アイディエーションは、「大阪・関西万博」に関する調査結果を発表した。全国20代~60代の男女来場者440人が回答している。
大阪・関西万博(2025年日本国際博覧会)は、「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマのもと、2025年4月~10月に開催された。
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万博の来場時期では「5月」が最多、駆け込み需要の「9月」も上位
まず事前のスクリーニング調査として4407人に「大阪・関西万博に来場したか」と聞くと、「来場した」は546人で全体の12.4%。そこでここから、実際の来場者440人に対象を絞り、さまざまな質問を行った。
まず「総合満足度」については、78.0%が「良かった」(良かった+まあ良かった)と回答。「来場目的・きっかけ」では、「世界各国のパビリオンを見てみたかったから」72.5%、「会場内の建造物を実際に見たかった」71.6%、「日本開催は貴重な機会なので逃したくなかった」70.9%が上位だった。
来場目的を年代別に見ると、20代~30代の若年層では「万博限定のグッズやフードを楽しみたかったから」「デート・レジャーとしてちょうどよいと思ったから」「ライブやショーなどのエンタメ目的」「SNSで発信したり周囲に共有したりしたかったから」などのスコアが他年代より高く、“SNS映えする特別なお出かけ・エンタメ”として捉えている傾向がうかがえる。
次に「誰と一緒にいったか(来場した際の同行者)」について聞くと、「1人で来場した」は13.4%にとどまり、「配偶者(夫または妻)」42.0%、「子ども・孫」28.3%、「友人」25.5%となった。
「会期別の来場割合」では、「5月」の来場率が30.5%ともっとも高い。開催直後の「4月」は18日間のみの期間だが来場率は16.1%と高い。また閉会直前の「9月」も好評と駆け込み需要があわさって順当に伸びている。
来場後の「ポジティブイメージ」「ネガティブイメージ」を会期ごとに見ると、ポジティブイメージについては、4月・5月は「パビリオンなどの建築物や演出に圧倒された」が1位だったが、6月以降は情報が行き渡りリピーターが増えたこともあり「お祭りのようなにぎやかな雰囲気を楽しめた」が1位となった。また「家族や友人・知人と楽しい時間を過ごせた」も上位3位に多い。
一方ネガティブイメージでは、「会場が混雑していた」「パビリオンの予約が取りづらかった」「チケット代や飲食物・グッズ代が高かった」が、すべての会期で3大不満点だった。
なお「もっとも魅力的だったパビリオン」は、「日本館」13.0%が最多で、2位「NTT Pavillion」6.6%の倍近い人気を集めている。以下も7位まで国内パビリオンがランクインしたのも特徴的だ。海外パビリオンではイタリア、フランス、アメリカが人気だった。
日本館が魅力的だった点では、日本らしい雰囲気・装飾・展示内容に魅力を感じたという声が多いほか、キティちゃん、火星の石、手土産の味噌汁などに着目した意見もあがっている。
最後に、閉会した「大阪・関西万博の跡地利用」について聞くと、現在候補にあがっている計画案でもっとも評価が高かったのは「公園」71.1%が最多で、以下「アミューズメントパーク」65.0%、「アリーナ、劇場、展示場」63.9%が人気だ。逆に不人気ランキングでは「カジノ」34.1%が最多で、以下「サーキット場」20.5%、「ショッピングモール」12.5%があがっており、大阪IR構想に否定的な人たちの多さが浮き彫りとなった。
カジノについて男女別で見ると、男性は42.5%が「良いと思う+まあ良いと思う」と回答したのに対し、女性は28.2%にとどまる。さらに年代別で見ると、20代男性・30代男性では肯定派が多かった。一方、40代以上女性では約半数が「良くないと思う・あまり良くないと思う」と否定的な意見を示している。
調査概要
- 【調査対象】全国20代~60代の男女
- 【調査方法】インターネットリサーチ
- 【調査時期】2025年9月18日~22日
- 【サンプル数】スクリーニング調査:4407サンプル、本調査:440サンプル
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