[マーケターコラム] Half Empty? Half Full?

これが次世代式!? 新聞の新しい読み方! 紙だからこそ楽しめる知的エンターテイメントの世界へ

マーケターコラム、今回は大日本印刷株式会社の田口佳央莉さん。ウェブ解析士マスターが改めて発見した紙の新聞の長所やおもしろさを伝えます。
大日本印刷株式会社 田口佳央莉氏

みなさま、お久しぶりです。田口佳央莉です。

前回はWebの話をしましたが、今回は“紙”のお話をしようと思います。デジタル社会に生きるWeb担当者やマーケターにこそ知ってほしい、紙の新聞の良さです。

みなさん、「今日のニュース」ってどれぐらいあるか知っていますか? 政治、経済、国際、地域社会、スポーツ、エンタメなど、さまざまなカテゴリがありますが、AI(ChatGPT)に聞いてみたところ、主要ニュースだけで数十件から100件程度とのことです。

「一日のニュースってどれくらいありますか?」という質問に対しての、ChatGPTの回答画面

デジタルやマーケティングに携わる方であれば、主要ニュースや株価のほかにも、専門ニュースサイトで業務に関連するニュースを見なければなりません。毎朝ニュースのチェックだけでもかなりの時間を割くことになってしまいます。そんな忙しいあなたに、世の中の動きを知って、自分の世界を広げる楽しさをお伝えしたいと思います。

「救いの紙」で、モーニングルーティンに脳トレ時間を取り入れよう

「神」じゃなくて「紙」です。最近、上司に「田口はもっとボキャブラリーを増やすといいよ」と言われ、歴史とスポーツに強い「読売新聞」を購読してみることにしました。

読んでみてびっくり! 朝刊1日分だけで見開き32ページもあるんです(日によって異なります)! 思えば新聞を読むのは就活のとき以来。記憶もうっすらでしたので、改めてその量に驚きです。

目にとまっただけでも、国内外の政治関連の記事が30件以上、スポーツやオリンピックの記事が30~40件と、仕事で話題に上りうるこの量の情報を毎日見逃していたことに危機感を覚えました。

朝刊に掲載されていたスポーツ記事の一部。検索して探しにいかないと知ることのできない最新情報ばかり(2024年8月8日朝刊より)

毎日のニュースは、テレビのニュース番組の「ながら聞き」に頼っていましたが、番組を最初から最後までずっと見ていられるわけではありません。近年ではコメンテーターの解説の割合が多い印象があります。ありがたいことですが、出来事や情報に関しては自分の意見も持っておきたいところですし、ニュースアプリだと興味のあるカテゴリに偏って読んでしまいます。

そこで役に立つのが、新聞です。「でも新聞ってむずかしい」「知らない言葉も多くて、読み通すのが大変」。そんなあなたに、お助けツールである生成AIの便利な使い方を紹介します。

AIの解説で、知識を深めよう

たとえば投資に関してのこんな記事。

「株乱高下 AI高速取引が助長か」という記事の写真(「読売新聞」2024年8月8日朝刊、2ページ)

株情報に触れる機会が少ない方は、「AI? 高速取引? 助長?」とわからない言葉で詰まってしまいますね。そんなとき新聞記事の該当箇所の写真を撮ってAIに聞いてみましょう! 私はChatGPTを使い、「重要なポイントを教えてください」と聞いてみました。結果がこちら!

「株乱高下 AI高速取引が助長か」という記事の写真をChatGPTにアップロードして、重要なポイントを聞いてみた回答結果画面

どうやらAIを活用した高速取引によって、機関投資家の動きが変わってきているようですね。ChatGPTは画像内の文字も分析してくれますので、「要約」「まとめて」「理由を教えて」と聞いてみるのも良いでしょう。

さて、「ボラティリティ」とは何でしょう?

