野村総研調査、セカンドライフの利用実態で日米に差、日本の利用者は体験を重視

野村総合研究所は、日本と米国で実施した仮想世界「セカンドライフ」の利用実態調査の結果を11月9日発表した。米国の利用者が、仮想のアイテム創造、土地・建物所有、コミュニケーションの場として活用しているのに対し、日本のユーザーは仮想の島や建物を見ることなど、体験を重視。日米の利用実態の違いが浮き彫りになった。野村総研は、日本で企業がセカンドライフをビジネス活用するためには、より良い「経験創出」の場の提供が必要、と分析している。

調査は9月から10月にかけて実施。日本ではまず、10万人のインターネット利用者に対して、セカンドライフの利用経験を尋ねた。その結果、53.6%がセカンドライフを知っていると回答したものの、利用している(ログインしたことがある)は、2.4%に過ぎなかった。次に、この2.4%の中から1000人を無作為に抽出して利用実態について質問。「面白かった。今後も継続的に利用したい」と感じている層は27.1%にとどまった。利用率は2.4%、その中で継続利用の意向を持つのは27.1%。日本ではまだセカンドライフの定着には至っていない実情が明らかになった。

米国では、317人のセカンドライフ利用者にアンケートを行った。魅力として挙げられた上位3項目は「アバターを作って着飾れる」「他の人とテキストチャットを楽しめる」「モノ(オブジェクトやスクリプト)を作れる」で、創造、所有、コミュニケーションの場としてを活用されている傾向がみられた。

一方、日本の利用者は「企業の島や建物を見られる」「アバターを作って着飾れる」「イベントやテーマパークなどで遊べる」が多数を占め、参入企業の土地や店舗が面白いと思う理由では「役に立つ情報がある」「人が多く、にぎわっている」「楽しい仕掛けがある」が上位。日本の利用者は、体験そのものに魅力を感じ、経験価値が向上する場であることを重視する傾向にあった。

野村総研は調査結果から、利用者の絶対数が少ないという問題点がある、としたうえで、企業がセカンドライフでマーケティング効果を高めるためには、魅力ある場の構築が求められる、と指摘。日本の企業がビジネス参入するにあたっては、三次元の仮想世界の特性を活かした商品説明や、従来のウェブサイトでは実現できないような経験をユーザーに提供し、経験創出の場を作り上げていくことが課題になる、と分析している。

野村総合研究所
http://www.nri.co.jp/

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