【レポート】デジタルマーケターズサミット2023 Summer

GA4の代表的な分析アプローチ3種 解析のプロ“小川卓氏”が伝授

いまいちGA4を使いこなせていない人必見。HAPPY ANALYTICS代表取締役の小川氏が3つの分析のアプローチ方法を紹介。

多くの企業で、GA4への移行が完了し、本格的に活用しようというタイミングが来ている。GA4を見るとさまざまな数字が出てくるが、それを「ふーん」と見ただけでは活用したとは言えない。

株式会社HAPPY ANALYTICS代表取締役の小川 卓 氏は、「GA4を活用するとは、サイト改善につながる気づきを見つけること」だと言う。「デジタルマーケターズサミット 2023 Summer」では、具体的にどう使ってサイト改善の気づきを発見すればいいのか、GA4活用の実践方法を紹介した。

株式会社HAPPY ANALYTICS 代表取締役 小川 卓氏

Web担当者が知っておくべき3つのアプローチ

「GA4を活用した分析・改善手順には、大きく分けて3つのアプローチがある」と小川氏は言う。

  • 仮説検証型アプローチ
  • 健康診断型アプローチ
  • 施策振り返り型アプローチ

今回のセッションでは、一つひとつのアプローチ方法を具体的なレポートを交えて、語ってもらった。

仮説検証型アプローチ

「仮説検証型アプローチ」は、アクセスデータなどから気づきを得て改善する場合に役立ち、以下のように進めていく。

  • サイトの何を可視化したいのか決める
  • それに合ったレポートを見つけて確認する
  • セグメントで内訳を確認して差分を見つける

この時、やってはいけないのは、GA4のレポートをいきなり見ることだ。何を見ればいいかよくわからないまま上から一個ずつ見てもあまり意味はなく、特に「探索」という新しい形式のレポートは空白の画面が出てきて、どうすればいいかまったくわからないだろう。画面を見る前に、何を見たいのかきちんと言語化することが重要で、そのために小川氏がよく使っているのが「3Kシート」というものだ。

  • 仮説: 気になって確認したいこと
  • 検証: ツールで行うべき分析内容
  • 改善: どう施策に生かせそうか

この3つを、リストアップして表を埋める。

仮説に基づき3Kシートを埋める

まず、「なんとなくそうだと思うが、実際どうなのだろうか」という内容を仮説に入れる。それを確かめるにはどの数値を見ればいいのかを検証の項目として入れる。そして、確認できたらどう改善するのか、ざっくりでいいのであらかじめ決めておく。

気になったことのリストを出す方法として、小川氏は以下のような方法を紹介した。

  • 誰かにサイトを使ってもらって気づきをメモする
  • ユーザーのステージを分けて(初回、検討、購入済みなど)、閲覧や流入の違いを見る
  • ユーザーにアンケートやヒアリングを行う

これらの仮説をGA4で検証するために利用する、主なレポートは以下の表の通りだ。

GA4で検証に利用する主なレポート

GA4では「レポート」と「探索」という2種類のレポート群がある。探索とは、複数の軸を掛け合わせて表示するレポートで、分析には基本的に探索を使う。8つすべての例を紹介する。

1. 特定ページからの移動先

特定ページからの移動先

起点となるページを選び、遷移をツリーグラフで表示する。サイト運営者側が意図した動きが行われているかを確認することで改善ポイントを見つける。

2. 特定ページへの送客貢献

特定ページへの送客貢献

逆に、CVのひとつ前、いわゆるアシストを決めたのがどのページかを見ることができる。貢献につながったページの内容を確認し、該当ページへの流入を増やす事などを検討する。

3. 特定ページの評価

特定ページの評価

ページタイトルやURL(ページ ロケーション)を指定し、いくつかの指標を入れてページの閲覧度合いを確認する。中でもエンゲージメント率はGA4の新機能で、従来の直帰率に代わる指標。滞在時間や次のページへの移動した際などにエンゲージメントが発生し、率が高いほど相対的にユーザーに価値があったページとなる。

4. ランディングページの評価

ランディングページの評価

CVと紐づけ可能なので、どのページから入ってもらうことが成果につながるのかがわかりやすくなる。

5. サイト全体の動き

サイト全体の動き

サイト内に特定ページの閲覧や、アクションの実施などいくつかチェックポイントを設定して、通過率を見る。最終的なCVに至るまでの間の、どこで離脱したケースが多いかなどがわかる。

