【アプリ・ゲーム業界特化】LINE広告で成果を出す! 運用の勝ちパターン15選
ニュースメディア、レシピサイト、動画サービス、金融サービスなど、以前はブラウザー向けに提供されていたWebサービスの多くが、スマートフォンの普及に伴い、次々にモバイルアプリへと移行している。
サービス事業者が新たにモバイル向けのアプリ・ゲームをリリースする際に課題となるのが、「競争が激化する中で、ユーザーにいかにリーチしてアプリをダウンロードしてもらえるか」だ。その解決策となるのが「LINE広告」である。
LINEは、日本国内の月間アクティブユーザー数(MAU)が8,900万人(※2021年9月末時点)を誇り、他のSNSではリーチできないユーザーにもLINE広告であればリーチできる。
本連載「業界別・LINE広告の成功Tips教えます」では、LINE広告で成果を上げるための運用のコツを、業界別に詳しく掘り下げていく。今回は「アプリ・ゲーム業界」をターゲットに、LINEで広告事業を担当する小林裕太氏と川原田美雪氏のお二人に聞いた。
■広告運用 編
- キャンペーンは「アプリのインストール」を設定する
- 広告の遷移先は、直接アプリストアに設定しよう
- 「類似配信」や「オーディエンス配信(リターゲティング配信)」は活用シーンが限られる
- 配信対象は広めに設定しよう
- 静止画配信なら、課金方式は「クリック課金」を選ぶ
- 「LINE広告ネットワーク」を活用する
- 「動画リワード広告」フォーマットもオススメ
■クリエイティブ 編
- 大事なのは「視認性」を高めること
- クリエイティブは、複数フォーマットで最低4~5種類用意する
- ゲーム内容の紹介ではなく「自分ゴト化」を意識
- クリエイティブフォーマットは「動画」と「カルーセル」に挑戦しよう
- 続きが気になるコマが必須
- クリエイティブは1枚に漫画1コマ
- 「有名タイトル」と「無料」は積極的に訴求
- 広告からアプリのダウンロード画面に進むことを明確に伝える
広告運用編 アプリ・ゲームの広告を効果的に配信するには?
Tips ① キャンペーンは「アプリのインストール」を設定する
LINE広告は、配信前に管理画面から「キャンペーン(広告配信の目的、掲載期間、上限予算など)」を設定する。キャンペーンには、目的に応じたさまざまな種類があるが、アプリやゲームの広告ならば、アプリのダウンロード数を増やすことを目的とした「アプリのインストール」がある。
アプリ・ゲーム業界向けのキャンペーンとしては、他にも「アプリのエンゲージメント」がある。こちらは、すでにアプリをダウンロードしているユーザーや休眠ユーザーに、再度アプリを開いてもらうようプッシュするための広告だ。目的に応じて使い分けよう。
Tips ② 広告の遷移先は、直接アプリストアに設定しよう
LINE広告はLINEのアプリ内やLINEのファミリーサービスに配信されるため、広告の表示サイズが小さく、盛り込める情報量が少ない。そのため、アプリ・ゲーム以外の業界では、広告からサービスについて詳しく説明するランディングページ(LP)を経由させることで成功するケースが多い。しかし、アプリ・ゲーム業界だけは、「LPを経由させずにアプリストアに直接遷移させる方が、効果が高い」と川原田氏は説明する。
その理由は、モバイルアプリの多くは無料でダウンロードできることにある。ユーザーはアプリを試しに利用してから、継続利用を判断するケースが多い。LPを挟むことで、離脱が発生しかねないのだ。
事例 ゲームアプリ
遷移先をアプリストアに変更し、2週間で50件以上のダウンロードを獲得
あるゲームアプリでは、ゲーム内容を詳しく紹介するLPを経由してアプリストアに誘導する形で広告配信をスタートさせた。しかし、1週間たっても1件もダウンロードが発生しなかったという。
配信停止も検討していたが、遷移先をアプリストアに変更したところ、2週間で50件以上のダウンロードを獲得した。
Tips ③ 「類似配信」や「オーディエンス配信(リターゲティング配信)」は活用シーンが限られる
