お金を使って広告を出すのは、企業サイトの特権だ。本気でアクセス向上を目指すならば、広告出稿は外せない。基本的な広告の考え方から、ネットに強い代理店の選び方、広告業界の専門用語の理解まで、アクセス向上のための広告の基本を一気に紹介する。
51出稿先はまずはヤフーで考えよう
本気でアクセス向上を目指すには広告出稿が外せないといっても、膨大な広告手法の中から、商材の特性やターゲットの属性、広告内容や実現したい広告効果によって最適な手法を選ぶのは難しい。ではどうすればいいのだろうか? 誤解を恐れずに言えば、まずはヤフーなどの有力ポータルへの広告出稿を検討するヤフーに広告を出すのが正解だ。すでに太い導線として存在するヤフーは、ネット広告を考えたときに最初の候補となるだろう。
52相性の良い広告代理店を見つけよう
インターネット広告を出稿する場合、基本的にはインターネット広告を扱う広告代理店に連絡をとることになるだろう。直接メディアサイトに申し込むのもアリだが、効果的な広告素材の作成や適切な媒体の選択を考えると代理店の力を借りるのが現実的だろう。
一般的に知られている大手総合広告代理店以外で、代表的なネット系広告代理店を次に示す。
オプト | http://www.opt.ne.jp/ |
---|---|
サイバーエージェント | http://www.cyberagent.co.jp/ |
セプテーニ | http://www.septeni.co.jp/ |
アイレップ | http://www.irep.co.jp/ |
53インターネット広告の基礎を理解しよう
インターネット広告とは、基本的にすでに多くの人が見ているサイトに画像やテキストによる広告を表示して、その広告をクリックしてもらうことで自社サイトにユーザーを誘導する仕組みだ。さまざまな用語があるので、正しく理解しておこう。
インターネット広告推進協議会による
ウェブ広告の推奨フォーマット
中カテゴリー | サイズ | 容量 |
---|---|---|
スモールバナー | 224×33 | 10KB |
レギュラーバナー | 468×60 | 20KB |
ラージバナー | 728×90 | 30KB |
スモールバッジ | 120×60 | 10KB |
レギュラーバッジ | 120×90 | 15KB |
ラージバッジ | 12a5×125 | 20KB |
スモールレクタングル | 200×200 | 30KB |
レギュラーレクタングル | 300×250 | 40KB |
ラージレクタングル | 336×280 | 50KB |
レギュラースカイスクレーパー | 120×600 | 30KB |
ワイドスカイスクレーパー | 160×600 | 40KB |
ラージスカイスクレーパー | 148×800 | 50KB |
計測・指標
CTR | クリックスルー率。インプレッション数に対するクリック数の比率 |
---|---|
インプレッション | サイトを見ている人の画面に広告が表示された回数 |
フリークエンシー | 接触回数。ユーザーがどれだけ繰り返し同じ広告を見たか |
ページビュー | (PV)サイトを見ている人の画面にページが表示された回数 |
ユニークユーザー | (UU、ユニークブラウザ)何人のユーザーがページを見たか |
広告タイプ
アドネットワーク | ネットワークに属する複数のサイトで広告を表示する仕組み |
---|---|
タイアップ広告 | 編集記事のような形でページを作る広告 |
バナー広告 | 画像や動画で表示する広告(大きさの名前については表を参照) |
テキスト広告 | 文字だけで表示される広告 |
ローテーション | 1つの広告枠が表示されるたびに違う広告を表示する仕組み |
契約形態など
CPC | 1クリックあたりの広告費、クリック単価 |
---|---|
CPM | 1000インプレッションあたりの単価 |
インプレッション保証型 | 決められた回数表示されるまで広告が掲載される契約形態 |
期間保証型 | 一定期間だけ広告が掲載される契約形態 |
クリック保証型 | 一定回数クリックされるまで広告が掲載される契約形態 |
成果報酬型 | 広告経由でユーザーが行った資料請求や商品の購入などの回数や金額に応じて広告料金を支払う契約形態 |
54広告戦略はネットにこだわらずに
ウェブサイトの集客ではついついオンラインでの集客に目がいきがちだ。しかし、集客プランを考えるあなたがネット人間になってしまってはいけない。世の中には、常にネットで検索できる状態にあるユーザーのほうが少ないのだから、今までと同様にオフラインでのマーケティング手法にも目を向けるべきだ。マスメディアはもちろん、駅看板、中吊り広告、折り込みチラシ、イベントでのチラシ配布など、さまざまな手法が存在する。
QRコードを使って携帯電話で訪問してもらう場合、さまざまな工夫が可能だ。カップラーメンのふたの裏に印刷しておけば食べる際に必ず見てもらえるし、QRコードを印刷したコースターを喫茶店で使ってもらえば、手持ちぶさたの客がアクセスしてくれる可能性も高くなる。人々が日常どんな行動をしているかを考えて工夫してみよう。
※この記事は、『Web担当者 現場のノウハウVol.4』 掲載の記事です。
コメント
ちょっと、これが記事?金銭のやりとりがあ...
