SNS運用の質問教室

10~20代前半にアプローチしたいのに、SNSでの反応がイマイチ。どうすればいいですか?

社内SNS担当者さんのよくある悩み(質問)にお答えしていく本連載。今回の悩みは「10~20代前半にアプローチしたいのに、SNSでの反応がイマイチ。どうすればいいですか?」です。

こんにちは。Webコンサルティングの森和吉です。

SNSを始めてみたものの、「思ったような反応がとれない」と悩む方が多いようです。いろんな原因が考えられますが、その1つとして「SNSの使い方がターゲットの年齢層とマッチしていない」ことが考えられます。

そこで今回は、10~20代前半の方々にアプローチする場合に心がけたほうが良い点をお伝えしたいと思います。

そもそもSNSの使い方は、各世代でまったく違うことを認識しよう

質問代読者

森先生、「飲食店をやっています。10~20代前半のお客様にアプローチしたいのに、SNSを活用しても反応がとれません。どうすればいいですか?」という質問が届きました。

森先生

わかりました。集客のためにSNSを使っているのに、思うように集客できないということですよね。ターゲットがどんなふうにSNSを使っているかを知れば解決できそうです。さっそく見ていきましょう。

突然ですが、みなさんはどこか食事に行く際、どんな媒体でお店を探しますか?

森調べによると、じつは検索方法は「年代によって明確な差がある」ことがわかっています。たとえば現在の50~60代以降は、ぐるなびや食べログなどのいわゆる「グルメサイト」から検索する方が多いようですが、30~40代になると、GoogleマップやSNSといった検索が増えてきます。

ところが20代は、ほとんどこういったグルメサイトやGoogle検索を使用しません。その代わりにXやInstagramといったSNSを見て行くお店を検索し、その後補完的にGoogleマップを活用して最終的に決定するようです。この流れは10代も同じで、TikTokやInstagramから情報を得ることが中心になっています。私のような50代からすると、同じスマートフォンを持っているのに年代によって使用方法がまったく違うことに驚かされます。

質問者さんのお悩みである「10~20代前半のお客様にアプローチできていない」原因の1つは、「10~20代が見るようなSNS動線に情報がおかれていない」ことだと考えられます。

10~20代はレビューを読まない!?

使用方法に関連して、もう少しZ世代のSNS使用法をお伝えしておきましょう。じつは、この世代は、「文字情報をあまり読まない」という特徴ももっています。

たとえば40代以降には、Googleマップなどに投稿されたレビュー内容の良し悪しが影響を与えます。ところが20代以下はそもそも内容をきちんと読みません。レビューは「数」で見るのだといいます。

しかし、これは文章が嫌いで読まない、ということではなく、どうやら「レビュー内容を信用しない」というスタンスのようです。「書き込んだ人の感想はそうだけど、その情報が必ずしも正しいとは限らない」と感じているのです。それよりも、TikTokやInstagramなどで流れてくる動画を見て、「いいな」「行ってみたい」という判断をするのです。これも世代間で大きな違いがあると感じています。

洗練されたビジュアルを提示し、「動くもの」で目を引こう

すでに動画による集客は欠かせないものとなっていますが、まず間違いなく今後も集客には「動画」が必要になってくるでしょう。

飲食店はもちろん、BtoC向けの商品をもっている企業は、TikTokやInstagramに注力していくことが重要だと考えられます。といっても、ただ動画をつくるだけではお客様にアプローチはできません。大切なことは2つあります。

ビジュアルにこだわり抜く

1つは、「ビジュアルにこだわり抜くこと」。通販などのeコマース系を思い浮かべるとわかりやすいと思いますが、やはり商品やサービスの魅力をしっかり伝えられるクリエイティブをつくることがとても重要です。

とくに今の10~20代、デジタルネイティブ世代は、膨大な情報にさらされてきたこともあって「いいな」と思うセンスに優れていると思います。だからこそ、中途半端なクリエイティブは避けた方が賢明です。

単なる文字情報やバナーは流さない

そしてもう1つは、「単なる文字情報やバナーは流さないこと」。たとえば、お店のイベント告知に文字情報を入れる際には、その中に動く絵文字など、必ず「動くもの」を入れるようにしてください。でないと、10~20代は残念ながら見向きもしません。「動画世代」なので静止画情報の優先順位が自然と低いのです。

スクロールする親指を止めてまで見たい、感覚的に優れた広告アプローチを

「動画の重要性はわかったけれど、自社でやるのは大変そうだな」「TikTokを始めるのは敷居が高い」そんな風に感じられる方も多いと思います。そんな方に朗報です。じつは10~20代は、Instagramの短時間動画「ストーリーズ」を見て商品を購入することが多いことがわかっています(森調べ)。一説では、日本はストーリーズ大国と呼ばれ、ユーザーの約7割がストーリーズを見るそうです。

TikTokのようにそこまで作りこまなくても、Instagramのストーリーズであれば、気軽にスタートしやすいのではないでしょうか。実際私のお客様にも「Instagramで流す動画をまずはつくってみましょう」とアドバイスしています。

ただし、Instagramのストーリーズは、アカウントをフォローしていないユーザーには見ることができないという特性があり、企業側としてはまずユーザーに「フォローしてもらう」必要があります(この施策はいずれまたお話していきたいと思います)。

なお、フォロー外の方にストーリーズを届ける方法として「広告」があります。企業やお店であれば、ストーリーズ広告を作成して展開していくのもよいでしょう。

森先生からのアドバイス

各世代によって、使用するSNSも、さらにいえばSNS内で見る「場所」もまったく異なります。まずはこのことを意識して、「届けたいユーザー」に御社の魅力や特長がわかるような戦略を立てていきましょう!

◇◇◇

SNS運用担当者の疑問や悩みを募集しています。応募したい方は以下からお願いします。

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

アドフラウド
広告詐欺のこと。 主にインターネット広告におけるものを指す場合が多い。 ...→用語集へ

連載/特集コーナーから探す

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]