既存のテレビ以外の販路が必要だと判断したためとする。

TXDではマルマンと組んで開発し、2016年からテレビ通販で販売を始めたゴルフクラブ「DANGAN7」がヒット。

地上波のほか、BS、CS局に放送枠を確保して同商品を紹介する通販連動型ゴルフ番組やインフォマーシャルなどを積極的に放送する拡販策に加えてコロナ禍によるゴルフ人気も奏功し、「DANGAN7」のシリーズ商品を軸としたゴルフ関連商品だけですでに年間10億円の売り上げを上げており、ここ数年の好調な同社の通販売上高をけん引する大きな収益の柱の1つとなっている。

TXDがマルマンと組んで開発し、2016年からテレビ通販で販売を始めたゴルフクラブ「DANGAN7」

販売力があるパートナーとしてリアルマックスに白羽の矢

コロナ禍を機に増えたゴルフ人口などを背景にゴルフ市場は今後も拡大し、関連用品の物販の需要も増していくとみて、さらにゴルフ用品通販を強化していきたいTXDだが、そのためには既存のテレビ通販ではなく、ECという新たな販路を活かした展開と「DANGAN7」のようなヒット商品を生み出し続けることが必要。そうした戦略を実現するにはECを主戦場とし、一定の会員と相応の販売力があるパートナーとのタッグが必須だった。

そのため、TXDでは1月からM&A仲介業者を通じて、ゴルフ用品EC事業者に資本業務提携を打診。

その中で「アトミックゴルフ」を運営するリアルマックスへとつながり、同社にとっても、これまで右肩上がりで業績を伸ばしてきたものの、EC専業のほか、有店舗ゴルフ用品小売業のECシフトの流れを受けて激化する市場環境や年商30億円に達してからの伸び悩みなどを鑑みてTXDの打診に応じることを決断したという。

話を頂いてから悩んだが、我々はこれまで中小事業者として訴求方法や物流サービスなど最大限の工夫を行っていたが、差別化策はコモデティ化してきている。そうした中で訴求力の高いテレビという媒体の力は非常に魅力を感じた。(リアルマックス社長 青松勇介氏)

通販カタログをEC顧客に送付、ゴルフ中継からの視聴者誘導策も

資本提携が成立したことから両社は連携して事業拡大を進めていく考えだ。具体的な施策としては直近では11月1日から「アトミックゴルフ」のサイト名を「テレ東アトミックゴルフ」に改称し、同サイトでの買い物の際の決済時に充当できるポイントや割引クーポンを付与するキャンペーンを開始。

また、TXDの通販連動型ゴルフ番組「ゴルフ! 天下たい平」によるゴルフコンペに抽選で招待する企画も実施する。これらにより、「テレ東アトミックゴルフ」の既存顧客にテレビ東京グループの仲間入りをしたことを告知し、今後の連携策をスムーズに進めるための下地作りを進める。

「テレ東アトミックゴルフ」に改称したECサイトのトップページ

また、現在、TXDがゴルフ用品購入者ら7万人超を対象に定期的に発刊しているゴルフクラブを中心としたゴルフ関連用品を掲載する通販カタログ「DANGANマガジン」を「テレ東アトミックゴルフ」の既存客約12万人にも送付する取り組みも始める。

さらに今後の施策としてテレビの力を活用したマーケティング施策の展開も検討する。具体的にはテレビ東京が放送するゴルフ番組などを活用して「テレ東アトミックゴルフ」への視聴者の誘導を図るもの。

たとえばゴルフ大会の中継番組などの合間にワンポイントレッスンのコーナーを放送し、その中で「テレ東アトミックゴルフ」で新規会員登録した人にポイントを進呈することをPRするような取り組みなどを想定しているようだ。

ゴルフ中継の視聴者というゴルフへの興味・関心の高い、いわば潜在顧客に対してアプローチできるという点では有効な施策と言えそうだ。

独自商品の開発にも意欲

また、今回の資本提携の大きな目的の1つでもあるメーカーと組んだオリジナルゴルフギアの開発も進める。

TXDでは先の「DANGAN7」の各シリーズを共同開発しているマルマンをはじめ、複数のメーカーと商品開発に取り組んでいるが、12万人の顧客を持ち、年商30億円を超えるゴルフ用品ECサイトと連携し、これまでよりも大幅に販売力が高まり、また、「テレビ通販+EC」という競合のゴルフ用品販売事業者には容易には真似のできない販売施策を行えることを強みにさらにさまざまな有力メーカーと交渉し、訴求力の高い独自商品の開発に取り組んでいきたい考え。

このほか、「単にモノを売るだけではなく顧客のLTVをあげていく取り組みもやってみたい」(TXDの遠藤社長)とし、同社がクラブツーリズムと組んで行っているテレビ番組で独自企画の旅行商品を紹介・販売する旅行事業を生かしてたとえば、レッスンプロと行くゴルフツアーを企画・販売したり、ゴルフのレッスンイベントの実施なども将来的には展開していきたいという。