「出稿先はまずはヤフーで考えよう」こうまであからさまな、記事って、お金もらってんじゃないの?というように見えます。まずはYahooなど、広告代理店の思考停止状態がもろ見えじゃないですか
ご意見ありがとうございます。少し修正しま...
編集部の安田です。ご意見ありがとうございます。
まず断言しておきます。この記事は編集記事ですので、ヤフーさんその他から金銭をいただいての広告記事ではございません。
そして、
> まずはYahooなど、広告代理店の思考停止状態がもろ見えじゃないですか
のご指摘ですが、ご意見はごもっともで、広告というものをちゃんと理解している人にとっては「なんじゃそりゃ」と思われるのも当然だと思います。広告出稿を考える場合はメディアの特性や読者層を考慮して広告効果を検討するのは当然です。
しかし、この記事(特集全体)の目的は、あくまでもオンラインでのアクセス向上の基礎をひととおり紹介することにあります。これまでマス広告や交通広告、折り込みなどの出稿をした経験のない人が、オンラインでの広告展開を検討する際の入り口として、「まずヤフーを検討する」のは、記事内にもあるように「誤解を恐れずに言えば」、1つの手法としてアリではないかと思います。
「まずヤフー」というのは、あくまでも、宣伝にかかわる業務に携わった経験のない人に対しての入り口の提示だととらえてください。「まずヤフーとかじゃなく、もうちょっとちゃんと検討したい」向きには、その次の項目でお勧めしているように、広告代理店に相談すれば「適切な媒体の選択」を助けてもらえます。
とはいえ、ご指摘があったように、元の記述(「まずヤフーに出稿する」)は極端な表現ですので、本文を「まずヤフーなどの有料ポータルへの出稿を検討する」のように修正いたしました。
「オンライン出稿の経験がない人にとっての入り口」という意味での内容だったのですが、「自分ならこう勧める」といったご意見などありましたら、ぜひコメント投稿などの形でお教えいただけると、他の読者の方にも良い情報となります。いかがでしょうか。
意図は了解です。
本質的には自分の商品のマーケティング的価値(ターゲットが誰で、高級路線なのか・低価格路線なのか、競合との差別化ポイントは何か、さらに現実的に言えば予算の多寡)で、媒体は決まってくるものです。逆にそういう説明をした上で、きっちりとメディア選択してくる代理店とお付き合いをされるべきではないでしょうか?
ということで
まず、入り口は
1.最低限の知識は代理店と話す前に理解する努力をする。自分でね。こういう
努力もしない人は、広告を出しても意味がない。評価軸がないということですか
ら。クリックの内容も確認せずに、多い少ないだけで代理店に文句言う人
いるでしょ?
そういう意味では「最低限この本は読むべし。」でもいいはず。
次に
2.「まずはyahooやりましょ」という代理店とは付き合わないこと。代理店もピン
キリです。
こんな感じでしょうか。