他業界向けのLINE広告運用Tipsでは、LINE広告の「類似配信」をオススメすることが多い。
- 類似配信:企業が保有する電話番号やメールアドレスなどのオーディエンスデータやLINE Tagで取得したコンバージョンデータ(商品を購入した、資料をダウンロードしたなど)に類似するLINEユーザーを見つけ出し、広告を配信する機能
しかし、アプリ・ゲームの広告では「類似配信」が活用しづらい。以前はiOSにおいて、どのユーザーが広告からアプリをダウンロードしたか、個人を特定しない形でも計測できていた。それが2020年9月にリリースされたiOS14からは、どのユーザーがダウンロードしたかのデータを取得するには、オプトイン(ユーザーの事前承認)が必須となったからだ。
同様の理由で、Webサイトへの訪問履歴を基に再度同じユーザーに広告を配信する「オーディエンス配信」も活用が制限される。アプリ・ゲームの広告ではTips ②の通り、詳しい製品紹介ページを用意してもほとんど読まれないため、オーディエンス配信を活用できるほどのオーディエンス(配信対象)データが獲得しにくいのだ。
例外として、すでにWebサイト向けのサービスで大勢のユーザーを獲得しており、それらのユーザーをアプリに移行させたい場合には、オーディエンス配信も有効です。実際に、ある女性向けメディアのアプリでは、新規ユーザー獲得の効果が鈍化してきたタイミングで、既存Webメディアの潤沢なユーザーをターゲットにオーディエンス配信を行い、アプリのダウンロード数を加速させました(小林氏)
他にも、マンガやアニメが原作のゲームの場合なら、原作サイトの閲覧履歴を使ったオーディエンス配信の活用も可能だ。
Tips ④ 配信対象は広めに設定しよう
アプリ・ゲームの広告では、年齢、性別、地域などの「みなし属性」を設定して配信する「LINEターゲティング配信(※1)」を行おう。配信対象は想定するターゲットよりも広めに設定することをオススメしたい。
その理由が、LINE広告の機械学習だ。LINE広告はコンバージョンを40件以上獲得すると機械学習が安定し、自動的に効果が高いと思われるユーザーに広告が配信される。そのため、最初からターゲットを絞り込むとコンバージョンにつながりづらく、学習に時間がかかってしまうのだ。はじめは広めにターゲティングを設定し、学習のためのコンバージョンデータを蓄積していこう。若者向けと思われがちなゲームを好む高齢者もいる。
アプリに関しては、配信対象を広く設定して損をすることはまずありません。明確にターゲットが決まっているなら、性別くらいは絞って構いませんが、年齢まで必要以上に絞る必要はありません(川原田氏)
(※1)これらのオーディエンスデータはLINEファミリーサービスにおいて、LINEユーザーが登録した性別、年代、エリア情報とそれらのユーザーの⾏動履歴(スタンプ購⼊履歴、LINE公式アカウントの友だち登録履歴など)、 LINE内コンテンツの閲覧傾向やLINE内の広告接触情報をもとに分類した「みなし属性」および、実購買の発⽣した購買場所を「購買経験」として個⼈を特定しない形で参考としているもの(「みなし属性」には携帯キャリア・OSは含まない)。「みなし属性」とは、ユーザーが「LINE」上で購⼊・使⽤したスタンプや興味のあるコンテンツのほか、どのようなLINE公式アカウントと友だちになっているかといった傾向をもとに分析 (電話番号、メールアドレス、アドレス帳、トーク内容等の機微情報は含まない)したもの。なお、属性情報の推定は統計的に実施され、特定の個⼈の識別は⾏っていない。また、特定の個⼈を識別可能な情報の 第三者(広告主等)の提供は実施していない。
Tips ⑤ 静止画配信なら、課金方式は「クリック課金」を選ぶ
ターゲットを絞り込まずに広告を配信すると、サービスに興味・関心のないユーザーにも広告が配信されてしまい、費用がかさむのではないかという懸念を持つ方も多い。しかし、LINE広告の課金方式には2種類ある。
- 広告が表示されるごとに課金される「インプレッション課金」
- 広告がクリックされるごとに課金される「クリック課金」
