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ウェブ解析士マスターの小坂@札幌 です。
札幌は今年は例年より早く雪が溶けました。
GWは観光客も多くなるでしょうし、桜も開花します。
前回は競合調査 の話を書きましたが、今回も競合調査・市場調査のお話です。
まもなく、GWで旅行される方も多いだろうということで、旅行サイトを取り上げました。
利用したデータは2019年3月です。
今回もVALUES社のeMark+を用いますが、有料版の機能を多く利用しています。
(eMark+はサンプリング調査ですので、実際のアクセス状況と数字は異なります。ですが、サイト間の相対的な比較はできるという前提で利用します。)
まずどのサイトを取り上げるかを考えるために、サイトランキングの機能を使います。
(サイトランキングはPCサイトのデータのみであれば無料で使えます)
(図1 絞り込む画面)
ここで旅行・交通に絞り込んでデータ(PC及びスマフォ)を見ました。
(図2 3月の数字)
このようにカテゴリ単位でユーザー数が多いウェブサイトを並べることができます。上記は3月の数字です。
今回は特徴的なところを狙おうと考えました。
(図3 1月の数字)
1月はこのようになります。
利用者層に特徴がありそうな2サイト、トリップアドバイザーと一休を分析します。
トリップアドバイザー www.tripadvisor.jp
一休 www.ikyu.com
まず最初に調査したのが流入元です。
(図4)
ここで大きな違いが出ました。
それは検索での流入です。
おそらく、検索で探すユーザーが多いトリップアドバイザーと、指名で訪れる人が多い一休の違いではないかと思います。
次に属性などを見ていきます。
(図5)性別・年代
大きな差はありませんが、一休の方がやや女性が多く、年代も高いことがわかります。
ここは概ねサイト特性からの想定通りと感じる人が多いのではないでしょうか?
(図6)結婚
未婚・既婚のデータと子供の有無です。
一休の方が年代の影響もあり、やや既婚ユーザーが多いことがわかります。
(図7)収入
年齢の差もあり、一休の方がやや収入が多い層が多いようです。
ユーザー層にやや違いがあるものの、同じ旅行サイトということで大きな違いはありませんが、ユーザーはかぶっているのでしょうか?
併用状況を見ていきます。
スマートフォンのみの併用状況です。
(図8)併用状況(スマフォのみ)
意外なことにほとんどかぶっていないことがわかります。
(図9)併用状況詳細
さらに詳しく見ます。
一休利用者の3割がトリップアドバイザーを利用しているが、その逆は1割という結果がでました。
ユーザー層ではやや年齢が一休が上という違いでしたが、両方のサイトを併用して検討する人は少ないようです。
ここで疑問が出ました。
そもそも複数のサイトを見るのは手間でもあるので、一つのサイトで確認する人が多いのではということです。
実際、私はホテルや旅館を探す際、Googleで検索する場合もありますが、ポータルを使う場合は一つしか使いません。
(図10)じゃらんと楽天トラベルも追加して比較する。
そこで2つの大手サイトを追加し検証しました。
そうすると、1サイトのみしか利用しないユーザーが過半数いる一方で、複数サイトを利用する人も一定数いることがわかります。
(図11)トリップアドバイザーの併用状況
ま
ずトリップアドバイザー利用者の併用状況です。
トリップアドバイザーのみという利用者もいますが、6割強がじゃらんを併用していることがわかります。
(図12)一休の併用状況
次に一休利用者の併用状況です。
一休も過半数がじゃらんを、5割近くが楽天トラベルを併用しています。
参考までにじゃらんと楽天トラベルも併用状況を見ました。
(図13)じゃらんの併用状況
(図14)楽天トラベルの併用状況
大手だけあり、じゃらんと楽天トラベルは単独利用が半数近くと多いですが、それでも半数以上は併用していることがわかります。
このように見ると、一休とトリップアドバイザーはユーザーからの見え方として、かなり離れていることがわかります。
ユーザーの目的の違いは他の指標にも出ています。
(図15)平均PV
こちらはユーザーあたりのページビュー数の推移です。
一目瞭然ですね。
検索での流入がトリップアドバイザーが多いという傾向を先に述べましたが、検索から入り内容を見てまた検索エンジンに戻るユーザーが多いことが推測されます。
それに対して指名で来るユーザーが多い一休はサイト内でじっくり探す人が多いです。
この違いは大きな特徴であり強みです。
幅広い検索ニーズに対応してユーザーの期待に応えるのか、特定の層に信頼を得てじっくり見てもらうのか。
これは様々なウェブサイトでどちらがいいのか考える必要があります。
このように他のサイトを見ることで、強み弱み分析などとも合わせて自社の戦略を考えることができます。
その助けになるのがeMark+などの視聴率調査ツールになります。
【まとめ】
今回行ったこと
1.調査した業界のランキングを把握する。そこで規模や実ビジネスの実感などももとに対象を選ぶ
2.属性の違いを見る
3.併用状況を見る
4.サイトの利用のされ方を見る
5.考察を行い、計画や施策に反映する
この手順で行うことで、実効性の高い計画や施策検討が行えます。
特に自社でやったことがあること以外の検討をする際にはこのようなステップが大切です。
ヴァリューズ社 https://www.valuesccg.com
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