動画配信ユーザー3割超「複数加入して使い分け」、まだ伸びるアマプラ・ネトフリ【インプレス総研調べ】
インプレス総合研究所は、新産業調査レポート「動画配信ビジネス調査報告書2022」を発表した。動画配信市場の最新状況、48の国内の動画配信サービスを紹介するとともに、2.1万人を対象とした有料・無料サービス利用率調査を実施し、その結果を分析している。本記事ではいくつかのトピックを抜粋して紹介する。
動画配信の市場規模、前年から3割近く増加し5千億円間近に
まず、2022年5月時点の「有料動画配信サービスの利用率」(3か月以内の利用をカウント)は、2021年調査から3.3ポイント増の28.9%だった。3か月以前の利用も含めると利用経験者は36.3%にまで達している。
「ふだんよく視聴する映像・動画の種類」では、コロナ禍の落ち着きなどもあり全サービスが軒並み前年より下がったが、特にTV番組が落ち込んでいる。「リアルタイムのTV番組」66.9%、「録画したTV番組」52.3%が、「動画共有サービス」45.2%を大きく上回っており、まだまだ動画の中心ではあるが、徐々に差を詰められている形だ。
「よく視聴する映像・動画のうちもっとも好きなもの」を聞くと、「リアルタイムのTV番組」「録画したTV番組」「動画共有サービス」がトップ3。性年代別では、男性10代~30代、女性10代~20代は「動画共有サービス」が高い。女性20代では「有料の動画配信サービス」20.8%も突出している。
「地上波放送のネット配信」に向けられる期待
2022年4月から「TVer」にて地上波放送の同時配信・追っかけ再生の提供が始まった。また以前から行われている見逃し配信を利用するユーザーも多い。こうした「地上波放送のネット配信」への期待(利用意向)を聞くと、「同時配信に期待している・利用したい」16.7%、「追っかけ再生に期待している・利用したい」13.5%、「見逃し配信に期待している・利用したい」31.7%だった。同時配信、追っかけ再生、見逃し配信のいずれかの意向をもつユーザーは、複数回答での重複を削除しても合計45.3%にまで達している。
また無料の動画配信サービス・動画共有サービスをよく視聴する利用者に対して「利用している無料サービス」を聞いても、「YouTube」94.5%で断トツだが、「TVer」が2021年調査から7.0ポイント増加しており、LINEやTwitterに並ぶ存在となっている。
一方、有料の動画配信サービス利用者を対象に、「利用している有料サービス」を聞くと、「Amazonプライム・ビデオ」72.4%、「Netflix」23.7%、「Hulu」8.9%が上位だった。とくに「Amazonプライム・ビデオ」「Netflix」は前年からまだ数字を伸ばしている。その他で数字が伸長しているのは、U-NEXT、ディズニープラス、YouTube Premiumだ。
「この1年間の間に利用した動画配信サービス数」を聞いても、「1サービス」が66.8%で最多だが、残る33.2%は、複数サービスを利用していることとなる。ユーザーとしては「Amazonプライム・ビデオ」はほぼマストで“2つ目どこに加入する?”という発想になりつつあるようだ。
調査概要:映像・動画全体の視聴状況、有料動画配信サービスの利用率
- 【調査対象】NTTコム リサーチの保有する消費者モニター
- 【調査手法】ウェブアンケート
- 【調査期間】2022年5月6日~12日
- 【有効回答数】21,010回答
調査概要:動画配信サービス利用者の利用状況
- 【調査対象】上記の利用率調査で「3か月以内に有料動画配信サービスを利用している」「無料動画配信サービスをよく視聴する」「動画共有サービスをよく視聴する」と回答した者
- 【調査手法】ウェブアンケート
- 【調査期間】2022年5月6日~12日
- 【有効回答数】1,913人(有料動画配信サービス利用者1,322回答、無料動画配信サービスをよく視聴する利用者945回答、動画共有サービスをよく視聴する利用者1,246回答)
ソーシャルもやってます!