「クリック課金」を選べば広告をクリックしたユーザーにのみ課金が発生する。 上記の懸念を持つ方は、まずは 「クリック課金」を選択しよう。
Tips ⑥ 「LINE広告ネットワーク」を活用する
LINE広告は、大きく2つの配信面がある。
- LINE広告:LINEアプリ内およびLINEのファミリーサービスの配信面
- LINE広告ネットワーク:LINEと提携しているアプリ内の配信面
アプリ・ゲームの広告を配信する場合、このLINE広告ネットワークを積極的に活用しよう。
アプリ・ゲームは10〜20代の若い世代によりダウンロードされる傾向にあります。LINE広告ネットワークの提携アプリ利用者は若いユーザーが多いため、配信効果の向上に期待できます。
また、LINE広告ネットワークは、通常のLINE広告よりも安価に広告を出すことができます。クリック2つでコンバージョンとなるアプリ・ゲームの広告では、どれだけ広い配信面に安く配信できるかが重要なので、LINE広告ネットワークとの相性が非常に良いと思います(川原田氏)
LINE広告ネットワークでは通常のアドネットワークと同様、「どのアプリに広告を配信する」という設定はできないが、「このアプリに配信しない」という除外設定は可能だ。LINE広告で利用するクリエイティブはそのまま配信でき、LINE広告ネットワーク用に作り直す手間も不要なため、気軽にチャレンジしてみよう。
Tips ⑦ 「動画リワード広告」フォーマットもオススメ
LINE広告ネットワークを活用するなら、「動画リワード広告」にもぜひチャレンジしたい。
動画リワード広告とは、ユーザーに対してアプリ内で利用できるインセンティブ付与と引き換えに、フルスクリーンでの完全視聴を促す収益性の高い動画広告フォーマットだ。例えば、アプリで漫画を閲覧している際などに目にする、「動画を見たら続きが読める」という広告を連想すると分かりやすい。
クリエイティブ編 検証・改善し続けることが大切
Tips ① 大事なのは「視認性」を高めること
LINE広告の配信枠は小さいため、静止画内のテキストは少なくして視認性を高めよう。動画の場合は、ユーザーが音声を視聴できる環境にいない可能性も考慮して、テキストで補足するといい。
Tips ② クリエイティブは、複数フォーマットで最低4~5種類用意する
LINE広告において効果を大きく左右するクリエイティブは、複数の画像や異なるクリエイティブフォーマット(カードやカルーセルなど)、さまざまな切り口のタイトル(広告の見出し)やディスクリプション(説明文)などを組み合わせて作り分けよう。ユーザーの反応にどのような違いがあるか検証し、改善を続けることが大切だ。効率的な広告運用を行うためには、1つの広告グループに4~5種類のクリエイティブを用意して、配信効果を見極めてほしい。
クリエイティブの作り分けは、タイトル変更だけでも効果が見込める。配信効果がなかったものは取り下げ、タイトルのみ変えるなどして運用しよう。
事例 ゲームアプリ
“2週間に一度必ずクリエイティブを入れ替える”ルールで、目標CPIを達成
とあるパズルゲームアプリでは、LINE社のアドバイスを受け、キャンペーンで「アプリのインストール」を設定し、LINEターゲティング配信を実施。アプリストアに直接遷移させていた。
その際に、運用ルールとして「2週間に一度、効果が低いクリエイティブは削除して、新しいクリエイティブと入れ替える」ことを徹底した結果、目標としていたCPI(1インストールあたりの獲得単価)を達成し、その後も維持できているという。
収益との兼ね合いを考えると、アプリ・ゲームの目標CPIは約800~1000円程度に設定されることがほとんどです。例えばCPIが高騰すると設定した予算をすぐに使い切り、広告が配信できなくなります。単価が上がり始めてから対策を打つのではなく、配信効果を定期的に検証し続けてクリエイティブの“勝ちパターン”を見つけましょう(小林氏)
事例 女性向けメディアアプリ
もともと静止画のみだった広告を動画に変更し、大幅にCTRが向上