有力EC専業社とタッグを組んだことで強みであるテレビ通販とのシナジーおよび販路拡大し、ゴルフ用品販売事業者として競合とは異なる確固たる地位を確立し、通販事業の強力な成長エンジンとして機能させていきたい意向のTXD。今後、どのような展開を図るのか、注目される。

【一問一答】ゴルフ用品の通販売上は倍増を計画

資本業務提携を締結したテレビ東京ダイレクトとリアルマックス。遠藤、青松両社長に狙いや今後について聞いた。(11月1日開催の記者会見での発言や通販新聞の記者を含む報道陣との一問一答から一部を要約・抜粋)

――提携の狙いは。

遠藤「テレビショッピングの一本足打法ではそろそろ限界だ。何とか打開しなければいけない。そのため、テレビショッピングだけでなく、ECを(本格的に)やっていかなければならない。

ただ、ECを本格化するにあたってはさまざまな商品を取り扱う百貨店型では品ぞろえも含め難しい。ある特定の分野で勝負をしたいと。そのためには当該分野で優良顧客を持つEC事業者と組んで展開したいと考えた。

ゴルフ用品を選んだ理由はゴルフ用品に造詣が深く、業界にも顔が利く当社のメンバーの力もあり、すでにゴルフ用品の通販が当初の想定以上に大きく育っており、さらに伸ばしていきたいと考えたことや当社グループの強みであるテレビとの相性がゴルフは非常に良かったことがポイントだった。

番組と連動した展開も可能になる。実際にテレビ東京のスポーツ局も今回の提携にあわせて、(ゴルフ番組との連動施策など)どういうことができるかを考えてくれている。そういうグループの協力が得やすい点からもゴルフでと考えた。

そこで今年1月にM&A仲介会社のストライクにゴルフ用品のEC事業者で当社と組んでくれるところがないかと相談し、そこからリアルマックスの青松社長に打診をさせてもらい、ようやく実現した」

「テレ東アトミックゴルフ」のロゴ(画像はテレビ東京グループのリリースから編集部がキャプチャ)

遠藤「テレビとECが合わさればゴルフ業界の中で、確固たるステータスが築けるのではないか。当社では色々なメーカーと(商品開発などで)お付き合いさせて頂いているが、さらにさまざまなメーカーへも提案を強化して魅力ある商品を作り、テレビとECとを合わせて販売していきたい」

――リアルマックスの子会社化にあたって株式取得割合を51%にした理由は。

遠藤「将来的に100%を取得することは考えているが、互いがまだ初めてということもあって(51%取得にとどめ)まずはそこから始めることにした。青松社長と我々で合意した上で今後については決めていきたい」

――両社でのシナジーはどのあたりに出てくるか。

遠藤「両社の顧客に対してCRMを強化していく。まずは『アトミックゴルフ』の会員に当社のゴルフ用品通販カタログを配布してアプローチしたい。

モノを販売する以外でも例えばレッスンプロと行くゴルフツアーやレッスンイベントを企画したりなどし、LTVを上げていくことも考えられる。

バックヤードの効率化も考えていきたい。当社では注文を受けてからお客さまの手元に商品を届けるまで時間が少しかかる。一方、リアルマックスでは受注後、即日発送し、翌日には届けられる物流体制を構築している。そうした物流を活用することでバックヤードを効率化できるし、配送コストに関してもスケールメリットで抑えられるのではないかと思っている」

青松「当社は年間361日とほぼ毎日、(出店する)仮想モールの場合は午後2時まで、自社サイトの場合は午後3時までの注文分を関東・中部・関西近辺であれば翌日までにお届するスピード配送を行っている。こうした配送サービスはテレビ通販と非常にシナジーが出てくると思う」

リアルマックスの配送スピードの速さはテレビ通販とのシナジーが期待される(画像は「テレ東アトミックゴルフ」から編集部がキャプチャ)

――ゴルフ用品の売り上げの目標は。

青松「当社の売上高は9月末の直近決算で33億円となっているが今後、5年で倍の70億円をめざしている」

遠藤「当社のゴルフ用品売上高は現状、年間で10億円くらいの規模だ。これを倍増させていきたい。顧客のLTVを上げていく施策によって両社の売り上げが上がっていくのではないか」

――EC事業会社の買収は今後もあるか。

遠藤「具体的にどこというのはないが考えたい。やはり、テレビショッピングの一本足ではなかなか会社の成長は望めない。ECも含めてどういうビジネスをめざしていくかが重要だ。

今後、リアルマックスと一緒に新たなECをやっていくという手段もある。いずれにせよ、EC事業を伸ばしていきたいという意識は強くある

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