スマホでのコンテンツ視聴、サイトによっては広告データの転送量が半分以上に。平均でも4割【角川アスキー総研調べ】

ブラウザによって広告表示量およびWeb表示速度にかなりの違い、iPhone最速は「Brave」。

KADOKAWAグループの角川アスキー総合研究所は、「スマホでのコンテンツ視聴に占める広告の比率調査」および「ブラウザアプリによるWeb表示速度の調査」の結果を発表した。

Webをスマホ(iPhone)で利用した際、データ転送量のうち広告データがどの程度の比率を占めているのか、ブラウザアプリによって広告表示量およびWeb表示速度は異なるのかを、主要15サイトを対象に調査している。

コンテンツ視聴に占める広告量、サイトによっては転送データの過半数に

主要15サイト(Yahoo! JAPAN、goo、livedoor for スマートフォン、Twitter、Amazon、楽天市場、日本経済新聞 電子版、NHK、日本気象協会 tenki.jp、ウェザーニュース、クックパッド、食べログ、Wikipedia、価格.com、YouTube)についてiPhoneを使い、「標準状態のブラウザアプリ『Safari』のみでアクセスした場合」と「広告ブロックツール(280blocker、AdGuard Pro)をインストールし同時使用してアクセスした場合」で、データ転送量を測定。広告ブロックツールで除外された差分を、「広告のデータ転送量」として推計した。

今回の調査で、主要各コンテンツサイトの推定広告データ転送量の比率を単純平均すると、全体のデータ転送量に対する広告データの比率は44.1%だった。また、コンテンツサイトのジャンルによって違いがあることが明らかとなった。

主要Webサイトのデータ転送量

Yahoo! JAPAN、goo、livedoorといったポータルサイト、YouTubeでは、広告のデータ転送量が過半数を占めた。コンテンツと同じか、それ以上を占めている。一方、Amazonや楽天といったショッピングサイトは、ポータルサイトに比べると広告データ量は少なかった。スポンサー枠で商品を掲載している場合などは計測できないが、おおむねこの傾向は変わらないと考えられる。

その他、天気予報/災害情報では、いずれもデータ転送量の6割程度が広告だった。グルメ/レシピでは、レシピサイトの「クックパッド」とグルメ情報サイトの「食べログ」とで、大きく異なることも判明した。

なお転送される広告データでは、JPEGなどの画像のデータ転送量が多かった。一方、YouTube以外にも、MP4動画による広告が表示されている場合は、その比率が高かった。たとえば、Yahoo! JAPANに広告ブロック無しでアクセスした場合、全データ転送量50MB超のうち、広告と推計されるMP4動画が26.7MBを占めた(参考値)。

Yahoo! JAPANのデータ転送量

ブラウザアプリによるWeb表示速度も比較、iPhone最速は「Brave」か?

iPhoneでは「iOS 14」より、標準のWebブラウザアプリが変更可能となった。そこで今回の調査では、「Safari」「Google Chrome」「Firefox」「Brave」「Smooz」「Firefox Focus」「Opera Touch」の、主要な7つのブラウザを用いて、各サイトにアクセスし、表示速度を比較した。

主要コンテンツサイト(動画共有サイト以外)の合計表示速度

その結果、合計表示速度がもっとも短かったのは、15のWebサイトを1分05秒69で表示した「Brave」だった。以下「Firefox Focus」「Opera Touch」が続いた。これらのWebブラウザには、広告ブロック機能が標準装備されており、それが高速表示に貢献したと考えられる。

一方、動画共有サイト(YouTube)については単独で扱い、3本の動画を再生した時間を合計してみた。そのときに表示される広告にも左右されるが、「Opera Touch」「Brave」での表示速度が上位だった。

YouTubeでの複数動画の合計表示速度;

調査概要

  • 【調査対象】スマホ(iPhone)のWebブラウザでアクセスできる主要コンテンツサイト(Alexaランキングなどをもとにジャンルごとに選定)
    ・ポータルサイト:「Yahoo! JAPAN」「goo」「livedoor for スマートフォン」
    ・SNS:「Twitter」
    ・ショッピング:「Amazon」「楽天市場」
    ・ニュース/生活情報:「日本経済新聞 電子版」「NHK」
    ・天気予報/災害情報:「日本気象協会 tenki.jp」「ウェザーニュース」
    ・グルメ/レシピ:「クックパッド」「食べログ」
    ・その他:「Wikipedia」「価格.com」
    ・動画共有サイト:「YouTube」
    ※視認できる広告があるのに、その大半を広告ブロックツールで除外できないFacebookのようなサイトは、今回の調査では対象外となっている。
  • 【調査方法】※主要な15のコンテンツサイトに実際にアクセスして、「コンテンツを表示した際の全体のデータ転送量」と「広告ブロックツールで広告を非表示にした際のデータ転送量」を計測。その差を広告のデータ転送量と推計した。
    ※動画共有サイト以外の主要コンテンツサイトに対しては、「Safari」「Google Chrome」「Firefox」「Brave」「Smooz」「Firefox Focus」「Opera Touch」の、主要な7つのWebブラウザアプリで、標準状態のままアクセスし実測。
  • 【調査期間】2020年8月27日~9月1日
  • 【使用端末、回線】「iPhone 8」(NTTドコモ回線)
  • 【使用した広告ブロックツール】「280blocker」「AdGuard Pro」の2つのiPhoneアプリを同時に使用。
    ※第三者の広告が本来ないはずのNHKのサイトでも、広告ブロックツールで除外されるデータがあった。
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