#79～#82　「GIGAZINE」中の人が語る月間700万人集める秘訣

おもしろいと思うことを楽しんでやる
フツーを地道に積み重ねると特別になる

「GIGAZINE」中の人が語る月間700万人集める秘訣

常にはてなブックマークで人気エントリー入りしているニュースサイト「GIGAZINE（ギガジン）」。月間1948万PV／729万ユーザーを集めた秘訣は？ GIGAZINEを運営する株式会社OSA代表取締役の山崎恵人氏に聞いた。

山崎 恵人（GIGAZINE管理人）氏

学生時代にGIGAZINEを開始し、出版社やウェブメディアを経て現在に至る。

GIGAZINE

編集部　どういうコンテンツが人気？

GIGAZINE　なんでも扱うニュースサイトなんですが、コンテンツは大きく分けると2種類。お菓子やゲームのような、普通の人向け記事と、ネットのコアユーザーが興味を持つサービスや技術の記事です。読者もネット超初心者と上級者の両端が多く、女性比率も多いです。

はてなブックマークや他のブログで注目されるのは後者の上級なとんがった記事ですが、実はPVを集めているのは前者の記事です。ブログも書かないようなサイレントマジョリティの関心を集める普通の記事がやはり人気ですね。コアユーザーもやはり人ですから、とんがった記事に興味を持ってGIGAZINEに来て、ついでに普通の記事を見ていくという流れもありますし。

編集部　アクセス数が伸び始めたのはいつ頃ですか？

GIGAZINE　開始当初の2000年4月はいわゆる「個人ニュースサイト」でしたが、当時は平日に3記事ずつアップしていて月間30万PVぐらいでした。それが2006年の4月にブログ形式に変えてすぐにアクセスが急増しました。

編集部　アクセス数が増えた理由は？

GIGAZINE　以前は各記事のページではその記事の情報しか表示されていなかったのですが、今の形式にして、サイドバーに最新記事の見出しや過去記事へのリンクを表示できるようになったことが大きいのでしょうか。記事を読んだあとに他の記事も目に入るようになりましたから。

また、RSS経由での訪問数がすごく増えています。RSSのおかげで、記事を更新したとたんにアクセス数が増えるようにもなりました。

編集部　記事には必ず写真や画像が入ってますよね。

GIGAZINE　以前のサイトは文字だけだったのですが、今はトップページなどの記事一覧でも写真などが必ず表示されるようにしています。画像がないと寂しいので入れているのですが、女性などには評判が良いみたいですね。

写真などは自分で撮影することもありますし、商用利用可の素材サイトから拾うこともあります。記事によっては、本文を書く時間よりも画像を探す時間のほうが長いこともあります。

編集部　市販の素材集は使わない？

GIGAZINE　ネットで探すほうが直接的なキーワードで検索できて便利ですよね。素材集だと「人」とか「食べ物」とかの一般的な分類しかありませんし。それに、素材集は買ったものしか使えませんが、ネット上にある素材は日々増えていますから。

編集部　記事タイトルが特徴的ですね。

GIGAZINE　実はシステムの制限で30文字強までしかタイトルに入れられないんです。結果として、内容がわかる範囲で文字数制限に合わせると、東スポみたいですが「お、なんだろう」と思ってもらえるタイトルになっています。それに、長いタイトルの記事はPVが増えないんですよね。

編集部　心がけていることは？

GIGAZINE　ユーザーは他のニュースサイトも見ているはずなので、一般のニュースで出るような内容は扱いません。4人いるスタッフのそれぞれが「おもしろい」「良い」と思った情報を出しています。実際、自分たちが知りたいこと、便利だと思うことを追いかけているだけなんですよね。

アクセス向上に関しては、1訪問者＝1人の個人だということを忘れないようにして、1つ1つの施策を地道にやることですね。普通のことをちゃんと積み重ねると特別になるんですよ。アクセス向上の特効薬が欲しいならお金を出して大々的に広告を出せばいいですが、うちはお金がないので地道にやってます（笑）。

※この記事は、『Web担当者 現場のノウハウVol.4』 掲載の記事です。

※社名、所属部署、利用サービス、価格など、この記事内に記載の内容は、取材当時または記事初出当時（2007年1月）のものです。