6. 集客数の変化

集客数の変化

流入元ごとの集客と成果への貢献でランキングして、効率が良い集客元を見つけるまたキャンペーンなどを行った際の効果測定にも活用。

7. コンバージョンごとの値

コンバージョン

イベントをコンバージョンとして設定し各コンバージョンの達成数を確認する。改善のために流入元やデバイス カテゴリなどと掛け合わせる。
設定方法はこちら

8. コンバージョン(EC)

コンバージョン(EC)

ECサイトの場合は、サイト側の実装が必要。ただし、多くのカートASPはGA4に対応しているので、ASPの設定画面のみで計測が可能。

GA4のレポートは新しい用語が多いし、そもそも詳しくない人もいる。他の人にわかりやすく伝えるために、レポートでは数字や表をただ見せるだけでなく、吹き出しで気づいたポイントを入れることも重要だ。

気づきを言語化する癖を身につけよう

健康診断型アプローチ

人の健康診断は、毎回決まった項目を継続してチェックすることで、早期に問題や問題に至りそうな変化に気づくために受診する。同様に、GA4はWebサイトの健康診断として、時系列で決まった項目を見続け、変化を見つけるのが大事だ。これも探索レポートを使い、表にしておくと後で加工しやすい。

  • 時系列で決まった項目をチェックし続けて変化を見つける
  • 探索レポートでデータを作っておく
  • 定期的に確認し、変化があった場合は掛け合わせで原因を特定

9. 時系列レポート 

時系列レポート

簡単な例として、まず日付単位のレポートを作る。日付という項目を選んで、ユーザー数、新規とリピート、滞在時間、エンゲージメント率、コンバージョンなど、見たい項目を入れる。複数の指標を入れておくことで、何か変化があった時に、全ての指標に影響があるのか、一部にしか影響がないのかを確認する。例えばセッションが増えてもコンバージョンが増えないといったケースなどはよく見かけます。

施策振り返りアプローチ

実行した施策の結果を振り返り、気づきを得て改善に生かすための使い方が、施策振り返りアプローチ。たとえば、以下のようなケースだ。

  • 【施策】トップページのレイアウト変更を行い、ニュースに移動しやすくなったはず
  • 【見るべきレポート】探索機能の「経路データ探索」を利用して期間比較を行う
  • 【得られた気づき】データを見てコメントを追加する

この場合、実施前後のデータを比較して順位の変動などが無いかを確認する(経路データ探索では期間比較が使えないため、それぞれの期間のデータを出して見比べる必要がある)。

経路データ探索で施策振り返り

期間だけでなく、後述するセグメント機能を利用すれば、デバイスごとや、新規とリピーターの比較なども、実施できる。

セグメントは、特定の条件でデータを絞り込んでレポートを見るための機能で、探索レポートでのみ利用可能。たとえば、新規とリピーターを比較したいなら「first_visit」というイベントが発生したセッションを抽出したセグメントが新規で、「first_visit」を除外したセグメントがリピーターとなる。

新規を抽出する方法

「特定のCVを達成した」や「3回以上CVした」なども、パラメータを追加すると設定できる。流入元で分類する場合の例を以下に挙げる。

流入元の絞り込み

GA4では、もうひとつ「オーディエンス機能」という新機能がある。特定の条件を満たしたユーザー群を作成するものなので、考え方はセグメントと同じだが、ユーザー単位のみとなる。「このページを見た後、このページを見た」のように条件を指定し、該当条件を満たした場合にオーディエンスとして登録される。またこのオーディエンスに対してイベント名を設定することも可能です。

イベント名に設定するとCVとしても登録が可能になります。つまり、購入などの明確なCVがない場合でも、特定のユーザー行動をCVとして計測が可能ということだ。Google 広告でも、オーでイエンスを広告の配信ターゲットとして指定できる。

オーディエンス機能

最後に小川氏は、GA4で押さえておきたいポイントを以下の3点にまとめて、セッションを締めくくった。

  1. 数値を伝えるだけでは活用と言えず、「気づき」を発見し文章化することが活用
  2. 仮説検証・健康診断・施策検証の3つのアプローチで活用する
  3. セグメントやオーディエンスを定義して、内訳を見ながら変化の原因特定や改善に活用する

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