株取引市場のことを考えてみよう。そこではアナリストやトレーダーが、将来の業績向上や失敗を推測している。その推測に基づき、さまざまな企業の株式に関して、「買い」や「売り」の評価を出したり、実際の売買を行なう。ファンドマネージャーや投資家は、公の情報に基づいて、どの株が上がるか下がるかを判断しようとする。それでも、最近の『Slate』誌が指摘しているように、最良のファンドマネージャーでさえ、優良銘柄の取捨選択で、長期に渡って大きな利益を上げることできないという。
検索分野も、一種の市場に向き合っていると言える。人気上昇株の取捨選択、つまりどんな検索キーワードが、日々の人気となるかを拾い上げねばならないという意味だ。だが不思議なことに、「人気検索キーワードを予測する」という話題は、この業界で議論されることは滅多になく、「キーワードを予測して拾い上げる」ことが持つ力について語る人すら、SEO業界にほとんどいないのだ。SEO業界には、インサイダー取引規制などはない。だから例えば大手テレビ局が人気番組の特番を放送することを知っていれば、検索されたときに上位に来るように、番組名を織り込んだブログ記事やWebページを作成したとしても、インサイダー取引として問題になることはない。単なる賢い検索キーワードターゲティングに過ぎないわけだ。また、これも株式市場と異なる点だが、見込み違いであっても大金を失うようなマイナス面もほとんどない。確かに、ちょっとしたコンテンツをまとめるのに使った30分が無駄になるかもしれない。でもそれで現金を失う訳ではないし、今回思った成果が出なかったとしても、将来役に立つかもしれない。
手練のWebサイト運営者として、あるいは経験豊かな検索マーケッターとして、検索キーワードの視点から自分の専門分野(もちろんあらゆる分野)の傾向を予測できるなら、あなたはとてつもない成功を収め得る立場に立っている。あるテーマについて、真っ先に優れたコンテンツを投入するということは、多くの場合あなたのリソースが、後に続くコンテンツから「情報源」として参照されることを意味する。つまり、最初にちゃんとした内容を提供するだけで、トップの地位が維持できるということに他ならない。
どんな事柄についてページやサイトを作れば良いのか、定番の例をいくつか示そう。
- テレビの新番組
- 新作の書籍や映画
- 分野を問わず、人気上昇中のアーティスト
- 時事ネタ
- 関心を集めている場所(特に小さな街やランドマークなど)
- 歴史的な資料や出来事
- 新技術や新製品
誰か最近検索キーワード予測市場で、何かやってみた人はいるかな。何か大きな成果は出たかな。どうか遠慮することなく、資料、実例、成功例などのリンクを提供してほしい。
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