キャリアアップに大事なのは「自分の北極星」 5年後のキャリアイメージなんてザックリでいいのよ!/【漫画】デジマはつらいよ2・第2話
前回のあらすじ!
大手化粧品会社のECディレクター・北原ユミは、自分をもっと成長させるために、そのまま社内で実績を積むべきか、転職して厳しい環境に身を置くべきか悩んでいた。そんなある日、ユミは、京極虎の営む「BARデジマ」で、伝説のWebマーケター三立瞳に出会った。
第1話・第2話のまとめコラム:自己の成長をどうデザインするか?(中澤伸也)
こんにちは、「デジマはつらいよ」原案者の中澤です。
1月からいよいよシーズン2がスタートしました! これもいつも購読してくださっている読者の皆様のおかげです、ありがとうございます。
「デジマはつらいよ シーズン1」では、マーケターが身につけておくべき本質的なスキルセット(ベーススキル)について、漫画を通してお伝えしました。「スキルセット」についてはWeb担のセミナーでも講演し、以下の記事にまとまっています。
シーズン2でも「トレンドに左右されない本質的に役に立つことを伝える」というスタンスは変えませんが、より幅広いテーマについて扱っていきます。
記念すべき第1回(第1話+第2話)は、あの伝説のマーケティング漫画「Webマーケッター瞳」とコラボし、マーケターのキャリアについて考えてみました。
コネクティング・ザ・ドッツと北極星
今回のお話における重要なキーワードは、「コネクティング・ザ・ドッツ」と「北極星」の2つです。漫画では誌面上の制約から、(瞳と虎が)詳細には語らなかった部分もあるので、ここで少し補足的な説明をします。
「コネクティング・ザ・ドッツ」とは「点と点をつなげる」です。マンガでも紹介したスティーブ・ジョブズの「2005年スタンフォード大学卒業式辞」を抜粋・要約してみます。
- いま取り組んでいることが将来何につながるかは、あらかじめ予見できない
- 重要なのは、目の前のことに夢中になって取り組むことだ
- それらの点(取り組んだこと)は、後になって振り返れば必然的な線となってつながっていたことに気づく
- だからすべての経験は、将来何らかの形でつながると信じることだ
- 過去にとらわれず、未来を恐れず、いまを生きろ
ジョブズが何を伝えたかったのか。中澤的に解釈するとすれば、「その時々で夢中になり、のめり込んで会得したものは、結果としてあとで必ず役に立つ。だからとにかく、将来のことなど気にせず、いまを全力で生きなさい」となります。
人生においては、「いま自分がやっていることは果たして将来役に立つのだろうか? キャリアにとって意味があるのだろうか?」と悩むことも多いかと思います。
こうした悩みに対して、よくあるアドバイスとしては、「不安を打ち消すために人生計画を立てよう」「ゴールから逆算して自分のキャリアロードマップを描こう」などがあります。ただ、個人的にはあまりこの方法はオススメしません。なぜならば、「自分の可能性」そのものを狭めてしまうかもしれないからです。
ロードマップが描けるということは、ある程度可能性がある、筋道が見える範囲でゴールを設定してしまっているということです。「いまの自分」が描くゴールは、本当に自分が到達したいゴールでしょうか?
コーチングの理論では、ゴールとは「その状態に達したときに心からワクワクできるか」が重要な指針であり、可能か不可能かは考えないことが大事とされています。なぜなら、ゴールがその人の可能性の幅を決めてしまう可能性が高いからです。
自分の可能性を広げるには、できるだけ「現状の延長線上にない、一見不可能と思えるような、そして自分が心からワクワクできる」ゴールを設定すること。だとすれば、ゴールはむしろ「漠然としている」方が良いのではないでしょうか?
マンガの中では、この「漠然としたゴール」のことを瞳が「北極星」と表現しています。辿り着く方法はさっぱりわからないけど、人生において常に自分の目指すべき「一点」として、同じ位置に輝き続ける星という意味です。
常に「北極星」を心のどこかに持って、とにかくいま自分が「夢中になって取り組める」ことにのめりこむ。そうすれば、いつの間にかそれが線としてつながり(コネクティング・ザ・ドッツ)、気づけば少しずつ北極星に近づいているはずです。
「夢中になれる何か」というのは、自分が「本当にやりたいこと=北極星」と自然にリンクしているのです。
夢中になることを工夫する
とはいえ、現実では多くの場合、さまざまな制約条件から、自分があまり夢中になれない仕事もやらざるをえません。また「そもそも自分が夢中になれることがわからない」という人もいるでしょう。
夢中になれることが明確でありながら、いまの仕事とマッチしないのであれば、転職するというのも選択肢の一つではあります。ただそれには大きなリスクも伴います。
なので、ぜひ一つ試してみていただきたいのは、いまの仕事の中で「夢中になれる要素はないか?」探してみることです。「自分にとって面白くなるような、夢中になれるような工夫はできないか?」と考えてみてほしいのです。
自分の話で恐縮なのですが、高校生時代、レストランでデザートを作るアルバイトをしていたときのこと。仕事がとにかくつまらなくて仕方なかったのですが、ある時、「メニューの写真にどこまで近づけられるか」と「最短何秒でストロベリーパフェを作れるか」というチャレンジをするようになりました。それからはその達成に夢中になり、いつの間にかその仕事が大好きになっていたのです。
どのような仕事であっても、「夢中になる工夫」を行う余地というのは意外にたくさんあるものです。もちろん、それが将来何の役に立つのか?なんてことは脇に置いておきましょう。考えた瞬間に心が醒めてしまいますので。
将来のことなんて誰もわからない、いまを夢中に生きましょう
ジョブズも言っていますが、自己の成長をデザインするにおいて重要なのは、とにかくいま夢中になって真剣に取り組むこと。そしてそこから何かが会得できたと感じるまでのめり込むことです。適当に、何となくやっていたのでは、残念ながら何も得られません。
ぶっちゃけ私自身の人生も完全に「行き当たりばったり」。その時その時に「面白そう! やってみたい!」と思ったことに夢中で取り組んできただけで、戦略などまったく考えずにキャリアを歩んできました。当然ながら、25歳の頃の自分には、このようなマンガの原案を書くことになろうとは想像もできませんでした。もしその当時、人生設計図を描いてそのとおりに歩んでいたとしたら、今の自分は存在しなかったでしょう。
読者の皆様のマーケター人生に、何らかのヒントとなれば幸いです。
マーケティング支援企業のReproでCMOをやっています。Noteで定期的に情報発信をしているので、興味ある方はそちらも見てみてください。
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