正解は「価格変動」のこと。このニュースで初めて知った人はきっと検索するはず!。私はウェブ解析士! どれぐらいこの単語は注目を集めているのか、すかさずGoogleトレンドに投げてみます。

「ボラティリティ」「Volatility」「価格変動」「高速取引」の過去1年間の人気度(Googleトレンド)

すると! 8月4日から「価格変動」「高速取引」といった関連ワードよりも多く検索されており、「ボラティリティインデックス」についても注目が集まっているようです。こういった急上昇ワードを発掘できるのは、ウェブ解析士にとっては朗報ですね!さっそく社内で報告しなければ!

このようにして、AIを使って関連知識を深めることで、より幅広く楽しいものになりました。スマホサイトのニュース記事ですと、スクロール回数が多くて画面が長くなり、記事全体の写真を撮って検索するということがなかなかできません。これはアナログの紙だからこそできるAI活用術かと思います。

新聞社の特徴が表れているオリジナルコーナーが楽しい

私が最近読んでいる「読売新聞」には、小説や特集といったオリジナルのコーナーがありました。毎日が楽しみになりますね。紙面の写真は割愛します。気になる方はぜひ購読してみてください。

人生案内

恋愛や結婚、仕事、人間関係、心の悩みなど、読者から寄せられる幅広いテーマについて、心理学者、作家、教育者、医師など、さまざまな分野の専門家が回答します。共感できるものも多く、人生の教訓、安心感を得られるコーナーでした。

医療ルネサンス

臓器提供や難病の実例、家族の悩みなど、医療や健康に関する難解な話題が、人間味あふれる視点で、一般の読者にも理解しやすく語られています。

編集手帳

毎日のニュースや時事問題をテーマに、筆者の洞察が語られています。ニュースに対する表現の工夫や、鋭い洞察力が勉強になります。

きょうのひと皿

日々の料理のヒントになるレシピが掲載されており、人気のコーナーだそうです。季節の野菜を使った料理が家庭で手軽に作れるレシピで、美味しく仕上げるプロのコツを学ぶことができます。2024年8月8日は「豚ヒレの香味揚げ」(カロリーは362kcal)で、作ってみたくなりました。

故事成語大百科

古くから伝わる中国や日本の故事や成語を紹介し、その背景や教訓を解説するコーナーです。みんな大好きポケモンでわかりやすく解説してくれています。ゴローンが可愛かったのでここだけ引用としてお写真を載せておきます。

石で歯を磨けるかもしれません。ゴローンならね(「読売新聞」2024年8月9日朝刊)

読み終わった新聞が便利グッズに変身! 使い道は意外と多かった

新聞の良さ! まだまだ続きがあります!

読み終わった新聞紙は、古紙として資源回収に出すだけでなく、さまざまな活躍シーンがあります。新聞紙に使われている紙は、水分を多く吸うので乾燥剤や掃除に大活躍だそうです。

  • 冷蔵庫でのお寿司の保存、冷蔵品の保管
  • 窓ふき
  • 雨でびしょびしょになった靴の乾燥や虫よけ(梅雨でも1日で乾くとか)
  • DIYで塗装するときの養生
  • ペット飼育用の中敷き、シーツ
  • 家の中のさまざまな掃除

おわりに

今やWebサイトやアプリで新聞に掲載されているニュースを読むこともできますが、PCもスマートフォンの画面は新聞紙に比べると小さいので、毎日の情報収集には苦戦されている方もいらっしゃると思います。

自分が日々接触している情報に偏りを感じているあなた。モーニングルーティンをもっと充実させたいあなた。一緒に知識のエンターテイメントの旅をしませんか? 「こんな読み方もあるよ」「この新聞やこのコーナーがおもしろい」「一緒に新聞の新しい読み方を模索していきたい!」という方は、ぜひFacebook(田口佳央莉)で教えてください。

パリオリンピック、万博、世界的祭典、大切な日の新聞を思い出として保存するのもよし、年末年始の行事、お正月には初売りセールのチラシや箱根駅伝の情報をじっくり読むのもよし、新聞で日々の楽しさを一緒に広げていきましょう!

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