ある女性向けメディアアプリでは、もともと静止画クリエイティブを中心に運用していたが、検証のために動画を用いた。結果、静止画のCTR(クリック率)が約1~2%だったのに対し、動画のCTRは3~4%と高い数値を記録し、最終的にCPIも抑制できたという。
クリエイティブはさまざまなフォーマットを試した方が良いです。特に動画は、静止画に比べて訴求できる情報量が多く、配信枠も大きいため、ユーザーの目を引きやすいです(川原田氏)
ゲームアプリのクリエイティブ編
Tips ③ ゲーム内容の紹介ではなく「自分ゴト化」を意識
LINE広告のクリエイティブで効果が高いのは、ユーザーがより“自分ゴト化”できる表現だ。
「こういうゲームです」「こういう特徴があります」という説明より、「あなたならどちらを選ぶ?」「自分だけの◯◯を作ろう」など、ゲームをプレイしている姿をイメージさせたほうが、反応が良い傾向にある。
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Tips ④ クリエイティブフォーマットは「動画」と「カルーセル」に挑戦しよう
ゲームアプリの広告では「動画」のほか、スワイプして複数のクリエイティブを順番に見せられる「カルーセル」を活用すると配信効果が見込める。
広告配信編で説明した通り、アプリ・ゲームでは直接アプリストアに遷移させたほうが、離脱が少なくなる。動画やカルーセルは訴求できる幅が広いため、ゲームの世界観を伝えやすい。カルーセルの場合は1枚ごとに訴求内容を変えて、段階的にユーザーのダウンロードへのモチベーションが高まるように意識しよう。
1つ注意したいのは、LINE広告の動画フォーマットでは「クリック課金」が選択できず、自動的に「インプレッション課金」となる。そのため、静止画と動画を1つの広告グループで配信する場合には、「インプレッション課金」に設定する必要がある。
漫画アプリのクリエイティブ編
Tips ⑤ 続きが気になるコマが必須
漫画アプリの広告では、ゲームアプリと同じく、「カルーセル」と「動画」の効果が高い。
そこで大事なのは、冒頭の1枚と最終部分には必ず、続きが気になるコマを選定することだ。キリが良かったり、オチがついたりしたところで広告を終わらせるのではなく、カルーセルならば1枚目と最終枚、動画ならばファーストビューとラストビューで工夫しよう。
Tips ⑥ クリエイティブは1枚に漫画1コマ
小さい配信枠では、複数のコマを配置すると一気に視認性が低くなってしまう。1枚の画面には複数のコマを入れず、なるべく1枚に1コマずつ配置しよう。ユーザーの目を引くために、人物の表情が分かるクリエイティブが効果的だ。
Tips ⑦ 「有名タイトル」と「無料」は積極的に訴求
作品がドラマ化、アニメ化されるタイミングに合わせて、出版社側が期間限定で無料配信などのキャンペーンを行う場合がある。有名な作品のタイトル名や「全巻無料」などの文言は積極的に訴求してダウンロードを促そう。
ニュースやライフスタイルアプリのクリエイティブ編
Tips ⑧ 広告からアプリのダウンロード画面に進むことを明確に伝える
ゲームや漫画アプリの広告を目にした時、ユーザーは「アプリのダウンロードを促される」と理解できるが、情報やノウハウを提供するニュースアプリやライフスタイルアプリなどの場合、タップ後の展開を予想できないケースもある。
その場合、いきなりアプリストアに遷移させると、多くのユーザーの離脱を招いてしまう。「これはダウンロードして使うアプリの広告だ」とユーザーに認識してもらえるようにクリエイティブを工夫しよう。
クリエイティブで効果がある訴求は業界によって異なるため、本連載「業界別・LINE広告の成功Tips教えます」の各業界編も参考にしてほしい。
LINEはMAU8,900万人という圧倒的なリーチ数を誇る。国内のモバイルユーザーの多くがLINEを利用しているという事実から見ても、リーチできるユーザーを増やしたいならLINE広告を利用しない手はないだろう。今回のTipsを参考に、ぜひチャレンジしてみてほしい。
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